営業DXとは｜導入のメリット・成功事例・失敗しないためのポイントなど徹底解説【2024年最新版】

ITを駆使して営業活動を最適化することを意味する営業DX（デジタルトランスフォーメーション）ですが、「注目されているし自社にも導入したいけれど、何から始めていいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、営業DXの概要や導入のメリットなどを分かりやすく解説！自社に取り入れるアイデアや成功事例なども詳しく紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。

営業DXの前に、「DXとはなにか」についてご説明しましょう。
DXとは、デジタル技術を用いてビジネスモデルを変革することです。経済産業省では、DXを『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』※と定義しています。つまりDXとは、単にデジタルツールを使用した業務の効率化を指すわけではありません。

※出典：「DX推進指標とそのガイダンス」https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf

多くの企業がすでにDXを導入している、または導入を検討している背景には、「2025年の崖」問題があります。そもそも、企業の基幹システムの多くは、部門ごとに構築されており、社内のデータを十分に活用できないケースが少なくありません。また、既存のシステムを使い続けた場合、データ消失などの技術的なリスクが高まる上に、他社に対する競争力を失う可能性も。さらに、古いシステムの維持には高額なコストがかかるというデメリットもあります。  
このような観点から、経済産業省は、DXが進まなかった場合、2025年以降、最大年間12兆円の経済的損失が発生する可能性があるとして、これを2025年の壁と呼んでいます。※1　前述のような理由で現在、国内企業の5割がDXを検討・推進。大企業に限定すれば、DXを推進・検討している割合は8割を超えるとされています。※2

※1出典：経済産業省 DXレポート ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf
※2出典：日本能率協会 『日本企業の経営課題 2020』 調査結果【第２弾】DX（デジタル・トランスフォーメーション）の取り組み状況 ５割超の企業が DX の推進・検討に着手済み。大企業では８割超 https://jma-news.com/wp-content/uploads/2020/09/b71d22671beb221ffeb071c4c8c163da-1.pdf

営業DXとは、ITツールを用いた顧客管理・関係管理の最適化はもちろん、経費精算や他部署での営業データ活用など、デジタル技術による部門を横断した業務の変革を指します。近年では、新型コロナウイルスの影響により対面での営業が難しいケースが増えているのが現状です。顧客と直接接触できる機会が少なくなったことで、営業DXの重要性を認識する企業も増加。CRM（顧客関係管理システム）やマーケティングオートメーションなどのITツールの導入や動画の活用などを通じて営業DXを進める企業が増えています。

デジタル化とは、紙ベースの業務をペーパーレス化したり、マーケティングオートメーションを導入して顧客へのアプローチを最適化するなど、アナログな業務をデジタル・ITに置き換えることです。しかし、営業DXにおいて、業務のデジタル化はあくまでも主要な手段の1つ。営業DXでは、デジタル化によって生産性を向上させ、利益の最大化を目指します。

営業DXを導入すれば、営業におけるさまざまな場面で生産性が向上します。以下では営業DX導入のメリットを3つに分けて解説していきます。

営業DXを導入する1つのメリットとして、データを有効活用できる点が挙げられます。従来のアナログな営業では、営業スタッフの経験によって業績が左右されるケースも少なくありませんでした。しかし、顧客の基本情報や購買履歴など、複数のデータを一元的に扱うことができれば、経験の差に左右されることなく、データにもとづいた提案が可能です。また、業務の属人化を脱却することは業務効率化・生産性の向上につながり、最終的に利益向上にも貢献してくれるでしょう。

営業DXには、営業スタッフのマネジメントを効率化できるメリットもあります。従来のアナログな営業活動では、営業マネージャーは商談に同行する、もしくはスタッフからの報告をもとに、商談の進捗を把握するしかありませんでした。しかしWeb商談への切り替えにより商談に参加しやすくなったり、SFA（営業支援システム）を活用することで、商談の進捗確認はもちろん、スタッフの行動や売り上げ予測なども効率化できます。また、スタッフの公平な評価にもつながるので、社員満足度の向上も期待できるでしょう。

BCP（事業継続計画）とは、災害などの緊急事態に備えて、企業の被害を最小限に抑える対策や迅速に復旧する方法などを定めた計画です。業務のデジタル化が進んでいなかった場合、災害によって顧客情報などの重要なデータが失われる可能性もあります。営業DXの一環として業務をデジタル化しておけば、データ消失のリスクを低減でき、リモートで業務を継続できる体制も構築できるでしょう。

