COBOLとは?将来性やエンジニアに必要なスキルについて解説【2024年最新版】
インターネットの発展や技術の進化に伴い、数々のプログラミング言語が新しく誕生しました。そんななか、半世紀以上の長きにわたって利用され、今なお現役として存在しているのがCOBOLです。「古い」などといった批判を受けながらも、一部では根強い人気を誇っています。
そこでこの記事では、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、COBOLとはどういうものかといった概要やメリット・デメリットに触れながら、その将来性、またエンジニアに必要なスキルなどについて、詳しく解説します。
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COBOLとは?
COBOLは、遡ること半世紀以上の1959年、事務処理に利用するためのプログラミング言語としてアメリカで誕生しました。COBOLという名称は、共通事務処理用言語を意味する「Common Business Oriented Language」に由来しています。
当時利用されていたFORTRANやアセンブラは、学習に相応の苦労を要する難解なものでしたが、高級言語として開発されたCOBOLは、比較的理解しやすい文法を持ち、プログラミングの入門用としても適していたため、世界中から多くの注目を集めるにいたりました。
現在でも事務処理や基幹システムなどを中心に利用されており、一部においては未だに根強い人気を誇っています。
COBOLのメリット
誕生から長年が経過した現在でも、現役として利用されているCOBOLには、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下より、COBOLが持つ主なメリットを、順にご紹介します。
可読性が高い
英語に近い構文を持つCOBOLは、わかりやすく、ソースコードの可読性が高い言語です。プログラミング初心者であっても、英文を読むようにソースコードを理解し、ある程度の内容が把握できるため、非常に扱いやすいと言えます。また、プログラム構造が部・節・段落に分かれており、一般的な文章構成と相似していることも、可読性を高めている理由の1つです。
保守性が高い
COBOLは半世紀以上の長年にわたって利用され続けており、その間、度重なる規格更新によって仕様が洗練かつ統一されています。結果として、同じ処理であれば誰がプログラミングしても似たような構文となるため、上述した可読性の高さとも相まって、保守もしやすいというメリットがあります。
計算処理が得意
COBOLは元々、金額の計算などをメインとする事務処理での利用を目的として開発されたため、計算処理が得意です。例えば、他のプログラミング言語では、浮動小数点数(正負を示す符号部・桁の並びを示す仮数部・小数点の位置を示す指数部の3つに分けて数値を表現する方式)を扱う際、わずかな誤差が生じる場合がありますが、COBOLでは2進化10進数を用いることで、誤差のない正確な結果が求められます。
COBOLのデメリット
COBOLには、メリットだけではなく、誕生から長年が経過しているが故のデメリットも存在します。以下より、COBOLのデメリットについて、解説します。
エンジニアの高齢化
エンジニアの高齢化は、歴史のあるプログラミング言語ならではのデメリットです。Python・Ruby・Swiftなど、さまざまなプログラミング言語が数多く登場するなか、若いエンジニアがそちらに興味を示すのは仕方のないことと言えます。そのため、新たにCOBOLを学習するエンジニアは減少しており、まだまだ現役として利用されているプログラミング言語とはいえ、精通しているエンジニアの多くが高齢となっているのが現実です。
開発案件がない
若いエンジニアが新しいプログラミング言語に興味を示し、学習対象としてあえてCOBOLを選択しないことと同様、新たにシステムを構築するにあたっては、特段の事情がない限り、COBOLを採用する積極的な理由がありません。そのため、COBOLによる新規の開発案件はなくなりつつあるのが現実です。事務処理や基幹システムなどを中心に、保守に関してはまだまだ案件があるものの、この先COBOLの需要が大きく伸びることは考えづらいと言えます。
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COBOLでできること
まだまだ現役を維持しているCOBOLですが、具体的にできることは何でしょうか。以下より、COBOLでできることの主な例を紹介します。
事務処理
COBOLの原点とも言える事務処理は、COBOLがもっとも得意とするところです。そのため、COBOLを利用して開発されたシステムも、事務処理用のものが多くなっています。桁の大きな数値や浮動小数点数を扱う計算でも誤差なく正確にこなすCOBOLは、事務処理において高い性能を発揮し、長年にわたって重宝されてきたのです。
計算処理
