コンタクトセンターとは?コールセンターとの違いや構築方法を解説【2024年最新版】
従来は問い合わせ窓口というと「コールセンター」が一般的でしたが、近年では「コンタクトセンター」という言葉も耳にするようになり「両者の違いがよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コンタクトセンターとコールセンターの違いやコンタクトセンターの役割、業務内容とあわせて、運営に必要な機能や費用について詳しく解説していきます。
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コンタクトセンターとは
コンタクトセンターとは、電話やメール、チャットボット 、SNSなどさまざまなチャネルを通じて取引先や消費者からの問い合わせ対応を行う部門のことです。取引先・消費者との良好な関係値を構築するために重要な部門としてとらえられており、チャネルを問わず一定品質での対応が求められます。
従来は問い合わせを担う部門はコールセンターと呼ばれていましたが、昨今では接触チャネルが増加したことからコンタクトセンターと呼ばれることが増えています。そのほかにも「ヘルプデスク」や「カスタマーサポートセンター」という名称を採用する企業もあるようです。
コールセンターとは
コールセンターとは、取引先や消費者からの連絡に電話で対応する部門を指すもので、業務内容は受信業務の「インバウンド」と発信業務の「アウトバンド」に二分されます。インバウンドは商品・サービスに関する問い合わせや申し込み・解約の受け付け、クレーム対応、アウトバンドでは見込顧客へのセールスやアンケートなどが主な業務としてあげられます。
コールセンターを設置するとそこへ問い合わせが寄せられるため、コア部門における電話対応による業務中断や業務効率の低下の防止につながります。電話を通じた顧客対応が欠かせない企業にとって、コールセンターは業務をよりスムーズに進めるために必要な部門だといえるでしょう。
コンタクトセンターとコールセンターの違いとは
コンタクトセンターとコールセンターの大きな違いは、コミュニケーションチャネルです。具体的にはコンタクトセンターでは電話のほかにFAXやWebサイト、チャットボット、SNSなどさまざまなチャネルを活用している一方で、コールセンターで対応しているのは電話のみという点が異なります。電話のみではオペレーターによる応対は営業時間内に限られますが、チャットボットを導入しているコンタクトセンターであれば24時間365日応対も可能です。電話での問い合わせが苦手な消費者にとっては、チャットやメールなどテキストで問い合わせができるというのはメリットだっと考えられます。また、企業によってはコールセンターという名称であっても複数のチャネルを活用しているケースもあるようです。
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コンタクトセンターの役割
電話にとどまらず、メールやチャットボット 、SNSなど多彩なコミュニケーションチャネルをもつコンタクトセンターは、どのような役割を担っているのでしょうか。
さまざまなチャネルで品質の高い対応をとる
コンタクトセンターの最大の特徴ともいえるのがコミュニケーションチャネルが多様な点ですが、企業にはチャネルを問わず一定品質の応対が求められます。時間や場所にとらわれないコミュニケーションが可能な反面、スピード感が顧客満足度を大きく左右するでしょう。
当然ながら正確性も担保しなければならないため、チャネルが電話に限定されるコールセンターと比較すると高度な運用が必要です。
顧客との有効な関係構築を図る
顧客との関係値構築を図るというのも、コンタクトセンターの役割の1つです。顧客が商品・サービスを選ぶ際には、デザインや品質、価格だけでなく顧客対応も要素となります。コンタクトセンターの応対品質が高ければ顧客からの好感を得やすく、満足度やロイヤリティの向上にもつながるでしょう。顧客満足度の高い商品・サービスはSNSや口コミでさらに利用が拡大していくと考えられるため、好循環を生み出すきっかけになるかもしれません。
顧客の声を社内に伝える
取引先や消費者との接点となるコンタクトセンターには、商品・サービスに対する意見や感謝、クレームなど「生の声」が集まります。それらの声を開発部門やマーケティング部門などへ共有し、商品・サービスの改善や新商品開発、マーケティング戦略へ活用すれば事業の成長や認知度の向上への貢献も期待できるでしょう。また、商品・サービスに自身の声が反映されれば、顧客はさらに愛着心を抱くはずです。
コンタクトセンターの業務内容
コンタクトセンターの業務は「インバウンド」と「アウトバンド」の2種類に大きく分かれます。ここからは、それぞれの業務内容について解説します。
