アパレルECとは｜メリット・デメリットや運営を成功させるポイントをご紹介【2024年最新版】

近年アパレル業界でもインターネット上で売買を行うことは当たり前となりつつあり、ECサイト運用の重要性も高まってきています。しかし普段ECサイトで購入する人でも、いざ自社のECサイトを任されることになると、どこから手を付ければいいのか、どうすれば集客できるのかなど、そもそもECとは？と戸惑うことも多くあるでしょう。そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、アパレルECサイトについて詳しくご紹介！メリット・デメリットや運営を成功させるポイントも詳しく紹介します。

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そもそもECサイトとは、簡単に言えばインターネット上でモノやサービスを販売するサイトのことです。EC（Eコマース、E-Commerce）は、ネットを通じたモノ・サービスの売買を総称した言葉であり、ECを行うためのサイトがECサイトと呼ばれています。類似する言葉としてネットショップがありますが、基本的にはほとんど同じ意味の言葉と考えていいでしょう。ECサイトは大まかにモール型と自社サイト型の2種類に分かれます。モール型は楽天市場やAmazonなどが代表的で、サイトを間借りする形で出店します。一方自社サイト型はサイトの構築をすべて自社だけで完結させるタイプであり、決済システムなども自前でつくる必要があるでしょう。

ECサイトをつくる目的は会社によってさまざまですが、基本的には以下の3つのような目的が多くなるかと思います。
・実店舗はあるがより販路を広げたい
・実店舗はないものの売りたいものはあるため販売手段がほしい
・コーポレートサイトで紹介している商品を直接販売したい
基本的には商品・サービスの販売により利益を上げることが目的です。もちろんそのほかにも認知度拡大、ブランディングなどが目的となる場合もありますが、必ずしも直接販売ができるような機能を備える必要はありません。そのため、ECサイトをつくるのであれば、どうすればより利益を上げることができるのかを考えていくことになります。

アパレルECはインターネット上で、衣類や服装雑貨などのアパレル商品を販売する業態のことです。衣料品のメーカーやブランド、小売店がアパレルECサイトを利用し、自社でつくった商品や仕入れたものを販売します。現在のアパレル業界では、オムニチャネル化が進んでいることも特徴。オムニチャネルとは、自社サイトのほかにもアプリやSNSなどを活用することでユーザーとの接点を増やし、それを連携させることで、よりユーザーが満足できる体験を提供することです。例えば実店舗を持つ会社であれば、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取れる、アプリからクーポンを配布して来店を促す、などの活用方法が該当します。

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2021年7月に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によれば、物販系分野における2020年の消費者向けEC市場規模は12兆2,333億円となっています。これはサービス系分野とデジタル系分野を含めた総合的なEC市場の中でもトップの数値であり、他2つの市場と比べても倍以上の市場規模があるのです。その物販系分野のうちアパレル業界に該当する「衣類・服装雑貨等」のEC市場規模は2兆2,203億円。これは物販系分野で2番目に大きな市場規模であり、EC化率は19.44%進んでいる状況です。EC化率は最も進んでいる書籍や音楽・映像ソフトについで4番目となっているので、アパレル業界とECは親和性の高いものであると言えるでしょう。※
※ 出典：経済産業省　令和2年度産業経済研究委託事業（電子商取引に関する市場調査）
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html

アパレル業界においても新型コロナウイルス感染症による影響は大きく、実店舗を中心に展開する会社は売り上げが大きく落ち込む事態となりました。CECIL McBEEの全店舗閉鎖や、名門アパレルであるレナウンの破産などもその一例です。一方でアパレルECに関しては非接触で商品を購入できることから、好調な伸びを見せていることがポイント。実店舗の売上が前年と比較し半減する一方でECサイトの売上が前年比約150％アップとなっている会社もあります。スマホやSNSの活用の多様化によりアパレルECのニーズはさらに高まっているのが現状。利便性などのメリットは多く、今後はさらにECサイトの必要性が高まっていくでしょう。

前述したように、ECサイトは大まかにモール型と自社サイト型の2種類に分かれますが、アパレルECサイトの場合は自社サイト型をさらに2種類に分類し、以下のような3つのタイプに分けることができます。
・メーカーやブランドの直営通販（自社サイト型）
・ファッションモール通販（モール型）
・個人経営通販（自社サイト型）
なお、今回は詳しく紹介しませんが、これらのタイプ以外にもアパレルECの枠を超えて洋服や雑貨に関する取引が行われています。例えばユーザー同士が売買を行うようなネットオークション・フリマアプリ、定額料金で何着も服が借りられる、コーディネートしてもらえるサブスクリプションなどが人気です。

