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インフラ整備と保守の中身を理解してサーバー構築を成功させよう【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

ソフトウェア開発やシステム開発は目に見えない部分が多く、見積もりの妥当性を評価することが難しい面もあります。
それでも開発案件の発注の場合、発注者の多くが設計段階から仕様書などを精査して評価をしようと努めています。
ところが、インフラ整備や保守関連は提案されたメニューを鵜呑みにしてしまうケースが少なくありません。

「納品された成果物がきちっと動いてくれていたらいい」という一種の安心料、保険料のような形でインフラ整備と保守を評価してしまうことは、外注費の妥当性という面だけでなく、何かあったときの迅速な対応という面からも、あまり好ましくありません。
インフラ整備と保守に関しても開発フェーズ同様、きちんと内容を理解して行われる業務を把握することと、それにもとづいて金額の適切さを判断できることが発注者には求められます。

属人的で何をやっているか分かりにくいインフラ整備や保守運用サービスの中身を理解して、適切な外注費用で適切な仕事をしてくれる外注先を把握しましょう。
□関連記事:サーバ構築・運用が得意なシステム開発会社

インフラ整備、保守とは何か押さえておこう

スマホとコーヒーとパソコン

インフラの整備と、開発した成果物の納品が完了すると運用が始まります。
運用はその形態によって「通常時運用」「障害時運用」「保守」の3つに分けられます。

すなわち、「通常時運用」は日々の通常業務を運用していく仕組みであり、納品されたシステムやソフトウェアの稼働状態を監視します。
何か問題が生じた場合には「障害時運用」に切り替わります。あらかじめ策定しておいた障害時の復旧マニュアルに沿って障害に対処します。

そして、定期的なメンテナンス、セキュリティアップデート、システムの拡張などの変更作業をすること全般を「保守」と言います。

まずは、この違いを押さえておき、見積もりの項目にこうした記載があるかチェックしましょう。

運用、保守の業務分担を確認する

ネットワークやインフラの運用保守はチームで働くことが一般的です。
そしてシステム開発や保守の見積もりは人月単位で計算することが多いので、どんな作業に何人の人員を割くことを想定しているかをチェックします。

インフラ保守の場合、納品されたハードウェアの保守に関してはネットワークを構築した業者が直接タッチせず、ネットワークを構築した業者がハードウェア機器の納品業者に確認を取って対処する、もしくはその部分の保守を再依頼するというケースがよくあります。

責任の切り分けがどうなっているか、トラブル対応時の指揮連絡系統はどうなっているかなども確認しておく必要があります。

「通常時運用」「障害時運用」「保守」業務内容の違い

通常時運用

通常時の運用監視は、基本的にマニュアルを参考にして決められたことを粛々と管理します。
ログを取ったり、異常がないか点検したりすることなどが主な業務ですが、基本的にマニュアルに書いていないことはやりませんし、してはいけません。

したがって、業務内容を把握する上で一番確実なのは、通常時運用のマニュアルを確認することです。
ひどい業者の場合には完全に属人化してしまっていて、マニュアルが存在しない、もしくはなおざりにされた紙切れみたいなものしかない、という場合もあります。

通常時運用を業務として請け負っているにも関わらずマニュアルが整備されていない、というのは論外ですので、きちんと確認してください。
しっかり作られたマニュアルには何人で対応する業務であるかについてもきちんと記載があるはずです。

障害時運用

通常時運用で使う運用マニュアルに記載されていないトラブルの場合、通常運用担当者は「障害時運用担当者」に連絡するか、障害時運用マニュアルを参照します。

基本的な流れとしては、障害がどこで発生しているのかを監視端末で確認して対応できそうな問題であれば運用監視スタッフが対応します。
通常時運用担当者が障害時運用担当者を兼務している場合もあります。
障害の切り分けによって外部の業者に連絡を取ることが必要な場合もあります。

通常時運用と同様に障害時運用を業務として請け負っているにも関わらずマニュアルが整備されていない、というのも論外ですので、きちんと確認するようにしてください。
マニュアルには障害時に連絡を取るべき外部の業者の情報も記載されているはずですので、チェックしておきましょう。

保守業務

定期的なメンテナンスを実行したり、セキュリティアップデートを行ったり、システムの拡張などの変更作業を加えたりすることが保守業務ですので、こちらもマニュアル化されています。
ただし、セキュリティアップデートなどは最新情報が入り次第対処するという性格上、スケジュール的にはっきりした計画は立てにくいという側面もあります。

どのようなメンテナンスを実行したか、セキュリティアップデートで何をしたか、システムの拡張の実施内容などは必ず書面にして報告してもらうようにしましょう。

インフラ運用・保守の仕事の難易度を把握しておこう

地球とパソコン

ここまで、保守・運用の仕事の内容について整理してきました。
仕事の中身や流れが把握できたので、見えにくい運用・保守業務が具体的にどんなものなのか、そしてどのような役割分担で実行されているのかのイメージがつかめたことと思います。

しかし、運用・保守金額の妥当性を正確に判断するためには、業務内容と何人がかりでやる仕事なのかを把握するだけではまだ足りないことがあります。
それは、どのくらいのスキルを持った人員を割く必要があるのかについてです。

