IoTの具体例まとめ16選！産業分野別から身近な事例、面白い事例も【2024年最新版】

IoTとは、モノ同士がインターネットを介して情報をやりとりする技術のこと。近年、この技術は急速に進化し、多くの分野でその実例が登場しています。身近な場所からビジネスの現場まで、IoTの活用事例は増え続け、その影響は私たちの生活に深く浸透してきました。
この記事では、製造業や医療分野、農業、家庭で使われるIoTの具体的な例をピックアップ。特に、面白い事例や生活に関わる例も解説していきます。さまざまな分野でのIoTの活用を通して、魅力や可能性を把握していきましょう。

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IoTは、デバイスや機器をインターネットに接続し、情報を収集・共有する技術として、近年急速に普及してきました。家電製品から工場の機械、医療機器、農業、交通システムなど、幅広い分野でIoTの導入・活用が進んでおり、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。実際に、国内IoT市場が2027年には8兆7,461億円に達すると予測されています。この巨大な市場規模は、IoTが持つ情報収集・解析の高度な技術や、各分野で活用する可能性を示すものであり、今後もさらなる拡大が期待されています。

ここでは、製造業・物流業でのIoT活用事例3選をまとめていきます。製造業や物流業は、生産ラインの効率化や在庫管理、配送効率化などの面でIoTの導入・活用を進めています。

カンバン方式は、トヨタが効率よく自動車を作るために開発した生産方式です。自動車の製造工程で生まれる無駄をなくすために活用されています。

カンバン方式では、自動車の部品が入っている箱に、カンバンと呼ばれるカードを取り付けます。カンバンには、部品をいつ、どれくらい使用したのかなどの情報が書かれていることが特徴です。この仕組みによって、無駄な在庫を減らしつつ、少ない部品数での製造を実現しています。元々カンバンは物理的なカードでしたが、今はIoT化が進んでいて、カンバンと呼ばれるデータをIT化して活用して送るという仕組みに変わっています。※

※出典：トヨタ自動車株式会社　かんばん方式とは何ですか？　https://global.toyota/jp/kids/faq/parts/002.html

ロボネコヤマトは、ヤマト運輸とDeNAが協力して実施した、自動運転を活用した無人配達のプロジェクトです。保管ボックスを備え付けた専用の車両が、事前に決めたルートに従ってAIによって配送をしていきます。AIは配送ルートの最適化と効率化を行えるため、受取時間を10分間隔で指定することが可能です。完全な無人化なので、荷物を受け取る人は近くに来た車両から自分で荷物を取り出します。

まだ実用化はされてはいませんが、実証実験が進められている技術です。また、荷物の受け取りは、運転席ではなく助手席にスタッフが座っただけの状態で完了させています。このIoT技術を活用することで、運送業界の人手不足解消につなげることが可能です。※

※出典：ヤマトホールディングス株式会社　「ロボネコヤマト」4月24日に神奈川県藤沢市内で自動運転車による配送の実証実験を実施　https://www.yamato-hd.co.jp/news/h30/h30_08_01news.html

出典：YouTube「コマツ流つながる工場「KOM-MICS」」https://www.youtube.com/watch?v=GVCcarZgxaA

KOM-MICSは、工作機械や自動可動ロボットなど、工場で利用している設備をまとめて管理できるコマツのIoTシステムです。自社工場だけでなく、部品を提供するサプライヤーや海外法人にある設備も、稼働状況をリアルタイムで確認できます。

旋盤加工機では、切削力やプログラムなどから、稼働状況のデータを収集して分析する機能も利用可能。効率の悪い部分があれば、自動で改善プログラムを作成できます。新しいプログラムで切削効率や作業時間がどうなるのか、グラフなどで提示してくれるため、違いがわかりやすいです。

