受託開発とは?SESとの違いやメリット・デメリットを紹介【2024年最新版】
システム開発の方法を検討するとき、1つの選択肢となるのが受託開発です。しかし、受託開発とはそもそもどのようなものなのかをよく知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、受託開発の概要や実際に受託開発を依頼した時の流れについてを中心に、SES(準委任契約)との違いについてもご紹介していきます。自社でのシステム開発方法を迷っている方はぜひ、この記事を参考にしてみてください。
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受託開発とは?
受託開発とは、企業の社内システムや外部システムなど、求めているシステムソフトやアプリケーションの開発を、外部に依頼してシステム開発することです。
新しいシステムを導入する場合には、既存のパッケージソフトを利用することもできますが、既存ソフトでは個別のカスタマイズに対応できず、細かな調整が難しいなどの難点があります。一方受託開発であれば、システム開発の専門によって1から開発するため、オーダーメイドでシステムの開発が可能です。
受託開発の契約形態は「請負契約」
受託開発は法律的には「請負契約」という契約形式で行います。「請負」とは、仕事を請け負う一方は仕事の完遂を約束し、注文する一方がその成果に対して報酬を支払うこととする契約であると民法第632条の請負の項目に定められています。
この請負契約には以下のような項目が含まれます。
・依頼された仕事の完成
・完成しなければ「債務不履行」に
・請負の目的物には建築などの有形のものだけでなく、管理保守や演奏などの無形のものも含まれる
受託開発のメリット
受託開発を取り入れることは、企業にとってのメリットが少なくありません。ここでは以下の受託開発のメリットについて解説します。
・開発工数を抑えることができる
・コストの計算がしやすい
・自社に最適なサービスを作成できる
・開発コストを削減できる可能性がある
受託開発を取り入れるかを迷っている方は、課題が受託開発によって解決できるのかの参考にしてみてください。
開発工数を抑えることができる
システム開発には多くの手順を踏む必要があります。自社開発であれば、要件定義や基本設計、詳細設計、プログラミング、複数のテスト、システムの移行までをすべて自社で行わなければなりません。これらの行程は作成するシステムによって必要な人員や時間が大きく異なるため、最低限の人員であれば従業員の負担が大きく、人員に十分な余裕があると、人件費などを含めて会社の負担となってしまいかねないでしょう。
しかし、受託開発を取り入れることで、これらの工数を大幅に削減できます。
コストの計算がしやすい
自社ですべての開発を行う場合、必要に応じて人員を増やすなど、イレギュラー対応のための費用なども細かく計算しなくてはなりません。システム開発のノウハウがない、または少ない場合、どの工程にどの程度のコストがかかるのか把握することは簡単ではないでしょう。
しかし、受託開発であれば、契約の段階でシステムの基本仕様や依頼する行程、納期などを含めて契約をするため、急な依頼内容の変更などがない限り、費用の変更や追加費用の心配は不要です。
自社に最適なサービスを作成できる
受託開発を選択せず、自社でのシステム開発もできない場合はパッケージソフトなどを利用しなくてはなりません。しかしその場合は、使用したい機能がない場合や要らない機能が多く使いにくい、などのネガティブな問題が多く発生してしまう可能性があります。
受託開発にすることで、必要な機能やその使い勝手、デザインについても1から全てオーダーメイドで作成することが可能です。
開発コストが削減できる可能性がある
受託開発は、その特性から決められた金額はありません。そのため、複数社の見積もりをとり、開発内容や妥協点などを細かく精査したうえで、システム開発会社と交渉し開発に関する費用を削減できる可能性があります。
システム開発では多くの人員や専門知識、高いスキルが求められるもの。しかし、すべて自社でまかなう場合はそのための人件費が必要ですが、開発を外部に委託することで一時的な支出のみで対応できるため、結果的にコスト削減が期待できます。
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受託開発のデメリット
上記のように受託開発には多くのメリットがある一方、企業によっては見逃せないデメリットもあります。受託開発を選択した場合のデメリットは以下の通りです。
・社内の育成が進まない
・運用・保守・更新などは自社で行う必要がある
これらのデメリットは会社によって重要度が大きく変わるため、自社の状況などを踏まえて把握しましょう。
社内の育成が進まない
