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コールセンターの発注に必要なものとは?要件定義書の役割と準備内容を解説

更新日:2026.04.16

コールセンターを外部に発注したいものの、「依頼にあたって何を準備すればよいのかわからない」「委託会社にどこまで伝えればいいのか整理できていない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。こうした課題の多くは、発注前に「対応内容」「想定コール数」「KPI」などが整理されていないことが原因です。準備が不十分なまま外注してしまうと、委託会社との認識にズレが生じやすく、業務にも影響がでます。  

そこで本記事では、コールセンターの外注前に準備すべき具体的な項目と、発注時に必要となる要件定義書の役割について分かりやすく解説します。これからコールセンターの委託を検討している方や、初めて外注する方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • コールセンターの外注前に整理すべき内容
  • 要件定義書とは?含めるべき具体項目
  • 委託時に伝えるべき情報と発注時に必要なもの

コールセンターの発注に必要なものとは?

コールセンター業務を外注する際には、事前にいくつかの情報を整理しておく必要があります。準備が不十分なまま委託会社へ相談してしまうと、提案内容が会社ごとに大きく異なり、比較が難しくなることがあります。また、発注後に「想定していた成果が得られない」といった認識のズレが生じる原因にもなります。

そのため、コールセンターの外注を検討する段階で、以下のような項目を整理しておくことが重要です。

コールセンター外注前に整理しておくこと
  • 広告を出す目的
  • ターゲット像
  • 予算の目安
  • 成功条件(KPI)
  • 依頼したい業務範囲

これらの項目は、委託する業務の方向性を決めるうえで必要となる基本の情報です。事前に整理しておくことで、委託会社との認識ズレを防ぎ、提案の精度や見積もりの妥当性も判断しやすくなります。特に複数の委託会社へ相談する場合には、条件をそろえて共有することで、提案内容や見積もりを比較しやすくなります。

そして、これらの情報を体系的に整理した資料が「要件定義書」です。発注前に要件定義書を作成しておくと、発注側の要望や条件を委託会社へ正確に伝えやすくなります。次の章では、コールセンターの外注で重要な要件定義書の役割について解説します。

コールセンターの発注で重要な「要件定義書」とは?

コールセンターを発注する際に重要なのが、依頼内容を具体的に落とし込んだ要件定義書です。要件定義書とは、委託する業務の目的、業務範囲、対応方法などを整理してまとめた文書のことを指します。発注側にとっては、自社が何を求めているのかを明確にするための資料であり、受注側にとっては、どのような体制や運用で対応すべきかを判断するための基準になります。

要件定義書がないまま発注を進めると、見積もり条件が各社でばらつきやすく、比較がしにくくなります。また、契約後に「ここまでやってくれると思っていた」「それは想定外の業務なので追加費用がかかる」といった認識のズレが起こる原因にもなります。反対に、要件定義書が整理されていれば、委託先は必要な人員数や研修内容、運用フローを具体的に設計しやすくなり、より実態に合った提案を受けやすくなります。

要件定義書の役割とは?

要件定義書のもっとも大きな役割は、発注側と受注側の認識をそろえることです。コールセンター業務は、言葉で説明するとシンプルに見えても、実際には細かな判断やルールの積み重ねで成り立っています。たとえば「問い合わせ対応」と一言でいっても、商品の基本説明まで行うのか、クレームの一次対応まで任せるのか、個別判断が必要なケースは社内へエスカレーションするのかによって、運用内容は大きく変わります。

要件定義書とRFP(提案依頼書)の違い

要件定義書とRFPは似たように扱われることがありますが、役割には違いがあります。要件定義書は、自社が委託したい内容を明確に整理した文書です。何を目的とし、どの範囲の業務を、どのような条件で依頼したいのかを具体的に示すもので、いわば「自社の要求を定義する資料」といえます。

一方でRFPは、委託先候補に対して提案を依頼するための文書です。自社の課題や希望条件を伝え、それに対してどのような体制や進め方、費用感で対応できるのかを提案してもらうために使います。

RFPとの違い
項目 要件定義書 RFP(提案依頼書)
作成タイミング 発注内容を整理する段階 要件定義書をもとに提案依頼を出す段階
目的 自社が委託したい内容や必要条件を整理する
委託先候補に提案を依頼する
主な内容 目的、業務範囲、必要機能、体制、品質基準など 課題、依頼背景、要件、提案してほしい内容、提出条件など
イメージ 「何を実現したいか」を定義する文書 「それをどう実現するか提案してください」と依頼する文書

要件定義書が発注内容の土台だとすれば、RFPはその内容をもとに、複数社から提案を受けるための対外的な依頼文書です。

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コールセンターの要件定義書に含まれる内容

要件定義書には、目的や業務範囲、ターゲットなど、委託会社に伝えるべき重要な情報を記載します。これらの情報を整理しておくことで、委託会社はプロジェクトの目的や条件を理解しやすくなり、より具体的な見積もりや提案を行うことができます。

