コールセンターをテレワーク化するメリット・課題・導入方法を解説!【2024年最新版】
働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コールセンターのテレワーク化を推進する企業が増加傾向にあります。しかし、中には「コールセンターのテレワーク化は本当に可能なの?」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
コールセンターのテレワーク化はもちろん簡単ではありませんが、自社に合った方法で導入・運用ができれば大きなメリットが得られるものです。
そこで本記事では、コールセンターのテレワーク化で生まれるメリットや現状の課題、導入方法などについてわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
コールセンターをテレワーク化する必要性
コールセンターのテレワーク化の必要性・メリットは「企業側」と「従業員側」で大きく異なります。
企業側の最大のメリットとしてあげられるのは、オフィス型のコールセンターに必要不可欠とされる家賃や機器の導入費用といった初期投資を大幅に抑えることができるということです。テレワークにする場合には最低限の機器があればコールセンターが開設できるでしょう。
従業員(オペレーター)側は時間や場所を問わず勤務ができるため、結婚や妊娠・出産といったライフイベントがあってもキャリアを中断することなく、自身の都合に合わせて働けるというメリットがあります。テレワークによるコールセンター業務は時給ではなく成果報酬型となっているケースが多いので、短時間であっても高収入が望めるというのもうれしいポイントでしょう。
また、ライフステージの変化を理由に、優秀なオペレーターが離職してしまうリスクが低減できるのも企業にとってのメリットだといえます。
コールセンターをテレワーク化にするとは?
続いて、コールセンターをテレワーク化する際には具体的に何をすべきなのかを解説します。
テレワークとは
テレワークとは、「Tele=離れた場所」と「Work=働く」とかけ合わせた造語で、情報通信技術(ICT)を活用して時間や場所にとらわれずに働き方を指すものです。
近年ではスマートフォンや高速回線の普及により、テレワーク化が可能な業種・職種が急速に拡大。総務省ではテワサークを「ワークライフバランスの実現、人口減少時代における労働力人口の確保、地域の活性化などにも寄与する『働き方改革実現の切り札』となる働き方」としています。
在宅勤務でのコールセンター運営に必要なシステムとは
在宅勤務によるコールセンター運営を成功させるためには、「オペレーターが対応する問い合わせの絶対数を抑えること」「1件の問い合わせに対する業務時間を短縮すること」が重要とされています。
コールセンター業務をテレワーク化する際には、在宅コールセンターシステムが必要不可欠です。くわえて、問い合わせの絶対数を減らすためには、チャットボット やFAQシステムも用意するなど、ユーザーに自己解決を促す仕組みづくりが有効。ユーザーが自身で手軽に情報にアクセスできる環境を作ることで、コールセンターへの問い合わせ数の削減につながるでしょう。
また、問い合わせ1件あたりの対応時間を短縮するには、ユーザー情報や過去のやりとりを確認しながら応対が進められる顧客管理システムの導入がおすすめです。
在宅コールセンターシステムとは
テレワークによるコールセンターの環境を構築するためには、クラウド型PBXの導入が必要です。
クラウド型PBXとは「外線を担当者へ転送する」「社内で内線で通話する」といった機能をもつシステム。オンプレミス型のように社内にPBX(構内交換機)を設置する必要がなく、インターネット環境があれば場所を選ばずに利用できるという特徴があります。オペレーターがインターネットにアクセスできれば、コールセンターのテレワーク化が実現可能となるのです。
クラウド型とオンプレミス型の機能に大きな違いはないので、クラウドPBXによってコールセンター業務をテレワーク化した場合であっても、従来どおりの品質を維持できるでしょう。
コールセンターにおけるテレワーク化の現状
コールセンターのテレワーク化は企業側・従業員側の双方に大きなメリットをもたらすものですが、現状のところは「徐々に普及している」という段階であるのが事実です。
一般社団法人 日本コールセンター協会がコールセンター会社を対象に行った「2020年度 コールセンター企業 実態調査」の結果では、「すでに在宅テレコミュニケーター(オペレーター)を採用している」と回答した会社は50社中14社。一方で19社が「採用予定なし」と回答しました。
この数字だけを見ると「コールセンターのテレワーク化は難しそう」と思う方も多いでしょう。しかし、2018年度の時点で「すでに採用している」と回答した企業が2社であったのに対して2020年度には14社、「採用予定あり」と回答した企業は3社だったのに対して8社に増加。反対に、「採用予定なし」と回答した企業は2018年度には全体の90%となる45社にものぼりましたが、2020年度には19社と半数以下にまで減少しています。
働き方改革の影響や、新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せないこともあり、今後もコールセンターをテレワーク化する会社が増加を続けるでしょう。
コールセンターにおけるテレワーク化の課題
コールセンターのテレワーク化によるメリットを理解しつつも、課題・懸念から「導入に踏み切れない」という会社も少なくありません。コールセンターのテレワーク化には、どのような課題があるのでしょうか?
