スクラッチ開発とは?パッケージ開発との違いやメリット、デメリットを解説!【2024年最新版】
システム開発にはいくつかの種類があり、中でもポピュラーなのがスクラッチ開発です。ただ、パッケージ開発やフルスクラッチ開発のような、他の手法とどのような違いがあるのかについては広く知られておらず、何を基準に選べば良いかわからないこともあるでしょう。
そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、スクラッチ開発のメリットやデメリット、そして他の開発手法との違いや詳しい手順について、解説します。
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スクラッチ開発とは?
スクラッチ開発とは、既存のシステムを使わずに一からシステムを開発する開発アプローチを指します。いわゆるオーダーメイドの開発手法であり、柔軟な機能実装や社内システムとの互換性獲得などが可能です。
フルスクラッチ開発との違い
スクラッチ開発は、フルスクラッチ開発と分けて定義されることもあります。どちらも一からシステムをオーダーメイドで開発する手法に違いはありませんが、相違点としてはテンプレートを使うか使わないか、というものがあります。スクラッチ開発という言葉では明確に定義しないものの、フルスクラッチ開発という言葉をわざわざ使う場合、既成のテンプレートなども全て使わない、完全オリジナルのシステム開発であることを指すのがポイントです。
パッケージ開発との違い
スクラッチ開発と比較されるアプローチの1つに、パッケージ開発と呼ばれるものがあります。パッケージ開発は、すでに存在するシステムのフォーマットを活用して自社向けにシステムを組み立てる手法で、スクラッチ開発に比べて低コストかつスピーディにシステムを組み上げられる点が強み。独自性の面でスクラッチ開発に劣る場合もありますが、特殊な要件を求めていない場合はこちらの手法の方が効率的であることを覚えておきましょう。
スクラッチ開発の5つのメリット
近年は便利なシステム開発用パッケージも複数登場していますが、スクラッチ開発を求める企業は依然として少なくありません。スクラッチ開発を選ぶメリットは複数あり、自社業務への最適化や競合との差別化、昨日の拡張性など、さまざまな恩恵を得られることが期待されます。以下では詳しいメリットの内容について、1つずつ解説します。
メリット1.業種に合うシステムが作れる
スクラッチ開発の大きなメリットと言えるのが、自社の業務に最適化した、オリジナルのシステムを構築できる点です。近年はさまざまなパッケージが登場しており、いずれも汎用性に優れる便利な製品ですが、デメリットとして目立つのが自社業務マッチしない可能性があること。特に自社の領域が特殊である、あるいはマーケットとして比較的小さい分野である場合、自社に最適化されたシステムを探すのに苦労することもあるでしょう。そんな時にスクラッチ開発を利用することで、自社業務に最適化されたシステムを導入することができます。
メリット2.拡張性を持った開発が可能である
スクラッチ開発を選択すれば、都合の良いように拡張性を担保することができるのもメリットの1つです。パッケージを使ってシステムの導入を行う場合、製品によっては拡張性が限定されていることがあります。自社の既存システムとの互換性がなかったり、他社製品との連携ができなかったりと、互換性の面でも不便を被ることもあるでしょう。一方でスクラッチ開発の場合、今後の技術革新や新しいサービスの登場に伴う、柔軟なアップデートが行える余地を残してシステムを開発することができます。
メリット3.他社と差別化を図れる
システムにオリジナリティを求める場合、スクラッチ開発の採用が効果的です。システムをパッケージで導入すると、どうしても他社のシステムと似たり寄ったりとなってしまうため、独自性の確保は非常に困難なもの。特に競合と同じシステムを導入している場合、競合が抱えているシステム上の課題を自社でも被ることとなるため、差別化のポイントが限られてしまいます。そんな時にスクラッチ開発を選ぶことで、他社にはない強みや他者の弱みをカバーする形でシステムを導入でき、自社の強みを存分に発揮することができるでしょう。
メリット4.長期にわたって利用できる