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一口に営業DXといっても、具体的な施策内容は企業ごとに異なります。ここでは、動画の活用やSaaSツールの導入を通じた営業DXの成功事例を3件ご紹介しましょう。

葬儀社向けサービスを提供しているアスカネットでは、営業活動に動画を多く活用しています。例えば、運営しているECサイトで、商品を動画で紹介したり、商品の特徴や使い方を分かりやすく解説。また、訃報や弔電などをスマホで作成できるクラウドサービス「tsunagoo」のサポートページにも動画を掲載し、使い方や操作方法を解説しています。このように、商品紹介や問い合わせが多い内容を分かりやすく動画にすることで、スタッフの問い合わせ対応件数が減少。業務負担の軽減だけではなく、疑問を自己解決できるようになったため、顧客の利便性の向上にも寄与しました。

※出典：レトロスタジオ「動画で業務効率改善！マンパワーでの営業活動・カスタマーサポート業務から脱却」https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/asukanet-interview

不動産売買事業を展開する日本ユニストは、名刺管理システム「Sansan」の導入で生産性が5倍以上向上しました。営業DX導入前の営業スタイルは、顧客を直接訪問して1日5件前後商談していました。顧客へ連絡する際も名刺を探さなければならず、手間取ることも。全営業スタッフの名刺情報を共有することで、別の営業スタッフが重要人物に接触していたことが分かり、成約につながるケースも増加しました。さらに、SFA「Salesforce」を導入し、経営の効率化も実現。SFAとSansanのデータを同期することで、意思決定のスピードも格段に上がったとのことです。

名刺管理ソフト「Sansan」について詳しく知りたい方はこちら
SFA「Salesforce」について詳しく知りたい方はこちら

※出典：Sansan「脱・個人営業。不動産会社が、わずか2年で変革を遂げるまで」https://sin.sansan.com/stories/suf54/

食品メーカー江崎グリコでは、新規開拓営業の成約率の低さが課題になっていました。そのため、成約率の向上を目的に、Salesforce社が提供するMA（マーケティングオートメーション）ツール「Account Engagement （旧 Pardot）」を導入。3ヵ月ほどかけてターゲットを明確化した上で、ターゲット別にシナリオを作成し、Web上でのマーケティングを自動化しました。見込み客の興味をひけるような資料を作成し、ダウンロード時に顧客情報を収集。業種に合わせてメールを配信することで、リードの流入量や客単価が向上。法人による備蓄食料の問い合わせの成約率は、100％に達しました。

※出典：Salesforce「 営業の名刺情報のリスト化だけでは限界があった商談化率の向上」https://www.salesforce.com/jp/customer-success-stories/glico/

DXの導入で失敗しないためには、綿密な準備が不可欠です。導入前に始めるべき準備のポイントを2つ解説します。

営業DXは、デジタル技術で業務や事業を効率化し、利益を最大化する取り組みです。部署を超えて横断的に実施しなければならないため、一社員の力だけで実現できる取り組みではありません。営業部だけではなく、会社全体でDXの必要性を共有しておくことが大切です。営業方針はもちろん、経営方針にも関わってくることもあるので、経営層まで巻き込んで推進するのが理想的。DXの導入に取りかかる準備として、DX推進の専門部署を設置したり、DX教育を実施するなどして、社内環境を整えておきましょう。

DX導入を成功させるには、導入目的を明確にしておくことが重要です。DX全体の施策内容を設計した上で、自社にあったシステムやツールの導入を検討しましょう。ツールありきでDXを進めてしまうと必要な機能が使えない、自社の業務にマッチしていない可能性もあるので注意が必要です。また、DXではビジネスモデルの変更が必要になるケースもあり、大規模な変革が求められることも。営業DXの全体像を設計し、具体的にどのような流れで導入を進めるのか、慎重に検討しましょう。

営業DXを実現する方法には、動画の活用や営業支援ツールの導入などがあります。ここではすぐにでも実現可能な4つの方法をご紹介します。

まず、営業DXの導入を実現する方法として挙げられるのが、動画の活用です。見込み客は、Webサイト上の文字情報だけで疑問を解決できなかった場合、サポートに問い合わせなければなりません。その問い合わせの件数が増えれば、スタッフの負担は増加してしまいます。そこで、例えば、商品の購入方法や商品説明を動画化してWebサイト上に公開しておけば、問い合わせの削減につながり、スタッフの負担が軽減できます。また、すみやかに疑問を解決できれば、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。動画は、文字や画像と比較して短時間で多くの情報を伝えられるという特徴があるので、ECサイトなどに動画を掲載すれば、画像だけでは伝わりにくい商品の魅力などを分かりやすく伝えられるメリットもあります。

