システム開発の費用相場は?コスト内訳や安く抑える方法も解説【見積り実例有】
システム開発を検討している方で、「費用の相場が全くわからない」と戸惑う方や、「提示された金額が適正なのか判断できない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
システム開発は、プロジェクトの規模や機能の複雑さに応じて、コストが大きく変動します。
この記事ではシステム開発の費用相場や実際の内訳についてPRONIアイミツが実際の取引データを基に、詳しく解説。コスト削減のポイントもご紹介します。見積例も掲載していますので、システム開発を検討中だが開発費用に妥当性が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
システム開発の費用相場早見表
システム開発の費用相場は、基幹システムの場合は250万~3,000万円程度、業務支援システムの場合は60万~920万円程度、Webシステムの場合はシステムの種類によりますが40万~600万円程度の費用がかかるとされています。要件によってはフルスクラッチ開発での高度なカスタマイズが必要となるため、費用が大幅に増加し数千万円規模になることもあります。
参考情報:PRONIアイミツを介したシステム開発取引実績データ
システム開発費用の取引実例、見積もり大公開!
システム開発を依頼する際、最も気になるのは「実際にどれくらいの費用がかかるのか?」そして「この開発費用は妥当なのか」という点ではないでしょうか。ここでは、PRONIアイミツを介して実際に取引された見積もり例を基に、具体的な金額やその内訳をご紹介します。
資材管理システムの開発
資材管理システムの開発料金見積もり金額は、総計で156万7,500円でした。
製品選定計算システム開発
製品選定計算システムの開発料金見積もり金額は、総計で80万円3,000円でした。
求人掲載業務に関するWebシステム開発
求人掲載業務に関するWebシステムの開発料金見積もり金額は、総計で482万円9,000円でした。
実際の見積りを立ててみたい!とお考えの方は、PRONIアイミツの料金シュミレーターをお試しください。
システム開発における費用の内訳
次に予算配分の参考として、システム開発における費用の内訳についてご紹介いたします。
-
- 作業単価=一人当たりの人件費(技術力・プロジェクトに必要な人数)
- 作業時間=プロジェクトにかかる期間
- 固定費=設備費
費用を決めるのは主に人件費
システム開発費用の大半を占めるのが人件費です。人件費の決定には様々な要素が影響している為、ここでは主な要素をご紹介します。
人件費の決定に影響する主な要素
システム開発の人件費は以下で要素で構成されています、人件費は、プロジェクトごとに見積もることが重要です。
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- 開発規模:システムの機能や目的によって、開発に必要な工数が変わります。大規模なプロジェクトほど人件費も高くなります。
- 開発者のスキル:経験豊富な開発者ほど、高い報酬を求められる傾向があります。
- 開発期間:プロジェクトの期間が長くなれば、それだけ人件費も増加します。
- 外部委託:外部の開発会社に委託するか、内部で開発するかで人件費に大きな差が生じることがあります。
- 開発チームの構成:プロジェクトマネージャーやデザイナー、テスターなど、チームメンバーの役割によっても人件費が変わります。
システム開発に必要な役割や人数
一般的なシステム開発プロジェクトで求められる役割や人数は以下の通りです。
人材 | 役割 |
---|---|
プロジェクトマネージャー | 進捗管理や品質管理など、チームの統括業務 |
エンジニア | システム全体の設計・開発・運用業務 |
プログラマー | コーディング作業や修正作業 |
デザイナー | UI/UXデザインや、画像素材の制作 |
テスター | システムの動作確認やバグ報告を行い、品質向上に努める |
またシステム開発チームの構成は、プロジェクトの大きさやニーズに応じて変わります。小さなプロジェクトの場合、エンジニアが1名もしくは2名で進めることも考えられます。
中規模から大規模なプロジェクトにおいては、複数のチームメンバー(5〜10名程度)が求められます。
デザインやプログラミング、品質管理分野の専門家らがそれぞれの役割を担い、連携し合いながらアプリ開発を推進していきます。
