ホームページ制作部門 受賞
アウルス株式会社
アイミツアワード審査基準
アイミツに登録している5,000社について下記の2項目それぞれを審査し、上位10%に入った企業から選定しています。
- ①受注実績 : アイミツ内外で数・質などの観点で十分に実績を積み重ねているか
- ②発注者評価 : 商談、発注をしたお客様から高い評価を受けているか
受賞理由
創業1年目にして大手・有名企業から引き合いが多数
受注案件例
- 測量機器関連業のコーポレートサイトリニューアル(予算150万円)
- バーベキュー機材のレンタル、飲食物などの予約・決済ホームページの新規制作(予算200万円)
- 人材関連サービス運営会社のコーポレートサイトリニューアル(予算250万円)
- スマートフォン関連商品のECサイトのリニューアルおよびコンサルティング(予算300万円)
- 大手住宅・不動産業のコーポレートサイトリニューアル(予算1,000万円未満)
公開実績
トヨタ自動車株式会社 / 日本たばこ産業株式会社 / 伊藤忠オートモービル株式会社 / 株式会社船井総合研究所 / 長崎県壱岐市 / 株式会社ネットマーケティング / ソニー生命保険株式会社 / 他多数
事業課題の解決というただの制作に留まらない対応が発注者から高評価
実際の発注者コメント
- 他の業者にない、課題解決という観点からの提案に魅力を感じた。単にデザイン性が高いだけでなくサイト問い合わせ件数も約3倍増と、数値に見える成果が生まれたので非常に満足している。
- 丁寧にこちらの話を聞いた上で、専門家として忌憚のない意見を言ってくれたことが印象的。何でも相談できるため、これからもお付き合いを続けたいと感じた。
- 対応にスピード感があり、助かった。大手のデザイン会社と比較しても遜色のない提案を、比較的安価で行ってくれたのも好印象。
月間問い合わせ数を300%改善
UI/UX観点で「事業課題の解決」にコミット
アイミツに登録している数多くの企業のなかから、お客様に選ばれ続けているのはなぜなのか。
その大きな理由として、それぞれの企業が持つ固有の「強み」が挙げられます。
本インタビューでは、コンシェルジュが各企業にその強みを具体的にお聞きします。
アウルス株式会社 代表取締役
佐藤励司 様
キュレーションメディアのカウモ株式会社の立ち上げに参画。その後、カウモ株式会社の取締役として従業員150名を超える企業への成長に寄与。2017年にアウルス株式会社を創業。
株式会社ユニラボ コンシェルジュ
林伽澎
広告代理店でweb集客の営業と運用を経験し、2017年に株式会社ユニラボへ中途入社。カスタマーサクセス部に配属され新規営業チームのリーダーとして顧客開拓に邁進。現在は、コンシェルジュとして幅広いカテゴリの案件を対応。
Chapter1/4
サイトを作るのではなく「事業課題」を解決する
林:アイミツアワード受賞おめでとうございます。制作後の評価がとても高いと同時に、受注した案件を見ると、弊社のなかでも高額なものが多いのも特徴だと思います。佐藤さんは何が強みとなって、こういう結果になっているとお考えですか。
佐藤:弊社の特長は、クライアントの事業課題の解決にフォーカスして取り組んでいることだと考えています。サイト制作をされている企業には、クライアントの要望を聞いて、なんとなくきれいなサイトを作って納品したら終わり、というところも多いのではないでしょうか。
弊社の場合は、納品後にユーザーにどう使われたらサービスとして伸びていくか、例えばECサイトの売り上げを伸ばしたいという悩みに対してはクリック率を増やして購入数を増やすとかの解決策を示すところから始めて、それをデザインにアウトプットしています。
林:ただ制作する会社ではなく、コンサルティング的なところにウエートを置いているわけですか。
佐藤:確かにそう言えますね。事例については後ほど話しますが、課題の抽出からアウトプットまで、ロジックに基づいて行うことで、数値の改善がしっかりとできるようにしています。創業して1年ちょっとの会社ですが、実際に数値が改善していることが、今回のように高評価を多くいただけたり、大手企業からもご指名いただいたりしている理由ではないかと思っています。
林:十分な手応えを感じていると。
佐藤:ただ作ったサイトを提供する会社とは違って、私たちは「課題解決」という価値を提供していますからね。だいたい、景気が悪くなると下請け的な形で仕事をしている会社は、売り上げや受注件数が落ちると思いますが、私たちの場合は「伸び悩んだ状況を打破したい」ということに対応できるので、反対に仕事が増えるのではないかと思っています。
