アパレルECサイトの最新トレンドが分かる9選【2024年最新版】
アパレル業界では、自社の商品やアイテムを販売する効果的な手段としてECサイトを積極的に活用する企業や店舗が増えてきました。
経済産業省の調査によると、2018年におけるアパレル業界の全商取引のうち、ECサイトなどの電子取引とされているものが1兆7,728億円に上ります。
アパレルEC市場は対前年比で7.74%上昇し、業界のEC化率は12.96%です。
さらに「衣料・服飾雑貨等」の分野は物販系EC市場の中で「食品」や「家電」「インテリア」などを押さえて構成比率のトップになっています。アパレル業界は今もっともEC化が注目されている分野と言えます。
今後もアパレル分野ではEC市場に参入する企業は増加し、競合が激しくなることが予想されます。
こうした流れも見据えて、実店舗との融合も含めてネットショップが抱える課題の解決などを目的に、新しい技術やサービスを導入したサイトが登場してきています。
この記事では、アパレルECサイトをタイプ別に紹介した上で、最新トレンドを詳しく説明していきます。
* 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場が15兆円を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破~
最新の「アパレルECサイト」事例
1-1 「大手メーカー」のECサイト
(1)ユニクロ
ファーストリテイリングが展開しているカジュアルウェアのブランドで、日本の“ファストファッション”の先駆け的な存在である「ユニクロ」のECサイト。
全国に800以上もの店舗展開をしていることもあって、リアル展開のイメージが強いユニクロですが、近年はネットとリアルの融合に力を入れており、さまざまなサービスをスタートさせています。
来店先の店舗に在庫がなくてもECサイトの商品を店頭でその場で購入し、自宅に配送してくれる「店頭レジ払い・自宅配送サービス」。
ECサイトで購入した商品を全国のコンビニで受け取ることができる「どこでも受け取りサービス」など、リアルやオンラインにこだわらずに商品提供ができる仕組みを積極的に取り入れています。
また、2017年9月よりAI(人工知能)コンシェルジュサービス「UNIQLO IQ」の試験運用をスタートしました。
ユニクロのアプリにおいて、希望商品の条件を入力すると複数の商品候補を提示してくれたり、さまざまな質問にチャットボットで回答してくれたりするサービスで、2018年春の本格導入を目指して準備をしています。
(2)洋服の青山
青山商事株式会社が展開するスーツ・紳士服販売の専門店「洋服の青山」のECサイト。
店舗と同じビジネスやフォーマルのスーツ、スラックスなどのメンズ・レディース商品をECサイトから購入することができ、オンラインユーザーのみを対象とした「アウトレットセール」も行っています。
特徴の1つは、商品に関する質問や要望に電話で答えてくれる専門の「コンシェルジュサービス」を設けていることです。
試着予約や商品の取り置き、店舗受け取りなどもこの「コンシェルジュサービス」から申し込むことができます。
さらに専用ページに「体型」「号数」「ウエスト」「首周り」「股下」などを登録しておくことにより、スーツなどの商品一覧で、適合するサイズの在庫がある商品だけを表示してくれる「マイサイズ」というサービスもあります。
また、「Tポイント」と連動させたり、専用のスマートフォンアプリやスマートフォンサイトなどモバイル環境も積極的に整えたりすることで、会員向けにポイントサービスやお得なクーポン、最新情報の配信などを積極的に行っています。
(3)GAP
サンフランシスコに本社を置く、アメリカの“ファストファッション”を代表するブランドの1つである「GAP」のECサイト。
ECサイト経由で24時間いつでも、実店舗での商品取り置きの予約ができる「ネット予約&店舗引き取りサービス」や、過去の購入内容やweb閲覧の内容からおすすめ商品を教えてくれる「パーソナライズド・ショッピングサービス」があります。
さらに「オンライン在庫確認システム」では、モバイル端末を使用してサイズや色などを指定すると、一定の距離内にある店舗の在庫確認を行うことができます。
また、FacebookやInstagramからハッシュタグを付けてお気に入りのGAPのコーディネートをシェアしたユーザーを公式サイトで紹介するなど、SNSを使ったユーザー参加型の企画なども積極的に行っています。
1-2 「ブランド&セレクトショップ」のECサイト
(1)nano・universe
セレクトショップの株式会社ナノ・ユニバースが運営するECサイト「nano・universe
」。
「店舗とECのサービスレベルを合わせる」ことを意識して制作されています。
