CAD設計とは？導入や外部委託のメリットも解説【2024年最新版】

CAD設計は、建物や設備をはじめ、あらゆる分野における設計業務を支えている手法です。作業のクオリティやスピードを高めるのに欠かせないものであり、取り入れることで生産性向上にもつながる効果が見込めます。
そこで今回は、CAD設計に関する基礎知識として、取り扱うのに必要な適性から導入による具体的なメリットなどを解説！またCAD設計を委託したい場合の外注のポイントも、併せてご紹介します。

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CAD（キャド）設計とは、専用のソフトを使って、PC上でデジタルに製図することを指します。そもそもCADとは、Computer Aided Design（コンピューター・エイディド・デザイン）の頭文字に由来する言葉で、和訳すると「コンピューター支援設計」になります。
なおCAD設計は、建物・土木・設備・機械製品をはじめ、アパレルのパターンや宝飾品のデザインなど幅広い分野で取り入れられている手法です。CADソフトによって図面作成をデジタル化し、さまざまな設計機能を活用していくことで、ペーパーレスや業務改善などの効果にもつながります。

建築設計を除けば、CADによって製図をする業務において、特別な資格などは基本的に必要ありません。とはいえ製品の根本となる図面を作る専門的な仕事でもあり、設計士としての適性は求められます。具体的にどのような能力が必要とされるのか、以下から見ていきましょう。

CAD設計は図形を取り扱う業務のため、数学的な思考は欠かせません。例えば機械設計なら、立体形状からの平面化や数値化、各パーツが動く仕組みなど、構造の成り立ちや整合性を考えながら図面に起こす作業が発生します。
完成品の大きさや部品の組み合わせ、位置関係、設置場所といった、数字に関わる基礎的な理解や知識が求められる仕事です。そのため数学的な能力は、CAD設計士のベースとなるスキルとも言えます。

CAD設計には、完成品のイメージを具体的な図面として落とし込むことで、いわば完成品までの道筋を示す役割があります。正しい構造として成立させるために、例えば数値やデザインを調整する・使用する材料に応じて形状を変えるといった、緻密な作業が繰り返し発生します。
そのためものづくりに対する関心が高く、細かな部分にまでこだわりを持てるタイプのほうが、より正確な製図をするのにも向いているでしょう。

CAD設計は各製品の生産に向けた軸となるもので、各パーツの製造工程に必要な図面を何十枚単位と作成していきます。もちろん寸法や形状などに不整合があっては、正しい完成品にはできません。
何がどう組み合わさるのか想定しながら、さらに細かな数値も含めて、正確な製図をしていく必要があります。物事を先回りして考えながら、さまざまな部分にも注意を払って作業できるタイプのほうが、設計士に適しているでしょう。

実際に紙ベースでの設計からCADを取り入れることで、生産性アップにつながるさまざまな効果が見込めます。具体的には次のような観点から、CAD設計による業務改善が図れるでしょう。

CADソフトを使えば、わざわざ用紙でやり取りする手間がなくなり、図面の共有もオンライン上でスムーズにできるのが大きなメリットです。例えばタブレット端末などを活用し、データで図面の受け渡しをすれば、遠方の現場でもリアルタイムで設計図の確認ができます。
紙ベースだと、持ち運びの際に紛失する可能性や、保存のためのファイリング作業などが発生するため、何かと非効率的です。そこで図面をデジタル化しておけば、必要な時に必要な情報だけを取り出せるようになり、管理の負担も軽減できます。

手書きで設計図を作っていると、どうしても時間や労力がかかります。そこでCADソフトを活用すれば、例えば直線を引く、円形を描くなどの作業も、マウス操作で簡単に完結できます。また修正したい場合にも、わざわざ消しゴムを使う必要はなく、ワンクリックで削除することが可能です。
さらに、今までの図面をデータとして蓄積しておけば、次に似たような案件が来た場合にも、サンプルとして活用できるでしょう。コピーして流用することで、大幅に手間を省けるケースもあります。