Chapter2/4
制作業界に抱いた疑問が創業のきっかけ
林:ところで、起業する前の仕事はサイト制作とは関係ありませんよね。
佐藤:はい、以前は事業会社でキュレーションメディアを作っていました。webに関する事業ではありましたが、発注する側ですね。もっとも、当時は取締役という立場だったので、人事広報や上場に向けた社外とのやりとりなどの業務が中心になっていましたが……。
林:そこから制作する側に飛び込んだのは、どんなきっかけがあったのでしょう。
佐藤:web制作の業界ってまだまだ改善できることが多く残っていると感じたことですね。
林:それは興味がありますね。例えばどんなことですか。
佐藤:先ほども話しましたが、なんとなくおしゃれなだけといった、成果にコミットしないサイトを作ることが”仕事”としてまかり通っています。しかも、そうしたものを薄利多売で作り続けることで会社は回っているけど、成長の展望もなく、残るのは作る人たちのハードワークだけ、みたいなところですね。私だけでなく、ほかの2人の創業者もそこについての課題を感じていたんです。
林:業界に関する課題感は分かりましたが、起業したということは当然、そのなかにビジネスチャンスを見いだしたんですよね。
佐藤:それを説明するには、まず業界のポジショニングマップを見ていただくのが分かりやすいですね。
デザイン・機能要素と価格を軸に分類したもので、中心から左下のほうに多く分布するのが一般的な制作会社です。左上のほうには個人の著名クリエイターなど位置します。ある意味、アートの領域とも言えますね。そして、右上には大手UI/UX会社がいます。このクラスの会社は、ユーザー思考をちゃんと理解した上で、UI/UXという形で整理をして結果につなげていますが、中小企業なんかではとても依頼できないような高単価で仕事をしています。
弊社のポジションは右側の中間ゾーンですが、ここがぽっかり空いていたんです。社会的にもデザイン思考みたいなものが評価され始めていましたから、ユーザーの思考を理解して結果につなげるプロダクトを、なるべく低単価で提供できる体制を作れば、競合もいないため成り立つはずだと思ったんです。
林:そこのポジションで、自分たちが「イケる」と確信した根拠は何だったんですか。
佐藤:一概に有名な制作会社やデザイン会社だからといって、戦略とデザインをリンクさせてプロダクトを作れるというわけではありません。ですが、私たちはプロダクトオーナーとしてwebにかかわってきた経験とユーザーの思考に対する知見があったので、戦略をもとにUI/UXを適切に設計したいい商品を生み出せるし、数字にもコミットできるという自負がありました。
林:なるほど。クオリティは担保できるとして、狙ったポジションを取るためには価格を抑えることが必要ですよね。
佐藤:そこについては、オペレーションをより効率化することで解決しています。弊社と同じようなスタイルを取っている会社のほとんどが高価格な理由は、すべてを内製化しているからです。私たちは、オフショア開発など必要に応じて合理的に外注を活用することで、価格を抑えています。ディレクターサイドがユーザーの思考について熟知していることと、これまでの経歴で積み上げてきたオペレーションのスキルがあるからできることです。
Chapter3/4
他社と異なる制作プロセスがお客様の事業をドライブさせる秘訣
林:課題解決にフォーカスするということですが、お客様が課題だと思っていることが実は違うとか、そもそも課題がなんだか分からない、ということが往々にしてありませんか。
佐藤:そうですね。ですから基本的に、ヒアリングで聞いたことを参考にして、弊社のほうでも課題の洗い出しを行い、それに基づいて競合を含めたブランド・アイデンティティ、ポジショニングまで分析した上での提案をしています。クライアントによって、課題となるものや数値、事業規模がそれぞれ異なるので、最初のヒアリングとこの分析は不可欠です。
林:そうすると、初回のヒアリングはお客様の話を聞くことがメインになるのですか。
佐藤:他社の場合、ヒアリングや最初の提案のときにデザインパターンとかを持っていくことがあるようですが、弊社ではそういったことは一切しません。まず分析を通して、市場においてクライアントのプロダクトがどうあるべきかを確認します。その上で、あるべき理想の姿と現状との乖離がどれだけ起きているかを、webサイトの評価手法であるヒューリスティック分析で確認し、制作後のKPIの設定も含めた具体的な提案をします。さらに、サービスのユーザーテストもローンチ前に弊社で実施しています。
林:ユーザーテストまで御社で行うんですか!?