例えば、商品画像は店舗のディスプレイをイメージしてレイアウトし、着心地を伝える写真や説明文など商品情報を豊富に掲載するなど、店舗に劣らない利便性の提供に力を入れています。
また、サイズ選びで失敗をしたくない人にとっては頼もしい「FIT YOU」という機能があります。
「FIT YOU」は自分の各部位の寸法を事前に登録しておくと、服を選んだときに在庫の中から最適なサイズの商品を選んで表示してくれるサービスです。
また、専用のスマートフォンアプリもあり、アプリをインストールした会員が入店すると店舗スタッフが持つタブレット端末に顧客情報が表示される仕組みになっています。
「在庫連携」や「会員特典の共有化」など実店舗とECサイトの顧客データを統合したCRMを積極的に進めています。
(2)URBAN RESEARCH
株式会社アーバンリサーチが運営するECサイト「URBAN RESEARCH」。
「DESIGN YOUR LIFE STYLE」をテーマに、カジュアルテイストをベースに世界中からセレクトしたデイリーウェアやドレス、ライフスタイルアイテムを展開しています。
ECサイトでは、気になる商品の在庫がある店舗を検索できたり、ECサイトを使って24時間いつでも、実店舗での商品取り置きの予約ができたりする「店舗お取り置きサービス」があります。
また、店頭のモニターを使いバーチャル試着ができる端末「WEARABLE CLOTHING BY URBAN RESEARCH」をリリースして話題になりました。
気に入った商品があれば、液晶画面上でECサイトのカートに入れ、発行されるQRコードを使ってスマホで購入することもできます。
(3)UNITED ARROWS
セレクトショップの株式会社ユナイテッドアローズが運営するECサイト「UNITED ARROWS」。
“精神的な美と永続的な若さ”をコンセプトに、カジュアル からフォーマルまで幅広いアイテムを揃えています。
通常のECサイト機能に加え、店舗の在庫確認や試着の手配もすることができます。
商品センターの在庫を希望する店舗に配送して試着をすることができ、気に入ればそのまま店舗で購入できます。
さらに専用のスマートフォンアプリ「UAスタイルシェア」では、web上のバーチャル人形でコーディネートを試すことができ、人目を気にせずにじっくりと自由に洋服選びができます。
コーディネートが気に入ったら、その商品をそのまま購入できます。
また、「ハウスカード会員サービス」は、店舗とECサイトで共通化されており、さまざまな特典を利用することができます。
1-3 「百貨店&ファッションビル」のECサイト
(1)大丸松坂屋ファッション通販「クリック&コレクト」
百貨店の大丸松坂屋が運営するECサイト「クリック&コレクト」。
大丸松坂屋の店頭で販売されているブランド「UNTITLED」や「23区」「タケオキクチ」などを中心に、店頭で取り扱いのない人気ショップやブランド150以上のアイテムを取り揃えています。
ECサイトで選んだ商品を店舗で試着できたり、ECサイトで注文した商品を「自宅への配送」と「店舗で受け取る」、2つの方法から選ぶことができます。
さらに店頭で品切れした商品をECサイトで在庫確認して購入できる「エンドレスアイル」というサービスもあります。
(2)伊勢丹メンズ館 「 ISETAN MEN’S online store」
出典: ISETAN MEN’S online store http://isetan.mistore.jp/onlinestore/men/isetan_mens/index.html
新宿にある「伊勢丹メンズ館」のECサイト「 ISETAN MEN’S online store」。
ECサイトを独自メディア「 ISETAN MEN’S.net」や専用スマートフォンアプリ「ISETAN MEN’S」と連携させて、それぞれのサイトの強みを活かしたユーザーへのアプローチをしています。
「 ISETAN MEN’S.net」では、伊勢丹メンズ館に入っている店舗の商品やバイヤーによる目利きのコレクション、おすすめアイテムなどが多数紹介されており、気になる商品があったらECサイトで購入することもできます。
さらに専用スマートフォンアプリ「ISETAN MEN’S」では、スマートフォンアプリをインストールした会員は伊勢丹メンズ館の各フロアに入ったタイミングで、館内で行っているさまざまなイベントやセールなどの情報を受け取ることができます。
(3)マルイのネット通販 「マルイ ウェブチャネル」
出典: マルイのネット通販 「マルイ ウェブチャネル」 https://voi.0101.co.jp/voi/index.jsp
株式会社丸井が運営するECサイトが「マルイ ウェブチャネル」です。
ファッション雑誌で掲載されているブランドアイテムを中心に、マルイの店舗で取り扱っている商品を購入することができます。
