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動画制作の契約書で大切な要素とは?作成に役立つツールも紹介!【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

日本国内における動画広告市場の規模は2020年時点で約3,000億円にのぼり、2024年には約7,000億円にまで成長すると見込まれています。
東京都内だけでも多くの動画制作会社が存在しており、近年ではYouTubeやSNSの利用者拡大を背景に、新たに動画制作事業に参入する会社も少なくないようです。

動画制作会社へ業務を依頼するにあたり、必ず必要となるのが契約書の作成業務。本記事では動画制作における契約書作成をテーマに、盛り込むべき項目やおすすめのテンプレート、電子捺印ツールを紹介していきます。動画制作を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

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動画制作の契約書とは?

動画制作の契約書とは、文字どおり制作会社との契約内容をまとめたドキュメントのこと。

webサイト制作やアプリ開発の契約書と同様に、委託する業務内容や対価(委託費)、納期などが盛り込まれ、両社による契約書の確認と署名・捺印をもって制作プロジェクトがスタートします。

フォーマットについては特に決まりはなく、Word、Googleドキュメントのほか、ExcelやPDF形式での作成も可能。近年ではテレワークの拡大を背景に、webサイトからダウンロードできるテンプレートと、電子捺印ツールを活用して契約関連の業務を行う会社も増加傾向にあるようです。

契約書に入れるべき8つの要素

続いては、動画制作に関する契約書に必ず盛り込むべき8つの要素を詳しく解説していきます。

定義

無駄なトラブルを避けてスムーズに動画制作を進めるためには、まず契約そのものの枠組みをはっきりとさせておくことが大切です。契約書の冒頭で「誰と誰が契約を結ぶのか」「契約とは具体的に何を指すのか」を明文化しておきましょう。

動画制作の契約書では依頼主を「甲」、動画制作会社を「乙」とした上で「乙は甲が〇〇の目的のもとに使用する動画制作業務を受託する」といった序文を置き、あわせて契約書のなかで使われる「動画」「納品」といった語句を定義付け(例:「動画とは乙が甲の旨意に従って制作する著作物を指す」など)をしておくのが一般的です。

業務内容

動画制作会社に委託する業務内容を明確にしておくのも大事なポイントです。

業務内容があいまいでは、動画制作会社側で必要なスタッフの手配が進まずに納期遅延につながる上に、契約そのものに対する認識のズレが生まれた結果、依頼者側への不信感が募り損害賠償請求などに発展する可能性もあります。

トラブルを避けるためにも、あらかじめ動画制作会社としっかりと対話をする場を設け、「乙(制作会社)は制作に必要な企画・構成・脚本を作成する」「乙は甲(依頼主)の承認にもとづいて演出・撮影・編集・録音を行う」といったように、業務内容・役割分担を明確にしておきましょう。

近年では依頼者側が企画案や制作素材を用意することを前提に、廉価な料金で動画制作を提供する会社も増えています。そうした会社へ動画制作を依頼する場合は、お互いの役割分担や業務委託内容についてより注意が必要です。

納期

納期については「乙は完成した動画の複製を〇月〇日までに甲が指定する場所へ納品する」など、明確な日時を契約書内に示しましょう。その際に必ず併記しておきたいのが納品フォーマットです。

動画には複数のフォーマットがあり、それによって制作にかかるコスト・手間が変動します。たとえばDVDの映像作品をYouTubeなどで配信する場合には専用のソフトウェアを用いてMP4へ変換する必要がありますが、販促活動の一環としてDVDを配布する場合には相当数のコピーディスクが必要です。

納期の日時とあわせて「形式:MP4ファイル、再生時間:〇分」、「形式:DVD、本数:〇本」といったように、納品フォーマットについても明文化しておきましょう。

対価(委託費)

対価(委託費)についても納期と同様に、具体的な金額を明記しておくのが大前提にはなりますが、動画制作の工程は企画から編集・MA(音響制作・録音)まで多岐にわたります。

撮影には機材の不具合をはじめとした想定外のトラブルが起こる可能性もあり、また依頼者側の要望に合わせて再編集・再録音が必要になった場合には、当初見込みを大きく上回る制作費が必要になるケースも決して少なくありません。

