仮想マシンとは?概要や種類、活用メリットやデメリットまで徹底解説【2024年最新版】
近年、仮想マシンという言葉を耳にする機会が増えています。仮想マシンとは何か、エンジニアはもちろん普段からITに触れる機会の多い現代人であれば理解しておきたいところですが、詳しくは分からないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、仮想マシンの種類や特徴といった基礎知識に触れながら、仮想マシンを活用するメリット・デメリット、主な仮想マシンの例などについて詳しく解説します。
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仮想マシンとは
仮想マシンとは、バーチャルマシン(Virtual Machine、VM)とも呼ばれ、仮想化の技術を利用し、物理的なコンピュータ内に仮想的に構築された別のコンピュータを指します。1台のコンピュータ内に複数の仮想マシンを構築し、別々のOS(オペレーティングシステム)によって動作させるといったことも可能です。仮想マシンは古くから存在していた概念ですが、リモートワークの普及などとも相まって近年特に活用が進みました。
そもそも仮想化とは
そもそも仮想化とは、ストレージ・メモリ・CPUといった物理的なコンピュータのリソースを、論理的に分割し、管理する技術です。これにより、1台のコンピュータに対し、あたかも複数のコンピュータが存在するかのように利用することが可能となり、リソースを効率的に活用できます。なお、仮想化によってコンピュータ全体を論理的に構築する(仮想マシン)だけでなく、仮想メモリ・仮想ストレージ・仮想ネットワークなど、リソースごとに仮想化して利用することも可能です。
仮想マシン(ソフトウェア)の種類
仮想マシンには、いくつかの種類が存在し、用途や目的に応じて使い分けられています。以下より、主な仮想マシン(ソフトウェア)の種類について順に解説します。
ホスト型
ホスト型は、物理的なコンピュータに、Windows・macOS・LinuxなどのOS(ホストOS)をセットアップし、その上に仮想化ソフトウェアをインストールすることによって、仮想マシンを実現するものです。すでに利用しているPCやサーバーがそのまま活用できるため、手軽な導入が可能というメリットがあります。なお、ホスト型の仮想化ソフトウェアには、「Microsoft Virtual PC」「VMware Workstation Player」「Oracle Virtual Box」などがあります。
ハイパーバイザー型
ハイパーバイザー型は、ホストOSを利用せず、物理的なコンピュータに仮想化ソフトウェアを直接インストールすることにより、仮想マシンを実現するものです。ホストOSを介さず、仮想化ソフトウェアによって直接コンピュータを制御することで、仮想環境が利用できるリソースの割り当てが大きくなるほか、処理速度の低下も抑えられるといったメリットがあるため、現在主流な方法となっています。ハイパーバイザー型の仮想化ソフトウェアには、「Microsoft Hyper-V」「VMware vSphere ESXi」「KVM」などがあります。
コンテナ型
コンテナ型は、物理的なコンピュータに、Windows・macOS・LinuxなどのホストOSをセットアップし、その上にコンテナエンジンと呼ばれる仮想化ソフトウェアをインストールすることによって、仮想マシンを実現するものです。ホスト型やハイパーバイザー型では、仮想マシンを利用するために改めてOS(ゲストOS)をインストールする必要がありますが、コンテナ型では、ホストOSが仮想化された環境を1つのプロセスとして認識するためその必要がありません。これにより、リソースの利用効率が良く、高いパフォーマンスを発揮できます。代表的なコンテナエンジンには「Docker」があげられるでしょう。
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ホストOSとゲストOS
前章で触れたホストOSとゲストOSについて、改めて解説しておきます。ホストOSとは、物理的な大元のコンピュータに、仮想マシンを動作させるための基盤としてインストールするOSのこと。一方ゲストOSとは、ホストOS上に構築された仮想マシンにインストールするOSを指します。
例えば、LinuxがOSとして稼働しているコンピュータに仮想マシンを構築し、その仮想マシンにWindowsをインストールした場合、ホストOSはLinux、ゲストOSはWindowsです。なお、このようにホストOSとゲストOSは、種類やバージョンが異なっていても問題なく動作します。
