システム開発の発注に必要なものは?発注時に準備するものを解説

更新日:2026.03.13

システム開発を外部に発注したいものの、「何を準備すればよいのかわからない」「開発会社にどこまで伝えればいいのか整理できていない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。こうした課題の多くは、発注前に「システム開発の目的」「必要な機能」「予算やスケジュール」などが整理されていないことが原因です。準備が不十分なまま発注してしまうと、開発会社との認識にズレが生じやすく、システムのクオリティや成果にも影響がでます。  

そこで本記事では、システム開発を発注する前に準備しておくべき内容や発注時に必要となるRFP(提案依頼書)の役割について分かりやすく解説します。これからシステム開発を検討している方や、初めて外注する方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • システム開発の発注前に整理すべき内容
  • RFP(提案依頼書)とは?含めるべき具体項目
  • 発注時に伝えるべき情報と制作時に必要なもの

システム開発の発注前に必要なものとは?

システム開発を発注する際には、事前にいくつかの情報を整理しておく必要があります。準備が不十分なまま開発会社へ相談してしまうと、提案内容が会社ごとに大きく異なり、比較が難しくなることがあります。また、発注後に「想定していたシステムと違う」といった認識のズレが生じる原因にもなります。

そのため、システム開発を検討する段階で、以下のような項目を整理しておくことが重要です。

システム開発の発注前に整理しておくこと
  • システム開発の目的
  • 解決したい業務課題
  • 必要な機能(機能要件)
  • システムの品質条件(非機能要件)
  • 予算とスケジュールの目安
  • 運用体制

これらの情報を整理しておくことで、開発会社はプロジェクトの背景や目的を理解しやすくなり、より具体的で実現性の高い提案を行うことができます。特に複数の開発会社へ相談する場合には、条件をそろえて共有することで、提案内容や見積もりを比較しやすくなります。

そして、これらの情報を体系的に整理した資料が「RFP(提案依頼書)」です。 RFPを作成しておくことで、発注側の要望や条件を開発会社へ正確に伝えやすくなります。次の章では、システム開発の発注で重要なRFPの役割について解説します。

システム開発の発注で重要な「RFP(提案依頼書)」とは?

システム開発を外部の開発会社へ依頼する際には、発注側の要望や条件を整理して共有することが重要です。こうした情報が曖昧なまま相談を進めると、開発会社ごとに異なる前提で提案が作成されるため、提案内容や見積もりを適切に比較できなくなることがあります。

そのため、多くのシステム開発プロジェクトでは RFP(提案依頼書) を作成し、プロジェクトの背景や目的、開発条件などを整理したうえで開発会社へ提案を依頼します。ここでは、RFPの基本的な役割について解説します。

RFP(提案依頼書)の役割とは?

RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは、企業がシステム開発会社へ提案を依頼する際に作成する資料のことです。システム開発の背景や目的、解決したい業務課題、必要な機能、開発条件などを整理し、開発会社へ共有することで、プロジェクトの前提条件を明確にする役割があります。

開発会社は、このRFPをもとにシステム構成や開発方法、スケジュール、費用などを検討し、提案書や見積書を作成します。そのため、RFPに記載された内容が具体的であるほど、より実現性の高い提案を受けやすくなります。発注側にとっても自社の課題や要件を整理する機会となり、プロジェクトの成功確率を高める役割もあります。

RFPと要件定義書の違い

RFPと混同されやすい文書として「要件定義書」がありますが、この2つは作成するタイミングと目的が異なります。RFPはシステム開発会社へ提案を依頼するための文書であり、発注前の段階で作成されるものです。一方で要件定義書は、開発会社が決定した後に、システムの具体的な仕様を整理するために作成されます。

要件定義との違い
項目 RFP 要件定義
作成タイミング 発注前 開発会社決定後
作成者 発注企業 開発会社と発注企業
目的 提案依頼 システム仕様確定

つまり、RFPは「どのような提案をしてほしいか」を伝える文書であり、要件定義書は「どのようなシステムを実際に作るか」を確定する文書です。この違いを理解しておくことで、システム開発プロジェクトを適切なステップで進めることができます。

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システム開発のRFP(提案依頼書)に含まれる内容

RFPには、プロジェクトの背景や要件、提案条件など、開発会社が提案を作成するために必要な情報を記載します。これらの情報を整理しておくことで、開発会社はプロジェクトの目的や条件を理解しやすくなり、より具体的で実現性の高い提案を行うことができます。

一般的には、次のような項目を整理します。

システム開発のRFP(提案依頼書)に含まれる内容
  • プロジェクト概要
  • 業務・システム概要
  • 機能要件
  • 非機能要件
  • 開発条件
  • 提案手続き
  • 評価基準
  • 契約条件

以下では、それぞれの項目について解説します。

プロジェクト概要

プロジェクト概要では、システム開発を行う背景や目的、プロジェクトのゴールなどを整理して記載します。なぜこのシステムが必要なのか、どのような課題を解決するためのプロジェクトなのかを説明することで、開発会社は提案の方向性を理解しやすくなります。

