Accessによるシステム開発の平均費用と料金相場【2024年最新版】
できるだけ予算をかけずに業務用システムを導入したい場合、有効な選択肢の1つになるのがマイクロソフトのAccessによる開発です。
この記事ではAccessによるシステム開発を外注する際にかかる費用やその内訳を詳しくご紹介していきます。業務用システムの発注を検討している方はぜひお役立てください。
□関連記事:Accessによる開発が得意なシステム開発会社
工程別に見るAccess システム開発の費用の相場
費目 | 平均的な相場 |
---|---|
企画・要件定義費 | 5万円~20万円 |
プログラミング費 | 10万円~50万円 |
テスト費 | 5万円~20万円 |
運用保守費 | 月額1万円~5万円 ※訪問対応の場合1日3万円~5万円 |
その他オプション費 | ドキュメント作成:3万円~8万円 従業員向け説明会の開催:5万円~10万円 |
企画・要件定義費
通常のシステムと同様、開発の最初のステップとなるのが企画&要件定義です。クライアントとの打ち合わせやヒアリングを通じて、業務フローや課題、システムを開発する目的などを掘り下たうえで、システム全体の構成やUI、必要な機能を決め、要件定義書・仕様書を作成します。
企画・要件定義費の一般的な相場は5万円~20万円前後。システムの規模・種類によってやや金額に幅があり、たとえば顧客データの保存・管理を目的としたシンプルな顧客管理システムなどでは安い一方、複雑な計算が必要になる販売管理システムや人事管理システムになると相応に料金も高くなります。
プログラミング費
要件が定まったら、VBAなどのプログラミング言語を使ってシステムを形にしていきます。データの保存・更新、自動計算、ファイルのインポート(読み込み)、エクスポート(出力)といったAccessシステムにおける一般的な機能もこの段階で実装されます。
プログラミング費の一般的な相場は10万円~50万円前後。要件定義と同様、システムの用途や機能によって金額が変わってくるものの、フルスクラッチ型の開発と比べると総じて費用は安めです。
ちなみに、システム開発会社によっては、実装する機能ごとにプログラミング料金を設定しているところもあります。(例.帳票1つにつき2万円、データ処理検索機能3万円など)
テスト費
プログラミングによって実装した機能が仕様書の通り作動するか、使い勝手に問題はないかチェックしていく工程です。
テスト費の一般的な相場は5万円~20万円前後。ある開発会社に伺ったところ、複雑なシステムになるとチェック項目は1,000以上に及び、開発全体の工数の3割~4割をテストが占めるケースもあるそうです。
運用保守費
システム稼働後のメンテナンスや改修、トラブル対応といったサポートにかかる費用です。一般的な相場は月額1万円~5万円前後。
サポート内容としては電話・メールでの相談・問い合わせ対応がメインとなり、エンジニアがクライアント先に赴いて改修作業を行なう場合などは別途費用がかかります(1日につき3万円~5万円+交通費)。また、新しい機能を追加する場合も運用保守費とは別に費用が発生します。
その他オプション費
システム本体の開発とあわせて、操作マニュアルやシステムの構成図、周辺機器の管理台帳といったドキュメントの作成を依頼すると別途費用がかかります。一般的にはドキュメント1つにつき3万円~8万円前後が相場です。
また、システム開発会社によっては従業員向けにシステムの使い方や注意点を説明するセミナー・ガイダンスを5万円~10万円前後の料金で請け負うところもあります。
見落としがちな費用にも注意
システム開発とあわせて、ネットワークの構築から依頼する場合、ケーブル・周辺機器などの実費を含めて追加の初期費用が必要です。
また、打ち合わせや出張サポートの際にかかる出張費(交通費や宿泊費の実費)はクライアントの負担になります。遠方のシステム開発会社に依頼する場合は特に注意しましょう。
- 【これだけは押さえておきたいポイント】
-
- 費用の内訳の大半は開発スタッフの人件費
フルスクラッチの開発に比べると金額は総じて安め - 企画・要件定義費の相場は5万円~20万円前後
- プログラミング費の相場は10万円~50万円前後
- テスト費の相場は5万円~20万円前後
- 運用保守費の相場は月額1万円~5万円前後
- その他、ドキュメント作成や説明会・セミナーの開催を委託すると
別途費用がかかる
- 費用の内訳の大半は開発スタッフの人件費
種類別に見るAccess システム開発の費用の相場
システムの種類 | 一般的な相場 |
---|---|
シンプルな機能の 顧客管理システム | 20万円~50万円 |
見積もりや自動集計機能が 付いた販売管理システム | 40万円~70万円 |
複雑な計算機能や分析機能が 付いた工程管理システム | 80万円~150万円 |
次にシステムの種類別の費用の相場についてご紹介します。
シンプルな機能の顧客管理システム
顧客データの登録や呼び出しなどに特化したシンプルなシステムの場合、要件定義やプログラミングにもそれほど工数はかからず、おのずと開発費用は抑えられます。
仮に数百件程度までの顧客情報の管理を目的としたシステムをAccessで開発するとなると、費用の相場はおおむね20万円~50万円前後。個人事業主のSEなどは、20万円以下で請け負ってくれる場合もあるようです。
ちなみにデータ管理だけが目的なら、アプリやクラウドツールのデータベース機能で十分カバーできることも。
予算が限られる場合はAccessシステムだけにこだわらず、そうしたツールに目を向けてみるのも1つの手でしょう。
見積もりや自動集計機能が付いた販売管理システム
見積もりや受注データの登録、請求書の作成、入金管理などを行なう販売管理システムの場合、集計機能やエクスポート機能が必要になり、相応に開発コストも高くなります。
平均的な相場としては40万円~70万円前後。開発期間も1ヵ月以上にわたることが多いので、専任のプロジェクト担当者を立てるなど、依頼者側でもきちんと準備をしたうえで臨みましょう。
複雑な計算機能や分析機能が付いた工程管理システム
現場の進捗状況を管理するメーカーなど工程管理システムをAccessで構築する場合、費用の相場は80万円~150万円前後。