セキュリティの安全性が保てるか
一般社団法人 日本コールセンター協会による「2020年度 コールセンター企業 実態調査」の結果において、コールセンターのテレワーク化の「予定なし」と回答した企業から、その理由としてもっとも多くあげられたのは「セキュリティ上の問題」でした。
コールセンターでは顧客の個人情報をはじめとする機密情報を扱うため、「万が一、情報漏えいが発生したら」と懸念するのは当然でしょう。しかし、適切な対策を行えば、テレワークであっても通常と同等のセキュリティの維持が可能です。
もっとも重要となるのはシステムのセキュリティ対策で、ウイルス対策ソフトやシンクライアント対応の端末、VPN接続、暗号化通信の実施が有効とされています。
システムのセキュリティ対策とあわせて情報の持ち出しルールの整備・徹底も大切なポイントです。さらに、業務に使用する端末の私的利用を防ぐための対策も必要でしょう。
品質が低下しないか、品質管理ができるか
離れた場所での業務となるため、「コールセンターの品質が低下しないか」「適切な品質管理ができるか」も管理側にとっての大きな懸念材料の1つ。品質管理上の問題を理由に、コールセンターのテレワーク化を見送る企業も少なくありません。
具体的には、以下のような問題が発生する可能性があります。
(1)トラブルの発生に気づきにくく、適切なタイミングで対応ができない
(2)オペレーターによって応対の品質に差異が生じるおそれがある
いずれも従来のコールセンターでは起こりにくい問題です。しかし、コールセンターをテレワーク化している会社では、コールセンターシステムの「リアルタイムモニタリング機能」や「ウィスパー機能」などを活用し、こうした課題を解決しています。
教育や労務管理などのマネジメントができるか
コールセンターに限らず、さまざまな職種でテレワークの普及が進まなかった大きな理由の1つが「管理者が同じ場所で働いていないのに、適切な労務管理・教育ができるのか」というマネジメント面の問題です。
従来型のコールセンターであれば、管理者はオペレーターの様子や顔色などから「モチベーションが低下していないか」「何か困ったことがないか」などが容易に把握できたと考えられます。また、テレワークに対応した人事評価方法・判断基準が定められていないという会社も少なくなく、さらに「新人オペレーターをどのように教育していくのか」というのも課題だといえます。
労務管理に関する課題の解決には、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムを使えば、オペレーターの稼働状況がひと目で把握できるでしょう。また、新人オペレーターにはマニュアル動画の用意や、定期的なビデオ会議を実施することで、遠隔であっても教育が可能です。
コールセンターでテレワークを導入する方法
最後に、コールセンターでテレワークを導入する具体的な手順や導入までの流れを解説します。
テレワーク導入までの流れ
コールセンターのテレワーク化を成功に導くためには、段階的に進めることがなによりも大切。具体的な流れは以下のとおりです。
(1)現状調査
コールセンターをテレワーク化するためには、コールセンター業務の可視化や問題点、必要なシステムの整理を行う必要があります。「すぐに全面テレワークに移行する方がいいのか」「徐々にテレワークにする方がいいのか」といったことも、既存システムや業務内容によって変動するので、慎重に進めていきましょう。
すでにテレワークを導入している他社の事例などを参考にしながら、「自社のコールセンターはテレワーク化できるのか」「最適なタイミングはいつなのか」などを検討することをおすすめします。
(2)プランの策定
現状の業務や問題点などの可視化ができたら、次は「どのような工程でテレワーク化を進めるのか」のプランを策定します。具体的には、予算を確保するための社内凛議やスケジュールの設定、ベンダー選定・打ち合わせなどを行います。社内はもちろん、社外のベンダーとの調整や承認が必要となるので、ドキュメントに明確かつわかりやすく全体像をまとめることが大切です。
完成を急ぐあまりに肝心の内容がずさんにならないよう、十分に時間をかけて進めるようにしましょう。
(3)設計
次の工程は設計です。自社のコールセンター規模に合わせてシステムやネットワークに関する要件定義を行います。コールセンターをテレワーク化するためには、クラウドPBXのほかにPCやヘッドセットも用意しなければなりません。プロジェクトが遅滞せずに進行するよう、管理者がしっかりと工程を設計・管理しましょう。
クラウドPBX・CTIなどのシステムを用意する
コールセンターをテレワーク化する際に、種類・規模を問わず必ず必要となるのがクラウド型のPBXです。
外線からの着信や内線の管理、内線同士での通話ができるシステムで、オンプレミス型では社内に機器の設置する必要がありましたが、クラウド型ではサーバー上にシステムを構築するため、インターネット環境があれば場所を問わず外線・内線の受発信が可能となります。
クラウドPBXとあわせて、クラウドCTIを導入するのもおすすめです。CTIは電話とPC、PBXなどを統合するシステムを指すもので、活用することによって顧客情報を確認しながらの応対などが叶えられます。効率的に業務を行うのはもちろん、顧客満足度を向上させるためにもクラウドPBXとクラウドCTIの連携はコールセンターのテレワーク化に欠かせない要素だといえるでしょう。
また、顧客満足度をさらに向上させるためには、クラウドCRM(顧客管理システム)も欠かせません。ユーザーの過去のやりとりや進捗状況、成約確度などが可視化でき、それらの情報をすべてのオペレーターが閲覧可能となるため、応対の標準化・均一化が実現するでしょう。
コールセンターの費用相場
コールセンターの費用相場をご紹介します。
費用相場 (1件当たりコール単価) | コールオーバー | 初期費用 | |
平均相場 | 150円~600円 | ー | ー |
月額固定型 | 100円〜200円 | 1件100円〜250円 | 1万5,000円〜5万円 |
従量課金型 | 300円〜1,000円 | ー | 1万5,000円〜5万円 |
より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターのご利用をおすすめします。
まとめ
本記事では、コールセンターをテレワーク化するメリットや課題、導入方法などについて解説してきました。
コールセンターをテレワーク化する際に欠かせないのが、クラウドPBX・CTIなどのツールやシステムです。各社からさまざまな製品が提供されているため、「自社のコールセンターに合う製品がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
「PRONIアイミツ」では、特に人気のクラウドPBX・CTIの一括見積もりや資料請求が可能です。「自社に合ったコールセンターシステムが知りたい」「複数のシステムを比較して検討したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
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