また、溶接ロボットではノズル交換も自動化できます。機械だけで交換できるので、ロボットが稼働しない無駄な時間を削減できるでしょう。※

※出典：コマツ　Kom-mics　https://www.komatsu.jp/ja/productinfo/kom-mics

ここでは、医療・ヘルスケア分野でのIoT活用事例を3つまとめていきます。医療・ヘルスケア分野もIoT技術を使った変化が起こっています。患者のケアを向上させる技術から、日常の健康管理までの革新的な取り組みまで、詳しく理解していきましょう。

サンスターの「G・U・M PLAY（ガム・プレイ）」は、ハブラシ交換をIoT技術で知らせる新たなアプローチによって、お口のなかをトータルケアできるIoTの活用事例です。いつものハブラシにその動きを認識できるアタッチメントを装着して、スマートフォンと連動して管理できます。また、IoTによる自動再注文サービスを活用しながら、在庫状況を気にせず歯みがきの時間に集中することが可能です。

アプリには90回みがくとハブラシの交換のためお知らせが届くようになっているため、使用状況に応じて必要な時期にハブラシを交換できる仕組みになっています。残り少なくなるとハブラシや液体歯みがきなどの付属品を自動的に再注文する設定を追加することも可能です。※

※出典：サンスター株式会社　歯みがきを正しく、楽しい習慣に変えるIoTテクノロジー　https://www.sunstar.com/jp/healthy-thinking/gumplay/

30分後の血糖値を予測できるコンタクトレンズは、名古屋大学が開発した、糖尿病治療のサポートが目的のIoTシステムです。普通のコンタクトレンズと同じように、目に付けるだけで血糖値を測定できます。涙に含まれる糖を計測する仕組みなので、採血が不要なことも特徴です。

血糖値は収集したデータと、AIの機械学習によって予測してくれます。そして、もし低血糖などのリスクの高い状態に達すると、アラームが鳴り知らせてくれる機能も利用可能。データの送信はコンタクトレンズから無線で行われるため、手動でデータ入力をする手間を省けます。また、発電して充電不要で使えるコンタクトレンズも開発しているため、面倒な作業をせずに使うことが可能です。※

※出典：名古屋大学工学部・大学院工学研究科　人工知能を用いた血糖値予測システムを新開発　～持続型血糖モニタリングでの低血糖値予測への応用～　https://www.engg.nagoya-u.ac.jp/

スマートベッドシステムは、ベッドに寝ている患者の情報を集約できる医療や介護の現場向けのシステムです。集めた情報をベッド脇にある端末に表示して、家族やケアスタッフなどの関係者に共有する仕組みとなっています。

近くにケアスタッフがいる場合は、通信機能を持っている体温計や血圧計などの情報を無線で送付可能です。スタッフがいないときは、ベッドの底に敷いてある体動センサーで心拍数や呼吸数などを測定します。そして、スマートベッドシステムのサーバーに集約した情報は、電子カルテサーバーやナースコールサーバーとの連携も可能です。リアルタイムの情報を登録できるため、より細かいケアに役立てられます。※

※出典：パラマウントベッド株式会社　Smart Bed System　https://www.paramount.co.jp/sbs/index.html

続いて、農業分野におけるIoT技術の活用事例を3つまとめていきます。農業分野は深刻な人手不足が社会問題となっているほか、天候などの外部環境に影響を受けやすいことも特徴ですが、そのデメリットを改善する事例もあるためぜひ参考にしてください。

Field Serverは、ベジタリアが開発した農業サポート用のIoT製品です。センサーを使って、農場の環境や作物の状態を常に監視できるシステムです。そして、農業に関する大量のデータを分析するという機能があります。センサーで集めた情報をデータと照らし合わせて、病気や虫の発生を抑えることで、結果的に収穫量を増やせることがメリットです。

使用するにはセンサーを2種類以上使いますが、温度や風向きなどをまとめて観測できる簡易気象計や葉の形をした濡れセンサーなど、多くのセンサーが使われています。センサーの組み合わせ次第で、生育測定や病虫害予察など、使い方を変更できるため、ハウス栽培や露地野菜の栽培、果樹園など、幅広い環境で活用することが可能です。※