工程管理システムには製造ライン別の作業時間の集計、納期に対する進捗シミュレーターといった高度な機能が求められるため、プログラミングの工数が増えるはもちろんのこと、システムへの負荷を分散させるために要件定義の段階から工夫が必要になり、開発コストも高額になります。
また、詳しくは後述しますが、この規模のシステムになるとAccessの基本機能では完全にカバーできない部分が増えてきます。そうしたなかでAccessにこだわったために特殊な処理が必要になり、かえってコストがかさんでしまうケースもあるようです。
Accessによる業務用システムの注意点
限られた予算で業務効率化を図りたい際は非常に有効な手段となるAccessシステムですが、機能の面で過度な期待を持つのは避けた方がいいでしょう。
たとえば、Accessのデータベース容量は1データベースにつき2GBに限られていて、大量のデータは扱えません。また処理能力にも限界があり、数十万行単位のCSVを読み込むと、途中で処理が止まる、出力したデータに不具合が出るということがあります。
前述の工程管理システムのように、業務上、複雑な計算処理が必要な場合や、大容量のデータを取り扱う場合は、あらかじめ開発会社に相談のうえ、他の開発手法とあわせて柔軟に検討するのがおすすめです。
- 【これだけは押さえておきたいポイント】
-
- シンプルな機能の顧客管理システムの費用は20万円~50万円前後
- 見積もり機能などが付いた販売管理システムの費用は40万円~70万円前後
- 集計機能などが付いた工程管理システムの費用は80万円~150万円前後
- 複雑な計算処理などをともなう場合、
Accessでは機能的にカバーできないこともある - そうした際は開発会社に相談のうえ、
フルスクラッチなど他の手法もあわせて柔軟に検討すべき
Accessによるシステム開発に関する費用の具体事例
関連する費用事例です。様々な企業の実績をベースに費用事例として紹介しておりますのでぜひご覧ください。
【301万円~600万円】 大手運送会社様向けの基幹システム開発
- 業界
-
- 運輸
- 陸運
- 発注元規模
- 3,000人以上
- 納期
- 3ヶ月~6ヶ月
- 実績企業
- プライムウェア株式会社
【低予算で作りたい方必見!】システム開発に使える補助金・助成金まとめ
システム開発には、それなりの費用がかかります。そこで、少しでも費用を抑えたいときに役立つのが国や地方自治体の補助金です。以下にシステム開発に活用できる補助金を3つ厳選してご紹介します。原則、契約前に申請が必要なので、発注先選びと並行して補助金情報を調べるのがおすすめです。
最大補助額 | 補助率 | 申請方法 | |
IT導入補助金 | 450万円 | 1/2以内 | 電子 |
ものづくり補助金 | 5,000万円 | 1/2または2/3 | 電子 |
持続化補助金 | 200万円 | 1/4 | 電子または郵送 |
IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金)
「IT導入補助金」は、ITを活用した中小企業や小規模企業の業務効率化・売り上げの向上を目的とし、ホームページ作成、クラウドツール・業務用ソフトウェアの導入にかかる費用の一部を補助します。補助額は最大450万円・補助率1/2以内です。
出典:IT導入補助金2023 https://www.it-hojo.jp/
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
「ものづくり補助金」は、中小企業・小規模事業者が制度変更などに対応するための革新的サービス開発、設備投資などを支援する補助金です。「通常枠」「デジタル枠」「グローバル市場開拓型」などが設定されています。最大補助額は5000万円で、補助率は1/2または2/3です。
出典:ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/
持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)
「持続化補助金」は、小規模事業者が制度変更に対応し、持続的な経営を実現するために必要な販路拡大に関わる経費を一部補助するものです。通常枠または特別枠(賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠など)の申請類型いずれか1つの枠のみ申請可能。最大補助額は通常枠で50万、その他の枠で200万円で、ウェブサイト関連費の補助率は1/4です。
出典:小規模事業者 持続化補助金(一般型)https://r3.jizokukahojokin.info/
補助金について、さらに詳しい情報を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
補助金を利用する際は、申請スケジュールや必要書類の準備に注意しましょう!
補助金を利用する上で何より大切なのは、規定に沿ってきちんと申請を行うことです。事業計画書、経費明細書など、必要な書類は各補助金・助成金の公式ホームページに記載されているため、もれなく準備し、不備のないように記載しましょう。
しかし、補助金申請は揃える書類や申請項目も多く、業務が煩雑になりがちです。スケジュールをきちんと把握しておらず、「気がついたら申請期限を過ぎていた」なんてことが起こる場合も。
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※補助金については2023年5月時点の情報をもとにご説明しています。
【まとめ】会社選びで迷ったらアイミツへ
今回はAccessによるシステム開発をテーマに、一般的な費用の相場やコストを抑えるためのコツ、開発先を選ぶ際のポイントについてご紹介しました。システム開発を発注したい方の参考になれば幸いです。
なお、アイミツではシステム開発に精通したコンシェルジュが皆さまからのご相談を無料で承っています。「システム開発の費用についてもっと詳しく知りたい」、「自社に合うシステム開発会社を紹介してほしい」といった方はお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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