人件費は技術力によって変動する
役割や人数以外にも、開発者の技術力によって費用は変動します。技術力の高いエンジニアやプログラマーであればシステム開発の効率や品質が高まるため、その対価として高い報酬が求められることが一般的です。
一方で、技術力がやや劣るのであれば、その分報酬が抑えられますが、開発速度や品質に影響が出る可能性があるため注意が必要です。
開発に携わる人材の依頼費用
人材 | 1ヵ月の依頼費用 |
---|---|
プロジェクトマネージャー | 85万~110万円/人(中級程度の業務) |
デザイナー | 60万~80万円/人(初級レベル) 80万~100万円/人(中級レベル) 100万円~/人(管理職レベル) |
エンジニア | 60万~80万円/人(初級レベル) 80万~120万円/人(中級レベル) 120万~160万円/人(管理職レベル) |
プログラマー | 40万~70万円/人(個人) 50万~100万円/人(企業所属) |
テスター | 45万~70万/人 |
システム開発に携わる技術者はSE(システム・エンジニア)とPG(プログラマー)です。SEはシステム全体の設計・開発・運用を行うので、実質的には全工程に携わることになります。
対して、PGが携わる業務は主にプログラミングのみです。このような役割の違いは、月額単価にそれぞれ影響しています。
SEの単価相場は初級が60万~100万円、中級が80万~120万円、上級が100万~160万円程度とされています。PGに関しては、スキルの差でほとんど違いが出ないため、大手企業で50万~100万円、個人事業主・下請け企業で40万~60万円程度です。
設備費
システム開発における設備費は、プロジェクトを円滑に進めるために必要な投資です。設備費には以下のような要素が含まれます。
-
- ハードウェア
サーバーやネットワーク機器など、開発や運用に必要な物理的な設備 - ソフトウェア
開発ツールやライセンス、データベース管理システムなど、効率的な開発を支えるソフトウェア類 - オフィス環境
開発スペースのレンタル費や、快適なオフィス環境を整えるための設備投資
- ハードウェア
これらの設備は、システム開発の品質や効率に大きな影響を与えるため、適切な投資が求められます。
ただし、無駄な出費を避けるため、プロジェクトの規模やニーズに応じて最適な設備を選定することが重要です。
以下からシステム開発料金のシュミレーションができます。ぜひお試しください。
システム開発における項目別の費用相場
システム開発においては、さまざまな項目ごとに費用が発生します。これらの費用相場を把握することは、予算の組み立てや開発会社との交渉に役立ちます。
ここからは、システム開発の主要な項目について、それぞれの費用相場を解説いたします。
費用相場 | |
---|---|
要件定義 |
50万〜100万円 |
設計 | 150万~200万円 |
実装 | 400万~500万円 |
テスト | 200万~300万円 |
デプロイメント | 50万~100万円 |
※1,000万円のシステム開発を依頼する場合の費用相場
要件定義
システム開発において、要件定義はプロジェクトの土台となる重要なフェーズです。
この段階では、具体的な要求や課題を明確化し、適切な解決策を提案するために、専門的な知識とコミュニケーション能力が求められます。
設計
設計フェーズは非常に重要な工程であり、その費用相場も様々な要素によって異なります。
まず、設計には大まかに分けて基本設計と詳細設計の2つの段階があり、それぞれの工数や専門性が反映されるため費用も変動します。
また、システムの規模や複雑さ、外部との連携の有無、そして開発言語やフレームワークの選択なども費用に影響を与える要素となっています。
設計を担当するエンジニアやチームのスキルレベルや経験も、品質や効率に大きく関わってくるため、人件費などのコストも考慮しなければなりません。
一般的に、設計フェーズの費用相場はシステム開発全体の約20~30%程度を占めると言われていますが、詳細な見積もりは必要に応じて行われることが望ましいです。
実装
実装に関する費用相場は、要件定義や設計の品質、使用する技術や言語、また経験豊富な開発者を採用するかどうかによって大きく変動します。
一般的には、初期の段階で緻密な要件定義と設計が行われている場合、実装の費用は抑えられる傾向があります。しかし、要件が曖昧であったり技術選定が適切でない場合には、実装工程での追加修正が必要となり、コストが増えることが予想されます。
