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今さら聞けないインバウンドとは?コールセンター業務のイロハを解説【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

今回のテーマは、ずばり「インバウンド」。

コールセンターにおけるインバウンドとは、具体的にどんなものなのかをあらためて整理したうえで、業務に必要なツールやコールセンターの立ち上げ方法を解説していきます。ぜひご一読ください。

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インバウンドとは?

インバウンド(inbound)とは、もともと「外からなかへ入る」「内向きの」という意味を持つ英語の形容詞です。

航空業界では本国へ向かう帰国便、観光業界では主に訪日旅行者ビジネスのことを指します。分野ごとに異なる意味を持つ単語ですが、コールセンター業界では顧客からの電話に対応する受電業務全般のことです。

具体的な例としては、商品・サービスに関する問い合わせ対応、相談受付、クレーム処理、ネットショップや通販会社における注文受付など。反対に顧客へ向けて電話をかける業務(テレアポ、セールスなど)はアウトバウンド(outbound)と呼ばれます。

株式会社矢野経済研究所のリサ―チ(参考:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2556)によると、コンタクトセンターソリューションの市場規模は年間約5,000億円。動画、チャットなど企業と顧客間のコミュニケーションが多様化した今も、なお拡大傾向が続いているようです。

アウトバウンドとの違い

続いてはアウトバウンドとの違いについて。単純に電話を「受ける」「かける」以外にどんな違いがあるのでしょうか?

相手が不特定多数

ひとつ目の違いは、不特定多数が相手になることです。

あらかじめターゲットを絞り、架電リストを用意したうえで行うテレアポなどのアウトバウンド業務とは異なり、インバウンドの主導権を持つのはあくまでも顧客側。話し相手の属性はさまざまです。

取り扱い製品・サービスによっては、子供やお年寄り、日本語に不慣れな海外客からの電話が寄せられることもあるでしょう。対応オペレーターには、相手の立場やリテラシーを汲み取るスキル・姿勢が求められます。

また、自社の商材が話題になった際や、反対に不具合やリコールが発生した際は短期間のうちに電話が殺到することも。漏れなく対応するには相応のリソースとファシリティ(設備、機器)を確保しておく必要があります。

用件が多岐にわたる

質問、クレーム、交渉など、話し相手の目的・用件が多岐にわたる点もアウトバウンドとの違いです。

あらかじめ商品・サービスに興味・関心を持ったうえで具体的な質問を寄せてくる顧客がいる反面、最初から怒りにまかせて罵声を浴びせるクレーマーも少なくありません。温度感が高い相手への対応を誤れば、大きなトラブルに発展する可能性があります。

そのため、インバウンドに対応するコールセンター・カスタマーサポートセンターでは、ロールプレイング研修やコンプライアンス研修などが必須。そのうえで、現場レベルでは対応が難しい案件については、リーダーや営業スタッフにエスカレーションできる仕組みを整える必要があります。

効果を検証しにくい

テレアポやセールスの場合は、アポイント率、成約率といった目に見える形で成果があらわれますが、インバウンド業務ではそうした数字には直結しません。そのうえ、話し相手が本当に満足したか、疑問や悩みが100%解消されたかどうかは把握できないのです。費用対効果を知るためには、KPIに工夫を施す必要があります。

インバウンドのKPIとして設定されることが多いのは、一般的に平均応答速度や平均処理時間などです。着信に対してどれくらい早く対応できたか、時間を無駄にせず的確にやりとりできているかを数値化して検証することによって、顧客窓口としてのサービスレベルを見極められます。

また、大規模なインバウンドコールセンターでは後述するCTIの通話録音機能やモニタリング機能を活用し、管理者がオペレーター1人ひとりの対応品質をスコア形式で評価する制度を取り入れているところも多いようです。

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インバウンド業務に必要なツール

続いてはインバウンド業務を行うにあたって必要なツールについて個別に見ていきましょう。

電話機

インバウンド業務に使われる電話機は、インターネットプロトコルを使うIP電話が主流です。ネット回線を経由するため、距離が離れていても通話の品質が落ちにくいうえ、従来の電話回線と比べると基本料金を大幅に抑えられるメリットがあります。

IP電話本体の価格は機能・スペックに応じて変わり、Skype対応機能などが付いた現行モデルは1台3万円から5万円前後。型落ちの中古モデルならECサイトで1台1万円前後から購入できます。

IP電話の価格や通話料金については以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

ヘッドセット

ヘッドセットを装着することによって両手が空き、オペレーターは顧客データや対応マニュアルを参照しながら顧客と会話できるようになります。

加えて、コールセンタ―向けのヘッドセットの多くには指向性マイクが付いているため雑音を拾いにくく、さらにBluetooth対応型なら席から離れても通話を続けることが可能です。

