オープン系システム開発とは?汎用系との違いから理解する

オープン系システム開発とは

更新日:2017年09月12日 | 公開日:2017年05月23日

オープン系開発とは、1980年代まで企業のホストコンピュータとして主に使われていた汎用機に替わって主流になったパーソナルコンピュータ(パソコン)をサーバーとし、単一のメーカーにとらわれることなく、周辺機器やオペレーティングシステムなどを自由に組み合わせて1つのソリューションを構築する手法全般を指します。

広義のオープン系開発は、汎用機をベースとしたクローズドな開発に対して、各社が公開している技術仕様を参照しながら自由に開発を進めていく開発手法を指します。

これに対して狭義のオープン系開発は、完全に技術仕様が公開されており、さらに技術に対する所有権を特定の企業が所有していない状態での開発を指します。
例えば、Windowsなどは開発に必要な技術仕様を有償・無償で公開はしていますが、オペレーティングシステムに対する所有権を放棄していません。
このため、完全にオープンでフリーではないという意味でWindowsによる開発をオープン系開発とは呼ばない場合もあります。

この記事では、「オープン系開発は汎用系とどう違うか」という点にフォーカスを当てて解説しますので、「広義」のオープン系開発についてお伝えします。

現在社内に汎用機ベースのレガシーシステムを抱えており、そのリプレイスを考えている企業の担当者の方、そして、新規にシステムを構築するときに汎用機ベースにするか、パソコンベースにするか検討中の担当者の方はぜひ参考にしてください。

汎用機(メインフレーム)の特徴

ノートパソコンやスマホ、OAサプライ、新聞

「汎用機」の呼び名の由来

オープン系開発と対比される「汎用機」というホストコンピュータですが、オープンに対する言葉なのに「汎用」というのはなぜ? という疑問が湧いてくる方もいるでしょう。
オープンに対する言葉なので、確かにクローズドという言葉がふさわしいという気がします。

これは、もともと「汎用機」という言葉が、オープンシステムに対する言葉として生まれてきたわけではなく、汎用機より一世代前の特定の商用計算や科学技術計算の専用機として使われていたコンピュータ機器に対して、商用計算や科学技術計算、その他さまざまな情報処理を行うこともできるという意味で「汎用機」と呼ばれるようになったことに由来します。

商用計算や科学技術計算など、情報処理の目的別にハードウェア上の専用アーキテクチャの設計が行われることが必須だった時代に、汎用機はソフトウェアの部分を書き換えれば1つのコンピュータで対応できるという意味で画期的でした。

また演算処理性能も旧来の専用機に比べて格段に高く、ホストコンピュータとしてメインの機能を提供し、ネットワークを通じて複数のオペレーティング端末から使えるように設計されました。
大企業の基幹業務でこのタイプの汎用機を使ったホストコンピュータ+利用端末という形態のシステムが広く普及し、現在でも大企業や行政機関などで現役システムとして使われています。

具体的には、主に銀行や保険などの金融機関、大手流通業のPOSシステムや商品データ管理、さらにメーカーの製品管理や部品管理、運輸会社の座席予約などのミッション・クリティカルで大量のデータを処理する現場で使われています。

汎用機に対するコスト意識の高まりとオープン系システムへの期待

汎用機をベースとした開発形態は、それまでの専用機に比べるとコストパフォーマンスも非常に高い手法でしたが、パソコンの普及と性能の劇的な向上によりオフィスのソリューションがパソコンベースになってくるとTCO(トータルコストオーナーシップ)=コンピュータの導入や、管理維持に関わるすべてのコストの総額の高さが指摘されるようになってきます。

もちろん、現在稼働しているシステムを止めるわけにはいきませんので、汎用機ベースのシステムをTCOに優れたパソコンベースのシステムに置き換えていこうという動き(マイグレーション)が盛んになり、こうした中で、オープン系システム開発が注目されるようになったのです。

汎用機のハードウェアやOS、ミドルウェアはオープン化の時代の流れの中で、アップデートの頻度が減少し、サポート切れになってしまうことも多々あります。かたやUNIXやWindowsをベースとしたパソコンのサーバー機によるソリューションは年々低価格になり、頻繁にアップデートも行われています。

メインフレームの将来展望

メインフレームは一般的に開発期間が長期にわたり、TCOも大きくなります。またオープン化の時代の流れの中でメインフレームや使用する言語に精通する技術者も確保しづらい状況にあり、この傾向は今後ますますはっきりしていくでしょう。

