ECサイト制作に活用できる補助金5選の特徴を比較!注意点も解説【2024年最新版】
ECサイトの運営をスタートするには、サイト制作・システム導入・環境構築など多くのコストが必要となります。ECビジネスを始めたいけれども、コスト負担に懸念がある方もいるのではないでしょうか。そこでおすすめとなるのが、補助金の活用です。当記事では、ECサイトに活用できる各種補助金・補助金の活用事例・補助金活用の注意点について解説していきます。
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<比較表>ECサイト制作に使える補助金3つ
ECサイト制作に活用できる可能性のある補助金は、以下の表に掲載されている3種類。それぞれ対象・補助率・補助額に違いがあるため、まずは大まかに把握しておきましょう。
補助金名 | 概要 | 対象 | 補助率 | 補助金額 |
---|---|---|---|---|
事業再構築補助金 | コロナ過の影響を受けた事業者の事業再構築を支援 | 条件を満たす中小企業・中堅企業 | 1/2(申請枠によってことなる) | 100万円~1億円(規模による) |
ものづくり補助金 | 商品・サービスの開発・生産プロセス改善を支援 | 一定の条件を満たす小規模事業者・中小企業 | 1/2(条件によってことなる) | 100万円~3,000万円(規模による) |
小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の生産性向上・持続的発展を支援 | 従業員数の条件を満たす小規模事業者 | 2/3 | 最大100万円 |
以下に、各補助金の概要・特徴について詳しく解説していきます。
補助額が大きいが審査が厳しい「事業再構築補助金」
事業再構築補助金とは、新分野展開・事業業種転換・事業再編といった事業再構築への取組に意欲的な中小企業等を支援する補助金です。コロナ禍により厳しい状況に置かれた事業者の挑戦をサポートすることを目的としています。
補助金の申請にあたっては、事業再構築による経済社会への適応をはじめとした諸条件を満たす必要がありますが、補助金額が他の補助金より高めに設定されています。補助金の支給対象も広く、ECサイト制作においては、システム構築費・・クラウドサービス運用費・広告宣伝費などが該当するため、ECサイト制作でも活用ができる補助金になります。
対象となる条件
2024年からは、①②③いずれも該当する必要があります。
-
- 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。又は従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。
- 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
対象事業者
対象となる事業者は中小企業・中堅企業・個人事業主・ベンチャー企業などになります。また、業界によって対象条件も違います。以下に対象となる条件を業界ごとにまとめています。
- 【事業再構築補助金の対象となる中小企業者】
-
- 製造業、建設業、運輸業 資本金:3億円 従業員数:300人
- 卸売業 資本金:1億円 従業員数:100人
- サービス業 資本金:5,000万円 従業員数:100人 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
- 小売業 資本金:5,000万円 従業員数:50人
- ゴム製品製造業 資本金:3億円 従業員数:900人 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
- ソフトウェア業又は情報処理サービス業 資本金:3億円 従業員数:300人
- 旅館業 資本金:5,000万円 従業員数:200人
- その他の業種(上記以外) 資本金:3億円 従業員数:300人
申請スケジュール
現在は第12回までの公募が終了しています。次回の公募は未定のため、検討している方は定期的に事業再構築補助金の公式サイトを確認しましょう。
出展:事業再構築補助金:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
補助額・補助率
「通常枠」の補助金額は、中小企業者等、中堅企業等ともに以下になります。
- 【通常枠】補助額
-
- 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
- 【従業員数21~50人】100万円~4,000万円
- 【従業員数51~100人】100万円~5,000万円
- 【従業員数101人以上】100万円~7,000万円
- 【通常枠】補助率
-
- 中小企業等:2分の1(大幅な賃金を上げる場合は2分の3)
- 中堅企業等:3分の1( 大幅な賃金を上げる場合は1分の2)
そのほか枠によって異なりますが、最大補助金額は1億5,000万円(グリーン成長枠・中堅企業等)です。
Webサイト関連費として申請できる「小規模事業者持続化補助金」
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が業績を伸ばすための販路開拓・生産性向上といった取り組みを行う費用の一部を支援するための補助金です。
通常枠と特別枠が設けられていますが、ECサイトに活用できるのはWebサイト関連費や販促・広告宣伝費、システム構築費が対象経費となっている、通常枠になります。ただし、支給されには条件があるため、次に対象となる条件について詳しく解説していかいます。
- 対象経費
-