価格は1セット5,000円から1万5,000円前後。オペレーターの人数が多い場合はレンタル・リース品を利用するのもいいでしょう。

PC

上記2点に加え、オペレーター1人ひとりにPCを割り当てる必要があり。しかし、端末のスペックやOSのバージョンに関してはそれほどこだわる必要はありません。

オペレーターの業務上、PCに必要な性能は会話記録の入力やマニュアル参照ができれば十分です。CTIを導入する場合はExcel、Wordといった業務用ソフトウェアも不要。

実際のところ、電話機・ヘッドセットとあわせて廉価なリース品を導入したり、オフィスで不要になった使い古しのPC端末をコールセンターへ回している企業も少なくないようです。

PBX

PBX(Private Branch Exchange)とは、着信の内線振り分けや、通話中の着信を転送・保留するシステムのことです。

構内交換機、電話交換機とも呼ばれ、別拠点への取り次ぎやエスカレーションもPBXがあってはじめて可能となります。文字どおりコールセンター全体のコアとなるシステムであるため、複数の製品を検討したうえで規模・業務体制に合ったものを選びましょう。

なお、PBXには事業所内に据え付けるオンプレミス型と、webサーバーを利用するクラウド型の2種類がありますが、前者の多くは大企業向けに開発されているため非常に高価。特別な事情(自社のプライバシーポリシーでクラウドツールの使用が禁止されているなど)がない限りは、クラウド型がおすすめです。

CTI

CTIは電話回線とコンピューターネットワークを統合するためのシステムです。顧客データの呼び出し表示や通話録音、オペレーターの稼働モニタリング、IVR(自動音声応答)のほか、最近ではwebサイトのコールボタンとの連携機能やアンケート機能が搭載された製品も増えてきました。

着信の振り分け、取り次ぎといったインバウンドの基本業務はPBX単体でもカバーできるため必須のシステムではありませんが、コールセンター全体の生産性アップや顧客満足度の向上に大きな効果を発揮します。

インバウンドコールセンターの立ち上げ方

最後はインバウンドコールセンターの立ち上げについて大まかな流れをご紹介します。

1.ゴールを決める

コールセンタ―立ち上げの最初のステップはゴールを決めること。社員への問い合わせが多く、本業を圧迫している場合はその巻き取り、クレームに悩まされている場合は顧客満足度の向上といったように、現状の課題にあわせてゴールを明確化し、あわせて達成の指標となるKPIを設定しましょう。

前述のとおり、基本的に受け身となるインバウンドでは効果を検証するのが難しい部分もありますが、オペレーター1人ひとりのモチベーションを保ち、現場のチームワークを高めるためにもゴールの設定は非常に大切です。

2.組織を設計する

ゴールを決めたら、顧客数や過去の販売データ、1日に寄せられる問い合わせの数などをもとに業務工数と必要な人数を割り出し、組織体制を設計します。

具体的な人数は事業規模によってさまざまですが、中小企業のコールセンターでは全体の責任者となるスーパーバイザーを正社員に任せ、その配下に複数のオペレーター(主に契約社員、派遣社員、アルバイトスタッフ)を置くのが一般的な形です。

一般社団法人日本コールセンター協会が2018年に行った調査(参照:https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/callcenter_research_2018.pdf)では、対象となった約50社のうち34%がスーパーバーザー1名に対して6名から9名のオペレーターを配置していると回答しています。

また、ここ1~2年はテレワーク推進の一環として、在宅の業務委託スタッフをオペレーターとして登用する企業も増えてきているようです。

3.業務体制を構築する

組織の枠組みを固めたあとは、業務体制の構築フェーズに移ります。具体的なタスクとしては、各種ドキュメント(業務手順書、システム操作マニュアル、FAQ集など)の作成、オペレーターの評価基準策定、機器・設備の手配、人材採用、研修プログラムの作成などです。

非常に多岐にわたるため、はじめてコールセンターを開設する場合は専門のコンサルティング会社、あるいは導入支援サービスを用意しているPBXやCTIの開発会社に相談してみることをおすすめします。

コールセンターの費用相場

コールセンターの費用相場をご紹介します。

コールセンター外注料金表
費用相場 (1件当たりコール単価) コールオーバー 初期費用
平均相場 150円~600円
月額固定型 100円〜200円 1件100円〜250円 1万5,000円〜5万円
従量課金型 300円〜1,000円 1万5,000円〜5万円

より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターのご利用をおすすめします。

まとめ:迷ったらアイミツに相談を

今回はコールセンター業務におけるインバウンドをテーマに、インバウンド業務の概要やアウトバウンドとの違い、インバウンドコールセンターの立ち上げ方法などについてご紹介しました。みなさまのお役に立てれば幸いです。

なお、アイミツでは常時無料相談を承っております。コールセンターの開設にあたってPBXやCTIの導入を検討している方や、インバウンド業務を社外に委託したい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

ご予算・ご要望に応じて複数のパートナー候補をご紹介し、見積もりの取得までサポートします。

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