佐藤:まずサービスを世に出して、見つかった問題点を最短で改善するというのを繰り返していくのが一番いいと勘違いしている方も多いんです。でも、デザイン段階でユーザーテストを行って改善点を洗い出せば、表立って失敗することなくローンチできるので、開発のコストをめちゃくちゃ下げることができるんですよ。
林:そこまでやって、提案したときの見積もりと実際の制作金額が大きく変わることってないんですか。
佐藤:ページマップとか必要な要素を見積もりの段階ですべて出しているので、ブレることはありません。作ってお渡しする時点で最高のものを提供しているので、保守運用といった面で追加請求が発生することも原則はありません。もちろん、数値が改善した上でさらなるプロダクトの改善・成長を狙う場合は、次の施策として提案させてもらっています。
林:話はちょっと変わりますが、コンサルタント的な部分のみを請け負うこともあるんですか。
佐藤:ありますよ。デザインとかプロダクトに関してロジックに基づいたアドバイスができるので、大手企業などで自社の制作チームを抱えているところには、プロダクトを見てアドバイスのみ行ったりしています。
お客様がプロダクトでおかしいなと感じる部分があったら、原因を突き止めて直していくといったことです。その意味では、プロダクトのお医者さんみたいな感じですかね。
林:webサイトの駆け込み寺のような役割ですね。
佐藤:おっしゃるとおりです。こういったポジションは世の中に絶対必要ですからね。困った方が弊社にたくさん相談に来て対応できる体制も作りたいですし、そのために営業兼コンサルタントというような形で仕事ができる人材を育てていきたいと考えています。
林:実際にローンチしたもので、数値が目標をクリアしたり、大きく改善したりした事例があればお聞きしたいのですが。
佐藤:教育領域に特化した人材紹介のスタートアップであるファンオブライフという会社の事例を紹介しましょう。リニューアル案件で、コーポレートサイトとサービスサイトのUI/UXを全面的に変更しました。特にサービスサイトについては、ユーザーのUXをより良いものにできるよう、内部のシステム設計から見直しました。ローンチして1週間程度のデータに基づくものなんですが、月間の問い合わせ件数が以前と比較して300%くらいになりそうです。通常の運用段階でも150~200%の改善が望めると考えています。
林:新規案件はいかがですか。
佐藤:昨年(2017年)10月にローンチした「スマホのマーケット」(運営:ジラフ)のサービスを作らせていただきました。スマートフォンに特化したCtoCのサービスでローンチして1年弱ほど経ちましたが、広告を打たなくても最初に設定した数値目標をクリアしています。ちゃんと考えた戦略を持って制作をすれば、こうして結果はきちんと出るんですが、それをできてない会社が世の中あまりにも多いように感じます。そういった要素は改善していくことで、マーケットを広げていきたいですね。
Chapter4/4
成果報酬型でコミットするスタートアップ支援も展開
林:今後の展開なんですが、新たに考えているプロダクトや事業などはありますか。
佐藤:事業というかクライアントとのかかわり方として、成果報酬型のシステムを準備しています。くり返しにはなりますが、創業メンバーがそれぞれプロダクトオーナーで事業者のことを理解しており、数値にもコミットできるという自負がありますし、その方が本質的だと考えているからです。
林:SEO対策や、ECサイトを共同運営する形での成果報酬モデルはすでにありますが、webサイト制作そのものでというのは聞いたことがありません。どのようなビジネスモデルになるんですか。
佐藤:今すでに案件として動いているモデルは、優秀な起業家をサポートするような形で事業の改善に取り組むというものです。
林:ちょっとイメージが浮かばないんですけれども……。
佐藤:優秀な起業家がいたとして、事業プランに少し物足りないところがあってもったいないとか、デザイナーや開発のリソースがいないってことがあるんです。そういう起業家に対して、制作費用は一切いただかない代わりに会社の株式を一部取得するというシステムです。私たちのサポートによって事業が拡大すれば、取得した株式の価値が上がりますよね。その分が成果報酬となるわけです。
林:なるほど。面白い試みですね。実際、どこまでサポートするんですか。
佐藤:事業をどうやって伸ばしていくかの戦略提案、それに伴うデザインや開発の部分、あとはオフィスとかの提供もしますよ。
林:アメリカのエンジェルのようなことをするんですね。
佐藤:おっしゃるとおりです。ベンチャーキャピタルとも少し異なっていて、サポートはかなり手厚いものになっていると思います。海外で増えてきているスタートアップスタジオのモデルにも近いかもしれません。
林:成果報酬といっても、限りなく投資事業に近く、費用がすべて持ち出しになるリスクがありますが、そのあたりの成算は。
佐藤:今まで大小問わず複数のプロダクトを改善してきて、結果に結び付いたものが一定数出ています。ですから、この成果報酬型のように、最初に投資するリスクを取ったとしても、改善して利益を上げられる自信はあります。さまざまな悩みを持った事業者がいるので、幅広い形でそういった方の悩みを解決し、5年後や10年後にはこの分野で日本でも指折りの会社になっていたいですね。
インタビュー後記
自社の業界内でのポジションをここまで明確にしている企業は少ないのではないでしょうか。まだ設立から日が浅いなか、すでに大手企業の実績を多数積み重ねているのは、その狙いが正しかったことの証でしょう。事業会社出身の経験を活かし、他の制作会社にはない広い視野で、世の中のニーズに沿った提案ができているのだと思います。