※出典：ベジタリア株式会社　PaddyWatch　https://www.vegetalia.co.jp/our-solution/iot/fieldserver/

スマートアシストは、ヤンマーが提供している農業機械の制御をサポートできるIoTシステムです。サポートセンターが24時間体制で農業機械をモニタリングし、燃料の残量管理や診断などを行えるため、メンテナンスのタイミングやエラーの通知でトラブルを未然に防げます。位置情報もわかるため、農業機械が大幅に移動して盗難の疑いがある場合もすぐに確認するということも可能です。

また、農業機械での作業をサポートしてくれる機能も付いており、どのような作業をしたのか、農業機械がどういったルートで進めてきたのかを確認できます。作業内容の記録データは、単純な記録だけではなく、作業の見直しと改善にも活用可能です。※

※出典：ヤンマーホールディングス株式会社　SMARTASSIST　https://www.yanmar.com/jp/agri/afterservice_support/smartassist/

ZeRo.agri（ゼロアグリ）とは、IoTとAI技術を組み合わせ、潅水と施肥を自動化した農業支援のIoTシステムです。日射量と土壌水分量をリアルタイムで測定し、土壌から失われる蒸散量を推定することで、必要なだけの水分量を適切な時間に与えることを実現。スマホやPCから遠隔操作することも可能で、現場での作業時間を限りなく削減することにより、人件費の削減だけでなく、販路拡大や商品のPR活動など、ほかの業務に費やせる時間を生み出せます。

現場での長年の経験と勘に頼ることが多く、ほかの人に任せることが難しかった潅水と施肥について、データの収集と活用によるIoT技術によって農業の新時代を切り拓くスマート農業システムです。※

※出典：株式会社ルートレック・ネットワークス　AI潅水施肥システムZeRo.agri(ゼロアグリ)　https://www.zero-agri.jp/

IoT技術は、日常生活のなかにもしっかりと根付いています。家のなかを見渡せば、知らず知らずのうちにIoTを活用した製品やサービスが存在するかもしれません。以下では、家庭での身近なIoT活用事例3選をまとめていきます。

キュリオロックは、自宅の鍵をハンズフリーでの開閉やオートロックにできるIoT技術です。登録したスマートフォンが近づくと、センサーが感知して自動で鍵を開けてくれます。そのため、カバンやポケットから鍵を取り出してボタンを押す操作が必要ありません。

スマートフォンは複数登録できるため、家族全員がオートロック用の合鍵を持つという使い方も可能。また、スマートフォンだけでなく、ファミリーキーやゲストキーにも対応しています。※

※出典：Qrio株式会社　Qrio Lock（キュリオロック）- カギが自由になる生活。　https://qrio.me/smartlock/

SwitchBotは、遠隔でスイッチを入り切りができるIoTシステムです。作動すると本体からレバーが出現し、スイッチを押す仕組みとなっているため、押すタイプのスイッチであれば幅広く対応可能です。使用するためには、SwitchBot本体とハブ、スマートフォンを連携させ、スマートフォンのアプリで操作をするだけで、ハブを通して10m以上離れたSwichBotを作動できます。一般家庭でも、自宅の照明を点けるなどの用途に活用可能です。※

※出典：SWITCHBOT株式会社　SwitchBot ボット｜スイッチ ボタンに適用 指ロボット　https://www.switchbot.jp/collections/all/products/switchbot-bot

日立ぴったりセレクトシリーズは、アプリと連携して食材の賞味期限などを管理できる冷蔵庫です。食材を冷蔵庫に保存する前に、スマートフォンのカメラで撮影することで、購入日や購入してから経過した日数をアプリ内で確認できます。賞味期限または消費期限が近付いたら通知を入れるリマインダー機能もあるため、食材を無駄にするリスクを減らせるでしょう。また、冷蔵庫を何度も開け閉めせずに何が保管されているのかをアプリで確認できることもメリットです。※