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営業DXを実現するために、各種ツールの導入は王道の方法です。そのツールの選定に入る前に大切なのが、自社の営業部門が抱えている課題を明確にしておくこと。デジタルツールと一口にいっても、種類は豊富です。また、特定の用途に特化しているもの、連携してさらに効果が高まるものなどがあるので、自社の課題を理解し、その課題を解決できるもの、目的に合ったツールを導入しなければ効果は期待できません。
営業DXに活用できるツールの一例は以下の通りです。目的・規模・他システムとの連携可否などを確認し、自社にあったものを選定しましょう。

・SFA（営業支援システム）
営業活動の進捗を管理できるツール。営業業務を標準化
・MA（マーケティングオートメーション）
見込み客の獲得・育成を自動化するツール。MAを活用すればリードの獲得を効率化
・CRM（顧客管理システム）
顧客との関係を管理するツール。ニーズの掘り起こしなどに活用

「アイミツSaaS」では、ぴったりの営業DXに活用できるツールをご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

ただし、機能が足りない、痒い所に手が届かない......そのようなツールを選んでも営業DXは実現できません。そんな時は、システム開発・アプリ開発会社に相談し、自社にぴったりな業務システム・アプリなどを開発することをおすすめします。アイミツなら、おすすめのシステム開発会社やアプリ開発会社をご紹介可能です。お気軽にお問い合わせください。

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前述の「導入前にするべき準備」で説明した通り、DX推進を実現するには全体設計や社内環境を整える必要があります。それらを自社で実行するのが難しい時に頼りになるのが、コンサルティング会社です。これまでに営業DX推進を手掛けてきた会社であれば、ノウハウを活かして課題の見える化や目標設定、マッチするツールの選定など丸ごと相談することができるので効率的に進めたい場合におすすめでしょう。

インサイドセールスは、電話やメール、SNSなどを用いて非対面で見込み客にアプローチする営業方法です。新型コロナウイルスの影響もあり、非対面での営業ニーズはさらに高まりました。例えば、Web会議ツールを活用すれば、カメラでお互いの映像を映しながらの商談も可能で、対面さながらの効果も期待できます。このように見込み客へ効果的なアプローチができることによって、成約率の向上につながるでしょう。また、これまで営業先リストの作成に時間がかかっていたり、マーケティング部が作成した顧客リストがあっても有効活用できていなかったといったケースにも非常に有効な手段と言えます。

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営業DXを成功させるポイントは、DXに対する理解を深め、自社のニーズにマッチしたツールを導入することです。自社の営業DXを成功させる方法やマッチするツールを見つける方法をご紹介します。

営業DXを成功させるには、自社の課題や規模、連携させたいシステムなど目的に合ったシステムやツールを導入しなければなりません。しかし、自社にあうツールを見つけたり、数ある会社の中から要望にフィットする会社を見つけるのは至難の業です。既存のツールでは自社の課題に対応できないこともあるかもしれません。
一括見積もりサービス「アイミツ」では、ヒアリングしニーズにあうシステム開発会社、アプリ開発会社を無料でご紹介可能です。また、動画を活用する場合、映像のクオリティが低いと見込み客や顧客に不安を与える可能性も。自社での動画制作が難しい場合には、おすすめの動画制作会社へ任せるのがおすすめ！ぜひ「アイミツ」へお気軽にお問い合わせください。

「営業DXで業務がどのように変わるのかイメージできない方」や「営業DXに対する理解を深めるたい方」は、展示会やイベントに参加するという方法もあります。近年の営業DXへの関心の高まりを受けて、DXに関連する展示会やイベントも増えてきました。展示会・イベントに参加すれば、実際のツールに触れたり、担当者の話を直接聞けるので理解が深まるはずです。オンライン開催のイベントも多いので、気になる方はチェックしてみると良いでしょう。

営業DXは、業務を効率化して売り上げの最大化を目指す取り組みです。しかし動画やツールの導入など実現する方法は数多くあるため、自社の課題を明確にし全体像を描いた上で進めていく必要があります。
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