実店舗で展開を行っているようなアパレルメーカーやブランドが展開する自社サイト型のECです。前述したオムニチャネル化を進めているのが、このメーカーブランド直販系の大手企業。オムニチャネルはユーザーには利便性やお得感を感じてもらいやすく、企業側としてはすべてのデータを統合できるため業務効率を上げられるほか、分析なども正確にできるため経営戦略が行いやすくなるでしょう。代表的な会社としてはユニクロやGLOBAL WORK（グローバルワークス）で知られるアダストリア、NIKEやアディダスなどのスポーツブランドも該当します。

ファッションモール通販は前述したモール型と同じで、1つのサイトにさまざまなショップが集まっているWeb上のショッピングモールのことを指します。ユーザーはブランドを横断した検索機能でほしいものを探せるため、企業としては知名度が低い場合でも品質や価格、アピール次第で商品を選んでもらうことができるでしょう。また大元のサイトが提供するシステムを利用するため決済も代行してもらえ、自社負担を減らすことが可能。一方で自由度が低いことからブランドとしての個性を出すことが難しく、価格競争にも巻き込まれやすいというデメリットもあります。代表的なアパレル系ECモールとしては、ZOZOTOWN。そのほかECモールとしてAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングが有名です。

現在個人経営や小規模のメーカー、ブランドなどは実店舗を出さずにECサイトだけで事業を行う、いわゆるD2Cブランドが増えています。D2C（Direct to Consumer）とはメーカー・ブランドが自社商品を直接消費者に販売するビジネスモデルのことです。自社のECサイトが中心となるのはもちろんですが、そのほかSNSなどから直接販売されることもあります。販売戦略としてインフルエンサーが起用されることも多く、その人を通じて発信されるブランドイメージに共感するユーザーを集める手法で成功するブランドも数多く存在します。自社サイトはブランドを前面に押し出しやすいことがメリットですが、一方で決済システムなども自前で作らなければいけない点がデメリットでしょう。

アパレル業界でECサイトをつくるメリットとしては、大きくわけて以下の4つが挙げられます。
・世界中のどこからでも購入してもらえる
・24時間販売可能
・店員不要
・安く商品を提供できる
簡単に言えばユーザーにとっての距離と時間の制限が無くなり、低コストで経営ができるため利益率を高めることができます。自社サイトを構築すれば、ブランディングも行いやすくなるでしょう。事業を行う上での負担になりやすいものを軽減し、新規参入や事業展開を行いやすくしてくれるのがECサイトのメリットです。ではそれぞれの項目について具体例などとともに詳しく見ていきましょう。

実店舗により販売を行う場合、集客範囲は店舗があるエリアに限定されます。例えば東京でセレクトショップをオープンさせたとすると、東京に住む人か、通勤や通学などで訪れる人にしか販売できません。しかしECサイトはインターネットが通じればどこに住んでいても購入することができ、マーケットを店舗よりもはるかに巨大にすることが可能です。さらにECサイトの表記を外国語対応にすれば、日本のみならず世界中に販売できることも魅力。越境ECと言って、海外の消費者に向けて商品販売を行いやすいサイトが構築できるサービスや、海外への販売に対応したECモールなども存在します。将来的にグローバル展開を考えている方にもおすすめです。

ECサイトは店員などの人手を介さず商品の売買ができるため、24時間365日時間の制限なく営業を行えます。場所の制限もないため通勤通学の移動中や休憩時間などの隙間時間、小さな子どもを持つ母親であれば、子どもが寝付き一息ついたタイミングなど、ユーザーが望む時間に商品を提供することが可能です。ユーザーとしてもわざわざ時間を調整し店舗に出向く面倒が無く、商品購入に対するハードルも下げられます。実店舗で深夜営業を行うとなると、人材の確保を筆頭にさまざまな問題が存在しますが、ECサイトではサイト自体が常に営業を行ってくれるため、商機を最大限に生かすことができるでしょう。

