RFIDとは?仕組みやメリット、活用事例までまとめて解説【2024年最新版】
RFIDは、専用のリーダーによって長距離での読み取りにも対応した、次世代を担う新たなテクノロジーです。さまざまなシーンでの活用が進んでいますが、そう聞いてもピンと来ない方のほうが多いかもしれません。
そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、RFIDの概要や仕組みに触れながら、その特徴やメリット、バーコードとの比較、活用事例などについて詳しく解説します。
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RFIDとは
RFID(Radio Frequency Identification)とは、電波を使用したワイヤレス通信により、ICタグやRFタグの情報を非接触で読み取ったり書き換えたりするシステム、もしくはそれを実現する概念を指す総称です。RFIDでは、複数のタグを一括して読み取ることが可能な上、電波が届く限りは長距離でも対応できるため、さまざまなシーンでの活用が進んでいます。
RFIDの仕組み
RFIDの構成要素は、ICタグ・RFタグ(RFIDタグや無線タグ、電子タグとも呼ばれる)、情報を読み書きするためのRFIDリーダライタ、情報を処理するシステムの3つに大別されます。
以下、RFIDで情報を読み取るケースを例に、一連の流れを説明します。
1.RFIDリーダライタより、ICタグ・RFタグに電波(情報)を送信する
2.ICタグ・RFタグのアンテナが、電波(情報)を受信する
3.ICタグ・RFタグ内部のICチップが起動する
4.ICチップにある情報が信号化され、ICタグ・RFタグのアンテナより電波として送信される
5.RFIDリーダライタが、電波(情報)を受信する
6.RFIDリーダライタが、制御コントローラを介して受信内容(情報)を処理システムに送信する
7.処理システムによって情報が処理される
RFIDの特徴とメリット
さまざまなシーンでの活用が期待されているRFIDですが、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。以下より、RFIDの主な特徴やメリットについて順に解説します。
非接触通信が可能
RFIDは、非接触通信が可能で障害物に強く、長距離でも対応できるという特徴があります。そのため、梱包された段ボールの中など、ICタグやRFタグが直接視覚できなくても通信できる上、方式によっては数mから数十mでも読み書きが可能です。
複数のタグを一括で読み取ることができる
RFIDは、電波の届く限り、複数のICタグやRFタグを一括して読み取れます。これをアンチコリジョン機能と呼びますが、バーコードのように個別にスキャンする必要がないため、あらゆるシーンにおいて効率が向上するでしょう。また、複数タグの中から条件に合致した特定のタグのみ読み取るといったことも可能です。
タグが汚れていても読み取ることができる
ICタグやRFタグは内部にデータを記録しているため、表面が汚れていてもRFIDによって読み取ることが可能です。バーコードのように、汚れやかすれなどによる読み取り不良が発生しないため、劣悪な環境であっても安定して利用できます。
データの書き換えに対応できる
RFIDは、ICタグやRFタグに対するデータの読み取りだけでなく、書き換えにも対応可能です。バーコードは読み取り専用のため、データに誤りがあった場合は打ち直しや貼り替えなど相応の手間を要しますが、RFIDであれば、RFIDリーダライタを利用して簡単にデータが修正できます。
セキュリティ面に優れている
ICタグやRFタグの内部にあるICチップは、複製や偽造が難しいという特徴があります。そのため、RFIDはセキュリティ面に優れており、個人情報など機密データの取り扱いにも適しています。また、相互認証処理を実装し、不正な読み取りや書き込みを防止する製品も開発されており、それを活用することでセキュリティレベルをより向上させることも可能です。
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バーコードとの比較
RFIDには、バーコードにはないさまざまなメリットがあります。まず、バーコードが読み取り専用であり、かつ1度に1つの読み取りしかできないのに対し、RFIDでは書き込みもできる上、複数タグの一括読み取りが可能です。
また、通信できる距離はバーコードが数十cmで、障害物や汚れにも弱いのに対し、RFIDでは数メートルから場合によっては数十メートルの通信が可能な上、障害物や汚れにも強いという特徴があります。さらに、RFIDはバーコードに比べて保有できるデータ量が大きく、その分活用の幅が広いことも大きなメリットです。
一方で、RFIDにはバーコードに比べて高価であるというデメリットがあり、普及に際してはコストが最大の課題となっています。
ICタグ・RFタグの種類
ICタグ・RFタグは、バッテリーの構造によってパッシブタグ・アクティブタグ・セミアクティブタグの3種類に大別されます。以下より、それぞれについて順に解説します。
パッシブタグ
パッシブタグは、最も一般的に使われており、バッテリーを持たず、RFIDリーダライタから照射される電波を動力源とするタイプです。アパレル業界における商品管理や、交通系ICカードなどで広く利用されています。バッテリーがない分安価となり、半永久的に使えるというメリットがある一方で、後述のアクティブタグと比較して通信距離が短くなるのがデメリットです。
アクティブタグ
アクティブタグは、タグ内にバッテリーを内蔵し、単独での駆動を可能としたタイプです。倉庫における温度センサーを活用した鮮度管理などに利用されています。パッシブタグに比べて通信距離が長いというメリットがある一方で、バッテリーを搭載している分、タグのサイズが大きくなる上、単価も比較的高い点がデメリット。また、バッテリーの消耗にも注意が必要でしょう。
セミアクティブタグ