契約書に記載する金額は見積もり時の提示条件をベースとしつつ、不測の事態に備えて変更条件を加えておくのがおすすめです。
たとえば「甲(依頼主)の都合によって上記金額以外の費用が発生した場合、甲と乙(動画制作会社)の協議のもとで乙は追加費用を請求することができる」といった条文を入れておくと、動画制作会社側も安心して業務に臨めるのではないでしょうか。

再委託

機密保持や進捗管理の観点からすると、業務の委託先はできれば一本化したいものです。しかし、動画制作会社のなかには自社のスタッフを最小限に抑え、フリーランスのカメラマンやデザイナーと提携のもとで事業を行う会社も多く、再委託をすべて禁止にするのは非現実的だといえます。

契約書には、「依頼主の承認を得た上で業務を再委託できる」という旨を盛り込んでおきましょう。その際には、際委託先も委託先と同じ責任を追う旨や、契約書で定められた業務内容・納品スケジュールを遵守する義務がある旨も必ず記載することをおすすめします。

二次使用

二次使用とは当初定めた目的・用途と異なる形で動画を使用する行為を指すものです。YouTube向けに制作した動画をコピーしたDVDの配布・販売や、webサイト用のプロモーションビデオのイベント会場で配信するといったことが該当します。

二次使用の権利は著作権の一部として保護されており、著作者(動画制作会社)への断りなく複数の目的に動画を使用することはできません。将来的に配信チャネルを拡大したい場合や、クロスメディア戦略に動画を活用したいという場合などは、あらかじめ契約書に二次使用に関する条文を盛り込んでおきましょう。

一般的には「乙(動画制作会社)は制作物を複製する権利、インターネットを通じてアップロード・配信する権利を甲(依頼主)に許諾する」といった文面で記載されることが多いようです。

また、動画制作会社によっては二次使用にあたって制作費とは別に二次使用料を設定しているところもあります。そうした制作会社と契約を交わす際には金額や支払い方法についての取り決めも必要です。

原版の保管期間

動画制作会社の多くは完成した動画の原版(マスターデータ)の一定期間保管に対応していますが、その方法や期間についてはあくまで任意で、保管の可否についても法的な義務はありません。

二次使用と同様に、将来的に動画の配信チャネルを増やしたい場合や、中長期にわたって動画マーケティングに取り組むという場合には、「乙(動画制作会社)は動画の納品後から〇年間、責任をもって原版を保管するものとする」といった条文を設けておきましょう。

ちなみに、原版の権利はすべて動画制作会社に帰属するもの。制作会社にとって原版は企画・構成を含むノウハウや技術が詰め込まれた大切な資産であるため、依頼主が原版の譲渡を求めた場合でも、それに応じるケースはほとんどないようです。

機密保持

新商品・サービスのPR動画の制作では、動画制作会社との間で価格や販売開始日、技術的な仕様など、社外秘にあたる情報を取り扱うことが多くなります。

それらの情報の流出を防ぐためには、「甲(依頼主)および乙(動画制作会社)は業務上知り得た情報を相手の承諾なく、第三者に漏洩してはならない」といった機密保持に関する取り決めの記載が不可欠です。

さらに、万が一情報が洩れてしまった場合に備え、「本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合は、甲乙が協議のうえ損害を賠償する」など損害賠償に関する条文も盛り込んでおきましょう。

契約書を作成する際のポイント・注意点

ここまで解説してきたとおり、動画制作の契約書は誰が見ても理解でき、同じ認識がもてるものに仕上げることが大切です。委託費や納期を具体的に示すのはもちろん、契約書のなかで使われる1つひとつの語句についてもきちんと定義・明文化しておきましょう。

依頼者側・動画制作会社の間で共通認識をもって業務に臨めるようにすれば、制作プロジェクトはスムーズに進み、質の高い成果物が見込めるようになります。

そうした一方で、動画制作は天候をはじめとする不可抗力によって進捗が滞ることや、プロジェクトの稼働後に企画や構成の変更が必要になることも珍しくありません。トラブルにつながりやすい部分については変更条件を設けておくのも大切なポイントです。