実店舗でアパレル商品を販売する場合、販売員の配置が求められるでしょう。しかしECサイトであれば販売員を置く必要はありません。アパレル業界における販売員は単に品出しやレジ作業を行うだけでなく、服に対する知識が豊富で来店した消費者にアドバイスできるような人物である必要があります。実店舗ではそういった人材の確保や指導・教育などを行う必要がありますが、ECサイトであればこれらの負担が解消可能。また実店舗で販売員から接客されることが苦手で服などが買いにくいという人も少なくありません。しかしECサイトであれば誰の目も気にせず、自分のペースでショッピングができるため、より広い層へ商品のアプローチが行えるようになります。

前述したようにECサイトでは販売員を配置する必要がないため人件費を削減でき、店舗が必要ないため賃貸料金もかかりません。そのため実店舗で販売するよりも商品の価格を安くすることが可能です。例えば家電製品に関しては型番さえわかればどこで買っても同じものになるため、家電量販店で実物を確認した後に、ECサイトで購入するユーザーの増加が大きな課題となっています。アパレル商品の場合、まったく同じ商品をECサイトで見つけることは難しいですが、類似品を安く購入することは可能です。同じ商品でない以上品質確認などができない欠点は抱えていますが、消費者にとっては類似品でも安く購入できることは大きな魅力になるでしょう。

アパレル業界でECサイトをつくるデメリットとしては、大きくわけて以下が挙げられます。
・商品を着た感じを味わえない
・すぐに商品が届かない
・ECサイトへの集客が難しい
・コストがかかる
簡単に言えば商品が実店舗と違って手元にないことによる不便が大きなデメリットとなります。特に1番目の「商品を着た感じを味わえない」はアパレル商品の販売において大きな課題です。またECサイトの場合実店舗のように場所による制限が無いため、ライバルとなるECサイトも多く、商品の見せ方以前にどう集客するかが重要となるでしょう。では次の項目で詳しく見ていきます。

実店舗でアパレル商品を購入する場合、実際に試着しサイズが合っているか、自分に似合っているかなどを確認できるため、基本的に消費者は納得した上で商品が購入できます。しかしECサイトでは商品を直接確認することはできません。もちろん写真や商品説明はありますが、それにも限界がありサイズ、素材感、色がイメージと違う場合も少なくないでしょう。また日本では返品することが一般的ではないので、失敗を恐れて「サイズが合わないかもしれない」と商品が買われない可能性もあります。そのため身長ごとの着用感を撮影し写真や情報を豊富に掲載するなど、ギャップを埋めるための努力が必要です。

実店舗の場合購入するとその場で商品が受け取れるため、服などは着用したまま店を出ることも可能です。しかしECサイトで購入した場合、消費者の手元に届くまで最低でも1～2日かかり、長ければ4日程度かかることも少なくありません。消費者が商品を購入する時は基本的に「すぐ欲しい」と思うものであるため、到着するまでの時間が長くなれば口コミの評価やリピーター獲得に悪影響を与える可能性もあるでしょう。Amazonプライムなど配達するまでの時間を短縮することに成功している会社も存在していますが、日本では物流の人材不足が深刻化していることからも、解決までには時間がかかることが考えられます。

実店舗の場合、エリアの選び方によってライバルが少ない地域を選択することができます。また店舗を構えていれば、比較的簡単に住人や通勤・通学で通る人に認知してもらえるでしょう。しかしECサイトは存在自体を認知してもらうことがそもそも簡単ではありません。例えばECモールやGoogleなどの検索エンジンなどでほしい商品を検索しても、同様の商品を販売しているライバルの数が多いため、自社のサイトまでたどり着いてもらえないことも多くあります。そのため自社のサイトを上位に表示させるための対策やWeb広告、SNSの活用などマーケティング活動が必須であり、これらの活動にはある程度コストも必要です。

アパレル業界でEＣサイトの運営を成功させるポイントとしては、以下のような3つのポイントが重要となります。
・ブランディングを重視
・SNSや広告で集客活動に力を入れる
・オムニチャネルで実店舗と連携する
基本的に、運営を成功させるには前述した3つのデメリットを解消するための対策が重要となってきます。ただし商品が到着するまでの日数については会社として行える対策はほとんどないでしょう。それ以外の集客やブランディングに力を入れていく、もしくは実店舗と連携させたオムニチャネル化を進めるのがおすすめです。ではそれぞれの方法について次の項目で詳しく見ていきましょう。