スクラッチ開発でシステムを導入し、維持管理を長期にわたって行える仕組みを整備しておけば、安心して10年単位でシステムを使い続けることができるのもメリットと言えます。パッケージを使ったシステム開発の場合、サポートなどを運用当初は得られるものの、パッケージ提供事業者がサービスを終了してしまうと、以降のサポートが得られなくなる可能性も。一方でスクラッチ開発であれば、自社でシステムの維持管理体制が整備されている場合半永久的に使用し続けられるため、長期的なコスト削減や安定した業務遂行が可能です。
メリット5.必要な機能に絞って開発ができる
スクラッチ開発は、場合によってはパッケージ開発よりもユーザビリティやコストパフォーマンスに優れるシステムを導入することもできるでしょう。パッケージを使ってシステムを導入すると、どうしても自社では不要な機能などが付属することは免れません。一方、システム開発をスクラッチで行えば、不要な機能を排除し、必要最小限の機能でシステムを構築できます。その結果、現場の混乱を回避したり、システム導入のコストを抑えられたりするでしょう。拡張性を確保しておけば、後から必要な機能を追加で実装することもできるので、高度なシステム運用が必要になった時も安心です。
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スクラッチ開発のデメリット
スクラッチ開発はパッケージ開発にはないメリットが期待できる反面、注意しておくべきデメリットもあります。押さえておきたいのは、
・費用が高額になりがちである
・開発期間が長くなってしまう
・開発ベンターとのやり取りが必要になる
・開発ベンダーによってクオリティーに違いがある
の4点です。以下で詳しく解説します。
デメリット1.費用が高額になりがちである
まず、スクラッチ開発はパッケージ開発よりも開発にかかる費用が高くなります。パッケージ開発では既存のフォーマットを使用するので開発工数は短くなりますが、スクラッチ開発では一から設計・構築を行うので、このデメリットを回避するのは難しいでしょう。また、複雑な機能実装が必要になると、そのコストはさらに膨らみます。AIの導入など、高度な機能実装を考えている場合は、パッケージ開発も視野に入れておくと良いでしょう。特に初期費用を抑えたい場合、スクラッチ開発はあまりおすすめできません。
デメリット2.開発期間が長くなってしまう
スクラッチ開発の場合、パッケージ開発よりも開発にかかる時間が長くなってしまう点もデメリットです。パッケージ開発の場合、既存のフォーマットを流用してシステムを構築するので、数週間から数ヶ月で大抵のシステムを導入することができます。一方のスクラッチ開発ですが、こちらは一からシステム設計と構築を進めていくので、最低でも半年程度の開発期間を見越しておかなければなりません。規模の大きなシステム導入だと、場合によっては数年単位のプロジェクトとなる場合もあるでしょう。あまりに長い開発期間を必要とする場合、当初とはニーズが変わってしまい、要件定義の見直しを強いられる場合もあります。
デメリット3.開発ベンターとのやり取りが必要になる
スクラッチ開発は、開発プロセスがパッケージ開発よりも複雑になる分、その際に発生するコミュニケーションの頻度や必要性も高まります。パッケージ開発であれば必要最低限の情報共有や要件定義などで済ませられますが、スクラッチ開発は一つ一つの確認事項の質や量が増え、何度も会話を重ねなければなりません。システム開発にあまり時間をかけたくない、開発にかけられる人員が不足しているという問題を抱えている場合、スクラッチ開発だとたとえ外部に委託しても相応の負担が発生することは頭に入れておきましょう。
デメリット4.開発ベンダーによってクオリティーに違いがある
スクラッチ開発は柔軟なニーズに応えてもらうことのできる選択肢ですが、同時にどれくらいクオリティーに優れるシステムを開発できるかについては、委託先のベンダーの技術力に大きく依存します。ベンダーが経験豊富なエンジニアを多く揃えているところであればクオリティーの心配はありませんが、実績や経験の少ないベンダーの場合、その品質を保証できる材料が少なく、納品物が期待していたものに及ばない可能性も出てくるでしょう。
スクラッチ開発の基本的な手順
具体的に、スクラッチ開発はどのような手順で進めていくのでしょうか。基本的にスクラッチ開発は、
1.要件定義
2.基本設計
3.プログラムの開発
4.テスト
5.運用
6.メンテナンス