ECサイトで購入した商品は、全国のマルイの店舗で直接受け取ることができます。
また、商品を返品したい場合でも直接店舗に持っていけば返品ができ、梱包や伝票記入などをせずにそのまま持ち込めるのは大変便利ですね。
さらにシューズであれば、ECサイトで注文して自宅で試着をすることができます。
送料と返品もそれぞれ無料(返品期間は8日間)で、気に入ったもの以外は返送することができるので、自宅で安心してシューズ選びができます。
商品の支払いも代引き(代金引換)やクレジットカード、コンビニや郵便局での後払いができます。
さらにマルイのカード「エポスカード」と「赤いカード」を使うと、ポイントでの支払いや貯めることもできます。
最新のアパレルECサイト事情
2-1 【トレンド:1】「オムニチャネル」と「O2O」
最近はアパレル業界でも「オムニチャネル」や「O2O」を積極的に取り入れる企業や店舗が増えています。
(1)「オムニチャネル」とアパレルECサイト事情
「オムニチャネル」とは、顧客と接点になる店舗やオンライン、SNSなどすべてのチャネルを連携させて、顧客にアプローチを行っていく施策のことを言います。
「1. 最新の「アパレルECサイト」事例」でも紹介したように多くの企業や店舗が取り入れているのが、ECサイトで購入した商品を「店舗で受け取れるサービス」です。
気になる商品の取り置きができたり、購入した商品を直接店舗で受け取れるのは、ユーザーにとっても便利ですし、店舗としても来店してもらうきっかけもにもなります。
ちなみにユニクロでは、自社の店舗だけではなく、全国にあるコンビニで受け取ることもできます。
また、「マルイ ウェブチャネル」では、ECサイトで注文したシューズを自宅で試着をすることができ、気に入ったシューズのみそのまま購入し、それ以外のシューズは無料で返品できるサービスが女性を中心に人気です。
(2)「O2O」とアパレルECサイト事情
「O2O」は、“Online to Offline”という言葉の通り、ECサイトやSNSなどオンラインでの働きかけによってリアル店舗やイベントなどのオフラインへと誘導する施策のことを言います。
「1. 最新の「アパレルECサイト」事例」でも紹介をしたように多くの企業や店舗が導入していたのが、オンラインとリアルの“会員情報の統合化”です。ECサイト、店舗のどちらで購入した場合でも、ポイントを貯めたり、特典を利用したりできます。
さらに「nano・universe」と「伊勢丹メンズ館」のように、専用のスマートフォンアプリを用意して、アプリをインストールした会員が入店すると、店舗で行っているイベントやセールなどの情報を発信するものもあります。
2-2 【トレンド:2】「体験型スタイル」
アパレルのECサイトで一番のネックとなっているのはやはりサイズやコーディネートの確認など、実際に“試着ができない“ことでしょう。
しかし、「1. 最新の「アパレルECサイト」事例」でも紹介をした「洋服の青山」や「nano・universe」のように、オンライン上で自分の体のサイズをそれぞれ登録しておくと、適合するサイズの商品を自動でセレクトし、表示してくれるサービスもあります。
さらに「UNITED ARROWS」の「UAスタイルシェア」や「URBAN RESEARCH」のバーチャル試着端末「WEARABLE CLOTHING BY URBAN RESEARCH」のように、実際に服を試着しなくてもバーチャルで確認することができるシステムなども登場してきました。
このほか、「洋服の青山」の電話を使ったコンシェルジュ・サービスや「nano・universe」のアプリを使った店員とのチャット・コミュニケーションなども体験型スタイルと捉えることができます。
今後は、ユニクロが試験運用を始めたAI(人工知能)を使い店舗とのギャップを埋めるサービスの利用も活発になっていくと予想されます。
まとめ
ECサイト、特にアパレル系ショップでは「サイズが合わない」「イメージが違う」など、実際の商品を見たり試着できないことが、店舗側・顧客の双方にとって障壁となっていました。
しかし、今回の記事でもご紹介したようなバーチャル上での試着ができたり、無料で返品ができたりするといったサービスは、顧客のECサイト利用に対する抵抗感のハードルを引き下げ、店舗側にとってもトラブルに対する懸念を減らすことのできるものです。
こうしたECサイトの進化は、ネットショップと実店舗をシームレスに融合させる「オムニチャネル」やネットから実店舗への誘導を図る「O2O(Online to Offline)」を進めていく上でも、有効かつ不可欠です。
もはやECサイトと店舗を切り離して考えることはできません。
双方を連携させていくことでユーザーの利便性や満足度を高めていくことがより一層求められます。
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