システム開発の契約書締結で外せないポイントはココだ!「基本契約」と「個別契約」の違いとは何か

握手をする社員

更新日:2017年09月27日 | 公開日:2016年07月19日

システム開発では、「基本契約」「個別契約」それぞれの契約書がどこまでの作業や成果物についてコミットメントしたのかが曖昧になりがちで、その曖昧性から訴訟問題に発展したりするケースもあります。契約書の基本については発注前にしっかりとおさえておいてください。

システム開発における「基本契約」とは何かおさえておく

押印しようとしている人

まず、システム開発においてなぜ「基本契約」と「個別契約」という二つの契約があるのかを把握しておきましょう。
「個別契約」ではすべての詳細を決定して詳細な金額が出ていますので、一見すると「基本契約」なんていらないのではないのか? と思うかもしれません。

この考え方はある意味で正しいといえます。
確かに発注時にシステムの詳細がすべて明確になっており、大きな仕様変更もまったくないことが分かっている場合には、こうした契約も可能です。
実際には既存システの機能を変えずに性能だけバージョンアップする場合、なおかつ相見積もりなどではなく最初にそのシステムを納品してくれた業者に見積もりを依頼するなどには「基本契約」をなしにしていきなり「個別契約」を結ぶこともできるでしょう。

ただ、こうしたケース(見積もりの精査などに労力がかからないケース)はシステム構築では非常に稀です。
システム構築では、作業開始時点では全体規模・範囲・金額が読みにくく、初期の段階でいくら精密に細部を詰めても、設計フェーズが進むにつれて見積もりの前提そのものが変わってしまうということが多いのです。

こうした事情のためにシステム構築では「基本契約」で、契約の有効期間や支払い条件などについて取り決めを行います。
概算の見積もりは別途付けることが多く、金額は基本契約書の中には盛り込まないケースが多いです。

つまり、システム開発における「基本契約」とは「作業範囲」「責任分担」「納品成果物」「検査方法」「保証」「訴訟時の解決の方法」などを取り決めるものであり、金額については「個別契約」に委ねることが標準的なスタイルであることを知っておきましょう。

■【「基本契約書」における「個別契約」への引き継ぎ条項の例】

システム開発における「個別契約」とは何かおさえておく

握手をする社員

基本契約書から個別契約書への引き継ぎ条項が確認できましたので、こんどは引き継がれるべき「個別契約」の内容を見てみましょう。

実例を見るのが一番なので、ここでは 「IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」の契約書ひな形 を参照しながら話をすすめます。

まず大切なのは、下記の作業分担の項目です。

共同作業および、クライアント(この契約書では「ユーザ」と記載)側、開発側(この契約書では「ベンダ」と記載)の責任範囲を各項目に従って明確化しています。
ここが曖昧だと後で 泥沼の訴訟問題に発展してしまうケース「IBMに74億円の賠償命令、スルガ銀裁判」もありますので、しっかりと詳細を詰めましょう。

さらに、下の方を見ていくと7に「受託金額(税抜): ○○円」と明記する箇所があります。今度は概算ではありませんので、明確な法的拘束力があります。

「基本契約」と「個別契約」の関係はどうなっているのか理解しておく

印鑑と契約書類

「基本契約」と「個別契約」の違いはお分かりいただけたと思います。
では、この「基本契約」と「個別契約」はどちらが優先されるべきものなのか? という点について確認しておきましょう。

法的には「基本契約」と「個別契約」にはどちらが優先という明確な規定はありません。

「基本契約」が優先するという法的考え方では、「基本契約」の規定と異なる約定をした「個別契約」の規定は基本契約に違反するためそもそも無効となります。
「基本契約」を締結した後に「個別契約」が締結されるので、「個別契約」において「基本契約」と異なる新たな約束をしたと解釈し、「個別契約」の規定が優先するという考え方もありますが、裁判所の判断もケースバイケースとなっています。

したがって、「基本契約」と「個別契約」のどちらが優先するという考え方を捨て、「基本契約」と「個別契約」のそれぞれの役割をきっちりと分けて双方必要なものと認識して締結することが大切になります。

具体的には、この記事で整理してきたように、「基本契約」と「個別契約」が下記の役割をそれぞれ担うように、契約書の整合性をとっておけばよいでしょう。

■基本契約書
「作業範囲」「責任分担」「納品成果物」「検査方法」「保証」「訴訟時の解決の方法」などを取り決める。

■個別契約書
「作業分担内容」「共同作業内容」を明らかにし、「最終的な請負金額」を明記する。

上記の役割分担そのものを、「基本契約書」の中に、さきほど【「基本契約書」における「個別契約」への引き継ぎ条項の例】で例示したように記載しておけば間違いないと考えられます。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。
大きな契約を結ぶ機会自体は限られているかもしれませんが、だからこそ事前の整理や理解の助けになればなによりです。
ビジネスにおける契約とは、決して互いの行動を制約するものではありません。
むしろ、行うべき内容や金銭に関わる事項を出来る限り明確にしておくことで、双方が過剰な心配や懸念を抱くことなく全力でビジネスに向き合うことができるようにするものです。

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