一般的には、次のような項目を整理します。

動画制作・映像制作の企画書に含まれる内容
  • 目的・ゴール
  • 業務範囲
  • ターゲット・顧客定義
  • 業務フロー・対応ルール
  • スクリプト・ナレッジ
  • 人員・体制
  • 品質基準
  • システム・環境
  • レポーティング・改善体制
  • 費用
  • スケジュール

以下では、それぞれの項目について解説します。

目的・ゴール

最初に明確にしておきたいのが、コールセンターを導入する目的とゴールです。これは要件定義全体の軸になる部分であり、ここが曖昧だと、その後の業務設計や評価基準もぶれてしまいます。たとえば、「問い合わせ対応の内製負荷を減らすこと」なのか、「顧客満足度を高めること」なのかなど、目的にによって必要なオペレーターのスキルや対応方針は大きく変わります。

ゴールもなるべく具体的に設定することが重要です。たとえば、応答率を何%以上にしたいのか、一次解決率を高めたいのか、アポイント獲得件数を月何件目指すのかといった形で、できるだけ測定可能な目標を置くと、委託先も運用設計しやすくなります。目的とゴールがはっきりしているほど、コールセンター導入の成果を正しく判断できるようになります。

業務範囲

次に整理すべきなのが、どこまでの業務を委託するのかという業務範囲です。コールセンター業務は広く、受電、架電、メール対応、チャット対応、FAQ案内、申込受付、予約受付、クレーム一次対応など、多様な内容が含まれます。ここを曖昧にしてしまうと、委託開始後に追加業務が発生しやすく、費用や運用負荷のトラブルにつながります。

受電業務であれば、単なる一次受付だけなのか、その場での回答対応まで行うのか、本人確認やシステム入力まで含めるのかを明確にする必要があります。架電業務であれば、リストへの初回接触なのか、見込み顧客の掘り起こしなのか、商談設定まで求めるのかで難易度が変わります。

ターゲット・顧客定義

コールセンターの品質は、誰に対応するのかによって大きく左右されます。そのため、ターゲットや顧客像の定義も要件定義書に含めるべき重要な項目です。

対象が法人顧客なのか一般消費者なのかで、求められる話し方や対応スピードは変わります。高齢者向けサービスであれば、ゆっくり丁寧な案内が必要になるかもしれません。ITツールの問い合わせ窓口であれば、ある程度専門用語を理解したうえでの対応が求められることもあります。

業務フロー・対応ルール

実運用で特に大切なのが、業務フローと対応ルールの整理です。コールセンターは現場で瞬時に判断が求められる場面が多いため、誰が見てもわかる形で対応手順が整っていることが重要です。

入電があったときに最初に何を確認するのか、どの質問には即答できるのか、どのケースは折り返し対応にするのか、エスカレーションは誰にどうつなぐのかといった流れを明確にしておく必要があります。ここが整理されていないと、オペレーターごとに対応がばらつき、顧客体験が不安定になります。

スクリプト・ナレッジ

コールセンターの成果を左右するのが、現場で使うスクリプトとナレッジです。スクリプトとは、電話の冒頭あいさつやヒアリング項目、案内の順番、クロージングトークなどを整理した会話の設計図です。ナレッジとは、商品情報、よくある質問、対応事例、例外処理ルールなど、対応に必要な知識の蓄積を指します

人員・体制

必要な人員や体制も、要件定義書で具体化しておきたい項目です。想定件数や稼働時間に対して、何名程度のオペレーターが必要なのか、SV(スーパーバイザー)は必要か、管理者の常駐が必要かなど、体制の考え方を整理しておくことで、見積もりの精度が上がります。

品質基準

コールセンターを委託するうえでは、「何をもって良い対応とするか」という品質基準を明確にしておく必要があります。品質基準がなければ、委託先は件数をこなすことを優先しがちになり、発注側が期待する顧客対応品質とずれてしまうことがあります。

応答率、放棄呼率、平均処理時間、一次解決率、顧客満足度、モニタリング評価など、何を重要指標にするかを定めておくと、運用管理がしやすくなります。ただし、数値だけでなく、話し方の丁寧さ、ヒアリングの深さ、ブランドに合った対応姿勢といった定性的な基準も重要です。

システム・環境

コールセンター運用では、どのシステムや環境を使うかも重要な要件になります。顧客情報の参照先、対応履歴の記録方法、電話システムの仕様、CRMやSFAとの連携の有無などによって、業務効率や対応精度は大きく変わります。

