医療分野のIoT・IoMTとは?メリットや活用例を解説【2024年最新版】
医療分野で活用されているIoTやIoMTについて知りたいものの、IoTやIoMTのことを具体的に理解できておらず、まずは事前知識から集めたい人も多いはずです。
そこでこの記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど、さまざまな分野の法人向けサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、医療分野におけるIoT・IoMTの特徴を詳しく紹介!また、技術の活用例やIoT化を進めるメリットも解説します。
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IoTとは
IoTとは、身のまわりにあるモノがインターネットと接続する技術のことです。正式名称をInternet of Thingsと言い「モノのインターネット」と直訳できます。
例えば、エアコンを動かすためにはエアコンのリモコンが必要ですが、IoTを活用すればスマートフォンといったデジタルデバイスから操作できるのがポイントです。日本のIoT化が進めば、生活が便利になることはもちろん、新たな技術発達、サービス向上を期待できます。働き方改革によって生産性向上や業務効率化が求められる今、IoTの必要性が増している状況なのです。
医療分野におけるIoT・IoMTとは
IoTは、世の中のすべてのモノを対象とした技術用語です。一方、医療分野に特化したIoTのことは「IoMT」と呼びます。正式名称をInternet of Medical Thingsと表現し、日本語訳では「医療分野のモノのインターネット」と呼んでいるのが特徴です。例えば、次のような目的でIoMTを活用します。
- IoMTの例
-
- 病院設備のハイテク化
- 診断装置の品質向上
- ウェアラブルテクノロジーによる情報共有
従来、紙媒体の書類管理や医師の判断が必要だった手間のかかる医療分野ですが、IoMTを利用すれば業務を大幅に効率化できます。患者と医療機関それぞれにメリットのある技術として、IoMTの活用が進行している状況です。
医療分野の課題とIoMTの展望
現在の医療分野は、莫大な業務量やチーム連携の難しさといったさまざまな課題を抱えています。そして、その課題はIoMTの活用で解決できるとご存じでしょうか。ここでは、医療分野の課題とIoMTに期待されている効果を詳しく解説します。
医療分野に残されている課題
医療の現場では、次のような人材不足の課題を抱えています。
- 医療分野の課題
-
- 知識や技術を持つ医師が不足している
- 看護師の離職率が高い
- 地方部の病院に人材が集まりにくい
近年問題化している少子高齢化の影響を受け、医療機関でも若い人材が不足している状況です。対して、医療機関を必要とする高齢者は年々増加しています。この状態のまま医療現場をまわしてしまうと過労によって「処方ミス」「医療ミス」といった重大なトラブルに発展するかもしれません。良い人材を集めることはもちろん、人材の離職率を下げるために業務効率化に欠かせないIoMTといった技術が求められています。
IoMTに期待されている効果
「医療分野の人材不足」という大きな課題を解決できるのがIoMTです。主に次のようなことを期待されています。
- IoMTに期待される効果
-
- デバイスを使った遠隔診療
- カメラやセンサーを使った患者チェック
- インターネットを活用したデータ共有
例えば、人の少ない離島、過疎地にある医療施設なら遠隔医療が役立ちます。大きな病院といつでもインターネットでつながれる環境を整えておけば、わざわざ人が移動せずとも診療を受けられるのがポイントです。また、カメラやセンサーにIoMTの技術を使えば、患者の状態変化を24時間チェックできる環境を整備できます。患者の健康状態をデバイスでチェックできるため、看護師の人力による健康確認の負担を削減できるのが魅力です。
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IoMTの主な活用例
IoMTはすでに、さまざまな医療分野で活用されています。患者の健康状態はもちろん、通院歴のチェック、投薬や服薬の情報など、医療機関全体でデータ管理が進んでいる状況です。
その中でも、多くの医療機関で活用されている技術を5項目に分けて紹介します。IoMTの活用で何を実現できるのか、ぜひ参考にしてみてください。
体調管理のサポート
IoMTを活用すれば、患者のリアルタイムな体調管理が可能となります。例えば、患者の心拍数・呼吸数・睡眠状態をチェックできるパラマウントベッドがあれば、入院患者の健康を確認可能です。
