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ITSMSとは?導入メリットや活用シーンまで紹介【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

IT活用を推進すると、後々問題になってくるのがシステムの管理体制の構築です。サービスごとの役割を把握し、稼働状況を正しく管理する上では、専用の環境が必要になるでしょう。そこで近年注目を集めているのが、ITSMSと呼ばれる管理システムの導入です。この記事では、オンプレミスやクラウドを問わずシステムの管理に役立つITSMSとは何かを解説しながら、企業が導入を進めるべき理由やメリットについて紹介します。

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ITSMS(ITサービスマネジメントシステム)とは

ITSMSは「ITサービスマネジメントシステム」の略称で、自社で導入しているシステムを一括管理することができる製品を指します。近年、DXに伴いデジタルツールの導入が企業で進んでいますが、部門や業務ごとに別個で製品を導入すると、それらの稼働状況をまとめて監視したり、正しい運用に向けたマネジメントやフィードバックなどをまとめたりすることは極めて難しくなります。別個に完璧なマネジメントを実現するには、IT担当者の増員が必要ですが、そうなるとかえってITの運用コストがかさんでしまうでしょう。そんな時に役立つのがITSMSで、同サービスを通じて社内のITシステムを統合的に管理できる体制を整備可能です。

そもそもITSMとは

そもそもITSMは、各部門が業務を遂行する上で必要なITサービスは何かを検討したり、実際に製品を供給したり、運用状況を踏まえて改善を施したりするための業務や仕組みを指す言葉です。組織体制にもよりますが、一般的な企業におけるIT導入や活用は、IT担当部門がITSMの業務を担い、現場のビジネス部門に対してサービスを供給し、モニタリングや改善を施します。ITSMSは、そんなITSMを効率化して情報システム担当者の負担を軽減するためのツールです。

ISMSとの違い

ITSMと似たような言葉に、ISMSと呼ばれるものがあります。ISMSは「情報セキュリティマネジメントシステム」の略称で、情報セキュリティ対策の強度を示す上での国際規格として知られているものです。システムの可用性や情報の機密性が保たれているかが重視される評価制度である一方、ITSMはITサービスのマネジメント全般を指す言葉のため、領域は少し異なります。

ITSMS適合性評価制度とは

ITSMSの運用にあたっては「ITSMS適合性評価制度」と呼ばれる評価制度があることも知っておくべきでしょう。この評価制度は、自社で実現しているITサービスのマネジメントが、第三者から見て国際標準の仕様となっているかどうかを確認するもので、JIS規格としても認定されているITSMS認証基準(JIS Q 20000-1)に基づいて評価されます。ITSMSの構築の必要性については後述しますが、ITSMS構築にあたって認証取得を目指すことにより、信頼性の高いITサービス提供環境が整備できたり、顧客との信頼関係の構築に良い影響を与えたりと、さまざまなメリットが期待できます。

ITSMS導入のメリット

ITSMSの導入によって、具体的に企業はどのような変化を期待できるのでしょうか。ここではITSMS導入の主なメリットについて、簡単に解説します。

管理者・利用者全員が業務全体の流れを把握しやすくなる

ITSMSの導入は、管理者や利用者全員がITを使った業務全体の流れを把握しやすくなる上で役に立ちます。システムを通じてITの運用状況を俯瞰的に知れるようになるので、それぞれのITサービスがどんな役割を果たしているのか、どの部門がどのように使用しているのか理解が進むでしょう。

サービス品質の改善により顧客満足度向上が見込める

ITSMSによって正しくITサービスを利用できるよう現場に促すことで、サービス品質の改善にも貢献が期待できます。ITサービスを適材適所で導入し、有効活用するためノウハウを共有することで、現場のITスキルに依存しない運用プロセスを構築可能です。結果、顧客満足度向上にもつながり、良好な顧客との関係構築が実現するでしょう。

業務効率化が推進される

業務効率化を推進する上でも、ITSMSは役に立ちます。ITはただ導入するだけでは効果が望めず、現場担当者が正しく使いこなせるよう支援しなければなりません。ITSMSによって正しい活用を促すことで、ITサービスが本来のポテンシャルを発揮し、導入効果を最大限高めてくれます

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ITSMSの主な活用シーン

ITSMSは具体的に、どのような業務で導入効果を発揮するのでしょうか。ここでは主なITSMSの活用シーンについて確認し、導入後のイメージを固めてみましょう。

資産管理

会社が保有する資産の管理において、ITSMSは大きな導入効果を発揮します。例えばPCやスマホにタブレットといった日常的なハードウェアから、ネットワーク機器やサーバーに至るまで、あらゆるITハードは企業の重要な資産です。資産管理の業務は日常的に発生するものではありませんが、実施が必要なタイミングで管理体制が整っていないと、Excelなどを使った非効率な手法に頼らなければなりません。ITSMSがあれば各ハードの購入から活用までのプロセスを一覧で確認できるため、トラブルの回避や機器の適切な管理を促します。

プロセス管理

プロセス管理は、ITを使った業務全体を1つひとつ確認するマネジメント業務です。各工程でどのようにITが使われているのか、そもそも各工程がどのようなものかを把握できていないと、インシデントの発生などにもつながりかねず非常に危険でしょう。そこで活躍するのがITSMSで、プロセスを俯瞰的に見直し、インシデントの潜在的なリスクを早期に発見することで、トラブルによる業務の停滞や損失の発生を未然に防ぐことが可能です。