開発、運用・保守系の見積もりは「人月」単位で出すケースが多いことはすでにお伝えしましたが、人月単位の見積もり計算は下記のようになっています。

■ 1人が1ヵ月(8時間×20日間)でできる作業量 = 人月
■ 見積金額 = 人月単価 × 人月
例)もし人月単価50万円 で 2人月 ならば 50 × 2 = 100万円

運用・保守業務に関しては、内容の難易度のランクによって金額が変わってきます。
同じ1人で業務を行うという相見積もりでも、片方の会社は1人月50万円で、もう片方の会社は1人月80万円の場合は、1ヵ月の料金に30万円の違いが生じます。

その場合、見積もりの妥当性を比較するには、「御社はこの保守作業に人月80万円の人員をアサインする必要ありとお考えのようですが、その根拠はなんですか」という聞き方をする必要があります。

つまり、難易度についてもある程度の知識がないと、運用・保守の金額の妥当性は測れないことがお分かりいただけたと思います。

インフラの保守はカバーする領域が大きい

インフラエンジニアの職域は下記の5つの領域にまたがっています。

5つの領域
  • サーバーエンジニアリング
  • ネットワークエンジニアリング
  • データベースエンジニアリング
  • インフラ保守エンジニアリング
  • インフラ運用オペレーターリング

それぞれの内容を把握しておきましょう。

■ サーバーエンジニアリング 【難易度】中
webサーバーやメールサーバー、ファイルサーバー等に関する設計、構築、テストを行います。
サーバーで稼働するWindows、Linuxなどのオペレーティングシステムに関する幅広い知識と経験が要求されます。
また、最近の傾向として仮想化やクラウドに対応した技術が求められるケースもあります。

■ ネットワークエンジニアリング 【難易度】低
システムやソフトウェアなどが稼働する基盤機器のネットワーク構築を行うエンジニアで、スイッチやルーターの設置などを行います。
ネットワーク機器やケーブル、スイッチ等のハードウェアを正しく設定して、ソフトウェア部分と接続するという、ハード、ソフト両面の技術が要求される領域です。

■ データベースエンジニアリング 【難易度】中
顧客情報などが格納されたデータベースの構築を行いますので、データベースの知識とともにセキュリティ関連の知識も必要になります。
設計から構築にいたるプロセスではサーバー系OSの技術も必要で、メンテナンスではデータベースのパフォーマンスチューニングなどの経験も必要になります。

■ インフラ保守エンジニアリング 【難易度】高
サーバー構築やネットワーク構築が稼働した後にバグが見つかったり、トラブルが発生したりするケースは残念ながらゼロにはできません。
そうした不具合が起きたときに原因はどこにあるのか? という問題の切り分けを行う必要があります。
インフラ系のトラブルは複合的な要因から発生することが多いため、幅広い知識と経験、顧客対応力が求められます。

■ インフラ運用オペレーター業務 【難易度】低
24時間365日昼夜を問わずインフラを監視して簡単な異常は自分で対処、致命的な異常はインフラ保守エンジニアなどに話をつなぎます。


以上から分かるように、業務内容によって難易度は変わってきますので、人月計算の妥当性を測るときに参考にしてください。

インフラ、保守サービスの提供例を知っておこう

パソコンなどが置かれたオフィスデスク

■ 遠隔対応保守
サービス停止が起こらないことを大前提とした24時間365日対応の運用保守のアウトソーシングサービス
遠隔対応による迅速な障害二次切り分け及び復旧対応などを任せることが可能です。

■ オンサイト運用保守
24時間365日の交代制でクライアント先データセンターやネットワークオペレーションセンターにエンジニアを常駐させて運用保守サービスを提供します。
常駐することで障害発生時には迅速な対応が可能となるところが特徴です。

■ オンコール保守対応
通常時運用はクライアント側で行い、異常時にクライアントから連絡を受けて現場に急行したエンジニアが最短時間で障害復旧作業を実施します。

システム開発の費用相場

最後に、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。

システム開発の平均相場
平均相場 233万円~
  システム開発の種類別平均相場
システム開発の種類 費用相場
簡易顧客システム 20万円~
Webシステム 130万円~
業務システム 400万円~

システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。

【まとめ】

電話をする男性

以上、属人的で何をやっているか分かりにくいインフラ整備、保守運用サービスの中身を整理して、業務内容や難易度から運用・保守に関する適切な外注費用の見極めと適切な外注先を探す方法をお伝えしました。

冒頭にも書きましたように、開発フェーズにおいては見積もりの内容を精査するものの、運用・保守の段階では開発段階ほど見積もりをきちんとチェックしない発注者が多い傾向にあります。

相見積もりを正しく比較できるということは、金額の妥当性を測るというだけにとどまらず、依頼する業務内容を精査することにほかなりません。
難易度を含めて運用・保守内容を理解することで、適切な料金と適切な依頼内容が明らかになります。

とはいえ、運用・保守分野の見積もり比較は見えにくい部分があるのも事実です。
不安を感じたらぜひ経験豊富な「アイミツ」にご相談ください。
クリアな相見積もり把握のお手伝いがきっとできることと確信しております。

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