また、スマートウォッチといったウェアラブルデバイスに蓄積されるデータと連携すれば、装着時間中の健康データをチェックできるようになります。最近では、医療機関へのデータ転送技術も生まれているため、病気の早期発見・予防が可能となりました。
正確な診断のサポート
AI技術をIoMTに導入すれば、正確な診断サポートを実現できます。例えば、患者の状況や検査データをAIに読み込ませれば、過去の事例などから最適な治療法を提案してもらえるのがポイントです。
過去の事例などを瞬時に見つけ出してくれるため、一人の患者の診察・診断にかかる時間を削減しやすくなります。例えば、タッチパネルに患者の予診情報を入力するとAIが分析してくれる「ホワイト・ジャック」というシステムが医療大学で実用化が進んでいる状況です。
服薬漏れを防ぐサポート
患者の通院状況、入院状況を調べることにもIoMTの技術が役立ちます。特に便利なのが、服薬漏れを防ぐデータ管理です。
患者に効果のある薬はどれなのか、正しい数量を渡しているのかをIoMTのデータとして管理します。専用のソリューションと組み合わせれば過去の服用情報もチェックでき投薬の提案にも活用できるのがポイントです。また、医療機関と調剤薬局でデータを共有することにより、服薬治療をスムーズに実施できます。
リモート診断のサポート
離れた場所の患者・医師をつなげるリモート診断のサポートとしてもIoMTが役立ちます。高画質映像を届けることによって、まるで対面している気持ちで診察可能です。また、過去の診察情報や検査結果をリアルタイムで共有できるため、正しい情報を活用しながら診察できるでしょう。
また、ビデオ通話のように会話するだけでなく、診察・診断に必要な状況を整えられるのもIoMTの魅力です。患者と医師だけでなく、医療従事者同士の連携にもIoMTを活用できます。
データ活用のサポート
人力で莫大な患者情報を管理するのは困難ですが、IoMTなら手軽にビッグデータを収集・管理・分析できます。従来、患者の情報は簡単な表計算ソフトや紙媒体の資料として管理するのが一般的でした。一方、IoMTならクラウドシステムを使って、大量の患者データを管理できます。
また、必要な情報を抜き出す際にもIoMTが役立ちます。AI機能を搭載してデータ検索・参照をIoMTに任せることで、医師の負担を大幅に削減できるのが特徴です。
医療分野でIoT化を進めるメリット
IoT化(IoMT化)を進めなくとも、今の業務状況で問題ないと考える方も多いでしょう。そこで、IoT化(IoMT化)を進めるメリットを3つ紹介します。IoT化(IoMT化)の魅力を理解するため、ぜひ各項目をチェックしてください。
場所を問わず医療を提供できる
IoMTを導入すれば、日本中の医療がインターネットで接続できます。つまり、場所を問わず医療を提供できるようになるのです。
従来の医療分野の課題である「人材不足」を解消できることはもちろん、他機関から人材を一時的に呼び込めます。また、通院できない患者に対してもオンラインで診察できるのが魅力です。減り続ける医療従事者の歯止めになる技術、そして世の中のニーズを満たす需要な技術として医療機関に貢献できます。
看護業務の負担が減る
人力だった看護業務は、IoMTの導入によって次のように変化します。
- IoMTによって改善する看護業務
-
- 個別確認が必要だったバイタルチェックをデータ化で一括できる
- 紙媒体による投薬や処方の状況チェックを電子化できる
- 離れた場所にいる患者とビデオ通話で会話できる
PCやスマホ、タブレットといったデバイスがあれば、場所を問わず簡単に看護業務を実施できるのがポイントです。ひとり当たりの作業量を減らすことによって、業務満足度を高めやすくなります。
情報収集がスムーズになる
従来、患者の情報を集めるためには、問診・検査などが必要でしたが、IoMTを導入すれば、過去のデータをさかのぼり、手軽に患者データを確認・収集できます。
例えば患者が病院を変えると、新たに情報収集を行わなければなりませんでした。一方IoMTなら、インターネットで情報を共有できるため情報収集が不要となり、すぐに精密検査や治療に移行できるのが魅力です。治療までの待ち時間をつくらずに済むことはもちろん、医師の診察への負担を削減できるのがIoMT導入のメリットです。
IoMTの具体的な活用事例3選
実際に活用されているIoMTの事例を知りたい方向けに、3つのシステムを紹介します。国内ではすでにさまざまな医療機関でIoMTの活用事例が生まれている状況です。IoMT導入の参考として、気になる項目をチェックしてみてください。
AIによる画像診断システムの事例
富士フィルムと静岡がんセンターがタッグを組み、2012年にAIによる画像診断システム「類似症例検索システム」が発表されました。当システムは、CTスキャンしたビッグデータをAIに読み込ませることで、過去の症例を探し出すシステムです。