仮想マシンを活用するメリット
ここまで、仮想マシンの概要や種類などについて解説してきましたが、仮想マシンを活用する理由やメリットがまだよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで以下より、仮想マシンを活用する主なメリットについて順に解説します。
コスト削減
仮想マシンの活用によって、コンピュータを物理的に用意する必要がなくなるため、コストの大幅な削減が可能です。特に必要台数が多くなる場合、それらをすべて物理的に用意すれば、導入コストはもちろん管理やメンテナンスといった運用・保守コストも高くなる恐れがあります。一方、仮想マシンを活用すれば、調達するコンピュータの台数やそれらにかかるコストを最小限に抑えられる上、電力の節約や設置スペースの縮小などにも繋がるでしょう。
複数のOSを選択できる
仮想マシンごとに、異なるOSを選択して稼働させられることも大きなメリットです。通常は、必要となるOSに対してそれぞれ別のコンピュータを用意しなければなりませんが、仮想マシンを活用すれば、1台のコンピュータ内に複数のOSを適用して同時に稼働させられます。アプリケーションの開発において、さまざまなOSでテストを実施したい場合などに大きな効果を発揮するでしょう。
サーバー数の増減がしやすい
物理的なサーバーを増やすには、その調達やセットアップなどに多くの手間と時間がかかります。一方で仮想マシンを活用すれば、その労力が大幅に軽減され、迅速にサーバーを増やせるでしょう。また、必要に応じて数を減らすことも仮想マシンであれば容易に実現可能です。
仮想マシンを活用するデメリット
仮想マシンの活用には、メリットばかりがあるわけではなく、課題やデメリットも存在します。そのため、それらにもしっかりと目を向けながら対策を検討することが重要です。以下より、仮想マシンを活用するデメリットについて解説します。
物理環境と比べると性能が劣る
仮想環境は、仮想ソフトウェアを介して物理的なコンピュータのリソースを利用する形態のため、物理環境と比べて性能が劣る恐れがあります。そのため、リアルタイムで緻密な処理が大量に発生するなど、安定かつスピーディなパフォーマンスが強く要求される場合は、仮想マシンではなく物理的な専用コンピュータを用意し、それを利用するほうが賢明な場合もあるでしょう。仮想マシンを活用する際は、そこに実装するシステム・アプリケーションの形態や利用状況を慎重に考慮し、適切に判断することが重要です。
セキュリティ対策が必要
仮想マシンを利用する際は、サーバーやネットワークなどに対する従来のセキュリティ対策に加えて、仮想環境に適したセキュリティ対策を別途施す必要があります。基盤となるコンピュータやホストOSに対するセキュリティ対策のほか、各仮想マシンに対する個別のセキュリティ対策などを慎重に検討することが重要です。また、ウィルス感染などのトラブルが発生した際の対応手順や、原因究明のフローなどを整備しておけばより安心でしょう。
主な仮想マシンの例
実際に利用されている仮想マシン(仮想化ソフトウェア)には、さまざまな種類のものが存在します。以下より、具体的な仮想マシンについて、主なものを順に紹介します。
KVM
KVMは、Linuxにあらかじめ搭載されているハイパーバイザー型の仮想マシンです。KVMとはKernel-based Virtual Machineの略で、カーネルベースの仮想マシンという意味になります。文字どおり、カーネル(ソフトウェアとハードウェアを繋ぐ、OSの中核となる部分)レベルで仮想マシンを実現するため、安定した動作が期待できます。反面、Windowsなど他のOSでは利用できません。
Virtual Box
データベースで有名なOracleが提供している仮想マシンがVirtual Boxです。仮想マシンの中でも特にその名が知られており、世界中で高い人気を誇っています。ある時点の環境に手軽に戻すことのできるスナップショット機能など、仮想マシンの活用にあたって便利な機能が数多く搭載されている上、無料で利用できることも多くの人から支持されている理由と考えられます。USB機器が利用できるところもポイントです。
VMware Workstation Player
VMware Workstation Playerは、VMwareが提供している仮想マシンです。前項で紹介したVirtual Boxと同様その名はよく知られており、多くの人気を集めています。特定の仮想マシンのみ稼働させ、他の仮想マシンをサスペンド(一時停止)状態にしておけるのが最大の特徴。これにより、基盤となるコンピュータに対する負担を軽減できます。非常に扱いやすいため、初心者にもおすすめできる仮想マシンでしょう。
