リグレッションテスト(回帰テスト)とは?目的や実施方法などを解説【2024年最新版】
昨今のシステムやアプリケーションは、機能が多様化し利便性やユーザー体験が向上する一方で、構造の複雑化が進み、軽微なプログラム修正が大きな範囲に影響をおよぼす恐れがあります。そのため、そのようなリスクを回避するリグレッションテスト(回帰テスト)の重要性が高まっている状況です。
そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、リグレッションテストの概要や目的に触れながら、その実施方法や自動化のメリットなどについて詳しく解説します。
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リグレッションテスト(回帰テスト)とは?
リグレッションテスト(回帰テスト)とは、システムやアプリケーションなどのソフトウェアにおけるプログラムの修正や機能追加などの変更によって、他の箇所に不具合が生じていないかを確認するテストのことです。
リグレッション(regression)は回帰や退行を意味しますが、文字どおり、プログラムの変更が他の箇所に影響を与えることにより、回帰や退行などのデグレーション(次章にて解説)を引き起こしていないかをテストします。
システムやアプリケーションは、さまざまなプログラムによって構成され、それらが相互に関連することで稼働しています。特定のプログラムに修正を加えた結果、予期せぬ箇所で不具合が発生したり、性能が低下したりすることが少なくありません。そのため、特に各プログラムの関係性が複雑になる大規模なシステムやアプリケーションにおいては、リグレッションテストが不可欠なのです。
リグレッションテストとデグレーションの違い
デグレーションとは、退化や悪化を意味し、プログラムの変更によって新たな不具合が生じてしまう状態を指します。ITの現場では、「デグレ」と略されるのが一般的です。リグレッションとほぼ同義であるため、混同しやすいと言えますが、あくまでシステムやアプリケーションの状態を表す言葉です。
一方、リグレッションテストとは、上述のとおり、プログラムの変更によってデグレーションが発生していないかを確認するためのテストを指します。デグレーションを検証するという性質上、ノンデグレードテストなどと呼ばれることもありますが、あくまでテストという行為を表す言葉です。
リグレッションテストを実施する目的
リグレッションテストを実施する目的は、プログラムの修正や追加などが、他の機能や性能に影響をおよぼし、新たな不具合を引き起こすことによって生じるトラブルを未然に防ぐことにあります。
前述のとおり、システムやアプリケーションは相互に関連するさまざまなプログラムによって構成されており、一般的に、規模が大きくなるほど各プログラムの関係性はより複雑です。そのため、特定のプログラムに施した修正や変更が、予期せぬ箇所に影響をおよぼし、大きなトラブルに発展することがあります。その対応には膨大な手間や時間がかかるほか、信頼の低下や信用の失墜を招く恐れすらあるのです。
これらのリスク低下という観点から、リグレッションテストを実施する重要性は高まっています。
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リグレッションテストの実施方法とは?
上述のとおり、リグレッションテストは予期せぬ不具合やそれによるトラブルを回避するための重要な役割を担いますが、その効率的な実施には、タイミングや範囲の見極めが大切です。以下より、実施のタイミングおよびテスト範囲という観点から、リグレッションテストの実施方法について解説します。
実施のタイミングを決める
システムやアプリケーションのテストは、その目的や対象範囲によって、単体テスト・結合テスト・総合テスト・運用テストといった工程に分けられます。リグレッションテストは、これらすべての工程において実施するのが理想的です。各テストによってバグや不具合が検出されたら、その修正に加えてリグレッションテストを実施することで、他の箇所に対するマイナスの影響を防ぐ必要があります。これにより、デグレーションの早期発見が実現し、システムやアプリケーションの品質をより高めることが可能です。
また、運用中などにおいて個別にバグや不具合が発生した際にも、そのプログラム修正後にリグレッションテストを実施します。つまりリグレッションテストは、プログラムに手を加えたすべてのタイミングで、抜かりなく実施するというのが一般的です。
テスト範囲を決める
リグレッションテストでは、特に範囲を定めず、すべてのテストを最初から実施すること(フルリグレッションテスト)が理想です。しかしながら、プログラム変更が発生するたびに、毎回フルリグレッションテストを実施するのは現実的ではありません。そのため、主に以下3つのポイントから範囲を絞り、効率的にリグレッションテストを実施する必要があります。
・プログラム変更や関連データが影響する範囲を明確に把握できれば、そこに絞る
・デグレーションが発生した際のリスクや影響度が高い箇所を優先してテストする
・過去の傾向などから各テスト項目を分析し、優先度の高い項目のみ実施する
リグレッションテストを実施しないと起きるリスク
特に大規模なシステムやアプリケーションにおいては不可欠となるリグレッションテストですが、実施しないとどのようなリスクが発生するのでしょうか。以下より順に解説します。
