サーバー、ネットワーク、インフラシステム構築・運用アウトソースに必要なこと【2024年最新版】
インターネットシステム構築の外注という作業には、さまざまな分野があります。
代表的な分野として、webサーバーやファイルサーバーを構築するサーバー系、インターネットシステムをクライアントパソコンやサーバーと接続してネットワーク化するネットワーク系、サーバー系、ネットワーク系を含めて包括的なシステムインフラを構築するインフラ系などがあります。
発注者側は、往々にしてこれらの分野のシステム構築を一緒に見てしまいがちですが、その内容によって難易度も工期も大きく変わってくるので、当然かかってくる費用も違ってくることに注意しましょう。
またサーバー関連の構築は、普段付き合いのあるハードメーカー系のSIerなど主導で決められてしまうケースが多いですが、実はハードウェアメーカーが常にソフトウェア的なシステムにも詳しいというわけでもありません。
インターネットに接続するためのハードウェアを納品してくれる業者なのだから、サーバー構築やネットワーク構築、インフラ構築にも強いはずだ、というのは思い込みにすぎない場合もあります。
これらのシステムを構築したい場合には、最小限必要なポイントを身につけて、発注側が主導権を握って自社に最適なシステムを構築していくといった態度が重要になります。
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サーバー、ネットワーク、インフラシステム構築とはどんな仕事か
サーバー構築の中身とは
サーバーとは、職場で1台1台のパソコンに対してサービスを提供する大元のコンピュータのことを指します。
例えば、インターネットのブラウザを立ち上げてウェブサイトを閲覧するときにも、1台1台のパソコンにウェブサイトがインストールされているわけではありません。
ウェブサイトの大元であるwebサーバーがあり、そのwebサーバーを1台1台のパソコンからネットワークを通じて見に行っているのです。
そのほかにも、メールを使うときにはPOPサーバー、SMTPサーバーを利用しますし、ウェブサイト構築にはDNSサーバーやFTPサーバーなどが必要になります。
それぞれをバラバラのサーバー機に独立して構築することもできますが、費用を抑えるために1台のパソコンの中に格納することも可能です。
そうしたサーバー周りのシステム構築を行ってくれるのが、サーバー構築の仕事ということになります。
サーバー設計・提案
自社内にサーバーを構築する場合や、データセンターにあるサーバー機をレンタルで使用するホスティング、自社の所有するサーバー機をデータセンターのラックに格納してもらうハウジングなどさまざまなケースがあります。
サーバーを搭載するOSは主にUNIXは系とWindows系に大別されますが、そうしたOSのインストール、設定といったインフラ構築をサーバー設計と一緒に行う場合もあります。
サーバー構築・保守
webサーバー、POPサーバー、SMTPサーバー、DNSサーバー、FTPサーバーなどを構築します。
サーバーは1日の業務の終了時に電源を落としてしまうクライアントパソコンと違っていったん立ち上げたら24時間365日ノンストップで動くことが大前提となります。
このため、サーバーを構築したあとは、サーバーがノンストップで稼働することをサポートするメンテナンスや保守業務も同じ業者に依頼することが一般的です。
サーバー運用・監視
時々、サーバーが悪意あるハッカーにクラッキングされて個人情報が流出したなどというニュースがありますが、そうしたことがないように公開したサーバーの運用、監視をするのもサーバー構築の一環となります。
またシステム的な運用監視のほかに、webサーバーの掲示板やSNSなどに悪意ある書き込みがないかなどの炎上監視サービスを提供している会社もあります。
ネットワーク構築の中身とは
ネットワーク構築の分野では、先程のwebサーバーなどと1台1台のパソコンとを結んだり、社内外のネットワーク構築をしたりする業務を行います。
社内LANや、本店支店間ネットワーク、セキュリティ重視のVPNサービスなど、発注者の希望をヒアリングした上で最適なシステムを組みます。
ネットワーク設計・提案
現在パソコン導入にはインターネット接続が必須になっていますので、社内のパソコン導入時には必ずネットワーク設計がついて回ります。
単に回線でつながったという状態を提供するだけでなく、どの役職の人がどのファイルを閲覧できるのか、どの部署とどの部署が文書を共有できたり編集したりできるのかなどの、社内のネットワーク共有設計などを行うのもネットワーク構築の重要な役割です。
また、外部との接続に専用線を使ったりVPNを使ったりするなどのセキュアなインターネット接続が必要な場合も、方法やコストなどについてしっかり提案を受けましょう。
ネットワーク構築・保守
ネットワーク設計・提案に基づいて、ネットワークを設定します。
サーバー構築のようにプログラミングが必要なケースは稀ですが、ファイル閲覧、共有などの権限設定といったセキュリティに関する設定などを間違いなく行ってもらう重要な作業です。