COBOLは、四則演算を含む計算処理が非常に得意です。コンピュータは0と1の2進数で処理を行うことが基本であり、それを我々が直感的に理解できる一般的な10進数に変換する際、プログラミング言語によっては誤差が生じますが、COBOLでは、10進数演算を定義することにより、誤差のない正確な変換を実現します。この特徴を持つが故に、前述したとおり、桁の大きな数値や浮動小数点数の扱いにも長けているのです。
帳票の出力
事務処理の一環とも言える帳票の出力も、COBOLが得意とする処理の1つです。帳票は、企業などの組織における会計情報や取引内容を扱うあらゆる書類を指し、さまざまな出力項目が存在します。COBOLではこれら項目の定義から、右寄せ・左寄せといった書式、空白の調整など、出力する際に必要となる詳細な設定をすべてプログラミングによって実現することが可能です。そのため、政府や金融機関における重要な帳票を出力する際のプログラミング言語として、古くから重宝されてきました。
COBOLプログラムの構成
可読性が高いというメリット紹介の項で触れたとおり、COBOLのプログラム構造は一般的な文章構成と相似しています。COBOLプログラムは、4つの部に分かれて全体が構成されており、それぞれの役割が明確になっていることが特徴の1つです。また、各部は、さらにいくつかの節および段落に分割されます。以下より、それぞれの部について解説します。
見出し部(IDENTIFICATION DIVISION)
見出し部(IDENTIFICATION DIVISION)は、COBOLプログラムの冒頭に設置される部で、PROGRAM-ID・AUTHOR・DATE-WRITTENといった段落によって、プログラム名や作成者・作成日などの情報を記述します。なお、環境部やデータ部と違い、見出し部は段落のみで、節(SECTION)がありません。
環境部(ENVIRONMENT DIVISION)
環境部(ENVIRONMENT DIVISION)は、見出し部に続いて設置される部です。コンピュータ名や環境変数などの情報を記述した段落を持つ構成節(CONFIGURATION SECTION)と、ファイルの入出力を行う際の情報を記述した段落を持つ入出力節(INPUT-OUTPUT SECTION)から構成されます。
データ部(DATA DIVISION)
データ部(DATA DIVISION)は、環境部に続いて設置される3番目の部です。主に入出力ファイルのデータ項目やレイアウト、外部とのインターフェイスなどが定義され、ファイル節(FILE SECTION)・作業場所節(WORKING-STORAGE SECTION)・連絡節(LINKAGE SECTION)・通信節(COMMUNICATION SECTION)・レポート節(REPORT SECTION)から構成されます。
手続き部(PROCEDURE DIVISION)
手続き部(PROCEDURE DIVISION)は、データ部に続いて最後に設置される部です。手続き部には、実際にプログラムが実行する処理内容を記述します。特定の節や段落は存在せず、プログラマーが必要に応じて作成します。
COBOLの将来性
数々のプログラミング言語が新たに登場しているなか、古くから存在するCOBOLの将来性については、誰もが非常に気になるところです。誕生から長い年月が経過しているとはいえ、事務処理や基幹システムなどを中心に、現在でもCOBOLを利用したシステムはまだまだ稼働しており、保守作業など一定の需要は見込めます。
一方で、先進のプログラミング言語が数多く存在する現状において、新規案件でCOBOLが採用される可能性は低く、既存のCOBOLシステムもほかのプログラミング言語を活用したシステムにリプレイスする動きが進んでいるため、この先の需要が大きく増加するとも考えづらい状況です。
特筆すべきは、COBOLを新たに学習するエンジニアも減少を続ける反面、COBOLを扱えるエンジニアが不足し、貴重な存在になっているという事実です。上述のとおり、まだまだ一定の需要は見込めるため、あえてそこを狙ってCOBOLのスキルを磨くのも、エンジニアにおける選択肢の1つと言えます。
COBOLエンジニアに必要なスキル
上述したとおり、今や貴重な存在となっているCOBOLエンジニアには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。以下より、COBOLエンジニアに必要な主なスキルについて、解説します。
マネジメントスキル
前述したCOBOLエンジニアの高齢化が進んでいるという事実は、言い換えれば、長い経験に裏打ちされたマネジメントスキルを期待されることが多いということです。COBOLに対する知見や技術力を発揮し、設計や開発など自らのタスクを進める一方で、他メンバーの支援や進捗管理など、プロジェクト全体をマネジメントする能力を発揮できれば、大きな評価を得られる可能性があります。
各業界の専門知識
COBOLは、事務処理や計算処理を得意とするなどの特徴により、官公庁・金融・保険業界といった特定の業界で活用されることが多い上、これらの業界におけるシステム開発では、専門的な業務知識が強く求められます。業界の専門知識はどのエンジニアにも求められるものではありますが、ついてはCOBOLエンジニアに対しては特にその要望が強くなる傾向があります。
