オープン系システム開発とはメリットだらけの開発方法なのか

更新日:2017年05月30日 | 公開日:2017年05月23日

オープン系システム開発とはメリットだらけの開発方法なのか

オープン系システムとは技術的な仕様が公開されているオペレーティングシステムやサーバー、ルーターやスイッチなどの周辺機器などを組み合わせて構築されたシステムのことを指します。

オープンシステム開発のメリットが強調されるのは、主に汎用機(メインフレーム)で構築された旧来のレガシーシステムと比べた場合です。

まだパーソナルコンピュータ(パソコン)が企業の業務システムのサーバー機としてはスペック的に実用的でなかった頃、ホストコンピュータとしては汎用機が使われていました。この汎用機は金額的にも高額で、長期のリースを組んで導入しているケースが多いのですが、このリースが切れる時期や汎用機の耐用年数が近づいてきた時期に、スペックがサーバー機として実用レベルに達したコストのかからないパソコンに置き換えよう、という需要が出てきます。

こうしたケースでは、これまで手放しでダウンサイジングによるコストカットのメリットが強調されてきました。しかし、2000年代に入って、昼の業務時間内に分散処理で効率的にリアルタイム処理を行うオープン系システムに対して、夜間などに安定して定期的なバッチ処理を行うことに優れた汎用機の評価見直しがなされました。

確かにオープン系システムではベンダーをまたいだ自由設計により、効率の良いシステムが構築できます。しかし一方でシステム稼働の安定性や、万が一のトラブル時の原因の切り分け(複数のベンダーシステムのどこが不具合を起こしたのかを追究すること)を行うときに時間がかかりがちである点などが問題として認識されるようになったことが、汎用機の見直しのきっかけになりました。

現在では、メインフレームは時代遅れの遺物としてではなく、まだまだ企業や行政など多くの組織での業務で利用されています。時代の大きな流れとしては、今後もオープン系システム開発が汎用機をリプレイスしていくことには変わりはありませんが、1990年代初頭のようにオープン系システム開発がメリットだらけの開発方法であると、手放しで礼賛するという論調はなくなってきています。

この記事ではこうした事情を踏まえ、あえてオープン系システム開発の課題点やデメリット、さらに汎用機のメリットなどについて解説します。

汎用機とオープンシステムのそれぞれの特徴

オープン化によるメリット

汎用機は、まだパソコンが十分なスペックを持っていなかった頃に、企業のホストコンピュータとして納入されてきました。したがって、その価格はパソコンと比べるとかなり高額でしたので、リースが切れる時期や汎用機の耐用年数が近づいてきた時期にオープン系に移行することで、これまで汎用機にかけていたコストをカットすることが可能になります。

また、汎用機向けソフトウェア開発の場合には、汎用機メーカー主導で開発が行われるため、コンペ形式でシステムを提案してもらったり、相見積もりを取ったりといったことが困難な場合が多かったのですが、オープンシステム開発においては、ソリューションを比較検討することでより質の高いシステムを安価な金額で納品してもらうことが可能になりました。

オープン化によるデメリット

汎用機の場合には、同一メーカーがハードウェアの納品から専用ソフトの開発まで一貫して担当するため、製品の仕上がりに安定性がありますが、ベンダーが提供する製品群を組み合わせてひとつのソリューションを構築するオープン系システム開発では、製品の安定性に課題がある場合があります。

特に、日常的に問題なく稼働しているときには意識しなくても、いったん不具合があった場合などには、原因の調査に時間がかかったりする場合もあります。これは、各ベンダーの公開している仕様を基にして製品を組み立てているため、不具合の箇所を突き止める原因の切り分けに時間がかかるためです。

また、汎用機の場合にはエラー報告などはすべてメーカーが収集して管理していますが、オープン系システム開発の場合には、不具合情報は各ベンダーが管理していますので、調査に時間がかかったりする場合もあります。また、各ベンダー単体の製品で動かしている場合にはまったく問題がなくても、製品を組み合わせた場合に予期せぬトラブルが発生するという場合もあります。

こうしたケースでは各ベンダー自身もそうしたエラー情報を収集していない場合もあり、初めてのケースとして開発会社が原因の調査にゼロから着手しないといけないということが少なくありません。

汎用機システムのリプレイスメリット

リプレイスによりもたらされるメリット

現在リプレイスが課題となっているメインフレームシステムは構築された時期から数十年経っていることが普通です。つまり、設計そのものが時代遅れとなっているケースが多く、新システムに移行すれば、作業効率が上がり、メンテナンスの費用も下がるのが普通です。

また、システムの効率性だけでなく、業務システムそのものが数十年前に想定していたプロセスに基づいていますので、時代に合わせて業務システムそのものを見直し、より時代に即したBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を施した上で、他社と比べて競争力のあるシステムを構築することが可能となります。

汎用機リプレイスの注意すべき点

汎用機のリプレイスにあたっては、システムの完全な移行が果たせない場合があります。オープン系システム開発は新しい時代の開発方法なのだから、古い時代のシステムを丸ごと包含する形でスムーズに引き継ぐことができるというイメージがありますが、これは正しくありません。