また、開発者の経験やスキルによっても費用は変わり、より高度な技術を有する開発者を求める場合は、それに伴う高い報酬が必要となります。
最終的な費用はプロジェクトの規模や要件、開発チームの構成に依存するため、事前に丁寧なヒアリングと見積もりが不可欠です。
テスト
システム開発におけるテスト作業の費用相場は、さまざまな要素によって影響を受けます。
プロジェクトの規模や複雑性、品質基準に合わせたテスト方法の選択、専門的なスキルを持つテスターの人件費などが考慮されます。
システム開発全体の工数の25%程度がテスト作業に充てられるとされており、その費用相場はプロジェクトの全体的な規模に比例します。最近では自動テストツールの活用やアウトソーシングサービスの利用により、費用抑制が図られるケースも増えています。
そのため、実際の費用は各プロジェクトの状況で大きく異なることがあるため、具体的な数値を示すことは難しいのが現状です。
デプロイメント
デプロイメントとは、システムを実際の運用環境に移行させる作業のことであり、開発したシステムが正常に動作するかを確かめる役割を担っています。
デプロイメントの費用相場は、システムの規模や複雑さ、対応するプラットフォームの数や使用する技術によって変わります。50万円から100万円の範囲で変動することが多いですが、大規模なシステムの場合はさらに高額になることがあります。
デプロイメント費用を抑える方法として、自動化ツールの活用や効率的な手順の確立が挙げられますが、専門知識を持ったエンジニアが不可欠です。
開発工数やコストを見積もることができるFP法とは?
近年、システム開発の効率化や見積もりの精度向上が求められる中で、FP法(ファンクション・ポイント法)が注目されています。FP法は、ソフトウェアの機能を評価する手法であり、開発工数やコストを見積もる際に用いられます。
ポイントは機能処理の難易度に応じてポイントが割り振られ、それらを合計することでシステム全体の規模を把握することができます。 主な評価対象は「外部入力」「外部出力」「外部参照」「内部論理ファイル」「外部インターフェイスファイル」の5つです。
FP法を知っていると良い理由
客観的な評価が可能
従来の工数見積もりでは、個人の経験や勘に頼ることが多く、プロジェクトの規模や内容によって結果が大きく変動することがありました。そこでFP法を用いることによってソフトウェアの機能を数値化することができ、開発規模を明確に把握し、見積もりの精度を高めることが可能となります。
複数のプロジェクトを比較する際にも有用
FP法を活用すれば、プロジェクト間の差異を客観的に評価し、適切なリソースの配分や、効率的な進行管理が可能になります。ソフトウェア開発プロジェクトを効果的に管理し、品質やコストを最適化する手段として重要な働きを果たします。
顧客や関係者に対して説明が容易になる
開発に詳しくない顧客や関係者にも、どの機能がどれくらいのコストや工数を要するのかを簡単に説明できます。たとえば、「システム内のデータ入力画面が3つ、レポート出力が2つなので、この規模に応じた工数が必要です」といった具体例を出しやすいです。
このようにFP法の理解を深めると、開発においての品質やコストの最適化を図ることができ、プロジェクトの管理を効果的に行うことが可能になります。
システム開発費用を安く抑える6つのポイント
システム開発は、費用が高くなりがちな問題があります。しかし、適切な方法で進めることで、コストを抑えることが可能です。
ここからは、システム開発費用を安く抑えるためのポイントを紹介いたします。
開発したい機能、イメージを伝える
開発したい機能やイメージを具体的に伝えることは重要です。
まず、開発に入る前に要件定義をしっかり行い、どのようなシステムにしたいのか、どのような機能が必要でどのような効果が期待できるのかを明確にしておくことが大切です。
開発チームに対して自分の考えを詳細に伝えることで、納得のいく開発が進められ、結果的に無駄な手間やコストが削減されます。
さらに、開発中にも定期的に進捗状況をチェックし、適切なフィードバックを行うことで、予期せぬトラブルや追加コストの発生を防ぐことができます。
開発費用を抑えるためには、コミュニケーションが鍵となりますので、双方の理解を深めながら進めていくことが大切です。
ASPやパッケージ開発を検討する
システム開発費用を安く抑えるためには、ASPやパッケージ開発の活用が有効です。