また、古いレガシーシステムを維持することが困難になっていくだけでなく、ビジネスプロセスの変化をシステムに反映させるなどのシステム自体のアップデートに、汎用機をベースとした旧来のレガシーシステムが柔軟に対応できないといったデメリットも大きくなってきています。

オープン系システム開発では、さまざまなパッケージソフトなどでビジネスプロセス変革を支援してくれるようなソリューションの提案がなされますが、汎用機をベースとした開発では現状のシステムの維持がメインであり、こうした活発な提案はあまりありません。

オープン系システムの特徴

ノートパソコンとボールペン、手帳

オープン系システム開発のコスト

オープン系システム開発では、汎用機のホストに相当するハードウェアとして、パソコンが使われます。
パソコンと言っても、パーソナル用途のものではなく24時間稼働を前提とした高性能サーバー機ですが、それでも汎用機ではなくパソコンですのでハードウェアのコストは劇的に下がります。

また、パソコンを使うことにより、UNIXやWindowsなどのパソコン用のOSを使用することが可能です。
汎用機に特化した開発が不要となりますので、使用するプログラミング言語もJAVAやC、VBなどになり対応できる人材、開発会社も多く、その分適正な競争も盛んでコストパフォーマンスの高い納品物を期待できる環境にあります。

オープン系システム開発の注意点

オープン系システム開発では、単一のメーカーにとらわれることなく複数のベンダーのハードウェア、ソフトウェアを組み合わせて最適なソリューションを構築します。したがって、開発会社によって得意分野、不得意分野が存在します。
例えばある開発会社はOracleのデータベースを使った顧客管理システムが得意であるとか、ある開発会社はセールスフォース・ドットコムのシステムを使った営業支援システムが得意であるとか、ある会社はオリジナルの在庫管理システムに優れた実績がある、などです。

またいったん納品された後も、複数のベンダーの製品を組み合わせてシステムを構築している関係で、万が一のトラブルのときには原因の調査に独特のノウハウが必要になります。
このため、オープン系システム開発対応可能という看板を掲げているだけでなく、経験豊富なしっかりした実績のある開発業者を選ぶことがとても重要になってきます。

オープン系システム開発の将来展望

オープン系システム開発の第一のメリットはTCOを減少させることによるコストパフォーマンスの向上です。
パソコンの性能は劇的に向上し、コストは下がり続けていますのでオープン系システム開発を採用することによって、システム導入の初期費用も、メンテナンス等にかかる費用も削減することができます。

また、新規にシステム開発を行う場合にも、オープン系システム開発用に用意された豊富なパッケージを活用することが可能です。

オープン系システム開発では、製造業、卸売業、小売業、不動産業、自治体、学校、病院などの業界ごとに、ビジネスプロセスの標準的な流れをパッケージ化した製品が多数用意されています。
また、業界をまたいだ、顧客管理、営業支援、会計管理、給与計算、ワークフロー、グループウェアなどの業務別のソリューションについても多数のパッケージが存在します。

こうした豊富なパッケージを活用することで、他社と比べて競争力のあるシステム構築が安価に構築可能です。

オープン系システム開発業者の選び方

ノートパソコンと紅茶

ここまで汎用機をベースとしたシステムと、オープン系システムの特徴を整理してきました。
最後にオープン系システムをアウトソーシングするときの業者の選び方のポイントを解説します。

汎用系システムの経験は必要か?

最近では「システム開発」という言葉を使った場合には、特に断りのない限りは「オープン系システム開発」を指します。
オープン系システム開発においては、異なるベンダー間の技術を組み合わせますが、それはオープン系システムの技術に限られます。
したがって、新規にオープン系システムの開発を行う場合には、汎用系システムの経験は必ずしも必要ありません。

しかし、現状社内でレガシーシステムを抱えており、そのリプレイスの目的でオープン系システムの開発を依頼したいという場合には、汎用機での開発経験や移行実績は必須と言ってよいでしょう。
移行実績としては下記の3点は必ずチェックしましょう。

移行実績チェックポイント
  • 移行規模
    移行期間、リプレイスした汎用機の数、データ容量など
  • 移行業種
    同業種の実績(自社と同じ金融系であるとか、自社と同じ不動産系など)
  • 移行業務内容
    同様の業務内容の実績(自社と同じ顧客管理システムであるとか、自社と同じ営業支援システムなど)

