ITを駆使したマーケティングシステムを構築するポイントとは?

棒グラフと円グラフ

更新日:2017年09月22日 | 公開日:2017年07月29日

マーケティングとはもともと、商品が大量かつ効率的に売れることを目的として、調査・製造・輸送・保管・販売・宣伝などの過程を商品や市場動向に合わせて戦略化することでした。

やがて消費社会が成熟して消費者のニーズが多様化し、従来の大量生産・大量消費のマスマーケティングに限界が見えてきて、よりお客様一人ひとりの実情に合わせたマーケティングが求められるようになりました。

こうした市場背景の変化が急速に進んだ頃にインターネットの商用利用が解禁され、ITを駆使したマーケティングシステムが、新しい時代の個人をターゲットとしたマーケティング戦略の実施に大きく貢献することになります。

ITを駆使したマーケティングシステム構築を成功させるためには、個人へのアプローチを志向するマーケティング戦略をどこまで具体的にITシステムとして落とし込めるかをしっかり考える必要があります。

そのために、この記事ではまずマスマーケティングとは一線を画す、個人をターゲットにした「新時代のマーケティングシステム」を概観します。
その後、インターネットマーケティングの主役である「webマーケティング」の具体例を検討し、最後に活用可能なデータの種類とチャネルをwebマーケティングからさらに広げた「デジタルマーケティング」の可能性を検討します。

新時代のマーケティングシステムとは何か

鉛筆とビジネス資料

前提となるワン・トゥ・ワンアプローチ

マスマーケティングとは一線を画す新時代のマーケティングシステムの特徴を端的に表した言葉が「ワン・トゥ・ワン」(一対一)です。
マスマーケティングでは、基本的には単一製品で無数の消費者をターゲットとする、「一対多」が基本でした。

インターネットにおいては、情報は一方的に発信者から流れてくる(プッシュ)だけでなく、消費者自ら情報を引き出す(プル)ことに特徴があります。
例えば、私たちが毎日使う検索エンジンはこちらから情報を引き出すために、検索窓に例えば「今日の晩御飯 野菜中心」などと打ち込ませます。
検索エンジンはユーザーのリクエストに従って、野菜中心の晩御飯のレシピが載ったサイトを検索結果として表示しますが、そのとき同時に「スーパーマーケット」や「料理本」などの広告が表示されます。

従来の広告手法、例えばテレビ広告では放映時間のなかで広告枠が決まっているので「スーパーマーケット」や「料理本」などの広告は、関連性の高いと考えられる料理番組やワイドショー中あるいはその前後で流すのが一般的でした。
新聞や雑誌の紙媒体を使った広告でも同様に、売り手側が関連性の高いと考える媒体やページに広告を出していました。

検索サイトの場合は時間を問わず、ユーザーが検索したまさにその瞬間にそのユーザーに最適な広告が「スーパーマーケット」「料理本」以外にも次々と表示されます。

さらに、ブラウザのCookieなどの技術を使えば、現在ホームページを閲覧しているユーザーが、過去にどんなページを熱心に見ていたかなどのデータが蓄積できます。
そのデータに基づいて、そのユーザーが興味のありそうなページをお勧めしたり(レコメンデーション)、必要な情報だけで構成されたwebサイトを提供したり(パーソナライズ)することも可能です。

CRMの登場とIT技術による具体化の例

この顧客への「ワン・トゥ・ワン」アプローチをさらに深化させたのが、個人にアプローチして終わりではなく、アプローチした個人と長期的な信頼関係を構築していくという「顧客関係管理」=CRM(Customer Relationship Management)です。
個人にダイレクトにアプローチした後、CRMを通じて顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を図り、最終的に売り上げの拡大と収益性の向上を目指す、まさに新しい時代のマーケティングシステム・経営戦略です。

CRMはツールの名前ではなく、顧客マネジメントの方法論(マネジメント論)です。
IT技術を駆使してCRMを実現する方法としては、「データベースによる顧客情報の管理・分析システム」「CTIシステム」「コールセンターシステム」「SFA(営業支援システム、セールスフォース)」「ダイレクトメールなどの販促システム」「ポイント管理システム」「マーケティングオートメーションなどの見込客管理システム」などがあります。

webマーケティングとは何か

スマホとパソコン

「新時代のマーケティングシステム」の例として「データベースによる顧客情報の管理・分析システム」「CTIシステム」「コールセンターシステム」「SFA(営業支援システム、セールスフォース)」「ダイレクトメールなどの販促システム」「ポイント管理システム」「マーケティングオートメーションなどの見込客管理システム」などをご紹介しましたが、これらのシステムは、自社の顧客個人に対するマーケティングをどのように行うかをしっかり戦略として確立し、それなりの費用をかけてシステムを構築する必要があります。