異なるシステム間ではデータフォーマットが違いますので、データは単純に自動移行できない場合も多々あります。データの移行には大きく分けて「リホスト」「リライト」「リビルド」の3つありますが、それぞれにおいて課題があります。

BPRを含めたオープン化するメリットの再点検が必須

以上見てきたように、旧来のレガシーシステムに変わって新しいハードウェアを用意しただけでは、本当の意味でのオープン系システムにはなりません。また、レガシーシステムを抱えている企業が、ソフトウェア部分を含めて新しいシステムに移行したとしても、それは旧システムをそっくりそのまま移植しただけに過ぎません。

本当の意味で、オープン系システム開発を成功させるには、時代に即してシステムの設計そのものを見直し、新時代にあった他社との競争力もあるシステムを構築する必要がありますが、そのためには現在のビジネスプロセスを見直していくなどの根本的な作業も必要となってきます。

BPRにまで踏み込んでオープン系システム開発を実施することができれば、下記のようなメリットが見えてきます。

リホスト(Rehost)

「リホスト」とは、大型コンピュータや専用の周辺機器などのハードウェア的な部分を、UNIXやWindowsなどのオープン系システム搭載のサーバーと周辺機器にマイグレーションして、内部で動いている既存アプリケーションはそのままいじらずに、移行後のダウンサイジングしたコンピュータ上の仮想レイヤーで動作させるものです。

このタイプの移行の場合には、いわば肝心のデータ移行の部分を先送りする形で「箱」だけを移し替えるイメージとなります。これだけでも、確かにハードウェアコストは下げることができますが、実態はオープン系システム開発というよりは、汎用機のパソコン化といった程度の移行になってしまいます。

リライト(Rewrite)

「リライト」においては、「リホスト」で行ったハードウェア部分のマイグレーションに加えて、ソフトウェアのソースコード部分を書き直します。ただし、ソースコードをいじると言っても、時代に合わせてオープンな設計にやり直すということには手を付けません。あくまで、既存のソースコードのリライトです。

このタイプの移行の場合には、扱われているデータもフォーマットを新しくして新システムに移行していきます。移行の手間はかかるにせよ、データベース部分を含めて新しいオープン系システムに移行しますので、ハードウェア、ソフトウェア両面でオープンシステム化が図られたと言えるでしょう。ただし結局は旧来のレガシーシステムを移植しただけになりますので、オープン系システム開発の最大のメリットである、各ベンダーのいいとこ取りをして、時代に即した自社ならではの新システムを作るというイメージからは程遠いシステムとなってしまいます。

リビルド(Rebuild)

「リビルド」はマイグレーション手法の中で、最も徹底してシステムをオープン化します。システムの設計レベル(ロジックレベル)から見直す方法であり、単にシステムを移行するだけにとどまらず、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)が必要となるケースがほとんどです。


ここまで徹底して、設計段階から新時代のシステム移行を考えることで初めてオープン系システム開発のメリットが活かせるのだ、という点は注意しておく必要があります。

時代に即した付加価値業務のシステム化が可能となる

業務システムの効率化とは、現在の業務プロセスを忠実にコンピュータに移し替えるだけではありません。まずは業務プロセスそのものを見直すことによって、時代に即した業務のあり方が見えてきます。

例えば、ある業務フローをオープンシステムに落とし込む場合に、良心的なオープン系システム開発会社の担当者であれば「この業務システムのフローはなぜこうなっているのですか?」という質問をするはずです。

この質問に答えるためには、現場でその業務を淡々と実行しているだけの担当者ではなく、業務プロセスの責任者レベルの人との会議が必要になるかもしれません。通常の現場の責任者やスタッフでは、この「何で、何のために」という部分に答えられないというケースが多いからです。

しかし、上席の人間を含めてこの問いを突き詰めて考えることで、単に現状の業務プロセスを反映したシステムではなく、理想とすべきオープンシステムが設計できます。

こうした設計段階のやり取りをシステム設計に反映させることができれば、汎用機時代の設計思想にはなかった付加価値を持ったオープン系システム開発が可能となります。

【まとめ】

以上、オープン系システム開発を手放しで評価する論調が多い中、あえて、レガシーシステムのメリットやオープン系システム開発の課題について焦点を当ててみました。

もともと、すべてのシステムがオープンシステムに今すぐ移行しなければならないということはなく、業務の特性をよく吟味しながら最適なソリューションを考えていくことが最も大切です。

さらに、オープン系システム開発を実施すれば、直ちにレガシーシステムが最新鋭の競争力のあるシステムに生まれ変わるというわけでもない、ということもお分かりいただけたと思います。真に競争力のある理想的なオープン系システム開発を行うためには現在のビジネスプロセスの洗い出しや見直しも含めて、事前の準備が不可欠です。

オープン系システム開発には確かに魅力的なメリットが多数あるものの、積極的にそのメリットを実現するための努力をしていかないとその理想形は見えてきません。「アイミツ」にご相談いただければ、こうした御社ならではのオープン系システム開発のメリットを確認しながら最適な業者をご紹介することが可能ですので、ぜひお声がけをいただければと思います。

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