- 使用目的が本事業の遂行に必要であると明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了する経費
- 証拠資料等で支払金額の確認が可能な経費
- ECサイト制作に適用可能な経費
-
- 商品販売の為のWebサイト作成や更新
- インターネット広告、バナー広告
- インターネットを介したDMの発送
- システム開発に係る経費
- SNSに係る経費
- 動画作成
ECサイト制作だけでなく運用に関する部分にも適用可能であるのが特徴です。
対象となる条件
小規模事業者持続化補助金を申請するには以下の条件を全て満たしている必要がります。
-
- 策定した「経営計画」に基づいて実施する、販路開拓等のための取組であること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること
- 商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること
- 以下に該当する事業を行うものではない
・同一内容の事業について、国が助成する他の制度、と同一又は類似内容の事業
(例:介護サービスやデイサービスなど)
・本事業の終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
・事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなる事業
小規模事業者持続化補助金の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象者は商工会議所の管轄地内で小規模事業者や個人事業主、一定の要件を満たしたNPO法人が該当。ただし、小規模事業者は業種によって要件がことなるので注意しましょう。
1.商業・サービス業=従業員数5人以
2.宿泊・娯楽業=従業員数20人以下
3.製造業その他=従業員数20人以下
※常時使用する従業員数
小規模事業者持続化補助金の補助額・補助率
小規模事業者の補助額は枠によってことなります。
・「通常枠」の補助上限は50万円(補助率は3分の2)
・「賃金引き上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」の補助上限は200万円(補助率は3分の2)
※例外を除く・インボイス特例対象事業者は、上記金額に 50 万円の上乗せ。
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ECサイト制作に使える「ものづくり補助金」
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)とは、新商品・新サービスの開発に必要となる費用を支援するための補助金です。
名称からは製造業を対象とした補助金のような印象を受けますが、システム構築費・外注費・専門家経費などさまざまな用途で利用することが可能。2024年から、生産性をプロセスの効率化を目的とした、設備・システム投資を支援する「省力化枠(オーダーメイド)」生産性を高めるサービス開発の支援を目的とした「製品・サービス高付加価値枠(通常類型)(成長分野進出類型)」海外市場への開拓を目的とした「グローバル枠」が新設されています。
ただし、省力化枠と製品・サービス高付加価値枠はデジタル技術や製品・サービス開発の支援が目的としているため、ECサイト制作に活用するのは難しいでしょう。現状の支援枠でECサイト制作に活用ができるのが、グローバル枠になります。グローバル枠は海外市場開拓(輸出)に関する事業も対象なため越境ECなど海外向けのECサイトは支援対象になる可能性がります。
しかし、2024年6月時点では募集は再開されていません。検討している方はものづくり補助金の公式サイトを定期的に確認しましょう。
対象となる条件
ものづくり補助金の対象となる場合は補助対象の経費と要件を満たす国内企業となります。
- 【対象となる要件】
-
- 付加価値額:年平均成長率+3%以上増加
- 給与支給総額:年平均成長率+1.5%以上
- 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上
- 【ものづくり補助金の対象経費】
-
- 機械装置、システム構築費(単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必須)
- 技術導入費(補助対象経費総額(税抜き)の3分の1が上限)
- 専門家経費(補助対象経費総額(税抜き)の2分の1が上限)
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費7.外注費(補助対象経費総額(税抜き)の2分の1が上限)
- 外注費(補助対象経費総額(税抜き)の2分の1が上限
- 知的財産権等関連経費(補助対象経費総額(税抜き)の3分の1が上限)
対象事業者
ものづくり補助金の対象事業者は以下になります。
業種 | 資本金 | 従業員数(常駐) |
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 300人 |
その他の業種 | 3億円 | 300人 |
- 【小規模企業者・小規模事業者】
-
- 製造業:その他 20人以下の会社及び個人事業主
- 商業・サービス業: 5人以下の会社及び個人事業主
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業: 20人以下の会社及び個人事業主また、以下の事業者は対象外となります。
- 製造業:その他 20人以下の会社及び個人事業主
また、以下の事業者は対象外となります。
