中小企業におけるIT化の現状：IT化を進めるメリットやポイント、成功事例を紹介【2024年最新版】

IT化によって作業効率を改善し、生産性アップや労働環境改善に成功した企業が多くあります。一方で、中小企業では予算や人員の関係でIT化が遅れている現状も。本記事では、中小企業のIT化によるメリットや企業の成功例、活用できる補助金・助成金情報などについて詳しく紹介します。中小企業のIT化を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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中小企業ではIT化が遅れていると言われますが、それは本当なのでしょうか。中小企業におけるIT化の現状や、IT導入が進まない理由について見ていきましょう。

株式会社商工組合中央金庫が2021年1月に実施した「中小企業のIT導入・活用状況に関する調査」では、ITの導入・活用状況について「非実施、検討していない」と回答した企業が40.5％でした。つまり、約4割の中小企業がいずれのITも導入しておらず、今後も導入するつもりはないことを意味します。

大企業ではITの活用が当たり前のように行われている一方で、中小企業では多くの企業が関心がない、もしくはIT化に踏み切れないようです。また、調査に参加した中小企業の中でも特に、売上高が少ない企業や従業員数が少ない企業は、IT化への関心が低くなっています。

出典：株式会社商工組合中央金庫「中小企業のIT導入・活用状況に関する調査[2021年1月調査]」
https://www.shokochukin.co.jp/report/research/pdf/other202101.pdf

では、中小企業のIT化が進まないのはどうしてでしょうか。同調査において、IT導入が非実施で今後も導入予定のない企業に対し「制約・ネック事項」について質問したところ、下記の回答が上位にあがりました。（以下のパーセンテージは複数回答によるもの）

「人材の不足」と回答した企業は43.8％です。特に製造業が人材の不足による問題を抱えているようです。ITを導入および活用するには、ITを扱える人材が社内にいる必要があります。しかし、多くの中小企業ではITに精通した人材がいないため、導入しても使いこなせず、活用を諦めてしまっているようです。IT人材を新規に採用するにしても、その人材を指導できる上司がいないため、採用に踏み切れないという事情も垣間見えます。

「社内体制」と回答した企業は33.8％です。「紙・パルプ」「電気機器」「鉄・非鉄」などの業種で社内体制の問題を抱えていることがわかります。中でも従業員数が少ない企業では、IT人材の採用枠を設けることができない、従業員数が少ないためIT化による恩恵が少ないなどの理由により、IT化に踏み切れないようです。

「投資費用（ランニングコスト含）」と回答した企業は31.3％です。「紙・パルプ」「鉄・非鉄」「繊維」などの業種で投資費用の問題を抱えていることがわかります。ITを社内に導入するためには相応の費用が必要です。また、ITの仕組みを維持したり、問題発生時に修理を依頼したりするなど、導入後のランニングコストもかかります。設備投資にそれなりの費用を投入できる企業であれば問題ありませんが、資金繰りに悩みを抱えている企業の場合、成果が出るまでに一定の時間を要するIT化に対して前向きになれないという現状があるようです。

その他の上位回答は以下のとおりです。

・費用対効果
・具体的な活用方法が不明
・効果が不明

また、IT進歩が速すぎて導入してもうまく活用できない、停電等が発生した際の対応が困難などの回答も見られました。中小企業におけるIT化を進めるには、このような問題を解決していく必要がありそうです。

上記で紹介したように、中小企業においてはIT化に大きなハードルがあります。しかしながら一方で、IT化によって得られるメリットもあります。中小企業がIT化を進めるメリットを紹介します。

IT化によって生産性向上が期待できます。例えば、書類中心のやりとりを行っている企業であれば、書類の受け渡しや管理に多くの時間を費やしていることでしょう。IT化されれば、ボタン1つ押すだけで担当者に即座に送信でき、見つけたい書類も検索するだけで簡単に発見できます。これだけでも時間の大幅な削減につながるでしょう。様々な業務を効率化することで作業量が減少すると共に、ミス削減も期待できます。結果としてIT化に成功した企業では、大幅な生産性向上が期待できます。

これまで従業員が実施していた仕事をIT化することで、業務の大幅な削減が期待できます。IT化により従業員1名分の業務削減ができた場合、雇用人数を1名減らす、もしくは重要なポジションに1名多く配置することも可能です。また、残業が多い企業であれば、業務削減により人手不足の解消にもつながり、現場に活気が戻ってくるでしょう。IT化によって多くの中小企業が悩みを抱える人手不足、人件費問題を解決できる可能性があります。

昨今は変化の激しい時代のため、社会や顧客の要求は常に変動します。大きな変化があった際に、IT化していない企業では対応できません。また、相手企業からITを利用した管理・運用を依頼されることもあるでしょう。その場合、ITに不慣れなことが原因で取引を打ち切られるかもしれません。
大企業ではIT化が当たり前のことになっていることから、中小企業が時代に応じたビジネスを構築し生き残るためには、IT化、もしくはITに強くなっておくことが重要です。

IT化によって様々なメリットを得た中小企業が存在します。今回は、IT化を検討している中小企業の参考になる事例2選を紹介します。

株式会社SKレストラン「三水苑」は、仙台で人気のレストランですが、人手不足のためにランチ営業を週末のみにせざるを得ない状況に。また、忙しい時間には注文ミスも発生し、様々な無駄が発生していました。

そこでタブレットを活用した注文に移行することに。IT導入補助金を利用し、注文方法の一新に取り組みました。結果として、客自らが注文するため注文ミスが激減するとともに、スタッフの負担も減少。少ない人数でもレストランを回せるようになりました。

出典：ミラサポplus「事例詳細」https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies/1525?_ga=2.27406837.817565713.1662707538-573720239.1662517613