IT技術を駆使して新時代のマーケティングシステムを展開する手法はこうした方法ばかりではありません。
例えば、コーポレートサイトを使って情報発信を行ったり、お問い合わせコーナーから見込客を囲い込んだり、ユーザーの属性によって最適な広告を掲示したりできるwebサイトを使ったマーケティング(webマーケティング)は、もっと手軽で費用もかけずにユーザーへのワン・トゥ・ワンアプローチを行うことができます。

では、中小企業でも手軽にできるwebマーケティングの代表的な手法を見てみましょう。

検索エンジン最適化(SEO対策)

検索エンジン最適化、いわゆるSEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからのアクセスを増やすための施策です。
従来はサイトに実態としての価値がなくても、お金で買った被リンク(そのサイトへ貼られたリンク)で検索順位が上がることがありましたが、それはもう過去の話です。

しっかりとした内部対策、さらには提供するコンテンツの質を上げて、サイトにやってきたお客様にベネフィットを提供するコンテンツSEOなどのノウハウが必要になってきています。

リスティング広告

リスティング広告は検索エンジンからの流入増のための手段として広告を使います。
ちなみに、検索結果の上位表示されることによって検索エンジンからの流入を増やすことは自然検索(オーガニック検索)と言います。
リスティングという意味は、検索ワードによって最適な広告がリストアップされる検索エンジン連動型の広告を指しています。

リスティング広告では、AdWordsに申し込んで広告タイプを選び、広告設定をして料金を支払うことで、すぐに自然検索の結果よりも目立つ位置に広告が掲示されます。
有料なので、費用対効果についてきちんと管理する手間、ノウハウなどが必要となります。

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)

FacebookやTwitterなどのSNSを自社で運用することで、自社のファンを醸成し顧客との絆を深めていくマーケティングです。
ユーザーとダイレクトに対話ができたり、掲載した情報をユーザーが拡散してくれたりといったメリットがありますが、一方で対応が悪いと「炎上」と呼ばれるような、ネガティブなイメージを拡散されてしまい、ブランドイメージを毀損してしまう結果になることもあります。
人手をかけて主催するSNSの良好な雰囲気を維持し、積極的なファンづくりをしていくための継続的な努力とノウハウが必要です。

また、無料で行うSMMのほかに、webページにおけるリスティング広告と同じようにSNSのウォールなどに広告を配信する、SNS広告を実施することが可能です。
リスティング広告と同様に運用管理のノウハウが必要です。

LPO(ランディングページ最適化)

webマーケティングでは、検索エンジンやリスティング広告からからやってきたユーザーに対して問い合わせや資料請求、購入などのアクションを促す戦略的なページをランディングページ(LP)と言います。

ランディングページでは、そのページ内でメッセージを完結させ、ユーザーの関心をそのページ内に閉じ込めておくために、外部へのリンクをあえて載せません。
ファーストビューと呼ばれる、キャッチコピーと大きめの画像から始まって、非常に縦長に情報がたくさん並び、最後まで閲覧するには何度も縦スクロールが必要となるのが普通です。

このランディングページのコンバージョン率=CVRを高めるために、ランディングページの構成や内容を工夫することをLPO、ランディングページ最適化と言います。
複数の画面を用意してどの画面がよいかをテストするABテストを実施したりする場合もあります。

EFO(エントリーフォーム最適化)

EOFとは、資料請求や商品購入などでフォームを記入するときに、なるべくユーザーが離脱しないように見やすくしたり、情報量を絞ったりして最適化する施策です。
SEOやリスティング広告、さらにLPOなどでせっかくユーザーがフォーム情報を記入してくれるところまでこぎつけたのに、フォームの使い勝手が悪いばかりに、最後にユーザーが離脱してしまうと、それまでの金銭的な投資も人的な労力も無駄になってしまいます。

EOFにはさまざまなテクニックがありますが、基本的には「必須事項を明確にし、入力漏れを減らす」「分かりにくいエラー警告が何度も出ないようにする」「視認性を向上させて入力の労力を少なくする」という3点がポイントとなります。