インバウンド業務
インバウンド業務は取引先や消費者からの受信業務が主な役割で、具体的には「カスタマーサポート」と「テクニカルサポート」「テレフォンオペレーター」の3つに分かれます。
・カスタマーサポート
商品・サービスを購入した顧客からの問い合わせ対応や、アフターサービスの提供を目的とした業務で、電話やメール、チャットなどを通じて対応するのが一般的とされています。企業の「顔」ともいえる機能となるため、質の高い応対が実現すれば企業に対するイメージや顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
・テクニカルサポート
商品・サービスの使い方や故障に関する問い合わせなどを受け付けるための窓口で、「ヘルプデスク」という名称が用いられることもあります。顧客の状況をしっかりとヒアリングした上で解決をサポートするほか、内容に応じて専門的な知識を持つ担当者へエスカレーションするといった対応が求められます。
・テレフォンオペレーター
テレフォンオペレーターとは「総合案内窓口」のことで、顧客から問い合わせ内容をヒアリングしたのちに関連部門へ取り次ぐのが主な業務内容です。近年は自動応答システムの導入によって無人化されているケースも増加しています。
アウトバウンド業務
アウトバンド業務は、既存顧客や見込顧客へ向けた発信業務のことで、「テレフォンアポインター」と「テレマーケティング 」の2つに分かれます。
・テレフォンアポインター
見込顧客に対して営業電話をかける職種で、「テレアポ」とも呼ばれています。コンタクトセンターのコミュニケーションチャネルは多岐にわたりますが、テレフォンアポインターは電話を使って営業活動に取り組むのが一般的です。テレアポの主な目的は見込み顧客にアポイントを取って商談の機会を設けることですが、場合によっては商品の販売や資料送付などが業務に含まれることもあります。
・テレマーケティング
顧客や消費者を対象に、商品・サービスの利用状況や市場調査、満足度調査、世論調査などを行う業務のことです。テレマーケティングは広義では「顧客とのコミュニケーションに電話を使用すること」を指しますが、商品・サービスを利用している顧客に対して実施されるのが一般的といえます。
コンタクトセンターの構築に必要な機能
コンタクトセンターには各チャネルで一定品質のサービス提供が求められますが、限られたリソースで品質を維持するのは簡単ではありません。そうした背景から、現在はコンタクトセンターの構築・運用をサポートするさまざまなシステムやツールが各社から提供されています。ここからは、コンタクトセンターの構築に必要な機能(システム)を紹介していきます。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューターをつないで顧客対応をスムーズにするための技術です。顧客情報と電話番号が紐づけられ、受信時にその顧客に関する情報を閲覧できるようになるので、効率的な対応が可能となります。また、過去の応対内容も記録されるため、担当オペレーターが変わっても相手を待たせることなく対応でき、顧客のストレスを抑えられます。オペレーターごとの受け付け件数や通話時間の管理も可能なので、業務時間の均等化にも役立つでしょう。
ACD
ACD(Automatic Call Distributor)は、事前に設定した条件にそって顧客からの入電を自動で管理・運用するシステムのことで、日本語では「着信呼自動分配装置」と訳されます。コール数や待機時間、知識レベルなど幅広い条件を設定できるので、顧客の抱える問題・課題に合わせた部門・担当者への誘導が可能です。混雑回避を目的としたかけ直しや、Webサイトからの手続きを案内するガイダンスも流せるので、「問い合わせたけどつながらなかった」「待ち時間が長すぎて諦めた」といった不満の解消にもつながるでしょう。
IVR(自動音声応答システム)
IVR(Interactive Voice Response)は、自動音声応答システムのことです。顧客にガイダンスにそって番号をプッシュしてもらうことで問い合わせの内容を特定し、応対の効率化を図るための機能があります。簡単な内容の問い合わせであれば自動音声だけで解決できるものもあるので、待ち時間の短縮だけでなく時間外の対応も可能です。顧客ごとの抱える問題や問い合わせの内容に合わせた部門・担当者へ振り分けられれば、スムーズな問題解決につながり、満足度の向上も叶うでしょう。また、近年では台風や地震といった災害の発生時の情報発信にも用いられています。
チャットボット