受託開発でシステム開発を行うと、自社でのシステム開発やプログラミングの実績がなくなってしまうため、結果として人材育成が進みにくくなってしまいます。システム開発のスキルがある人材が不要であれば問題ありませんが、適宜システム開発をする可能性がある場合や、将来的にシステム開発できる人材を求めている場合は、人的・金銭的コストをかけても自社で開発した方が将来的に会社の利益となるでしょう。
運用・保守・更新などは自社で行う必要がある
システム開発は一度作って終わりではありません。実際に使用していく上で日々の運用や保守はもちろん、適切なタイミングでシステム更新を行う必要があります。これらの管理運用は、受託開発の依頼先の業務には含まれません。もちろん、管理運用を外部に委託することも可能ですが、継続的な費用負担や人材育成の停滞、セキュリティなどへのリスクがあるため慎重に検討しましょう。
発注担当者が確認すべき受託開発の流れ
冒頭で解説したように受託開発契約は法的には請負契約です。そのため、契約中や納品後のトラブルを避けるためにも、発注担当者は契約までの流れから納品までの過程を正しく把握する必要があります。システム開発に掛かる期間は簡単なものでも1〜3カ月程度、一般的な業務管理システムでも1から作る場合は半年〜1年は掛かり、大がかりなシステムであれば2〜3年程度掛かる可能性もあるため、どのようなシステムをどの程度の規模で作りたいのかを適切に把握しておきましょう。
受託開発先の候補を選出&問い合わせ
受託開発の依頼を決めたら、まずは依頼先の候補を選出しましょう。最低でも5社、できれば10社程度を選出し、見積もりをとってください。見積もり金額や、この後にご紹介するポイントを踏まえて3社程度に絞り込みます。そこからさらにミーティングや提案内容などを経て自社のシステム開発を依頼する1社を選び、その際には、予算の目安・希望のスケジュール・作成してほしいシステムの概要についても事前に確定しておきましょう。
自社に適したシステム開発会社の選び方
依頼先の候補から見積もりを取ったら、その金額はもちろん他にも気を付けるべきポイントがいくつかあります。見積もりを取る際やミーティングの場を設けるときには、以下の項目についてもしっかり検討しましょう。
・依頼先の開発方法
・開発の得意分野は何か
・開発能力は十分にあるか
・管理運用も依頼する場合には、その実績は十分であるか
これらの項目は、依頼する際に信頼して依頼できる企業であるか、依頼したいシステム開発に適しているかを選ぶ指標となります。
開発担当者とのミーティング
依頼先が決定したら、受託開発を依頼する企業の開発担当者とのミーティングを行います。ここでは、実際に作成してほしいシステムの詳細、使用範囲やその規模、細かい予算や納期、についても資料を含めて細かく伝えましょう。特にシステムの内容だけでなく、そのシステムが使われる範囲がひとつの事業所なのか複数なのか、外部ネットワークを使用する可能性があるのかどうかについても伝えてください。
正式な見積もりの算出
ミーティングもシステム開発の内容を細部まで決定したら改めて見積もりを出してもらいます。この時、見積もりの各項目についても細かく確認することが必要です。依頼内容にもよりますが、見積書に記載される項目は主に以下のようなものがあります。
・各機能
・使用する基盤
・テスト方法
・開発環境
・動作環境
・保証範囲
・保証期間
・スケジュール
・SEやプログラマーの1月あたりの単価
これらの見積もりが打ち合わせ内容と相違ないかも必ず確認しましょう。
予算の決定・制作開始
見積もりの予算で問題なければそのまま契約をし、予算オーバーであれば、費用を削減できるポイントについて改めてミーティングを行います。契約が完了したら順次開発が進められ、開発手法によって異なりますが、実際の開発はこのように進められます。
1.要件定義
2.基本設計
3.詳細設計
4.プログラミング
5.テスト
6.システム移行
上記の項目は実際にどのような作業であるのかを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
設計・開発作業中の確認
契約まで完了したら、後は依頼先の仕事です。そのため、依頼元の作業はほとんどありませんが、必ず定期的に進捗を確認しましょう。大幅なスケジュールの遅延はないか、依頼内容と開発内容に齟齬はないかについてもよく確認します。納期が来てから、または完成してから遅延やミス、意思疎通のズレに気が付いてしまうと、会社の業務に大きく支障が出てしまうだけでなく、状況によっては少なくはない追加費用を支払うなどのリスクが生じてしまうため注意が必要です。
完成したシステムの修正・最終確認
システムが完成したら、プログラムごと、プログラム同士の結合のテスト、システム全体のテストを行い、バグなどがあれば順次修正を行い、使用に不備はないかなどの最終確認が必要です。このように順番にテストを行うことで、バグの見落としや納品後の不具合などのリスクを最大限に減らすことができます。
