システム開発を成功させるために~失敗事例から学ぶ成功への教訓

頭を抱える男性

更新日:2017年10月13日 | 公開日:2016年08月25日

これからシステム開発を担当する発注側責任者にとって「もし開発が失敗したらどうしよう…」という懸念が頭を過ることもあるでしょう。

コーディングミスなどの失敗などでなかなかバグが取れずにリリース予定日に間に合わなくなりそうになったり、プロジェクトマネジメントが失敗してシステム開発自体が途中で空中分解してしまったりなどの例はめずらしくありません。

この記事で取り上げる特許庁の失敗例からぜひ教訓を学んで反面教師とし、自社のシステム開発の成功に結びつけてください。

【事例】55億円の無駄づかいはなぜ生じたのか?特許庁の大失敗を検証する

タイピングをする社員

経産省のサイトで公開されていた経緯の報告書を始めとし、さまざまなメディアで語られたプロジェクトの失敗までの経緯をまとめると次のとおりです。

【プロジェクトの経緯】

2004年に政府が打ち出した「業務・システム最適化計画」に基づいて、特許審査や原本保管といった特許処理業務の基本システムの全面刷新が特許庁において計画された。

特許庁内の情報システム部門の担当者と、日本IBM(IBMビジネスコンサルティングサービス(当時))を中心に仕様書を作成。

【失敗までの経緯】

大規模プロジェクトについては政府は分割発注を原則にしていたために、システムの基本設計から詳細設計まではIBMが行ったが、基本設計から詳細設計までを落札したのは東芝ソリューションだった。

ちなみに技術点は最低評価だったが金額が一番安かったので決定したと言われている。

内部でどのような事態が生じたのかは明らかになっていないが、その頃設計を担当した特許庁内の担当者が異動してプロジェクトの計画は白紙に戻った。

特許庁はIBMと作成した仕様書を破棄し、現行業務の延長でのシステム開発を提案。現場は混乱し、作業は大幅に遅延した。

再び特許庁担当者が現場に復帰し、元の仕様書通りに作業をすすめることが再決定された。
現場はようやく混乱から脱しつつあった。

そんな中で、プロジェクトの本筋以外のところから大きな穴が開いてしまう。

残業続きだった特許庁の職員のために、プロジェクトを落札したNTTデータや日立製作所、東芝ソリューションタクシー券を提供。

これが法律で禁止されている公務員への利益供与と判断され、NTTデータ社員と特許庁の職員が逮捕。

捜査の過程でキーマンの特許庁担当者も入札前の情報を東芝ソリューションに提供していた事実が発覚
再び現場から異動

技術検証委員会は2012年1月に「開発終了時期が見通せない」とする報告書を公開。

この報告書をもとに、当時の枝野幸男経済産業大臣がプロジェクトの中止を表明

【教訓】この失敗事例から何を学ぶべきか?

この事例からはいくつかの典型的な失敗のポイントが浮かび上がってきます。

失敗のポイント
  • 仕様書を作った業者と設計を担当する業者が別
  • キーマンである特許庁担当者が突然の異動
  • それまで作った仕様書を破棄して、途中から既存システムベースに方針が大転換
  • 急遽人員の大幅増などで対応しようとしたがうまく行かずに現場が大混乱
  • 再び特許庁キーマンが戻ってきたが、不正な情報提供を行ったことで再び異動
  • プロジェクト頓挫

まず、どんな事情があるにせよキーマンが行ったり来たりして最終的にプロジェクトから消えてしまったことが一番大きな原因です。

つぎに、官公庁では仕方がないという事情があるにせよ、システム構築では途中で業者が変わるというのは大きなリスクを伴います。

さらに計画の見直しなどを行わずに人員増で自体をのり切ろうとした強引さがあげられます。

最後の不正による再異動はダメ押しと言っていいもので、この時点ではプロジェクトは崩壊していましたが、結局このキーマンだけに頼るようなプロジェクト運営手法にも問題があったと言わざるを得ません。

ここから学べることとして、以下の点はシステム開発プロジェクトで死守しなければならない点だといえるでしょう。

教訓
  • キーマンは原則として最後までプロジェクトに責任を持つ
  • よほど特殊な事情(今回は官公庁の入札)がない限り業者は途中で変えない
  • 無理な計画をマンパワーでのり切ろうとしないで計画の見直しを提案する
  • キーマンひとりだけに頼る体制ではなく、キーマンを中心とした運営組織体制を構築する

【まとめ】

以上、システム開発のしごとに携わってきた人ならどこかで聞いたことのある、特許庁のシステム構築大失敗事例から失敗のポイントと教訓を整理しました。

ここまで大規模なプロジェクトでなくとも、ここで噴出した問題は民間企業にも起こりえますので注意してください。

これからシステム開発のプロジェクトを検討されている場合でしたら、是非パートナーや外注先となるシステム開発会社選びは慎重に進めていきたいものです。

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