※出典：株式会社 日立製作所　特長：ぴったりセレクト ： 冷蔵庫 ： 日立の家電品　https://kadenfan.hitachi.co.jp/rei/lineup/r-kx_kwk/feature01.html

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IoTの技術は、実用性だけでなく、面白さやユニークなアイディアにも応用されています。以下では、面白いIoTの活用事例4選をまとめていきます。日常のちょっとした楽しみや驚きを提供するIoT製品の事例も知っておきましょう。

MAMORIOは、小型・薄型が特徴の紛失防止タグです。Bluetoothで使用者のスマートフォンと接続し、持ち物が近くにあることを確認できます。GPSを使用していないためバッテリー消費が少なく、高寿命で経済的なことが強みです。また、使用者が自分のスマートフォンで持ち物を探すだけではなく、ほかのユーザーの位置情報を使って紛失したものを見つけだすなどの活用方法もあります。※

※出典：MAMORIO株式会社　https://mamorio.jp/

foopは、スマートフォンと連動して野菜を育てることが可能なIoT製品です。野菜の育て方は簡単で、専用の機械のなかに種をセットするだけです。あとはアプリで野菜の種類を設定すると、最適なアドバイスをしてくれます。

アプリはfoop本体と連動して使うので、スマートフォンを見れば、水位や温度などのコンディションをいつでも確認できます。育てられる野菜の種類はとても豊富で、ミニトマトやミントなど、サイズが15cm以下の野菜が対象です。※

※出典：アドトロンテクノロジー株式会社　foop - スマート菜園､はじまる。 | IoT水耕栽培機「foop」　https://foop.cestec.jp/

カリカリマシーンSPは、外出時に自宅にいる犬や猫に、自動で餌をあげられる機械です。スマートフォンからボタン1つでいつでも給餌できるほか、見守りカメラとしての機能もあるため、正面のカメラで撮影した映像をスマートフォンの画面で確認できます。スピーカーから声も出せるため、声をかけてペットを安心させる方法や、ご飯の時間に呼ぶという使い方にも応用できます。給餌マシンとしてだけ使う方法や、見守り機能と組み合わせるなどさまざまな方法に活用可能です。※

※出典：株式会社アクセスライン　カメラ付き自動給餌器カリカリマシーンSP　スマホで遠隔操作！　https://petelect.jp/lp/karikarimachinesp/

出典：YouTube「通信する乾電池MaBeee （マビー）」https://www.youtube.com/watch?v=gs6oVPBK_D4

MaBeeeは、乾電池を使用しておもちゃをコントロールできるIoT製品です。単四電池をなかに入れて、単三電池として使うことができます。

おもちゃに組み込むとスマートフォンを使って回路をコントロールでき、通常は操作できないおもちゃも遠隔でオンオフが可能です。また出力もコントロールできるため、スピードや光の強さなども調整できます。電車やラジコンなどをご自身のタイミングで操作することや、イルミネーションの演出にも活用できるでしょう。※

※出典：株式会社リンクスインターナショナル　MaBeee 　https://www.links.co.jp/item/mabeee/

IoTの活用には無限の可能性があります。それは、単にデバイスをつなぐ以上の可能性があり、社内の業務効率化や新たなサービスの創出など、さまざまなアプローチが考えられます。しかし、IoTを効果的に活用するためには、専門的な技術や知識が求められるほかIoT人材の確保が難しい状況も続いています。このような背景から、IoTの開発については専門の会社に相談した上で、外注することがおすすめです。

つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。

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IoT技術の進化と普及スピードは非常に早く、近年ではさまざまな分野で活用事例があることが確認できました。製造業から医療、家庭の身近な製品まで、IoTの足跡は広がっていることを理解できたでしょう。しかし、実際の開発や事業への活用には高度な専門知識と技術が必要です。

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