システムの信頼性が損なわれてしまう
リグレッションテストを実施しないことは、デグレーションをそのまま放置することを意味するため、バグや不具合があらゆる箇所で発生し、システムの信頼性が損なわれるリスクが大きくなります。さらに、プログラムに変更を加えるほどそのリスクが高まり、もはや完全に修正することが不可能な事態にまで発展する恐れも。これを防ぐためには、プログラム変更の都度、慎重かつ丁寧にリグレッションテストを実施することが重要です。
デグレーションの発見が遅れコストが増えてしまう
デグレーションは、早期に発見するほど対応が容易となり、コストを抑えることが可能です。一方で、リグレッションテストを実施しないことによってその発見が遅れると、影響範囲が広くなる上、修正も複雑となり、大きなコストが発生する恐れがあります。また、運用開始後にデグレーションが発覚した場合などは、修正コストだけでなく、それによる被害状況や影響度合いによって補償などの膨大なコストが発生することもあるでしょう。
これらのリスクをできる限り回避するため、リグレッションテストを外部のシステム開発会社などに依頼するのもおすすめです。システムやアプリケーションに通じた専門のプロフェッショナルが対応することで、質の高い効果的なリグレッションテストが叶います。
リグレッションテストの自動化のメリット
リグレッションテストは、ツールの活用によって自動化することも可能です。自動化により効率が向上し、手間や時間を大幅に削減できるほか、継続的な実施が可能なため、バグや不具合の早期発見にも繋がります。プログラムに変更を加えるたびに実施するというリグレッションテストの性質上、同じ内容を何度も繰り返して実施することが多いため、自動化による効果は他のテストよりも高くなるでしょう。
なお、リグレッションテストを自動化できるツールには、ブラウザで実行されるWebアプリのテストを自動化できるSeleniumや、主にスマートフォンアプリのテストで使用されるAppium、分かりやすいUI(ユーザーインターフェース)によってプログラミングの知識がなくても手軽に利用できるAutifyなどがあります。
リグレッションテストの自動化のための注意点
リグレッションテストを自動化する際には、その効果を最大化するためにも、注意すべき点がいくつかあります。以下より、リグレッションテストの自動化のための注意点について解説します。
自動化する範囲と手動対応する範囲を精査する
リグレッションテストの自動化を実現するには、スクリプトの準備など一定の手間がかかるため、システムやアプリケーションのすべてに対して一括で適用することは容易ではありません。そのため、優先度を判断し、それに沿って順次自動化を進めるのが得策です。
まずは深刻な障害の原因となる重要度の高い機能や、不具合発生の確率が高いと思われる箇所などを優先的に自動化し、それ以外の機能については手動で対応しながら、少しずつ自動化の範囲を広げていくことをおすすめします。
短期的な成果にこだわらない
リグレッションテストの自動化によって効果を最大化させるためには、テスト内容の改善やテスト項目の蓄積などによるブラッシュアップが重要です。そのため、短期的な成果にこだわらず、上述のとおり優先度の高い箇所から段階的に自動化を進めながら、継続的な実行と地道な見直しを重ねる必要があります。そのためには、スムーズな運用のための体制構築と、チームメンバーにおける綿密な情報共有が大切でしょう。
チーム内で品質への認識を揃える
上述したとおり、リグレッションテストの自動化による短期的な成果にこだわらず、中・長期的に効果を高めていくためにも、チームメンバーにおける綿密な情報共有が大切です。しかし、そもそもチーム内で品質への認識に齟齬があると、テストの精度に影響するほか、自動化自体に異を唱えるメンバーが現れる恐れも否定できません。
そのため、自動化ツールの導入は慎重に決定する必要があるだけでなく、チーム内で品質への認識を統一しておくことが重要です。また、自動化に懐疑的なメンバーに対しては、実際に自動化ツールによるリグレッションテストを実施することによって、そのメリットを体感してもらうといった方法もあるでしょう。
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つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
システム開発の平均相場 | 233万円〜 |
システム開発の種類 | 費用相場 |
簡易顧客システム | 20万円~ |
Webシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
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【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ
本記事では、リグレッションテストの概要や目的に触れながら、その実施方法や自動化のメリットなどについて解説しました。
今後、システムやアプリケーションがより進化する一方で、内部構造の複雑化や規模の拡大が加速し、リグレッションテストの重要性もさらに高まっていくものと考えられるでしょう。
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