という6つのステップに則って作業を進めます。それぞれの工程について以下で解説します。
手順1.要件定義
スクラッチ開発においてまず必要なのが、要件定義です。要件定義とは、今回開発するシステムにどのような機能を実装するのか、ということを簡単にまとめ、要件定義書にまとめてベンダー側に共有するという作業を指します。自社で話し合っていた課題は何か、その課題を解決できるソリューションは何かを考えながら、要件定義を固めていく作業です。システムの方向性がここで決まるため、重要性の高いプロセスと言えるでしょう。
手順2.基本設計
要件が固まった後は、基本設計を進めます。基本設計とは、具体的なシステムの仕組みを決定する工程で、要件定義書にまとめられた仕様をどのように落とし込んでいくかを検討する段階です。要件定義書に書かれているのは、あくまでどんな仕組みが欲しいかということだけなので、どのようにシステムで解決するのかということについては触れられていません。基本設計の段階で要件定義書を参考にしながら、課題解決のアプローチを具体化します。
手順3.プログラムの開発
基本設計書ができたら、実際にシステムの開発を進めていきましょう。システムの開発はプログラミングによって行われ、プログラマによるコーディングを通じてシステムが組み立てられていきます。基本的にプログラミングの工程は設計が完成してから行われるため、設計が固まる前にシステム構築が行われるということはありません。逆に言うとプログラミングの工程に入ってしまうと、修正作業などが困難になる場合もあるため、必要の際は基本設計の段階でできる限り伝えておく必要があります。
手順4.テスト
プログラムの構築が完了したら、実際の運用の前にテストを行います。基本設計で定義した機能は正しく動作するか、そもそも機能が仕様の通りに仕上がっているかを確認する工程です。プログラムのテストは、開発会社の中で行われるだけでなく、一度依頼した側にも触ってもらうことで、問題がないかどうかをチェックしてもらいます。自社でもある程度システムの仕様について理解を深め確認事項をチェックしておくことが、スムーズなテストの実行と後になって不便が生じないようにする上で大切です。
手順5.運用
テストをしても問題ないことが確認できたら、現場への実装を進めます。実際に新しいシステムを現場の従業員に使ってもらうことで、導入効果を確認すると良いでしょう。システムの導入当初からシステムをフル活用できるというケースは難しく、パフォーマンスを発揮するまでにある程度時間が必要です。短期間で成果を期待する場合は、あらかじめ現場の担当者への研修などを丁寧に行っておくことも求められます。
手順6.メンテナンス
システムは構築して実装が済んだら完了ということはなく、導入後も継続的なメンテナンスが必要です。システム領域は時代の流れが早く、数年で技術が陳腐化し、改修が必要というケースも少なくありません。運用しているシステムの互換性やパフォーマンスそのものが時代に合わなくなってきたと感じる場合、システムの改修や拡張を検討しましょう。また、システムの開発から維持管理までを全て自社で賄うことが難しい場合は、システム周りの業務を外部企業に任せるという選択肢もあります。最近ではシステム開発からメンテナンスをまとめて任せられる企業もあるため、自社のリソースや技術面で不安を感じる時は、外部への委託を検討しましょう。
システム開発の費用相場
つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
システム開発の平均相場 | 233万円〜 |
システム開発の種類 | 費用相場 |
簡易顧客システム | 20万円~ |
Webシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ
この記事では、システム構築におけるスクラッチ開発の特徴や、パッケージ開発などと比較したメリット・デメリットについて解説しました。スクラッチ開発は技術面で優れた手法ですが、場合によってはコストや維持管理の面で負担が大きくなる場合もあります。アイミツでは、そんなスクラッチ開発をあなたのニーズに合わせて依頼できるシステム開発会社を紹介しています。スクラッチ開発でお悩みの際には、お気軽にご相談ください。
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