仮想マシンを導入するには
実際に仮想マシンを導入する方法には、大きく分けて、自社で対応する・開発会社へ依頼するという2つの選択肢が考えられます。以下より、それぞれについて解説します。
自社で対応する
仮想マシンの導入を自社で対応する、すなわち内製する方法は、必要な知識を持ったエンジニアが豊富に存在し、適切な体制を整えられるのであれば有効な方法です。外部の開発会社へ依頼するよりコストが抑えられる可能性もあります。しかしながら、仮想マシンの導入には相応の知見や高度な技術力が要求されるため、学習コスト・教育コストなども総合的に考慮すると、結果的に割高となる恐れもあり慎重な検討が必要です。
開発会社へ依頼する
一方、仮想マシンの導入を開発会社へ依頼する、すなわち外注する方法は、技術力が高く仮想技術に関する知見やノウハウが豊富な開発会社を選定することによって、高品質な仮想マシンが短期間で実現します。外注費用が気になるかもしれませんが、最終的に大きな費用対効果が得られる可能性があるでしょう。そのためには、次章で解説する各ポイントを確実に押さえることが重要です。
システム開発会社の選び方
適切なシステム開発会社を選定するためのポイントとは何なのでしょうか。以下より、会社選びの主なポイントについて順に解説します。
得意分野や実績を確認する
システム開発会社は、その実績はもちろん得意とする分野がそれぞれ異なるため、自社の依頼したいシステムと得意分野とがマッチしているか確認しましょう。仮想マシンの導入が得意であり、かつその実績が豊富な会社を選定すれば、仮想技術に関するさまざまな知見やノウハウが蓄積されていることが期待できます。プロジェクトがスムーズに進行し、短期で効果的な仮想環境が実現できる可能性が高くなるでしょう。
会社の業績が安定しているか確認する
システム開発会社の業績が安定しているかどうかも、選定の際の重要なポイントです。取引中に倒産などの事態が発生すれば、依頼側にとっても深刻な問題となります。また、納品後の仮想マシンに対する適切なメンテナンスやサポートなどを受けるためにも、長きにわたってお付き合いができる会社を選定することが重要でしょう。業績の安定性は、規模や存続年数に比例するものではないため、それだけを判断材料にせず総合的にかつ慎重に確認してください。
自社で開発しているか
前述のとおり、仮想マシンの導入における実績が豊富な会社であることはもちろん、それを自社でワンストップに開発しているかどうかも重要なポイントです。2次請け・3次請けといった下請けの会社に丸投げし、自社ではほとんど作業していないといったケースもあるため注意しなければなりません。その場合、無駄な中間マージンや、実際に作業しているエンジニアとのコミュニケーションロスが発生するリスクが高くなります。
リリース後の運用保守体制はどうか
仮想マシンの導入は、納品されたら終わりではありません。長きにわたって適切に稼働させるためには、その後の改善やメンテナンス、すなわち運用・保守フェーズが非常に重要です。想定外のトラブルが発生することもめずらしくありません。依頼する際には開発後も見据え、しっかりとした運用・保守体制や、十分なサポートのしくみが整っている会社を選定することをおすすめします。
システム開発の費用相場
つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
システム開発の平均相場 | 233万円〜 |
システム開発の種類 | 費用相場 |
簡易顧客システム | 20万円~ |
Webシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ
本記事では、仮想マシンの種類や特徴といった基礎知識に触れながら、仮想マシンを活用するメリット・デメリット、主な仮想マシンの例などについて解説しました。
これまで見てきたように、仮想マシンの利用には、コストの削減を始めとする大きなメリットがあります。今後、仮想化技術のさらなる進化とも相まって、より活用が進むことは間違いないでしょう。
また、仮想マシンを導入したいものの自社ではなかなか難しいとお悩みの場合、ぜひ「アイミツ」をご利用ください。ご要望をお伺いした上で、ニーズに合った会社を複数ご紹介します。お気軽にご相談ください。
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