キミセ醤油株式会社は、顧客情報の管理に時間がかかることで残業が頻繁に発生するという問題を抱えていました。社長がある勉強会でRPA（ロボットによる業務自動化）を利用している会社の事例に出会い、たった1クリックで様々なデータが一瞬で自動集計されるのに感動。ITリテラシーの高い若手をリーダーに起用し、IT導入補助金を活用しながらRPAによるIT化を進めました。導入前と導入後を比較すると、従業員の残業時間が1人当たり月3時間程度減少するなど、期待した効果が確実に見られているとのことです。 

出典：ミラサポplus「事例詳細」https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies/1525?_ga=2.27406837.817565713.1662707538-573720239.1662517613

中小企業がIT化を進める際には、いくつかの点について注意する必要があります。中小企業がIT化を進める際のポイントを3つ紹介します。

IT化には大きな投資費用が必要です。しかし、中小企業は、IT化に費やせる費用が不足している場合がほとんど。そのため、国が募集している補助金や助成金を積極的に活用しながらIT化に取り組むのがおすすめです。特に、下記で紹介する「IT導入補助金」は長年にわたって募集が行われているのに加え、中小企業でも採択されやすい補助金のため、積極的に活用を検討するとよいでしょう。

中小企業がIT化を図る際には、企業の課題を解決できるかどうか、成果が期待できるかどうかに着目し、どのようなIT化を図るかをよく吟味する必要があります。中小企業では大量のIT化は予算や管理の関係上難しいため、本当に必要なIT化を確実に進める必要があるからです。
そのため、有名だから、他の企業で導入しているからという理由だけでツールを決めるのはおすすめしません。多様なツールを候補に挙げつつ、自社の問題解決に最もつながるIT化を進めていくようにしましょう。

中小企業のIT化では、社員の理解をしっかりと得ながら進める必要があります。経営者主導でIT化しても、従業員が反対した場合には活用に繋がらないからです。従業員が何で困っており、そのためにはどのようなIT化が必要なのか、またITに慣れていない従業員でも使いこなせるかどうかについて、丁寧に検討しながら進めてください。ただし、中にはIT化に対して断固として反対する従業員もいます。その場合には、経営者として強い意志を持って主導する必要があります。

中小企業におすすめのIT化3選を紹介します。これらのIT化は、ITに慣れていない中小企業でも比較的容易に導入でき、確実な成果が期待できます。もし導入するITツールでお困りでしたら参考にしてください。

ホームページ制作によるブランディングや集客は、比較的容易にできる中小企業のIT化としておすすめです。ホームページは一度作ってしまえばわずかな維持費のみで継続利用できます。にも関わらず、ホームページによるブランディング効果や集客効果は非常に高いものがあります。もしホームページを制作していない、もしくは古くなっているのであれば、早期に対応を図るとよいでしょう。
もし自社だけでの実施が難しければ、ホームページ制作会社に依頼するのがおすすめ。アイミツではあなたにぴったり合ったホームページ制作会社を選定させていただきます。

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企業の実態に応じたシステム構築を行うことで、業務の効率化や生産性アップにつながります。オリジナルのシステム構築はある程度の費用が必要なため、すでに構築されているシステムを導入してもらうのもよいでしょう。システムの導入や構築は高い専門性が必要となるため、システム開発会社に依頼する必要があります。企業によって担当できるシステムや費用が大きく異なるため、早めに相見積もりを依頼するとよいでしょう。

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自社オリジナルのアプリを開発し、顧客のリピート化を狙うのもおすすめです。例えば自社と引取先の企業間で在庫管理ができるアプリを開発すれば、その企業から長期にわたる案件を受注しやすくなります。また、アプリはいったん作れば複数の企業に提供できるという魅力もあります。取引先をスピーディに増やしたい場合には、システム開発よりもアプリ開発が効果的です。 アプリ開発もある程度の時間と費用がかかるため、下記で紹介する補助金や助成金をうまく利用しつつ、計画的に取り組んでいくとよいでしょう。

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中小企業のIT化におすすめの補助金・助成金は以下の2つです。特にIT導入補助金は、非常に多くの企業が活用し、IT化を実現しています。まだ活用していない企業は、早急に検討するとよいでしょう。

中小企業のIT化におすすめの補助金が「IT導入補助金」です。名称からもわかるとおり、企業におけるIT導入を支援する補助金で、特に中小企業のIT化を積極的にサポートしています。自社の課題やニーズに合ったITツールの導入およびセキュリティ対策に関する資金の一部として利用できます。今後の実施有無は未定ですが、少なくとも2022年末までは実施されることが決まっています（2022年12月時点）。企業内で対策を図り、次回の交付申請の受付開始を待ちましょう。

出典：一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2022」https://www.it-hojo.jp/

ものづくり補助金（ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金）は、中小企業・小規模事業者が今後ぶつかるであろう問題を解決するための仕組み作りに利用できる補助金です。デジタル枠も設けられており、DXに資する革新的な商品やサービスの開発費用やデジタル技術を活用したシステム構築の設計等に活用できます。会社の規模によるものの、IT導入補助金よりも大きな補助金が獲得できるため、大規模なIT化を図りたい中小企業におすすめです。

出典：ものづくり補助金総合サイト　https://portal.monodukuri-hojo.jp/

本記事では、中小企業におけるIT化の現状やメリット、活用できる補助金・助成金情報などについて紹介しました。今後はますますデジタル化が進むことで、ITを活かせない企業は経営が困難になると予想されます。早めに対策を図るとよいでしょう。

もし企業のIT化でお困りでしたら、アイミツまでご相談ください。あなたの困りごとをしっかりとヒアリングした後、ぴったり合った外注先を複数選定し、ご紹介させていただきます！

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