自社システムへ直接ログインして対応するのか、委託先のシステムを使うのかで、セキュリティや教育の設計が異なります。録音の有無、通話ログの確認方法、チャットやメールとの一元管理が必要かどうかも整理が必要です。個人情報の取り扱いやアクセス権限の考え方も、この段階で明らかにしておくべきでしょう。

レポーティング・改善体制

コールセンターは、立ち上げて終わりではありません。実際の運用が始まってから、問い合わせ傾向や顧客の反応を見ながら改善していくことが成果につながります。そのため、レポーティングと改善体制についても要件定義書に含めておく必要があります。

日次で件数だけを報告してほしいのか、週次で問い合わせ内容の傾向分析まで求めるのか、月次で改善提案を出してほしいのかによって、必要な管理体制は変わります。単なる報告だけでなく、FAQの更新提案、スクリプト改善、対応ルール見直しなど、どこまで能動的な改善を期待するのかも明確にしておくとよいでしょう。

費用

費用も当然重要な要件ですが、単に「安くしたい」だけでは適切な比較ができません。コールセンターの費用は、受電件数、稼働時間、必要人員、教育工数、システム利用、レポート対応など、さまざまな要素で構成されます。そのため、どこまでの対応を想定しているのかを明確にしないと、見積もりの前提条件がそろわなくなります。

スケジュール

コールセンター導入では、スケジュールも非常に重要です。特に新サービスの開始、キャンペーン実施、繁忙期対応など、立ち上げ時期が決まっている場合は、逆算して準備を進める必要があります。要件定義書では、いつまでに委託先を決めたいのか、研修期間をどのくらい確保したいのか、マニュアルやスクリプトの整備は誰がどの時点で行うのかといった工程を整理しておくと、現実的な提案を受けやすくなります。

発注時に伝えておくと制作がスムーズになる情報

以下の項目は必須ではありませんが、事前に共有しておくことで発注がスムーズになります。

発注時に伝えておくと制作がスムーズになる情報
  • 成功パターン・失敗パターン
  • 顧客のリアルな反応・温度感
  • プロダクトの“売りどころ”の優先順位
  • 社内の意思決定ルール
  • コミュニケーション方法

成功パターン・失敗パターン

自社内ですでにわかっている成功パターンや失敗パターンがあるなら、できるだけ具体的に共有しておくことをおすすめします。たとえば、「この説明の順番だと申込率が高い」「この言い回しをすると顧客が不安になりやすい」「最初に結論から話すと理解されやすい」といった現場知見は、委託先にとって非常に価値のある情報です。

顧客のリアルな反応・温度感

数字や属性だけでは見えないのが、顧客のリアルな反応や温度感です。実際の現場では、「こういう言い方だと警戒される」「この話題には関心が高い」「このタイミングで離脱しやすい」といった微妙な空気感が成果に大きく影響します。

問い合わせ時点で不安が強い顧客が多いのか、ある程度前向きな状態で接触してくるのかによって、最初のトーク設計は変わります。クレームになりやすいポイント、逆に喜ばれやすいポイント、よく出る本音なども共有しておくと、現場で使うスクリプトやナレッジの精度が高まります。

プロダクトの“売りどころ”の優先順位

商品やサービスの魅力をどの順番で伝えるべきかも、発注時に共有しておきたい情報です。多くの企業は、自社プロダクトに複数の強みを持っていますが、顧客に響くポイントは必ずしも均等ではありません。

価格の安さが第一なのか、サポートの手厚さが強みなのか、導入実績の豊富さなのか、機能性なのかによって、トークの組み立て方は変わります。委託先がこの優先順位を正しく理解していないと、伝えるべき魅力がずれ、成果につながりにくくなるおそれがあります。

社内の意思決定ルール

見落とされやすいものの、実務上とても大切なのが社内の意思決定ルールです。たとえば、スクリプト修正は誰が承認するのか、クレーム時の判断はどこまで現場で止めてよいのか、キャンペーン内容の変更はどの部署に確認すべきかといったルールが曖昧だと、運用スピードが落ちやすくなります。

コミュニケーション方法

最後に、日々のコミュニケーション方法も事前にすり合わせておくことが大切です。たとえば、日常連絡はメール中心なのか、チャットツールを使うのか、緊急時は電話連絡にするのか、週次定例を設けるのかによって、情報共有のスピードと質は変わります。

特にコールセンター運用では、FAQの更新、対応ルールの変更、トラブル共有など、細かい連携が頻繁に発生します。そのため、連絡手段だけでなく、誰と誰が、どの頻度で、何を共有するのかまで設計しておくと、運用開始後の混乱を減らせます。

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コールセンターの発注を成功させるためには、発注前に「要件定義書」という形で要望を整理しておくことが重要です。目的・ターゲット・予算・スケジュールなどを明確にすることで、委託会社とのコミュニケーションが円滑になります。必要なものを把握したうえで、自社に合った委託会社を選びましょう。

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