インシデント管理

そもそもインシデントとは、サイバー攻撃による被害の発生や、従業員の過失による損失の発生などを指す言葉です。ITSMSによる資産管理やプロセス管理は、業務上発生し得るインシデントのリスクを最小限に抑えるための取り組みでもあります。ITSMSを使って資産管理すれば、突然の税務調査が入った時も情報共有を速やかに行い、指摘を回避することが可能です。丁寧なプロセス管理はリスクを早期に発見したり、予防活動につなげたりする上で求められます。

ITSMS構築の流れ

それでは、ITSMSの導入を進めるにあたって必要な手続きを把握しておきましょう。ITSMSの構築は、主に以下の4つの手順に則って行うこととなります。

現状分析

まず必要なのが、現状分析です。現在のITサービスマネジメント環境を把握し、どのような手続きが行われているのか、その上でどんな問題が発生しているのかを踏まえ、ITSMSの導入を検討しましょう。現状の課題を解決できるようなマネジメントシステムを構築できるのが、目指したい導入目標と言えます。ITSMSの認証基準を参考にしながら、自社のマネジメント体制に必要な改善事項をリストアップしていきましょう。

マネジメントシステムの構築

現状分析を通じて自社に必要な要求事項が固まった後は、マネジメントシステムの構築を進めます。導入するITサービスが本来の力を発揮できる管理体制の整備はもちろんですが、同時に経営者も含め、全社的なIT活用が推進できるようなマネジメント体制を整備できるのが理想です。客観的に要件を把握できるよう、ITSMSを文書化したり、経営者の責任の所在を明らかにしたり、現場への導入前に教育や訓練を施したりすることも必要となるでしょう。

サービスマネジメントの計画と導入

理想的なITサービスマネジメントを実現するためには、事前計画の策定も重要です。サービスマネジメントのプロセスを設計したり、サービスマネジメント業務の目標を具体的にしたりすることで、マネジメントシステムが機能することを促します。また、各プロセスに携わる担当者を策定したり、責任の範囲をどこまでとするのかを決めたりすることも重要です。サービスのクオリティを維持・向上させるための計画や、プロセス改善のサイクルを固める必要もあるでしょう。

サービスマネジメントプロセスの導入

ITサービスマネジメントの計画が固まったら、実際にITSMSの導入を進めていきます。事前に策定したプランに基づき、各プロセスにおける新規サービスの導入や、サービスの変更手続きを進めましょう。サービスに関連する各部門や事業者の関係も整理し、当事者と供給者の立ち位置を定義し直すといった手続きも必要です。インシデントが発生した時にどう対処するのか、社内のサービスを統合的に管理する上でどんなマネジメントを採用するのかなど、細かく定義しながらマネジメント体制を整える必要があります。

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ITSMS構築のポイント

ITSMSの導入と構築は繊細な作業が発生するため、どのように、何から手をつけて良いのかわからないということもあるでしょう。ここからは、事前に知っておきたい3つのポイントについて解説します。

経営陣のコミットメント

ITSMSの導入においては、経営陣の積極的なコミットメントが求められます。DX施策の一環としても知られるITSMSは、全社的なIT活用をより促進するための取り組みです。デジタル活用を全社的に進める場合、現場担当者だけでなく、経営陣もITに関われるスキルと姿勢を持っておかなければなりません。ITSMS導入においても経営陣が積極的に関わることで、迅速かつ導入効果の高いシステムを構築できるでしょう。

KPIの設定と測定

KPIの設定と測定も、ITSMS導入において必要な取り組みです。漠然とマネジメントシステムを立ち上げるのではなく、何らかの目的意識を持って導入を行うことで、一定の成果を期待できるようになるでしょう。ITSMSの導入は無料ではない以上、対価を支払うにふさわしいリターンが求められます。自社課題に合わせたKPIを設定し、目標達成に向けたプランを構築しましょう。

プロセスアプローチ

全社的なIT活用を促す上で重要なITSMSは、全社的なプロセスアプローチが必要です。各プロセスにおいて、誰がどんな役割を、どれくらいの範囲まで担当するのか、各プロセス間の関係性はどうなっているのかを明文化しながら、体制構築を進めましょう。プロセス間におけるインプットとアウトプットの関係が明らかになれば、質の高いマネジメントの実現に役立ちます。

ITSMSの導入は開発会社への外注がおすすめ

社内でITSMSを構築する余裕がない場合、検討したいのが外部企業への委託です。ITSMSの構築には多くの時間と負担を必要とするため、例え社内に技術があっても十分なリソースを確保できないというケースは珍しくありません。一方でITSMSの構築を外注した場合、リソース確保の心配がなくなるためコア業務に支障をきたしてしまう心配はないでしょう。また、実績ある委託会社に構築を依頼すれば、スケジュール通りの納品を期待できたり、自社でシステム構築や運用の責任者を配置する必要もなくなったりするので、非常に有用です。自社にはない最新の開発ノウハウを有している場合もあり、新しい刺激をもたらすという意味でも外注の検討はおすすめです。

システム開発の費用相場

つづいては、システム開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。

システム開発の平均相場
システム開発の平均相場  233万円〜
システム開発の種類別平均相場
システム開発の種類 費用相場
簡易顧客システム 20万円~
Webシステム 130万円~
業務システム 400万円~

システム開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。

【まとめ】システム開発でお悩みならアイミツヘ

この記事では、ITSMSの役割や構築のメリット、そして具体的な構築の手順について解説しました。DX推進においてITSMSの構築は大きな役割を果たし、自社の業務効率化や品質向上に貢献します。しかし、構築にあたってはその負担も大きいため、外部の専門業者への依頼がおすすめです。アイミツではあなたのニーズに合わせてシステム開発会社を紹介しています。ITSMS構築を検討の際には、お気軽にご相談ください。

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