・当該公募の応募締切日を起点にして10ヶ月以内に、本事業の交付決定を受けた事業者及び応募締切日時点で本事業の補助事業実績報告書を未提出の事業者
・過去3年間に、2回以上、本事業の交付決定を受けた事業者
・みなし大企業に該当する事業者
・国の他の助成制度との重複
-
- 当該公募の応募締切日を起点にして10ヶ月以内に、本事業の交付決定を受けた事業者及び応募締切日時点で本事業の補助事業実績報告書を未提出の事業者
- 過去3年間に、2回以上、本事業の交付決定を受けた事業者
- みなし大企業に該当する事業者
- 国の他の助成制度との重複
補助額・補助率
ものづくり補助金の補助グローバル枠の補助率と補助額は以下になります。
【補助率】
中小企業:1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3
【補助額】
100万円~3,000万円
IT導入補助金はECサイト制作に関連するツールのみが対象
2023年まではIT導入補助金に「デジタル化基盤導入枠」があり、こちらがECサイト制作・構築が補助の対象になっていました。2024年から「デジタル化基盤導入枠」が廃止されためECサイト制作は対象外となりました。
一方、IT導入補助金の要件を満たしているツールに関しては補助の対象となります。例えば、ECサイト運営に必要な顧客管理システムや決済システムなどはIT導入補助金の対象となります。また、ECサイトに対するセキュリティソフトも対象となるため、ツール導入には活用することができます。
その他、ECサイト制作に活用できる補助金
ECサイト制作には、全国の各自治体が提供している補助金を活用できる可能性もあります。例えば、以下のような補助金があります。
※下記の補助金は2024年までの情報です。補助金によってはすでに終了しているものがあります。
・宮城県|中小企業等デジタル化緊急支援事業:50万円・2/3
・東京都中央区|ECサイト活用補助金:上限6万円・1/1
・東京都足立区|ホームページ作成・更新補助金:上限10万円・1/2
・神奈川県平塚市|中小企業等デジタル化支援補助金・上限100万円・1/2
・愛知県瀬戸市|瀬戸市コロナ克服販路拡大ECサイト活用補助金:上限10万円・1/2
どのような補助金が提供されているかは自治体により異なりますが、ECサイト制作に適用可能なものも多くあるため、各自治体の補助金情報をチェックしてみることをおすすめします。
ミラサポplusを活用する
中小企業庁が提供する補助金・助成金検索サイト「ミラサポplus」を活用するのもおすすめです。
中小企業・小規模事業者を対象としたさまざまな支援措置の情報を検索できます。支援制度だけでなく実際の活用事例なども掲載されており、電子申請までをサポートしてくれるのもポイント。また、「事業・業種転換等したい」「サービスの質を向上したい」など具体的なケース別のタグもあり、自社が求めている支援が分かりやすく便利です。
出展:ミラサポplus https://mirasapo-plus.go.jp/
補助金申請の流れ
補助金申請の流れは以下になります。
-
- 必要書類の準備
- 申請受付(電子申請、小規模事業者持続補助金のみ郵送可)
- 採択の決定
- 交付申請
- 補助事業の開始
- 実績報告書の提出
- 補助額の決定
申請に必要なものは補助金によってことなりますが、大まかな流れは共通しています。採択決定後の交付申請を行わない場合は辞退とみなされるので注意が必要です。
ECサイト制作に補助金を活用する際の注意点
ECサイト制作はさまざまな補助金の対象となっていますが、補助金を活用する際には以下のような注意点があります。
条件の審査が厳しい
原則返済不要なのと、補助金によっては大きな補助額が受給されるため、利用条件や審査が厳しいです。そのため、書類に不備があり、事業計画に不透明な部分が多いと不採択につながります。また、採択後にも事業実績報告が義務付けられており、成果未達成や申請時の差異がある場合は補助金の返還を求められる可能性があるため、条件やルールは把握し申請を進めましょう。
書類作成に時間がかかる
必要な書類が多く準備に時間がかかります。特に事業再構築補助金やものづくり補助金など事業計画書が必要となり、事業達成する根拠や経費が該当する理由などを記載する必要があります。また、書類に不備があると、当然ながら、不採択につながります。そのため、書類作成や準備にかかる時間を想定して申請を進めるのをおすすめします。
受給のタイミングが決められている
受給のタイミングは決められており、補助金によって異なりますが、多くは補助金の対象事業が終了し実績報告を行ったタイミングで受給されることが多いです。また、実績報告の時に成果未達成だと、返還を求められる場合があるため、注意が必要。補助金を活用する場合は受給のタイミングを考慮した資金運用も重要になります。
このように、利用のハードルは意外に高く、容易に資金を調達できるわけではない点に留意しておく必要があります。
【まとめ】ECサイト制作で迷ったらアイミツへ
ECサイト制作においては、当記事でご紹介した通りさまざまな補助金を適用できる可能性があります。各補助金には条件が設けられているため必ず利用できるとは限りませんが、ECサイト開設にあたっての費用負担を軽減することができるため、積極的に検討してみることをおすすめします。
ホームページ制作業者のなかには、補助金を活用した制作に積極的な業者もあり、ECサイト制作と補助金の両方を相談することも可能。アイミツでは、おすすめのホームページ制作業者とのマッチング支援を行っていますので、お気軽に相談下さい。
【相談前にまずは会社一覧を見たいという方はこちら】
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