セミアクティブタグは、パッシブタグ・アクティブタグ双方の機能を兼ね備えたタイプです。バッテリーを内蔵しているものの、通常はパッシブタグとして機能し、RFIDリーダライタから電波が照射された際のみアクティブタグとして自らも電波を発信します。そのため、パッシブタグよりも通信距離が長くなる上、アクティブタグよりもバッテリーの消耗を抑止できる点が魅力です。セミアクティブタグは、入退室管理や、レースにおけるタイム計測などに利用されています。
RFIDの周波数による種類
LF帯 Low Frequency |
HF帯 High Frequency |
UHF帯 Ultra High Frequency |
マイクロ波帯 | |
---|---|---|---|---|
周波数 | 135KHz以下 | 13.56MHz | 433MHz、860M~960MHz | 2.45GHz |
通信方式 | 電磁誘導 | 電磁誘導 | 電波 | 電波 |
通信範囲 | ~数十cm | ~数十cm | ~数十m | ~数m |
通信速度 | 遅い | やや遅い | 速い | 速い |
特徴 | ・環境の影響を受けづらい ・小型化が困難 ・通信範囲が狭い |
・環境の影響を受けづらい ・LF帯より小型化が可能 ・通信範囲が狭い |
・通信範囲が広い ・長距離通信や一括読み取りに適している |
・小型化が可能 ・通信距離は中程度 ・直進性が強く、電波干渉の懸念がある |
主な活用例 | 自動車のキーレスエントリー・スマートキーなど | 交通系ICカード・電子マネーなど | 小売業の商品管理や製造業の在庫管理など | 製造業の位置管理や個体識別など |
RFIDでは、LF帯・HF帯・UHF帯・マイクロ波帯という4種類の周波数帯が使用されています。例えば、すでに多くの人によって活用が進んでいる交通系ICカードや電子マネーなどで使われるRFIDはHF帯。また、昨今は自動車のキーレスエントリーやスマートキーが当たり前になりましたが、これはLF帯に属するRFIDを利用しています。
通信方式には電磁誘導方式・電波方式の2種類があり、通信範囲や通信速度が異なります。電磁誘導方式は、コイル型のアンテナを利用したRFIDリーダライタと、ICタグ・RFタグとの間に磁界を発生させることにより、データの通信を実現する方式です。電磁誘導方式が採用される周波数帯は、LF帯およびHF帯で、通信範囲は数十センチ程度と決して広くはない上、通信速度も電波方式と比べれば速くありません。
一方、電波方式は、平板型のアンテナを利用したRFIDリーダライタと、ICタグ・RFタグとの間でデータ通信を実現する方式です。電波方式が採用される周波数帯は、UHF帯およびマイクロ波帯で、通信範囲は数mから数十メートルと比較的広くなります。電磁誘導方式と比べ通信速度が速いのも特徴です。詳細を上記表にまとめたので、ご参照ください。
RFIDの活用事例
多くの特徴やメリットがあるRFIDは、さまざまな業種・業界において活用が進んでいます。以下より、RFIDの具体的な活用事例について主なものを紹介します。
物流業界
物流業界では、個々の荷物や商品にICタグやRFタグを取り付けることで、RFIDが持つ非接触通信および一括読み取りなどの特徴を活かし、在庫管理や入出荷作業を大幅に効率化できます。高所や閉所に保管された在庫であっても、離れた場所から安全に通信の上、情報を読み取ることが可能です。また、フォークリフトや台車、パレットなどにもタグを取り付けることにより、入退場の管理や稼働率の分析なども実現できます。
小売業界
小売業界では、RFIDを導入したセルフレジによる無人化が進んでいます。商品に付けられたICタグ・RFタグにより、顧客自身が迅速に会計処理を進められるため、待ち時間の短縮や店舗スタッフの省力化が実現します。また、棚卸しの際にも一括で商品情報が収集できるため、手間や時間が大幅に削減されるほか、ICタグ・RFタグと防犯ゲートを組み合わせた盗難対策にもRFIDを活用可能です。
医療業界
医療業界では、医薬品・備品・診療器具など、あらゆるものにICタグ・RFタグを取り付けることで、RFIDを利用した在庫のチェックや利用状況の確認など、管理体制をより強化することが可能です。これにより、管理にかかる関係者の負担が低減し、本来の業務に集中できるため、医療過誤や診療ミスといった事故を防止することにも繋がります。
情報通信業界
情報通信業界では、サーバーなどを始めとする通信機器や端末にICタグ・RFタグを取り付けることで、利用状況や稼働状態を追跡・管理することが可能です。無断での利用や持ち出しも防止、もしくは追跡が可能となるため、関係者の意識向上と情報漏えいなどのリスク低下にも寄与します。
RFIDの活用はシステム開発会社への外注がおすすめ
RFIDを活用したサービスの開発や導入には、専門的な知見やノウハウ、さらには高度な技術力が要求されます。自社で優秀なエンジニアを揃え、予算と時間をかけて実現することも不可能ではありませんが、よりスムーズな導入や、クオリティの高い成果物を求めるのであれば、外部のシステム開発会社に依頼するのがおすすめです。優秀な会社に依頼できれば、高度な知識と技術力を有したプロの手によって、短期間で品質の高いサービスが実現できるでしょう。
システム開発の費用相場
つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
システム開発の平均相場 | 233万円〜 |
システム開発の種類 | 費用相場 |
簡易顧客システム | 20万円~ |
Webシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ
本記事では、RFIDの概要や仕組みに触れながら、その特徴やメリット、バーコードとの比較、活用事例などについて解説しました。
多くの特徴やメリットがあるため、すでにさまざまなシーンで活用が進んでいるRFIDですが、今後さらに活躍の場を広げ、より注目を集めるものと予想されます。本記事を参考にRFIDに関する理解を深め、ぜひ効果的なサービスを実現してください。
また、RFIDを活用したサービスの開発を依頼する会社の選定にお悩みの際は、ぜひ「アイミツ」をご利用ください。ご要望をお伺いした上で、ニーズに沿ったシステム開発会社を複数ご紹介します。お気軽にご相談ください。
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