例えば、CTスキャンによって映し出された影、病巣の状況を読み取ったAIが、自動で可能性のある病気をピックアップしてくれます。静岡がんセンターが行った読影実験によると、約9割の確率で適切な類似症例が表示されたことが分かり、現在では医用画像情報システム「SYNAPSE(シナプス)」の機能のひとつとして搭載されています。※
※出典:日本経済新聞 富士フイルムと静岡がんセンター、AIで画像診断を支援するシステム https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1100N_R10C12A4000000/
外来患者案内システムの事例
富士フィルムは、患者の病院案内のスムーズ化を実現するために外来患者案内システム「NAVIT」を開発しました。
NAVITは、窓口に設置した自動発行機の端末として利用します。端末を受け取ると当日の診察予定がまとめられており、表示されている時間に合わせて自由に外出できるのが特徴です。待ち時間を無駄に過ごすストレスから解放されることはもちろん、診察室への移動や会計も個人で行えます。
人力による受付作業や会計作業のコストを抑えられるため、人材不足の解消、コスト削減というさまざまな魅力のあるIoMTです。※
※出典:富士通ゼネラル 外来患者案内システム NAVIT® https://www.fujitsu-general.com/jp/fgot/products/hospision/navit/
医療用機器向けの総合保守システムの事例
医療機器開発サービスを提供する堀場製作所は、2016年より医療用機器向けの総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISEIDE LINKAGE」の提供をスタートしています。
当システムを利用すれば、モバイルネットワークを用いて購入・リースした機器をモニタリングしてもらえるのが特徴です。不具合や故障があってはならない医療機器に対して、ヘルスケアの定期点検では確認できないような不具合を事前に発見・予知してくれます。修理やメンテナンスにかかる時間を最小限に抑えられることはもちろん、継続的なIoMT活用を手助けするシステムとして医療機関で活用中です。※
※出典:堀場製作所 総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」の提供開始
https://www.horiba.com/jpn/company/news/detail/news/8/2016/%E7%B7%8F%E5%90%88%E4%BF%9D%E5%AE%88%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0horiba-mediside-linkage%E3%81%AE%E6%8F%90%E4%BE%9B%E9%96%8B%E5%A7%8B/
医療分野でIoT化を進める注意点
医療分野の課題解決はもちろん、業務効率化に役立つIoT化(IoMT化)ですが、導入を進める際には次のことに注意しなければなりません。
- IoMT化の注意点
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- 運用体制・ルールの整備
- セキュリティやプライバシー保護の重要性
IoMTを導入すると、従業員の働き方が大きく変化します。必要となる人材数・対応する範囲が変わってくるため、事前に業務プロセスの見直しを行ってください。また、IoMTでは、患者データを用いるため、情報流出などに細心の注意が必要です。セキュリティ対策はもちろん、プライバシー保護の観点から、安全に運用できる管理体制・システムを整えましょう。
システム開発の費用相場
最後に、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
平均相場 | 233万円~ |
システム開発の種類 | 費用相場 | |
簡易顧客システム | 20万円~ | |
Webシステム | 130万円~ | |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】IoT化はPRONIアイミツに相談
世の中の著しいIoT化に合わせて、医療分野でもIoMT化が進行しています。IoMTは、医療業務の人材問題を解決できるきっかけとなるほか、業務効率化・サービス品質の向上につながるのが魅力です。
また、医療分野のIoT・IoMT化に興味があり、実際にシステムやツールの導入を検討中の方もいるでしょう。IoT・IoMT関連の情報を知りたいなら、ぜひPRONIアイミツをご活用ください。おすすめのシステム開発会社を一括見積もり・比較検討が可能です。いつでもお問い合わせください。
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