IoTプラットフォームとは？種類・役割・選び方をわかりやすく解説【2024年最新版】

IoTは近年急速に普及が進んでいる技術の1つで、多様な種類のサービスが別個に役割を担いながら業務効率化などに貢献しています。この記事では、そんなIoT活用を推進するIoTプラットフォームの役割や、どんなプラットフォームを選べば良いのかについて詳しく解説します。IoT活用を検討の際はぜひ参考にしてください。

【関連ページ】
システム開発にかかる費用・相場感や、あなたの目的別にシステム開発会社をお探しいただけます。
システム開発の費用・相場
IoTに強いシステム開発会社一覧

IoTプラットフォームとは、一言で言えばIoT活用のために必要な機能やサービスを提供する技術的な基盤のことを指すものです。

IoTは単体の端末やアプリケーションで完結するものではなく、複数のシステムが連携することで、互いに相乗効果を発揮し、IoT導入の恩恵を最大限引き出すことができます。IoTプラットフォームを軸としたIoT環境の整備により、企業は高度なデジタル化や業務効率化を推進できるでしょう。IoTプラットフォームを導入し整備することで、単に各設備をインターネットに接続するだけでなく、高度なデータサイエンス環境やAI活用なども推進できるようになるため、DXを検討している企業は優先的に導入を進めたいところです。

IoTプラットフォームには大きく分けて、以下の3つの種類があります。それぞれで何が違うのか、ここで確認しておきましょう。

最も汎用性の高いIoTプラットフォームとして知られているのが、水平型プラットフォームです。「水平」という言葉からもわかるように、特定の業界や領域に特化するのではなく、あらゆる用途に対して開かれているプラットフォームとしての役割を重視しており、どんな目的にも導入しやすいという強みがあります。基本的な用途での運用には限られやすいものの、データ収集からデータの分析まで、IoTに求められる機能をあらかた実装できるのが特徴です。高度な専門機能を必要としない場合や、幅広い業界とのやり取りがある企業にとって有効と言えます。

垂直型は、水平型とは真逆の特性を備えたIoTプラットフォームです。水平型のように何にでも使える汎用性は備えてはいない一方で、特定の業種や役割に特化したIoTを実装するのに役立ちます。

IoT活用のアプローチは幅広く、場合によっては個別にカスタマイズが必要なケースもあるでしょう。垂直型であればそのような専門性の高い需要に応えられる環境を提供できるので、他社との差別化につながる、高度なIoT活用が実現します。水平型のIoTプラットフォームでは十分な機能性を確保できないなど、スペックに物足りなさを感じた際に導入を検討しましょう。

オールインワン型は、上で紹介した水平型と垂直型の両方の利点を兼ね備えたIoTプラットフォームです。水平型も垂直型も、異なるIoTニーズをカバーする一長一短な特性を備えているため、必ずしもどちらか1つで自社のIoTニーズを満たせるとは限りません。そのような不便を解消するために登場したのがオールインワン型で、さまざまな業界や用途で使えるIoT機能を、パッケージ形式でカスタマイズしながら運用ができます。自社に必要な機能を自由に組み替えながら運用ができる自由度が強みで、柔軟性を重視する方におすすめしたいサービスです。

IoTプラットフォームは具体的に、どのような役割を果たすのでしょうか。以下は主なIoTの活用例です。

IoTプラットフォームの主な役割として、各IoTデバイスの管理が挙げられます。IoTデバイスの電源のオンオフを切り替えたり、データの送受信のオンオフを切り替えたりといった使い方です。IoTデバイスは複数箇所に設置して運用するケースが一般的ですが、その1つひとつを手動で管理するのは非常に手間がかかります。IoTプラットフォームがあれば各デバイスを一括管理し、維持管理にかかる負担を削減したりスピーディな復旧ができたりするのが強みです。

IoTセンサーを一括でリモートコントロールできる点も、IoTプラットフォームの特徴です。IoTデバイスは設置こそ手動で行う必要がありますが、IoTプラットフォームがあれば一度設置した端末をプラットフォーム上で自由に操作できるので、非常に便利です。各デバイスを別個に管理する必要もなく、プラットフォームから一斉操作ができ、IoT運用にかかる手間を削減するのにも役立ちます。

IoTプラットフォームはハードウェア管理の昨日に目がいきがちですが、実際にはデータのモニタリングにも活躍するサービスです。連携している各IoTデバイスが正しくデータを収集できているかを監視し、何らかのエラーが発生した場合は、直ちに管理者へアラート通知を行なってくれます。また、近年はシステムが正常に稼働しているかどうかだけでなく、ヒューマンエラーを事前に検知し、アクシデントの発生を予防する機能の実装も進んでいるのが特徴です。

データを監視するだけでなく、直接データを分析にかけられるのがIoTプラットフォームの強みです。収集したデータはサーバーに送信するのに加え、プラットフォーム上でデータを分析にかけ、必要な情報へと変換・処理してくれます。IoTプラットフォーム上に蓄積したデータや分析結果は、ほかの互換性のあるサービスと連携し、データを有効活用することが可能です。高度なデータ連携体制の整備において、IoTプラットフォームはその要となるでしょう。

IoTデバイスを管理する際、手間になるのがソフトウェアのアップデートです。IoTプラットフォームがあれば、各デバイスのソフトウェアは自動でアップデートされるので、アップデートが漏れることで不具合を被る心配はないでしょう。常に最新の環境でパフォーマンスを発揮でき、生産性向上に貢献します。

セキュリティ対策を強化する上でも、IoTプラットフォームの導入は大きな意味を持ちます。デバイスとプラットフォームの間の通信はセキュアな状態を維持できるので、第三者による監視を回避可能です。自動アップデートによってセキュリティホールの発生もあらかじめ防ぎ、安心なIoT利用を促します。