自社で準備しておくべきデータ移行について

現在社内でレガシーシステムを運用している場合、現在取り扱っているデータの完全な移行が重要になってきます。
データ移行に関しては業者任せにせずに、社内の責任者を積極的にプロジェクトに参加させましょう。
このデータはしばしば企業の財産と言ってもよい貴重なものですので、漏れや損傷が絶対に起こらない形で慎重に移行する必要があります。

データ移行の工程(設計、抽出、クレンジング、ロード、検証)においては、発注側企業の担当者の役割が極めて大きいことを認識しておきましょう。

サポート体制が充実しているかをチェックする

オープン系システムでは、レガシーシステムに比べて万が一のトラブル時の「原因の切り分け」が困難です。
これは複数のベンダーのシステムを総合して1つのソリューションを作るオープン系システム開発の宿命です。

汎用機での開発の場合には、単一のメーカーの製品を使い、ソフトウェアの開発もそのメーカーか、もしくはメーカー系列の子会社や協力会社などが手がけるケースがほとんどです。

こうしたケースでは、不具合の情報などもメーカーが一元管理しているので対応も早いのですが、オープン系システム開発の場合には、トラブル時の対処は複数のベンダーのシステムを検証しながら解決していくという作業が必要となります。

したがってその点のリスクを織り込んでおく必要がありますので、オープン系開発のアウトソーシングでは、レガシーシステムの発注のときよりも、このサポート体制についてきちんと検討することが大切です。

ビジネスプロセス改善への対応をしてくれるか

先程「オープン系システム開発の将来展望」でも確認したように、オープン系システム開発のメリットの第一は、コストメリットです。
しかし、中長期的に見た場合、絶対に欠かせないポイントが「オープン系システム導入による競争力の獲得」です。

汎用機ベースの古いレガシーシステムは、ハードウェアやソフトウェアが古いだけでなく、処理している業務内容、業務プロセスそのものが時代遅れである場合が非常に多いことに注意しましょう。

例えば汎用機を導入した1980年代当時最新の業務プロセスを反映した汎用機システムも、2010年代の我々から見ると、30年前の業務プロセスということになります。

この間、自社内の業務フローは改善され、ライバル他社の業務フローも当然改善されています。
企業のシステム構築の目的は、システムの導入によって競争力をアップすることにあるわけですから、当然最新の業務プロセスを取り入れてシステムを開発する必要があります。

したがって、こうした自社にとって最適な最新の業務プロセスは何か、について一緒に考えながらシステムの設計に落とし込んでくれる業者こそ、オープン系システム開発では必要になってきます。

【まとめ】

握手をする男性

以上、汎用系システム開発とオープン系システム開発との違いや注意点について整理してきました。
汎用機のシステムはオープン系システムへと移行しているというのが大きな流れであり、逆行することはまず考えられません。

TCOでオープン系システム開発が汎用機系開発より優れている点、さらに、汎用機系開発のエンジニアや対応できる会社が減少していること、汎用機メーカー自体が汎用機の開発スピードやアップデートにそれほど熱心でなくなっていることなどが大きな原因です。

しかし、そうしたいわば消極的な理由だけでなく、オープン系システム開発を採用することにはもっと積極的な理由があることをこの記事ではお伝えしました。

汎用機を導入したときの自社を取り巻く環境と、現在の環境は大きく変わっているはずです。
ライバル企業が日々競争力UPのためにIT投資を行っている中、汎用機を導入した当時のビジネスプロセスの処理を繰り返しているレガシーシステムは、他社と比べて競争力があるとは言いがたい状況となってきているはずです。

オープン系システム開発の特徴として、技術的にベンダーの提供する最新技術をまたいで最適なシステムが構築できることが挙げられますが、それだけではありません。

オープン系システム開発では、最新の業務システム、ビジネスインテリジェンス、ビジネスプロセスなどを反映した、他社との差別化を達成することができるソリューションを構築することができます。

顧客管理、営業支援、会計管理、給与計算、ワークフロー、グループウェアなどの分野で、自社の強みをシステムに反映し、ライバル企業に差をつけるようなシステム構築設計に踏み込んでこそ、オープン系システム開発の特徴は十分に発揮されると言えるでしょう。

この点、単にシステム開発の看板を掲げているというだけの会社ではなく、「アイミツ」にご相談いただければ、自社のIT投資の効率をMAXに引き上げてくれる経験豊富な業者をご紹介することが可能です。
ぜひ、御社のIT投資を成功させるお手伝いを「アイミツ」にさせていただければと思います。

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