まず、ユーザーにブランドのノリをしっかり伝えていくこと。コンセプトとしては、ブランドの情報を集約した発信拠点、いわゆるネット上のショールームです。売り上げが最優先事項ではなかったため、しっかりと商品を理解してもらうことにフォーカスしました。わかりやすい例でいうと、以前のサイトでは商品一覧のサムネはモデルの着画がほとんどだったのですが、商品自体に目を向けてもらうために着画は外してご提案したという経緯があります。また、トップページからの導線には特に配慮し、ニーズの高いTシャツやスウェットカテゴリへの導線をメインビジュアルのすぐ下に配置するなどのユーザビリティ改善をしています。
クライアントの商品はかなり特徴的で、洗濯に気を使う必要があったり、色味や風合いなどで個体差があったりするので、そこをしっかりユーザーに知っていただけるよう「生地について」「染めについて」といったコンテンツ導線を改善しました。
商品詳細ページにも、染色や生地についての詳報を詳しく載せています。商品をカートに入れる前に時間をかけて情報を見ていただき、納得してから購入いただきたいなと。さらに、店頭で販売してくださるスタッフの方々が商品を学べる教科書的なWEBサイトにしたい、という要望に寄り添いました。
リリース後のEC売り上げは約150%に伸び、卸や直営店の売り上げが倍増しています。「店舗全体の売り上げに繋げていく」という目標も達成でき、満足いく結果になりました。また、指標にしていたサイトの滞在時間が伸びたことからも、ユーザーが商品をしっかり理解したうえで購入してくださっていることがわかりますね。その結果として、「イメージと違った」といったECのお客さまのクレームが、ほぼゼロになりました。
新規のディーラーさんから取引をしたいという問い合わせが増え、しかもアパレル業界でかなりレベルの高いディーラーさんからお問い合わせをいただくようになりました。実際、リニューアル後に直営店のお客さまを見てみると、アパレルのプロと思しき方や10代20代の方など、今までに見られなかったお客さまが増えました。
卸先からも、海外のお客さまやファッション感度の高いお客さまが増えたという情報が入っています。ブランドイメージは明らかに上がったと思います。