チャットボットは、ユーザーから寄せられた質問に自動で回答するプログラムを指すもので、「シナリオ型」と「AI型」の2つに分かれます。シナリオ型はユーザーに向けて複数の選択肢を用意して相手の求める回答へ導くもので、高度な技術がなくても導入できるのが特徴です。一方で、AI型は人工知能によってより複雑な質問にも対応でき、AI型は使用するほどに回答の精度が向上しますが、シナリオ型と比べると導入にかかるコストが高額になる傾向があります。また、AI型であっても苦手な領域も存在しているため、導入前に得意分野・苦手分野をきちんと把握しておくことが大切です。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)は顧客情報を一元管理するためのシステムで、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。顧客とのコンタクト履歴をシステム上で蓄積・管理でき、オペレーターを選ばずに継続的な応対が可能となるため、無駄なやりとりを繰り返す必要がなくなります。応対情報の蓄積は顧客ごとに合わせた施策の可否の判断にも役立つため、マーケティング部門や開発部門に情報を共有すれば、より効果的なマーケティング戦略やニーズを踏まえた新商品開発にもつなげられるでしょう。
通話録音記録装置
電話での問い合わせ応対はメールのように記録が残らず「言った・言ってない」のトラブルに発展しやすい傾向がありますが、通話録音記録装置があればトラブル時の証拠としても役立てられます。事前に「通話内容を録音している」旨をガイダンスで通知すれば、横暴な発言の抑止力にもなるでしょう。オペレーターの実際の応対内容は新人研修で見本として活用できるほか、コンプライアンス違反がないかの確認にもなると考えられます。
また、顧客との会話の中で聞きもれがあった場合でも、通話が録音されていればあとから内容の確認が可能です。
FAQシステム
FAQシステムは、顧客から多く寄せられる問い合わせ内容とそれに対する回答を「よくある質問」としてWebで公開し、ユーザーが必要なタイミングで閲覧・検索するためのシステムです。件数の多い質問とその回答や解決方法を手軽に確認できるようにすることで、オペレーターの業務負担軽減にもつながります。また、顧客の中には電話やメールによる問い合わせよりも、自己解決を好む人もいると考えられます。FAQシステムの導入によってそうしたニーズに応えれば、さらなる顧客満足度向上も叶うかもしれません。
コンタクトセンター運営にかかる費用の内訳
つづいては、コンタクトセンターの開設・運営にかかる費用である「初期設備」と「ランニングコスト」の内訳について詳しく開設していきます。
初期設備
コンタクトセンターの開設にあたっては、電話回線やCTI、CRMなどの初期設備への投資が必要です。電話による問い合わせ窓口を用意する場合は電話回線工事が欠かせません。また、コンタクトセンターに必要な機能は多岐にわたり、導入すべきシステム・ツールやコンタクトセンターごとに異なります。
「できるだけ初期投資を抑えたい」という場合はまずは必要最低限の設備に絞り、運用開始後に状況に合わせて導入を検討するとよいでしょう。
ランニングコスト
コンタクトセンターを運営していくためには、オペレーターの人件費や通話料、CTIやCRMなど各種システムの利用料、システムの保守・運用費用といったランニングコストがかかります。各システムを内製せずに外部のサービスを利用する場合は、契約を継続するかぎり利用料が発生することを踏まえて予算を確保しなければなりません。ランニングコストの負担が大きくなりそうな場合は、コンタクトセンター業務の外注を検討してみるのも1つの方法です。
コールセンター外注の費用相場
つづいては、コールセンター業務を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
費用相場 (1件当たりコール単価) | コールオーバー | 初期費用 | |
月額固定型 | 100〜200円 | 1件100〜250円 | 1万5,000〜5万円 |
従量課金型 | 300〜1,000円 | ー | 1万5,000〜5万円 |
コールセンターの外注費用の相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
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コンタクトセンターは幅広いコミュニケーションチャネルを持つという特徴がありますが、すべてのチャネルで一定品質のサービスを提供するためには工夫が必要です。導入すべき機能(システム・ツール)も多岐にわたるため、コンタクトセンターの開設に際しては設備投資やランニングコストも考慮して準備を進めなければなりません。自社でのコンタクトセンター開設・運営が難しい場合は、専門会社へ業務を委託してもよいでしょう。
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