また、専用線やVPNなどの外部接続についても、得意な業者とそうでない業者があるので事前にしっかりチェックしておくことが必要です。
社内LANの共有設定などができるのだからVPNなどの外部への接続もできるだろう…と考えがちですが、両者は全く違う技術を使いますので注意が必要です。
ネットワーク運用・監視
ネットワークを構築してもらった後、クライアント企業に常駐したりリモートで遠隔地から運用・監視を行ったりします。
簡単な障害対応までやってくれるケースも多いですが、作業内容によっては月額費用のほかに料金が発生します。
インフラ構築の中身とは
インフラ構築は、サーバー構築やネットワーク構築よりも業務範囲が広くなります。
具体的には、1台1台のパソコンの配置やサーバー機、ルーター、ハブ、配線などの文字通り物理的なインフラの設置工事から行います。
ハード機器が設置されたあとは、各クライアント端末のセキュリティ設定、プリンタ設定、SSLのクライアント証明書の設定なども行います。
パソコンのセットアップや、バージョンアップなどを依頼したい場合にはインフラエンジニアに頼みます。
また、それほど大掛かりでないサーバー設定やネットワーク設定などもインフラエンジニアに任せることができる場合があります。
インフラ設計・提案
サーバー周りのインフラについては、サーバー構築のときに準備することが多いですが、クライアントパソコンやプリンタなどの社内の日常業務で使う部分のインフラについては、インフラ構築の際に用意します。
また、社内のデータバックアップ(自動バックアップ体制や復旧手順の設計など)をどうするか、社内外からアクセスできる共有ストレージはどのように設計するかなどもインフラ構築の重要なメニューです。
そのほか、パソコン1台1台のウイルス対策や、SSLを使用するにあたっての証明書の取得発行なども設計の中身に含まれます。
インフラ構築・保守
インフラ構築は、言葉通り解釈するとサーバーを含んだインフラ構築を連想しますが、実際にはクライアント周りのインフラの構築になります。
したがって、クライアント端末へのソフトウェアのインストールやアクセス権限設定、プリンタ設定、ファイアウォール設定、SSLクライアント証明書設定などを行い、すぐに業務が遂行できる体制を整えることが使命となります。
保守に関しても同様で、不具合の部分がサーバー周りにある、ネットワーク周りにあると分かった時点で、それぞれサーバー構築、ネットワーク構築の専門家にバトンタッチします。
いわゆるインフラ構築の保守とは、プリンタが動かないなどのクライアント周りの不具合の対応になります。
社内システムの構築にエンジニアを派遣してもらう場合どんな人材が必要か
ここまでサーバー構築、ネットワーク構築、インフラ構築の違いを見てきました。
ここまではそれぞれの設計や構築を外部の業者にすべて依頼する場合を想定していましたが、中規模以上のシステムの場合には、エンジニアを派遣してもらって社内に常駐してもらったほうが、効率的にもコスト的にも望ましいというケースも多いです。
どんな人材を派遣してもらうのが適切なのかを判断するためには、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、インフラエンジニアそれぞれの違いを知っておくことが大切です。
派遣サーバーエンジニアに期待できる仕事
派遣サーバーエンジニアに期待できる仕事は大きく分けて2つあります。
一つめは、自社の内部に設置されたサーバーシステム全般のメンテナンスを行うこと。
もう一つは、データセンターなどに設置した自社のサーバーを自社内から遠隔操作でメンテナンスしてもらうことです。
いずれにしても、初期の構築部分に関してはエンジニアを派遣してもらう必然性はあまりありません。
初期の構築に関してはアウトソーシングの形で依頼して、その後サーバーが正常に稼働しているかどうかを監視してもらい、不具合があったときには迅速に対処してもらうという目的のために派遣を考えるとよいでしょう。
サーバー周りの構築は、webサーバーなどのように自社のオリジナルなシステムを作り込んだものが多くなります。
したがって、構築したあとのメンテナンス等は構築したサーバーに精通しているエンジニアが担当することが最も確実で安全です。
派遣社員にサーバー周りのメンテナンスを依頼することによって、自社のシステムに精通した専門家を内製化できるメリットは非常に大きいものがあります。
自社内で新規にシステム部門を作ったり、現在あるシステム部門の技術力の底上げをしたりしたい場合などには、ぜひ優秀なサーバーエンジニアの派遣を検討してみましょう。
派遣ネットワークエンジニアに期待できる仕事
今日インターネット接続はパソコン使用の大前提となっていますので、いったんネットワークに障害があった場合にはその損失は莫大なものになります。
社内でのネットワークトラブルでは、業務が正常に遂行できなくなってしまったり、外部ネットワークのトラブルでは取引先とのやり取りに支障が出たり、ECサイトなどを運営している場合には一般顧客向けのサービスが停止してしまいますので、売上損失ばかりでなくサイトのブランドイメージが大きく毀損されてしまいます。