事前に既存のシステムやソフトウェアを利用することで開発コストを削減できる方法であり、オーダーメイドのシステム開発よりも低リスクで短期間に導入が可能です。
メンテナンスやアップデートも開発元が行うため、運用の手間も軽減されます。ただし、企業の独自性を重視する場合や、複雑なシステムが求められる場合は、カスタマイズが難しい側面もありますので、適切なバランスを見極めることが重要です。
ASP、パッケージ開発について更に詳しく知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。
オフショア開発を検討してみる
オフショア開発とは、海外の開発拠点と連携し、プロジェクトを進めることでコストを抑える手法です。
オフショア開発の大きな魅力は、人件費が安いことです。
特にアジア諸国には優秀なエンジニアが多く、適切な報酬で彼らに仕事を依頼できます。また、時差の利用もポイントの一つです。日本の夜間に開発を進められるため、効率的なプロジェクト進行が期待できます。
ただし、言語や文化の違いによるコミュニケーションの問題も発生しやすいため、選定には慎重さが求められます。信頼できるパートナー企業と提携することが重要です。
内製化できる部分を探す
開発を内製化することによって外注に頼らず、開発費用を削減できる場合があります。まずは、社内のスキルやリソースを確認し、どの部分が内製可能かを検討しましょう。
他社からの情報収集や社内研修を通じて内製化のノウハウを身につけたり、内製化をサポートするツールを活用することで、さらなるコスト削減が期待できます。しかし、内製化にはリスクも伴うため、品質やスケジュールの管理には十分注意が必要です。適切なバランスを見つけながら、システム開発費用の節約に努めましょう。
複数の開発会社から相見積もりを取る
複数のシステム開発会社から相見積もりを取ることが重要です。
この方法で、各社が提示する開発費用や提案内容を比較検討することができ、自社に最適な開発会社を選択できると共に、適切な金額での契約が可能となります。
また、相見積もりを取ることにより、それぞれの会社が持っている技術力や開発経験、対応品質についても把握できるため、開発過程や完成後のサポート体制にも期待が持てます。
複数社から見積もりを取ることで、総合的な判断が可能となり、システム開発に伴うリスクを軽減しつつ、費用を抑えることができるのです。
補助金や助成金の活用を検討する
補助金や助成金の活用を検討することもコストを抑えるための方法です。国や地方自治体が提供するこれらの制度により、開発費用の一部が補填されることがあります。
まずは、自社の事業内容や開発予定のシステムに関連する補助金・助成金が存在するか調査してみましょう。適用条件や手続き方法についても確認しておくと、スムーズに申請ができます。
また、専門家に相談することで、適切な制度の活用が可能となります。これらの方法を上手に利用することで、システム開発費用の削減に成功しましょう。
補助金について、さらに詳しい情報を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【まとめ】失敗しないシステム開発のためには
いくらシステム構築のプロであるシステム開発会社でも、「〇〇みたいなシステムが欲しい」というようなざっくりとした要望だけでは正確な必要人月・人件費や費用金額の算出はできません。
最低でも「システム構築の目的・種類・規模・必要な機能」程度の情報は明確にしておかないと、開発会社が出した見積りと実際にかかる費用との間に大きなズレが生じてしまう恐れがあります。
また、システム構築に限った話ではありませんが、単純に開発金額や人月単価などの、料金の高い・安いだけで開発会社を選ぶのは失敗のもとです。
もちろん、低価格でも満足のいくようなシステムを構築してくれる開発会社もありますが、思い描いたものとは程遠く、作り直しが必要になるケースもないとは言えません。
こうした失敗をしないためにも、相見積もりを取って相場の感覚を掴んだうえで、「条件に即した開発内容になっているか」「工程や価格の構成におかしいところはないか」といった点を確認することをおすすめします。
その上でどの開発会社を選択すべきかお悩みの際は、ぜひPRONIアイミツにご相談ください。
しつこい営業電話やメールなども一切なく、ご紹介した業者から発注先を選ばないといけないといったことも一切ありません。ぜひ気軽にお問い合わせください。
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