スマホ版バトル・ロワイヤルゲーム「荒野行動」のSNS向け広告動画をCrevoで制作させていただきました。今回は、ご担当されていたNet Ease, Inc.のクリエイティブディレクターの胡様にお話をお伺いしました。
Crevoに決めたのはひとつの冒険だった
– 胡様の普段の業務内容について教えてください。
僕はアートディレクターという立ち位置で、「陰陽師」「荒野行動」「IdentityV」などのゲームを日本にローンチする上でのディレクション業務に携わっています。 具体的には、それぞれのゲームのキャンペーンを日本市場で展開する際の広告のクリエイティブの制作・ディレクションに関わっています。広告を配信する上で、クオリティに問題ないか、日本市場の文化に馴染むかという審査も行っています。 この他にも、ビジネスディベロプメントの業務も行っています。本国の中国と日本でのコラボレーション企画が立ち上がった時に、言葉・文化の壁があるため、そこの間を取り仕切って円滑に進められるように調整もします。
– 今回の「荒野行動」のSNS向け動画はどんな視聴者をターゲットにしていましたか?
新規ユーザーをターゲットにしていました。「荒野行動」を全く知らない視聴者に対して、ゲームの内容を訴求するよりも「ゲームの楽しさ」を伝える内容にしたいと思っていました。
– Crevoでの動画制作を決めた理由を教えてください。
「荒野行動」を日本でローンチするにあたり、現地で受け入れられるクリエイティビティのノウハウが必要だという話が社内であがり、僕自身もゲームのマーケティングを成功させる上でその要素が重要だと感じていたため、中国ではなく、日本で動画制作を行っている会社を探していました。
何社か問い合わせをしたものの、レスポンスがないことが多かったです。そんな中、Crevoさんからすぐにレスポンスをいただけたことが大きかったです。僕としては、割と冒険ではありました。制作実績を見て、すごく日本っぽさを感じたり、この見せ方はゲームのプロモーションにも生かせたりするのではないかというポイントを見て、ビビっと来てお声がけさせていただきました。
– さきほど、「Crevoに決めたのは冒険だった」という言葉がありましたが、どんな部分に懸念点がありましたか?
以前仕事をしたことがなかったので、懸念というより、未知数という部分が強かったです。 弊社として一番懸念していたのは、スピード感をついてこられるかという部分でした。お願いしたことに対してレスポンスやフィードバックなど、こちら側の要求に対して汲み取る能力があるかを重要視していました。その部分に関しては、最初の企画前の段階からスピーディに対応いただき、僕自身が手探りの部分が多く「これってできますか?」という要望に対して経験を元に返してくれていたので、ここなら任せられると発注させていただきました。
いい意味で、期待を大きく裏切られたアウトプット
– 今回のSNS向け広告動画でおいていたKPIはありましたか?
日本のユーザーが動画を見て、素直に「いいね!」や「これ、面白いね!」とシンプルに良いと思ってもらえることをKPIにおいていました。数値化が難しい指標ではありましたが、ダウンロード件数を具体的に見ていました。
-実況中継風の見せ方をしたいというご要望をいただいいた上で、弊社側で女子高生をキャスティングさせていただきました。この提案をさせていただいた時の率直な感想を教えてください。
実は、Crevoさんに発注する前に一通り僕の方でストーリーラインを作っていました。ただ、ここまでが自分の中での創造の限界だと感じ、全て捨てて、「実況中継風にゲームの面白さを伝えたい」と簡単なブリーフィングだけして、そこから先はCrevoさんにまるっとお任せました。自分の中で元々思い描いていたものはありましたが、それに沿っているかというよりはそれを超えてくるかという部分を見ていました。出来上がった動画に関しては、すごくいい意味で期待を大きく裏切っていただいたので、自分のストーリーラインに固執しなくて良かったと思いました。
– 「学校編」では、胡様より学校を舞台にしたいというご提案があったと伺ったのですが、ゲームのプロモーションの舞台にあえて学校を選んだ背景を教えてください。
「女子高生編」を広告で配信した際に他にもキャストを変えて2パターン制作したのですが、女子高生版が圧倒的に効果が良かったんです。また、ユーザー調査結果の資料を照らし合わせて見た時に「荒野行動」のメインのターゲットは10代の中高生の割合が高いという発見がありました。そこで、今回は女子高生版を発展させて、舞台もサバゲーではなく学校にして、登場人物も全員学生にしようと決めました。
コミュニケーションの円滑さが印象的
– 結果はどうでしたか?
むちゃくちゃ良かったですね!TwitterやGoogleなどの各媒体のKPIを月ごとにある程度設定していました。自分の中である程度は不安があったのですが、それは尻目に想定していた効果より大きく飛び越えましたね。
– KPI以外に、元々想定していなかったが改善された指標はありましたか?
今まで僕が制作したウェブの動画広告では簡単に2・3日で撮れて、それ相応の費用対効果を生み出すというケースがほとんどでした。その中で、今回のキャストにこだわった動画を制作してみて、やっぱり良い素材を一つ作ると運用できる期間も長くなりますし、長期的な視点に立った時に結果的に費用対効果が非常に良いと感じました。日本の市場だと、キャスト動画がこんなにウケるんだというのが今後日本市場を開拓するのにあたって大きな発見でした。
– 全体を通して、Crevoで冒険してみてどんな印象を持たれましたか?
コミュニケーションの円滑さという部分が一番助かりました。コミュニケーションの速さやこちらから聞くことに対してプロフェッショナルな意見を返してくれる部分に助けられました。刻々と状況が変化する中で、その時に相談したいことをすぐにクリアにしていただけたのが印象的でした。