ネットワークエンジニアの派遣に関しても、サーバーエンジニアと同じく、期待できる仕事のメインはメンテナンス業務です。
ネットワーク障害が生じないように日々、ネットワークのログ解析や、最新のウイルス情報アップデートなどを行ったり、万が一ネットワークトラブルが生じた場合には原因を調査して、迅速にネットワークの復旧対策を行ったりします。
ネットワークエンジニアは、TCP/IP、スイッチング技術、ルーティング技術などの基礎技術を保有しており、その他無線LAN、ロードバランサ、呼制御サーバー、IPS等の技術力も必要になってきます。
また、ネットワーク部分はサーバー周り、クライアント周りとも密接に関わってくるので、トラブルの原因解明のためには、幅広い範囲で障害復旧を行った経験が重要になってきます。
派遣インフラエンジニアに期待できること
インフラエンジニアについても、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアと同じく、クライアント周りのインフラが構築されたあとに、それをメンテナンスしていくことが業務の中心となります。
サーバーに障害があったり、ネットワークに障害があったりした場合の影響も大きいですが、プリンタが動かない、ハードディスクがクラッシュしたなどの1台1台のクライアントパソコンの障害もまた業務に大きな影響を及ぼします。
こうしたメンテナンス作業に加えて、最近では企業の業務システムのクラウド化が加速していますので、現状の業務システムをクラウド化したときの個々のパソコンでのクラウドシステムの導入支援などを行う場合もあります。
一般社員にとっては、サーバー周りやネットワーク周りを担当してくれている派遣エンジニアよりも、自分のパソコンが動かなくなったときなどに対処してくれるインフラエンジニアのほうが、直接的なメリットを感じやすいと言えるでしょう。
システム開発の費用相場
最後に、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
平均相場 | 233万円~ |
システム開発の種類 | 費用相場 | |
簡易顧客システム | 20万円~ | |
Webシステム | 130万円~ | |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】自社に最適なシステム構築に必要なこととは
以上、サーバー構築、ネットワーク構築、インフラ構築に分けてその業務内容を整理してきました。
発注側からすると、やりたいことは「社内に新規にコンピュータを導入してインターネットにつなげるようにして欲しい」ということなのですが、詳しく見てみると、その業務分野ははっきりと分かれていることがお分かりいただけたと思います。
間に普段取引のあるハードウェアメーカーや、別件でホームページ制作を頼んだ会社などが入る場合には、この「社内に新規にコンピュータを導入してインターネットにつなげるようにして欲しい」というリクエストだけで動いてくれる場合もあります。
しかし、この場合には当然間に入った業者のコンサルティング的な料金もかかってきますし、ハードウェアメーカーであれば自社と関連のあるシステムを提案してくるでしょう。
ホームページ制作を頼んだ会社にしても、普段自社が取引している業者のシステムを提案してくるはずです。
つまり、「社内に新規にコンピュータを導入してインターネットにつなげるようにして欲しい」という曖昧な頼み方をしてしまった場合には、自社にとって最適なシステムというよりは、間に入ってくれた業者にとってメリットのあるシステムが提案されやすいという危険性もあるのです。
少なくとも、最低限そうした間に入った業者の持ってきた提案内容を客観的に判断できることが大切ですし、できれば発注者側主導で信頼できる業者をピックアップすることができたほうがよいでしょう。
それによって、自社の課題解決につながる理想的なシステムの導入が可能になりますし、結果的にコストもかなり抑えることが可能になってきます。
また、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、インフラエンジニアを派遣してもらってシステム関連のエンジニアリングを内製化したい、社内の技術部隊の底上げをしたいという場合においても、漠然とエンジニアの派遣を希望しても最適な人材は見つかりません。
自社の業務のどの部分にどんなエンジニアが必要なのかを洗い出して、その上で派遣会社や、システム構築会社に依頼することで最適なエンジニアが見つかるのです。
この記事でシステム構築の中身についての理解を深めた後、実際に業者をピックアップしたり、派遣エンジニアを探したりする段階では、ぜひ経験豊富な「アイミツ」にご相談ください。
御社にピッタリのシステム構築会社、エンジニア派遣対応の会社をご紹介いたします。
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