委託費や納期、二次使用の可否などについては基本ルールを明確にした上で、協議のもとで譲歩・変更できる範囲を決めておきましょう。一見矛盾するようにも見えますが、フェアな契約を結ぶためには決定できる部分はきちんと決定した上で、柔軟に対応できる余地を残しておくのも欠かせない要素ではないでしょうか。

もちろん、条件変更や注釈が多くなると契約書が複雑になり、本来求められる拘束力が損なわれることもあるので、その点には注意が必要です。なお、契約書の内容に不安がある場合は、弁護士事務所や行政書士事務所のリーガルチェックサービスを利用するのも手段の1つ。さらに慎重を期すのであれば、契約の場に立ち会ってもらうのもおすすめです。

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今すぐ使える契約書テンプレート3選

続いては、動画制作の契約書作成で使える3種のテンプレートを紹介します。

【改正民法対応版】映像制作契約書(bizocean)

ビズオーシャン(東京都中央区)が運営する書式・テンプレートダウンロードサイト「bizocean」で提供されている契約書テンプレートです。

メールアドレスとパスワードで会員登録をすることで、改正民法対応の契約書テンプレート(Word形式・税込1,078円)を利用できます。

映画・映像・動画制作業務委託契約書(M.B.A 行政書士岡田旭事務所)

M.B.A 行政書士岡田旭事務所(兵庫県神戸市)が提供している動画制作の契約書テンプレートです。

Word形式で価格は9,900円(税込)。自由にカスタマイズすることができ、条文の変更・作成にあたって参考になる注釈コメントも記載されています。

契約書テンプレート(BRIGHT)

ブライダル専門の法務サービスを手がけるブライト(東京都港区)が提供しているテンプレートです。動画制作会社用と会場運営会社用の2つがセットになったパッケージが1万6,500円で販売されています。

ブライダル撮影向けに作成されたテンプレートではありますが、内容をカスタマイズすればイベント動画の制作プロジェクトなどにも使えるでしょう。

おすすめの電子捺印ツール3選

テンプレートとあわせておすすめしたいのが、インターネット上で使用できる電子捺印ツールです。契約書の印刷や郵送の手間・コストが削減できるだけでなく、よりスピーディに契約を締結させることができます。

CLOUDSIGN

弁護士ドットコム(東京都港区)が提供する、現役弁護士監修のもとで開発された電子捺印ツールです。

ユーザー数・契約書の送信数が無制限でありながらも、月額料金は1万円から。トヨタ自動車や野村不動産、カルビーといった大手企業でも活用されています。

GMOサイン

GMOグローバルサイン・ホールディングス(東京都渋谷区)が開発・販売を手がける電子捺印ツールです。契約印・実印の両方に対応しているほか、業界トップクラスのセキュリティ体制にも定評があります。

日本マーケティングリサーチが2020年に行った調査では、電子契約サービスの導入数シェアNo.1を獲得しています。

BtoBプラットフォーム 契約書

東証一部上場・インフォマート(東京都港区)が提供している電子捺印ツールです。シリーズ累計の導入社数は50万社以上にのぼり、野村総研やサイバーエージェントといった有力企業でも導入されています。

電子署名・捺印のほか、タグと紐づけられる契約書管理、契約期限のアラートなど豊富な機能が人気を集めているようです。

動画・映像制作の費用相場

動画・映像制作の費用相場をご紹介します。

動画制作・映像制作料金表
種類 費用
インタビュー撮影 5万円~
セミナー・イベント撮影 15万円~
webムービー制作 30万円~
会社紹介PR映像制作 50万円~
テレビCM制作 80万円~

動画・映像制作の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターのご利用をおすすめします。

まとめ

本記事では、動画制作における契約書の作成方法や盛り込むべき項目を解説するとともに、おすすめのテンプレートや電子捺印ツールを紹介してきました。

せっかく動画マーケティングを展開するのであれば、制作会社とのトラブルなしにスムーズにプロジェクトを進めたいものです。双方が安心して業務に取り組むためにも、契約書の内容は双方で慎重に固めた上で契約を締結しましょう。

なお、「アイミツ」ではみなさまからのご相談を無料で受け付けています。「予算に合った動画制作会社を探している」という方や、「動画制作会社との契約にあたって弁護士や行政書士のサポートを受けたい」という方はお気軽にお問い合わせください。

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