はじめに
今回お話を伺ったのは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)金融NEXT企画部の福永様です。
同部門では、金融向けプラットフォーム「C-NOAH」にAIコンポーネントを組み込む取り組みを進める中で、営業担当者の働き方改革という具体的な課題解決に向けて、当社への開発依頼に至りました。
プロジェクト期間1ヶ月、実質開発期間わずか2週間という短期開発の背景と成果についてお話を伺いました。
プロジェクト概要
- 発注元: 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)金融NEXT企画部
- 対象システム: WingArc1st社「Motion Board」との連携
- 開発期間:2024年9月〜10月(約1ヶ月)
- 要件定義:2日
- デザイン:1週間
- 開発・テスト:2週間
- 最終調整:5日
- 主な開発内容: AI音声による営業報告入力機能
- 技術特徴: Open AI Realtime APIによる即時レスポンス
■ プロジェクトの背景
ー 今回の開発を依頼された背景についてお聞かせください。
CTCの金融向けプラットフォーム「C-NOAH」にAIコンポーネントを作っていく取り組みを進めていたところ、
外部のリソースも活用してより多様なサービスを展開したいと考え、様々な会社とのコラボレーションの可能性を探っていました。
その中で、しっかりと実績があり、自社プロダクトの運用実績もあるカリスマAIさんに注目しました。
■ 具体的な課題
ー WingArc1st社の案件の背景について教えていただけますか。 WingArc1st社のMotion BoardというBIツールがあり、営業担当者が様々な商談の情報を入力すると、ダッシュボードに結果が反映される仕組みになっています。
お客様(金融機関の営業担当者)から聞いた話では、商談が終わって営業所に帰る際、車を運転しながら帰り、帰ってからレポートを書くという流れで、例えば3件回って営業所に戻ってレポートを作成すると、どうしても残業になってしまう。
それがストレスになっているため、「自動車での移動時間中に、音声アシスタントが対話形式で必要な報告事項を聞いてくれて、その回答から自動的にレポートが作成されるようなシステムがあったらな」という声がありました。
■ パートナー選定の決め手
ー カリスマAIを選定いただいた理由をお聞かせください。 完全に私の好みもありますが、スピード感です。 個人的な見解として、スピードも品質の一つだと考えているのですが、そのスピードを明確な
強みとして前面に押し出してくれる会社は意外と珍しいんです。
「できると思います」と言うことや、難しいことでも時間をかけてやるのはできるのでしょうが、「期限内でできることを我々の期待を超えたスピードでやり切ります」という、そのスタンスが私には非常に刺さりました。
■ 開発プロセス
ー 実際の開発はスムーズに進められましたか? 非常にスムーズでした。
逆にこちらが外出が多かったりしてレスポンスが遅くなってしまった時も、カリスマAIさんは「一旦この感じで進めます」とリードしていただき、後から確認しても特に問題なく実装を進めていただきました。
また、Slack上で「こういう段取りで進めますね」といった内部の連絡もこまめに共有していただけたことも、プロジェクト遂行上とても効果的でした。
■ CTCフォーラムでの成功
ー フォーラムでのデモ展示はどのような成果がありましたか? まずは、動くものを展示できたたことが1つの大きな成果です。
通常、お客様に画面を見せるだけでは意図や意義がなかなか伝わりにくいものです。
「これに話しかけたらこうなるんです」という、ただの画面のモックや、自分がやるわけではない動画デモでは、本当にこの通り動くのかという疑念が残ってしまいます。
ー 実機デモの効果はいかがでしたか? 完全に動く形で提供いただいていたので、そこについては議論の余地なくお客様にもしっかり訴求できました。
1か月近くで動くデモを作っていただいたということで、お客様に対して技術的にこれが可能だということをユースケースを持って示せました。
ー 具体的な反応はありましたか? お客様から音声のユースケースに限らず、「こういうのをクイックにできませんか」といった相談をいただくようになりました。
「相談してみようかな」という気持ちになっていただけるというところが、大きな効果や成果だったと思います。まだ具体的な商談には至っていませんが、確実な手応えを感じています。
■ 今後の展望
ー 今後の展開についてお考えをお聞かせください。 音声入力というテーマはまだまだ可能性があります。
今回のデモを見たお客様から「これができるならこれもできるのでは」というフィードバックをいただき、より洗練されたユースケースを追加していきたいと考えています。
その際は、ぜひまたカリスマAIさんに相談させていただきたいと思っています。
■ AI開発に取り組む企業へのメッセージ
ー 最後に、AI開発に取り組む企業へのメッセージをお願いします。
解決策が固まりきるまで相談しない人って結構多いと思うんです。
そうではなくて、とりあえずさっさと何か作ってみた方がいいというのが、私が言える一番のアドバイスです。やはり作ってみて、動いている状態を見て初めて気づくこともあります。
お客様に聞くと「ユースケースは100個あるんだよ」といったような話になりますが、そんなに考える前に相談してきてほしい。まず1個か2個作ってみて、それをみんなに見せることで次のステップが見えてくると思います。
おわりに
本プロジェクトを通じて得られた経験と知見は、私たちにとって大きな財産となりました。
短期間での開発という制約を、むしろチャンスに変えることができたのは、福永様をはじめとするCTC社の皆様の先進的な視点とご支援があってこそだと考えています。
スピーディーな開発アプローチと実機デモによる具体的な価値提示の重要性を改めて再確認しました。
今回の成功事例が、AI開発に取り組む企業の皆様にとって、有益な参考事例となれば幸いです。