また、プロジェクトのスケジュールや想定予算、関係部署などを記載することも多く、全体像を共有する役割を持つ重要な項目です。

業務・システム概要

業務・システム概要では、現在の業務フローや既存システムの状況を説明します。どのような業務がどのような手順で行われているのか、どの部分に課題があるのかを明確にすることで、開発会社は最適なシステム構成を検討できるようになります。

また、既存システムとの連携が必要な場合や、現在使用しているツール・データの形式なども記載しておくと、より現実的な提案を受けることが可能になります。

機能要件

機能要件では、システムに必要な具体的な機能を整理します。たとえば、データ入力機能や検索機能、レポート作成機能など、システムが実現すべき機能を明確にします。

この項目はシステムの中心となる要素であり、業務の効率化や課題解決に直結する部分です。そのため、現場の業務内容を踏まえながら、どのような機能が必要なのかを丁寧に整理することが重要になります。

非機能要件

非機能要件とは、システムの性能や安全性、運用性などに関する要件のことです。具体的には、処理速度や同時利用者数、セキュリティ対策、バックアップ方法などが該当します。

機能そのものではありませんが、システムの品質や安定性を左右する重要な要素です。特に業務システムでは、セキュリティや可用性などの非機能要件を明確にしておくことが、安定した運用につながります。

開発条件

開発条件では、開発の進め方や使用する技術、納期など、プロジェクトの前提条件を記載します。たとえば、クラウド環境を利用するかどうか、既存システムとの連携が必要か、開発期間はどの程度を想定しているかなどが含まれます。

これらの条件を明確にしておくことで、開発会社は現実的な開発計画を立てやすくなります。

提案手続き

提案手続きでは、提案書の提出方法やスケジュール、問い合わせ方法などを説明します。提案期限やプレゼンテーションの有無、質疑応答の方法などを明確にすることで、開発会社がスムーズに提案を準備できるようになります。

また、複数の企業から提案を受ける場合には、公平な評価を行うためにも提案手続きを明確にしておくことが重要です。

評価基準

評価基準では、提案内容をどのような観点で評価するのかを示します。たとえば、提案内容の妥当性、技術力、実績、費用などが評価項目になることが一般的です。

評価基準を事前に提示することで、開発会社は発注側が重視するポイントを理解しやすくなり、より適切な提案を行うことができます。

契約条件

契約条件では、契約形態や支払い条件、知的財産権の扱いなど、契約に関する基本的な条件を記載します。これにより、開発会社はプロジェクトのリスクや責任範囲を事前に理解することができます。

契約条件をあらかじめ提示しておくことで、契約段階でのトラブルを防ぎ、スムーズにプロジェクトを開始することが可能になります。

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発注時に伝えておくと開発がスムーズになる情報

以下の項目は、発注段階で必ず用意する必要はありませんが、「あるか・ないか」や「対応予定があるか」を伝えておくと、制作がよりスムーズに進みます。

発注時に伝えるべき・制作時に必要となるもの
  • 利用ユーザーや取引先の情報
  • 運用イメージ
  • セキュリティ・社内ルール
  • 成功条件(KPI)

利用ユーザーや取引先の情報

システムを利用するユーザーの種類や人数、利用シーンなどの情報は、システム設計において重要な要素です。社内の従業員だけが利用するのか、取引先や顧客も利用するのかによって、システムの設計やセキュリティ要件が大きく変わります。

また、ユーザーのITスキルや業務内容を把握しておくことで、使いやすいインターフェースや適切な機能設計につながります。

運用イメージ

システムは開発して終わりではなく、実際の業務で運用されることが前提です。そのため、誰がどのようにシステムを運用するのか、どの部署が管理するのかなど、運用イメージを共有しておくことが重要です。運用体制を事前に整理しておくことで、システム設計の段階から運用しやすい構成を検討することができます。

セキュリティ・社内ルール

企業によっては、情報セキュリティポリシーや社内システムの利用ルールが定められている場合があります。たとえば、クラウド利用の可否やアクセス制限、ログ管理などのルールです。これらのルールを事前に共有しておくことで、開発会社は企業の方針に沿ったシステム設計を行うことができます。

成功条件(KPI)

システム開発の目的を明確にするためには、成功条件やKPIを設定しておくことも重要です。たとえば、業務時間の削減率や作業効率の向上など、具体的な成果指標を定めておくことで、プロジェクトの評価基準を明確にできます。KPIが明確であれば、開発会社もその目標を達成するための提案や設計を行いやすくなります。

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システム開発を成功させるためには、発注前に「RFP(提案依頼書)」という形で要望を整理しておくことが重要です。完璧な資料である必要はありませんが、目的・システム要件・予算・スケジュールなどを明確にすることで、開発会社とのコミュニケーションが円滑になり、納得のいくシステムが完成しやすくなります。必要なものを把握したうえで、自社に合った開発会社を選びましょう。

システム開発を外部に依頼する際、「どの会社に依頼すればよいのかわからない」と悩む企業は少なくありません。開発会社によって得意分野や実績、費用感は大きく異なるため、自社の目的に合った会社を選ぶことが重要です。

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