保守・運用スキル
前述したとおり、新規のシステム構築案件ではCOBOLが採用される可能性は低く、COBOL案件は保守作業がメインとなります。そのため、COBOLエンジニアは、プログラムの作成・解読・修正が可能なスキルに加えて、サーバー・ネットワークの知識や、トラブル時の冷静な状況判断など、保守・運用に必要となるスキルを有していることが重要です。
Javaなど他の言語スキル
COBOLエンジニアが貴重になっているとはいえ、COBOLのみしか扱えないエンジニアでは、今後の活躍が非常に限られたものとなります。ついては、仕事の幅を広げ、エンジニアとしての価値を向上させるためにも、Javaを始めとする他言語も習得することをおすすめします。COBOLを含めた複数のプログラミング言語に精通しているエンジニアは、COBOLシステムから他言語を利用したシステムへのリプレイス案件においても、非常に重宝される存在です。
COBOLを外部委託する際のポイント
前述したとおり、COBOLエンジニアは今や貴重な存在となっているため、確保するのにも相応の手間や時間を要することが予想されます。ついては、COBOL開発を外部委託するのも有効な選択肢の1つです。以下より、COBOL開発を外部委託する際のポイントについて、解説します。
実績や得意分野を確認する
COBOLの開発を外部委託する際は、委託先となる会社に十分な実績があるかを確認することに加え、得意分野や強みをチェックすることも非常に重要です。多くの実績を誇る開発会社であっても、自社の案件にそぐわない内容がほとんどであれば、期待どおりの成果物が実現できない恐れがあります。
COBOLシステムの開発に強いことはもちろん、「官公庁のシステムに強い」「金融の知識が豊富」など、得意分野や強みも併せて確認することが大切です。
業績の安定性を確認する
業績の安定性も、COBOLの開発を委託する会社を選定する際の重要なポイントです。システム開発会社には、設立から日が浅い小規模な企業やベンチャーも多いため、「開発の委託中に倒産した」という話がないわけではありません。また、システムの完成後、長く使い続けることを考えても、保守・運用や改修のため、将来的に取り引きが発生する可能性があります。そのため、業績の安定した、長い付き合いが期待できる会社を選定することが大切です。
システム開発後のフォロー
COBOLのシステムに限らずですが、システムの構築においては開発がすべてではなく、その後の運用や保守も重要です。運用保守能力に優れ、納品後も綿密なフォローが期待できる開発会社であれば、長期的に良好な関係を築ける可能性があります。
また、システム運用においては、突然のトラブルなど、予期せぬ事態が発生することもしばしばです。そういったときにどのように対応してくれるかは、開発会社のスキルやノウハウはもちろん、企業としての在り方やビジネスに対するスタンスが大いに影響します。選定の際は、そこまで踏み込んだ確認ができれば理想です。
エンジニアの開発能力
委託先となる会社の実績や得意分野、業績の安定性といった確認に加えて、実際にCOBOLの開発に携わるエンジニアの能力も重要なポイントの1つです。システムの品質には、それに関わるエンジニアの能力が大きく影響します。必要となる開発のスキルやノウハウを十分に有していることはもちろん、コミュニケーション能力や信頼性、自社との相性なども併せて見極めることが大切です。
相見積もりを行い、比較検討する
COBOLの開発を外部委託する会社を選定する際には、要件を的確に伝えた上で、複数の会社へ見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。また、自社の案件に合致した適切な開発会社を選定するためには、金額のみで決定するようなことは避け、上述したポイントを総合的に考慮して判断する必要があります。
要件の理解度や、企業としてのスタンスは、見積書に現れるとも言われるため、疑問があれば納得できるまで確認しながら、慎重に検討することが大切です。
システム開発の費用相場
つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
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以上、COBOLとはどういうものかといった概要やメリット・デメリットに触れながら、将来性やエンジニアに必要なスキルなどについて、解説しました。
繰り返しになりますが、事務処理や基幹システムなどを中心に、COBOLで開発されたシステムは今なお現役で稼働しています。そのため、COBOLについての理解を深めることには、まだまだ大きな意味があります。本記事がその一助となれば幸いです。
また、COBOLによる開発や運用・保守などを依頼する会社の選定にお悩みの際は、ぜひ「アイミツ」をご利用ください。ご要望をお伺いした上で、それに見合った会社を複数ご紹介します。お気軽にご相談ください。
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