オウンドメディアリクルーティングとは│始め方や注意点を解説【2024年最新版】

近年、企業が人材を採用するにあたって、オウンドメディアリクルーティングと呼ばれる新しい手法が注目を集めています。
そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「PRONIアイミツ」が、オウンドメディアリクルーティングとは何か、その始め方や注意点、求人サイトとの違いなどについて分かりやすく解説。オウンドメディアリクルーティングについて知りたい方や、オウンドメディアリクルーティングの実践を検討している採用担当者様は、ぜひ参考にしてください。

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そもそもオウンドメディア（Owned Media）とは、所有するメディアという直訳のとおり、自社で所有・運用しているブログやWebマガジン、コーポレートサイト、SNSなどのメディアを指します。他社が所有・運営するペイドメディア（Paid Media）や、一般ユーザーなどの第三者が発信するアーンドメディア（Earned Media）とともに、マーケティングの分野では中心となるメディアとして認識されているものです。
オウンドメディアリクルーティングとは、このオウンドメディアを採用の分野でも活用することで、優秀な人材を獲得しようとする活動を指します。採用に関する専用サイトを構築して求職者に有益な情報を公開したり、SNSに公式ページを開設し、企業情報などを発信しながら求職者とのコミュニケーションを図ったりするような例が代表的です。

オウンドメディアリクルーティングと求人サイトは混同しがちですが、実態は大きく異なります。
求人サイトは、それを運営する専門業者が自社とは別に存在し、文字数やデザイン、レイアウトなどにさまざまな制約がある中で、募集要項や雇用条件といった所定の項目をフォーマットに従って発信するものです。そのため、社内のリアルな雰囲気や従業員の生の声などを完全に伝えることは困難と言えます。各社同様のフォーマットを用いるため、同業他社と似通ったコンテンツとなってしまう恐れがあることも否定できません。さらに、多くの場合、掲載期間が定められており、一定期間の経過後は閲覧できなくなります。
一方、オウンドメディアリクルーティングは、自社で所有する採用サイトなどを活用し、何ら制約がない中で、求職者に向けたあらゆる情報を継続的に発信していく活動です。フォーマットや掲載期間なども気にする必要がなく、情報の追加や変更も自由に行えます。従業員へのインタビュー記事や、製品・サービスの開発における裏話など、求人サイトでは伝えきれない情報を存分に発信し、求職者への訴求力を高めることが可能です。

近年注目を集めているオウンドメディアリクルーティングですが、その背景にはいくつかの理由があります。以下より、オウンドメディアリクルーティングが注目を集める主な理由を紹介します。

近年における少子高齢化は大きな社会問題であり、それに伴う労働力不足も看過できない重要な課題です。ここ数年は空前の売り手市場とも言われており、各企業は優秀な人材を確保するために躍起になっていますが、多くの場合において思うように進んでいないのが現実と言えます。
そのような状況の中、人材紹介や求人サイトといった従来の採用手法では、他社との差別化が困難であるばかりか、そのサービスの登録者など限られた人材にしかアプローチできず、限界を感じる企業が増えていったとしても不思議ではありません。
そこで注目を集め始めたのが、自社で構築した採用サイトなどのオウンドメディアを活用し、制限のない自由な情報発信で他社との差別化を図りながら、求職者に広くアピールできるオウンドメディアリクルーティングです。従来の手法が持つ課題が解消できるだけではなく、専門的な職種や高度なスキルを有した人材の募集であっても、専用のページを用意したり、SEOにおけるキーワードを工夫したりすることなどによってピンポイントでアプローチすることが可能となるため、採用難を打開するための有効な手法として、大きな期待が寄せられています。

オウンドメディアリクルーティングが注目される背景には、産休・育休の取得奨励や、時短勤務・リモートワークの導入などによって、近年のビジネス現場における働き方の多様化が進んでいるという事実もあります。それにより、ビジネスに携わる人々の価値観も変化し、金銭的な対価に加えて、「一緒に働きたいと思える人物が存在するか」「企業の理念やビジョン、提供価値に共感できるか」「社内の雰囲気は良好か」といった自身の価値観を大切にしながら、それらを職場選びの条件として求めるようになりました。
価値観の変化に伴い、実際に働いている従業員や経営陣へのインタビュー、オフィスのリアルな雰囲気などを柔軟に発信することにより、それらの条件に対する答えを導き出せるオウンドメディアリクルーティングの必要性が増しているというわけです。

仕事に関する情報収集方法が増えたことも、オウンドメディアリクルーティングが注目を集める理由です。
パソコンやインターネットの普及に加え、近年におけるスマートフォンの浸透が拍車をかけ、人々はあらゆる情報に簡単にアクセスできるようになりました。それに伴い、情報収集リテラシーは向上し、取捨選択のスキルも高くなっています。職場探しにおいても、求人サイトでの情報収集のみならず、コーポレートサイトを隅々まで閲覧し、候補企業を厳しくチェックするような求職者が増えているのです。
そのような状況の中で、自社の魅力を的確に伝え、膨大な量の求人情報から選定してもらうために、求職者が求めるさまざまな情報を自由に発信できるオウンドメディアリクルーティングが注目を集め、実践に踏み切る企業が増えていることは当然の流れとも言えます。

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実際にオウンドメディアリクルーティングを始めるには、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。以下より、オウンドメディアリクルーティングの始め方を解説します。