IoTプラットフォームの導入は、主に以下の手順で進めることが一般的です。順に解説します。

IoTプラットフォームの導入に際しては、まず導入目的を整理しましょう。そもそもなぜIoTプラットフォームが必要なのか、IoTデバイスの運用に際しての課題はどんなところにあるのかなどを書き出して整理することで、その問題の解決に最適なソリューションを効果的に見出すことが可能です。

導入目的や課題が明確になったら、必要な機能をまとめた要件定義を進めます。課題の解決に向けて必要な機能を洗い出して、IoTプラットフォームの機能要件としてまとめておきましょう。早い段階で要件定義をまとめておくことで、プラットフォームの実装や開発をスムーズに進められるようになります。

IoTプラットフォームの導入は、パッケージを使って行うか、自社で一から開発するかの二択となります。自社でIoT運用のノウハウがあり、十分なリソースもあるのなら自社開発でも構いませんが、そうでない場合はパッケージの活用がおすすめです。パッケージ開発なら比較的スピーディかつ確実な導入ができるため、多くの企業がこちらを採用しています。

IoTプラットフォームの開発や実装に携わる担当者や部門をアサインしましょう。自社開発で行う場合はもちろん、例えパッケージを使って開発する場合でも、担当者の配置は欠かせません。IoT運用の経験やそれに近いスキルを持った人材、あるいは自社が抱えるシステム課題やIoT運用の課題に詳しい人物を配置することで、円滑に開発と運用を進められます。

IoTプラットフォームの開発にあたって、どのような会社のどんな製品を導入するかを比較検討します。上でも紹介したとおり、IoTプラットフォームにはいくつかの種類があり、サービスによって異なる機能を備えているため、自社の求める要件にフィットする適切なサービス選びが重要です。じっくりと選定を進め、失敗しない導入を実現しましょう。

IoTプラットフォームには複数の種類がありますが、ポピュラーな製品としては以下のようなサービスが挙げられます。

世界で最もポピュラーなIoTプラットフォームの1つが、Amazonの提供するAWSです。開発環境のクラウド化などに活躍するAWSですが、クラウド型のIoTプラットフォームとしても実績を有しています。スケーラビリティに優れ、数十から数億に至るまでIoTデバイスを一括で管理し、迅速なIoT環境の拡張を支えます。AI運用との互換性も持っており、スマートなIoT活用を支援できるサービスです。

Things Cloudは、NTTコミュニケーションズが提供する国産のIoTプラットフォームです。データ収集から可視化、分析に至るまで、IoTデバイスの活用に必要なすべての機能をワンストップで有しており、導入企業の生産性向上などに活躍します。デバイスパートナーと独自のエコシステムを構築しているので、いかなるユースケースにおいても最適な環境の整備を柔軟に進められるのが特徴です。

Lumadaは日立グループが提供している、国産のIoTプラットフォームです。デジタル技術とデータの併用によって導入企業の課題解決や新しいビジネスモデルの確立を提供することを強みとしており、IoTプラットフォームをただインストールするだけでなく、サービスを有効活用するためのトータルサポートまで提供しています。IoTを基軸としたDXを進めたい企業にとっては、包括的な支援を受けられるため非常に便利です。

「自社にあった会社が見つからない」「会社選びに時間が割けない」とお悩みの方は、お気軽に「PRONIアイミツ」にお問い合わせください。数あるシステム開発会社からあなたの要望にあった会社をピックアップして無料でご紹介いたします。

IoTプラットフォーム選びに悩んでいる場合には、以下のポイントに注目しながら導入を検討してみましょう。

IoTプラットフォーム選びでまず重視したいのが、セキュリティ対策状況です。サイバー攻撃のリスクは日々増大しており、もはや絶対に安全な環境の構築は不可能になってきています。そんななかでも被害を最小限に抑えられるような、セキュリティ対策が徹底されているサービスを選ぶことで、潜在的なリスクを小さく抑え、安心のIoT活用を期待できます。セキュリティ面での不安を抱えている企業は、特に重視したいポイントです。

IoTプラットフォームは、種類によって実装可能な機能や拡張性というものは変わってきます。基本的な機能の実装のみで良い場合はその限りではありませんが、今後のさらなるIoT活用を踏まえると、なるべく拡張性に優れた製品を選ぶのが賢明です。拡張性が高く、新機能をすぐに実装できたり、運用できるデバイスの数を増やしたりできるプラットフォームであれば、IoT環境の拡大のたびにシステムを見直すような手間は省くことができます。

IoTプラットフォームにも多様なバリエーションがありますが、費用面の多様性にも注意しておく必要があるでしょう。どのサービスを導入するか、どんなカスタマイズを選ぶかによって導入時の費用や維持管理の費用は大きく変わってくるため、あらかじめどれくらいの予算までIoTプラットフォームのために出せるか、ということを考えなければなりません。機能と価格のバランスを踏まえ、費用対効果が最も高くなる製品導入を進めましょう。

つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。

より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。

この記事では、IoTプラットフォームの種類や役割、導入の際に注意したいポイントなどについて解説しました。IoTプラットフォームはIoT活用に必須のサービスと言えますが、初めての導入となると多くの検討事項に悩まされてしまうものです。

PRONIアイミツは、そんなIoTプラットフォーム導入をあなたのニーズに合わせて進められるようサポートするサービスを提供しています。IoT活用をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

【相談前にまずは会社一覧を見たいという方はこちら】
IoTに強いシステム開発会社一覧
【費用感を知りたいという方はこちら】
システム開発の費用・相場