DNSサーバーの設定方法とは？名前解決についても解説【2024年最新版】

普段何気なく利用しているインターネットにおいて、重要な役割を担うDNSサーバーですが、その設定方法はおろか、存在すら知らない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、DNSサーバーとは何かといった基礎知識に触れながら、設定方法や名前解決の仕組み、選ぶ際のポイントなどについて、詳しく解説します。

DNSサーバーとは、ネームサーバーとも呼ばれ、IPアドレスとドメイン名を対応付ける仕組み（＝DNS、Domain Name System）を提供するサーバーです。コンピュータは、インターネット上の通信相手を見分けるために「111.222.333.444」といった数字の羅列であるIPアドレスを使用しますが、一方で人間は、一目で理解できる「imitsu.jp」といったドメイン名を使用して通信相手を指定します。

つまり、実際に通信が行われる際には、人間によって指定されたドメイン名を、コンピュータが分かる形であるIPアドレスに変換する必要があるのです。この処理を担っているのがDNSサーバーで、インターネットにおいて不可欠な存在となっています。

「DNSサーバーとは何か」ついて詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

DNSサーバーの設定方法を理解する前に、まず名前解決について知っておくことが大切です。以下より、名前解決の仕組みや、その機能の1つであるDNSキャッシュについて解説します。

ドメイン名をIPアドレスに変換すること、あるいは逆にIPアドレスをドメイン名に変換することを、総じて名前解決と呼びます。つまり、前述したDNSサーバーの処理は、名前解決によって行われていると言い換えられるのです。

DNSサーバーは階層構造となっており、「.jp」「.net」「.com」などのトップレベルドメインを管理する、最も上位にあるDNSサーバーをルートサーバーと呼びます。名前解決の際には、ルートサーバーを起点とし、配下にあるDNSサーバーへと順に問い合わせが行われることで、最終的に対象ドメインを管理しているDNSサーバーに辿り着くのです。

DNSキャッシュは、一度問い合わせを行った名前解決の情報を一定期間保持する仕組みです。これにより、同様のリクエストを受け付けた際に、改めて他のDNSサーバーに問い合わせることなく、自らが保持している情報を返すことで、スピードアップと負荷の軽減が実現できます。

上述した名前解決の仕組みにおいては、ルートサーバーに極端な負荷が集中すると考えられますが、実際にはDNSキャッシュを備えたキャッシュサーバーがリクエストを受け付けることで、ルートサーバーへの問い合わせ頻度を低下させます。

以下より、実際にDNSサーバーを設定する方法について、OSごとに解説します。

Windowsでは、以下の手順でDNSサーバーを設定します。
1.スタートメニューより、「設定」→「ネットワークとインターネット」と進む
2.「ネットワークの詳細設定」→「ネットワーク アダプター オプションの詳細」と進む
3.対象アダプターのアイコンを右クリックの上「プロパティ」を選択
4.一覧にある「インターネットプロトコルバージョン4」を選択→「プロパティ」をクリック
5.「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にDNSサーバーのIPアドレスを入力
6.「OK」をクリックして完了

Macでは、以下の手順でDNSサーバーを設定します。
1.「システム環境設定」→「ネットワーク」と進む
2.対象となる接続を選択→「詳細」からDNSタブを選択
3.「＋」ボタンによりDNSサーバーの情報を設定して完了

iOSでは、以下の手順でDNSサーバーを設定します。
1.「設定」→「Wi-Fi」と進む
2.接続中のネットワークを選択し、「DNSを構成」へ進む
3.「手動」を選択し、DNSサーバーの情報を設定して完了

Androidでは、以下の手順でDNSサーバーの設定が可能です。ただし、端末のIPアドレスを静的に変更した際、重複が発生しないようにしておく必要があります。
1.「設定」→「ネットワークとインターネット」と進む
2.「Wi-Fi」→接続中のネットワークを選択→鉛筆（編集）アイコンを選択
3.「詳細オプション」からIP設定を静的（固定）に変更
4.DNSサーバーの設定を変更して完了

以下より、おすすめのDNSサーバー（無料で利用可能なパブリックDNSサーバー）を厳選して5つ紹介します。

Google Public DNSは、Googleより提供されているDNSサーバーです。独自のキャッシュシステムにより高速で、セキュリティレベルも高いため、多くの人気を集めています。日常的に利用しているDNSサーバーに不具合が発生し、パブリックDNSサーバーを利用する必要が生じた際に、選択されることが多いようです。

Cloud flareは、アメリカの企業であるCloudflareより提供されているDNSサーバーです。応答速度の速さとログは24時間以内に削除されるためプライバシー保護が高く、高い人気を集めています。

スマートフォンからの利用も可能です。また、プライマリDNSサーバーのアドレスが「1.1.1.1」であることも広く知られています。

Comodo Secure DNSは、ファイヤーウォールやSSLなどのセキュリティサービスで有名なComodoより提供されているDNSサーバーです。高い安全性が特徴で、マルウェアに感染したドメインやフィッシングサイトのブロック機能がデフォルトで提供されます。

Open DNSは、ネットワーク機器で世界的に有名なCiscoより提供されているDNSサーバーです。応答速度の速さとセキュリティレベルに定評があります。悪意のあるWebサイトのブロックやアダルトサイトのフィルタリングなどを行ってくれるところがポイントです。

Quad9は、大手企業のIBMやPCHなどが提携しているCleanerDNSにより提供されているDNSサーバーです。マルウェア・ランサムウェアの感染などからユーザーを保護するべく、悪性ドメインとされているWebサイトを自動でブロックしてくれます。

DNSサーバーを選ぶ際は、いくつかのポイントに留意する必要がありますが、特に重視したいのがセキュリティ対策・応答速度・信頼性の3点です。
近年、DNSサーバーを狙った攻撃が数多く見受けられるため、まずはセキュリティ対策がしっかりと施されたDNSサーバーを選ぶことをおすすめします。また、DNSサーバーは基本的に通信が発生するたびにアクセスすることになるため、応答速度は非常に重要です。さらに、DNSサーバーにダウンなどが発生すると業務停止といった甚大な被害を受ける恐れがあるため、信頼性も慎重に確認する必要があります。

以上、DNSサーバーとは何かといった基礎知識に触れながら、設定方法や名前解決の仕組み、選ぶ際のポイントなどについて、解説しました。本記事の内容が、DNSサーバーへの理解を深める一助となれば幸いです。
なお、DNSサーバーやネットワークの適切な設定を依頼する会社の選定にお悩みの際は、ぜひ「アイミツ」をご利用ください。ご要望をお伺いした上で、それに見合った会社を「無料」で複数ご紹介します。お気軽にご相談ください。