デジタルマーケティングとは何か

ノートパソコンのキーボード

デジタルマーケティングでは、デジタルツールを総動員して新しい時代のマーケティングシステムを構築します。
グラフィカルなユーザーインタフェースを使い、ワン・トゥ・ワンで個人にメディアを提供できるwebサイトが長らく新しい時代のマーケティングシステムの中心でしたが、ここに来てwebのほかにもさまざまなデジタルメディアが登場し、ユーザーへのワン・トゥ・ワン・アプローチを実現しています。
新しいデジタルメディアとは、スマートフォン、タブレット、センサー、スマートスピーカーなどです。

また、展示会来訪者の名刺や、ダイレクトに郵送されたハガキなどの反応などをデータベースに格納してデジタルデータとすることで、インターネットとインターネット以外の多数のチャネルを統合してひとつのマーケティング戦略を立案する「オムニチャネル」も盛んになってきました。
オムニチャネルの技術的基盤となっているのもwebマーケティングにとどまらない、「デジタルマーケティング」の技術と考え方です。

デジタルマーケティングで何が可能となるか

オムニチャネルでは、実店舗やインターネット上のストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合することが可能です。
したがって、初めて店舗に来店した顧客であっても、入店時に会員用ICを通した瞬間、店員がネット上の購買履歴を確認することができます。
これにより、店員がその人にピッタリの服を勧めるなどの接客が可能になります。

デジタルマーケティングではこのように、「実店舗」「オンラインモール」「自社通販サイト」「テレビ通販」「カタログ通販」「ダイレクトメール」「ソーシャルメディア」「スマートフォンやタブレット端末で提供するアプリ」さらには「IoT(Internet of Things)より収集されるデータ」など、あらゆる顧客接点をひとつの統一されたマーケティング戦略に落とし込むことが可能になるのです。

こうした先進のデジタルマーケティングは、新しいマーケティングシステムの将来形としてマーケターの頭のなかで構想されているというわけではなく、実際にDMP=Data Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)として提供されています。

ITを駆使したマーケティングシステム導入でライバル企業に差をつけたい場合には、DMP構築も視野に入れておくべきだと言えるでしょう。

【まとめ】単なるシステム構築会社ではなく、マーケティングが分かるパートナー探しが大切

握手するビジネスマン

さていかがだったでしょうか。
ひとくちにITを駆使したマーケティングシステムと言っても、かなり多岐にわたるさまざまな手法が存在することがお分かりいただけたと思います。

こうしたマーケティングシステムを構築するために最も必要なのは、冒頭にも指摘したようにマスマーケティングとは一線を画す個人にダイレクトにアプローチできるワン・トゥ・ワンのアプローチを大切にすることです。

つまり、大きな金額を投資して、先進のITマーケティングシステムを構築したとしても、それを活用する現場の人間が、旧来のマスマーケティングの発想にとらわれていてせっかく蓄積された個人を特定するマーケティングデータを活かしきれなかったり、活用しようとチャレンジしてみたものの、結局データ活用の局面でマスマーケティングと大差のない陳腐なプロモーションにしか落とし込めなかったりすることが一番もったいない、と言えるのです。

そうした場合には、単にインターネットマーケティングのシステムを構築するだけでなく、それらのシステムの活用方法をコンサルティングしてくれたり、運用サービスを提供してくれたりしているようなシステム会社を選ぶことがおススメです。

また、いきなり大規模なインターネットマーケティングシステムを構築する前に、自社のwebサイトをベースとして「webマーケティング」を展開し実際のお客様の反応を確かめ、そのなかで自社にとって力を入れていきたい部分を見出していくという方法もおススメです。
こうした場合にも、webサイト活用コンサルができるwebサイト制作会社と組めば、改善ポイントをすぐにwebサイトに反映させることが可能になります。

DMPなどの先進のデジタルマーケティングシステム構築まで視野に入れたいという場合には、まだ歴史の浅いこの分野ですでに実績のある評判のいい開発会社をピックアップした上で、自社でやりたいことをとことんヒアリングしてマーケティングシステムに落とし込んでくれるパートナーを探し出す必要があるでしょう。

マーケティングシステムをIT技術で構築する分野は非常に多岐にわたります。
開発会社によって得意不得意もありますので、自社のやりたいことを明確にしながら、最適な発注先探しを行うことが必要です。「アイミツ」にご相談いただければスムーズに最適な開発会社をご紹介します。

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