ただし、全ての不具合がここで見つかるとは限りません。完成した後にバグを見つける可能性もあるため、納品後の保証期間についてもここで再度確認しておきましょう。
納品
システムが完成したらいよいよ納品です。システム開発における納品とは、システムの移行のことを言います。これは古いシステムから新しいシステムに切り替えることで、開発を請け負った側が実際の移行作業から使用方法の説明、各担当者へのトレーニング、使用マニュアルについてもまとめて行います。
この時、発注担当者は移行されたシステムが各所で問題なく動作しているか、依頼したシステムが間違いなく完成しているかを確認します。
SES(準委任契約)との違い
準委任契約(SES)は、System Engineering Serviceの略称で、特定の業務の遂行のために外部のエンジニアと契約し、主に社内でその業務を行ってもらうことを言います。受託開発のように外部に依頼するという点では同じですが、SESは依頼したシステムの完成を求める契約ではなく、定められた期間、契約内容の業務を遂行してもらうための契約です。たとえば、自社でシステム開発を行う際に、必要な人員を必要な期間だけ雇い入れる、といった目的で採用されます。
比較項目 | SES(準委託契約) | 受託開発(請負契約) |
---|---|---|
特徴的な契約上の義務 | 成果物を完成させる義務は無い | 成果物を完成させる義務がある |
命令権 | ない | ある |
報酬の支払い | 成果物がなくても報酬を支払いが必要 | 成果物がない場合、報酬の支払いは不要 |
報酬対象 | 作業工程や労働時間 | 成果物 |
労働者派遣契約との違い
上記でご紹介したように、SESは依頼した特定の業務の遂行に対して契約を行います。このような特性から、依頼元がその業務の進め方や業務内容、または他の業務に関して個別に指示または依頼することはできません。そのため、直接細かく業務内容を指示したい場合や、作業内容の指定、指示の可能性がある場合は、労働者派遣契約を選択することが必要です。労働者派遣契約であれば、その企業に就業させるための契約であるため、依頼主が業務に対する管理や指示、指導を行えます。
比較項目 | 労働者派遣契約 | 受託開発(請負契約) |
---|---|---|
特徴的な契約上の義務 | 派遣先への就業が目的 | 成果物の完成が目的 |
命令権 | ある | ない |
自社に適した契約方法の選び方
自社のシステム開発をする際、すべてを内製することができない、もしくはパッケージソフトでは対応できない場合は、外部への委託が有効な手段です。ここまで紹介した方法を、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適なものを選択しましょう。
・システムを納期までに求めるクオリティで確保したいなら「受託開発」
・自社でのシステム開発のために必要な人員を必要な期間だけ確保したければ「SES」
・開発業務を進めている間に足りなくなる人員を一時的に確保したい場合には「労働者派遣契約」
まずは、自社のシステム開発や業務に対して何を求めているのかを確認することが大切です。
開発方法 | こんな会社におすすめ |
---|---|
受託開発 | システムを納期までに間に合わせたい会社 開発品質やクオリティを確保したい会社 |
SES(準委託契約) | 自社でのシステム開発のために必要な人員を確保したい会社 期間限定で人員を確保したい会社 |
労働者派遣契約 | 開発業務を進めている間に足りなくなる人員を一時的に確保したい会社 管理や契約を派遣会社に任せたい会社 |
システム開発の費用相場
つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
システム開発の平均相場 | 233万円〜 |
システム開発の種類 | 費用相場 |
簡易顧客システム | 20万円~ |
Webシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ
この記事では、受託開発の概要や依頼する際のポイントについてから、SESと労働者派遣契約についても簡単にご紹介しました。
システム開発は、給与管理などの業務ソフトやECサイトなどのWebシステムなど目的によって作るものが大きく変わります。SEやプログラマーが数多く在籍している会社であれば自社のシステムを内製で完結できますが、一般企業が人員を確保することは現実的ではありません。社内の人材育成はもちろん重要ですが、内製で完結することが難しいシステム開発であれば必要に応じて上手に受託開発やSESを活用しましょう。受託開発の依頼先をお探しの場合には、ぜひアイミツにお問い合わせください。
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