前述したように、Amazonや楽天市場などのECモールのみに出店していると、価格競争や消費者の奪い合いが激しくなりやすいのが現状です。消費者側から見てもモール内にある1ショップとして認識されることから、店自体に対するファンを獲得しにくく、中長期的に見ても利益を伸ばすことは難しくなるでしょう。そのため、自社ECサイトを構築することでモールから脱却するのがおすすめ。自社でアパレルECサイトを立ち上げれば価格競争に巻き込まれにくく、サイトとしての表現力を高めることが可能。サイトのデザインや商品を使ってよりブランドの世界観を演出できるため、消費者に対して強いインパクトを持って訴求が行えるようになります。

一方でECサイトは存在自体を認知してもらうことが難しいため、認知度を拡大させるためのSNS活用や広告活動が重要となってきます。広告であれば消費者が検索したキーワードの検索結果に表示される「リスティング広告」などを活用すれば、より効率的に新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。またECサイトではサイズ感などを伝えにくいことがデメリットですが、これはSNS活用によってある程度解消することが可能。Instagramなどに商品を着たスタッフの画像を投稿すれば、リアルなサイズ感を伝えやすくコーディネートの提案も行えます。そのほかハッシュタグやリツイートなど、消費者を巻き込んだキャンペーンなどで認知度拡大も期待できるでしょう。

もしすでに実店舗を持っているのであれば、オムニチャネル化を進めるのもおすすめです。ECサイトを立ち上げるだけでも購入の選択肢が広がり、それぞれを連携させることで顧客データや在庫管理が一元管理ができるようになります。これにより、在庫情報をリアルタイムで反映させることや、店舗受け取りへの対応、ポイント情報の共有などのメリットを受けられるでしょう。またシステムを連携させれば単体で運営させるよりも高い精度でデータ分析が行えるため、正確な消費者ニーズを把握し施策などに反映させることでさらなる売り上げ拡大が図れます。

最後にECサイト運営を成功させるための参考となるメーカー直販系のユニクロ、モール型のZOZOTOWN2つの事例を紹介します。どちらも日本で有数の巨大ブランド、巨大モールではありますが、成功したポイントを見ると自社のECサイトにも反映できるものも多くありますので、ぜひ参考にしてください。

ユニクロは日本におけるアパレルECの売上No.1の会社で、総売上は800億円以上、2位のアダストリアの約2倍の売り上げを誇ります。※1 ユニクロは2017年にはすでにオムニチャネル化を発表し、獲得した顧客情報を生かしたマーケティング戦略を行ってきました。ECサイトでは消費者が購入の判断材料として重要視している口コミに着目。口コミ投稿者の性別・居住地・身長など属性を確認できるようにしたことで、より自分の体形や住む地域に近い人の意見を参考にしやすくなっています。またサイズについても自分の身長に近いモデルから着丈などをイメージできるため、サイズが選びやすいのも特徴です。

ZOZOTOWNは日本におけるアパレルECモールとして売上No.1を誇っており、総売上は2,000億円以上、2位のマルイウェブチャネルとの売上差は1,900億円以上と圧倒的な差をつけるほどの人気があります。ZOZOTOWNはチャットボックスによる誘導、新規登録者向けの高額クーポン、SNS活用などに力を入れることで、幅広い世代から売上をあげることに成功。※2 また商品をカートに入れるまでのアクションが少ないことも特徴で、サイズや色の選択、カートに入れるまでのアクションを1つにできるボタンを採用することで、購入前に消費者が離脱するのを防げるようになっています。

※出典1、2：OREND　アパレル・ファッションECとは｜1.7兆の市場規模・サイト別売上ランキング・勝ち方と最新事例　https://orend.jp/mag/a0093#EC5

本記事ではアパレルECの概要や種類、運営を成功させるためのポイントや事例などについて詳しく紹介しました。アパレルECはECモールを利用しても立ち上げられますが、自社ブランドを確立したいのであれば独自のECサイトを立ち上げるのがおすすめです。
なおアイミツではECにも対応したホームページ制作会社の情報を多数保有しており、無料で一括見積もりを承っております。そのほかホームページ制作会社への依頼で困りごと・悩みのある方もぜひアイミツへお問い合わせください。

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