まずは、オウンドメディアを開設する目的の明確化です。売り上げの向上、認知の拡大、ブランディングなど、オウンドメディアにはさまざまな目的が考えられるもの。当然、オウンドメディアリクルーティングを実施する目的は優秀な人材の採用となりますが、もしそれ以外にも並行して実現したい目的があれば、この段階で明確にしておくのが理想的です。
また、どのように優秀な人材を採用したいのか、どういったスキルを持った人材が望ましいのかなど、さらに踏み込んで具体化しておく必要があります。

目的が明確化したら、次に自社の特徴や魅力を整理しておく必要があります。従業員・業務内容・企業理念など、いくつかのカテゴリーに分類して特徴や魅力をピックアップしておくと良いでしょう。特徴や魅力がつかみづらい会社に、良い人材は寄ってきません。

自社の特徴や魅力を整理したら、それをベースに必要となるコンテンツを検討します。オウンドメディアリクルーティングでは、シェアードバリューコンテンツを提供することが非常に重要です。シェアードバリューコンテンツとは、求職者とシェアするための企業価値や魅力を伝えるコンテンツを意味し、存在意義や企業理念を表すパーパスコンテンツと、社風や企業文化を表すカルチャーコンテンツから成り立っています。シェアードバリューコンテンツを軸として、オウンドメディアで発信する内容を考えていきましょう。

オウンドメディアが効果を発揮するには一定の期間が必要となるため、その運用は中・長期的な観点で考えることが重要です。オウンドメディアリクルーティングも長期間の運用を前提とし、継続的にブラッシュアップを図ることでより高い成果が期待できるため、その実現に向けた万全の体制を構築しておく必要があります。
揃えるべきメンバーとしては、全体の戦略と統制を担うマーケッターやディレクター、コンテンツや記事を制作するライター、サイトを構築するデザイナー・エンジニアなどが考えられるでしょう。

ここまでの手順を抜かりなく実施したら、いよいよオウンドメディアの立ち上げとコンテンツの作成です。
まず立ち上げに際しては、メディア名・ドメイン（URL）を決定の上、サーバー環境を整えます。その後、記事やコンテンツの作成に入りますが、それに先立って、どのようにアクセスを集めるのか、集客チャネルも検討しておくことが重要です。SEOによる検索サイトからの流入をメインに据えるのであれば、記事やコンテンツ内に適切なキーワードを適度に含める必要があるでしょう。
さらに、効果測定・分析のためのツールも選定し、導入しておく必要があります。オウンドメディアリクルーティングにおいて、適切な改善を図りながらより効果を高めていくためには、的確な効果測定とその分析が不可欠です。

オウンドメディアリクルーティングを推進するにあたっては、意識しておきたい注意点がいくつか存在します。以下より、順に解説します。

オウンドメディアリクルーティングでは、さまざまなノウハウや知識が求められることを把握しておきましょう。自社で所有するメディアによって成果を追求するため、WebサイトやSNSなど、活用するメディアに関してのあらゆるノウハウや知識は不可欠です。具体的には例えば、それらの特徴や特性の理解、効果的な情報発信方法の把握、適切な運用ノウハウなどが挙げられます。
また、ターゲットの理解やマーケティングの知見、SEOの技術、ディレクションのノウハウ、効果測定や分析に関する知識なども重要です。

前述したとおり、オウンドメディアリクルーティングは長期間の運用を前提とし、継続的にブラッシュアップを図ることで、より高い成果を追求していくものです。求職者の求める情報やニーズを満たす内容を着実に発信し続けることが重要であり、それらが効果を発揮し、実際の採用につながるまでには、相応の時間を要します。つまりは、一朝一夕で結果が出るものではないため、例えば、「来週までに即戦力を採用する」「1ヵ月以内に10人の採用を目指す」といった短期的な目標には向いていないことを理解する必要があります。

オウンドメディアリクルーティングは、採用担当者のみが躍起になって取り組めば良いというものではなく、従業員へのインタビューや各種イベントの取材など、求職者に有益なコンテンツを作成するためには関係者の協力が不可欠です。そもそも、採用活動自体に非協力的な従業員も時折見受けられますが、会社の将来を決定付ける重要な取り組みとして、部署や役職に関係なく主体的に関わるべきでしょう。オウンドメディアリクルーティングも当然同様であり、全従業員が主体的に取り組むべき活動であることを認識してもらいながら、社内の協力を仰ぐ必要があります。

オウンドメディアリクルーティングでは、そもそも発信している情報を求職者が見てくれないことには成果もままなりません。単にオウンドメディアを立ち上げ、通り一遍に採用情報を発信しているだけでは、応募が集まるはずがないのです。
そのため、求職者の求める情報やニーズを満たす内容の継続的な発信に加えて、WebサイトだけでなくWeb広告や求人サイトなどの複数チャネルを併用する、SNSの活用により拡散を図る、といった施策によって認知を拡大しながら、母集団を形成する必要があります。

前述したとおり、オウンドメディアリクルーティングでは、メディア特性の理解やマーケティングのノウハウなどさまざまな知識やスキルが求められ、成果を上げるまでの難易度は決して低いものではありません。そのため、自社のリソースのみで実現するのは困難なケースも多いと予想されます。
自社対応が難しいという場合、オウンドメディアの構築からオウンドメディアリクルーティングの実践、その運用までのすべてにおいて、外部のプロフェッショナルに委託するのも有効な選択肢の1つでしょう。

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本記事では、オウンドメディアリクルーティングとは何かといった基礎知識に触れながら、その始め方や注意点、求人サイトとの違いなどについて解説しました。本記事を参考に、効果的なオウンドメディアリクルーティングを実践の上で優秀な人材を獲得してください。
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