CADソフトを使用すれば、設計の段階で自動的に数値の整合性などが調整されるため、計算ミスや書き間違いといったヒューマンエラーによる手戻りもなくなります。CADの導入により手作業が省略できるため、製図の精度を高めることが可能です。
もし途中で設計変更があっても、デジタルでやり取りしていれば、修正後のデータ共有などにもスピーディーに対応できます。こうした手間を省いていくことで、結果的に業務時間の短縮にもつながるでしょう。

設計図を手書きしていると、線や数字の見やすさなど、完成度に個人差が出てきてしまいます。また品質だけでなく、人によって作成するスピードも異なるため、業務の偏りが出てしまう原因にもなりかねません。
しかしCAD設計なら、ある程度の作業はソフトの機能に頼ることで、スキルの標準化にもつながります。設計士ごとの癖なども出にくくなるため、現場での読み取りがしやすくなるメリットもあるでしょう。

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「CAD設計に対応できるリソースがない」「社員に勉強してもらう余裕がない」といった場合には、作業自体を外部に委託するのも1つの方法です。外注すれば人手不足を補てんできる以外にも、次のようなメリットがあります。

例えばプロの設計士たちが集まる専門会社に依頼すれば、より豊富なノウハウにもとづく図面に仕上げられます。見た目の完成度や正確性はもちろん、複雑な構造の製品を作りたい場合にも対応可能です。難易度が高く、社内のスキルだけではカバーできない場合も、解決案を提示してもらえる可能性は高いでしょう。
その他にも、複数のパターンを用意してもらえるなど、外部に委託することで設計案の幅が広がるケースも考えられます。

仮に社内のスタッフがほかの業務と設計を兼任しなければならない場合は、複数の仕事を並行して進めていく分、どうしても作業に時間がかかってしまいます。そこで外部に設計を委託すれば、作業が分担されて納期の短縮にもつながるでしょう。自社の人材が設計に慣れてない場合は、プロに頼んだほうが早く仕上がるケースもあります。
また、設計を外注することで、別の案件に着手できるなど、手の空いた時間を有効活用することも可能です。

CAD設計ができる人材がいない場合は、新たに人材を採用するか、社内のスタッフに勉強してもらう必要があります。そうなると求人や教育の費用がかかってしまいますし、実際に設計作業に対応できるまでに時間もかかるでしょう。
また、人手を抱えるとなると、人件費も増えることになります。それなら外部に委託したほうが、コストも軽減できるというケースは少なくありません。必要なときに必要な分だけ、外注に頼るのも1つの方法です。

先ほども出てきたように、CAD設計を外部委託するメリットは多々ありますが、一方で気をつけておきたい部分もいくつかあります。実際に外注する際には、以下のような注意点も考慮しておきましょう。

外部に委託すれば作業は効率化できますが、社内で対応しない分、自社の人材たちの経験にはなりません。やはり実際の案件を担当してみないと、なかなか実践的なノウハウにはつながっていかない難点があります。
基本的にCAD設計に関しては、今後も外注でカバーしていく運用ならさほど問題ないかもしれません。ただし内製化を視野に入れている場合には、きちんと勉強できる機会を設けるなどの工夫が必要です。

委託する会社ごとに当然ながら設計の品質にも違いがあるため、外注先によっては思うような仕上がりにならないケースもあります。先方が得意としている分野などを事前にしっかりと確認した上で、相性の良さそうな企業に依頼するようにしましょう。
また、社内で直接やり取りするわけではないため、十分に要望が伝わっていないなど、連携不足が完成度に影響してしまう場合も。きちんとこまめに連絡をする体制を、あらかじめ確立しておくのがベストです。

外注先との打ち合わせや連携が必要な分を考慮した上で、適切な納期を設定することも重要です。社内でなら柔軟に調整できても、外部の会社に依頼することで管理がしづらくなり、進捗がうまくいかないケースもあります。
納期に関しても、自社と外注先とで定期的に情報伝達をすることで、きちんとコントロールできるように注意しましょう。小回りが利かないからこそ、こまめに状況が把握できるように工夫することが欠かせません。

CAD設計といっても、取り扱う対象物や作業内容は幅広く、どのような依頼をするのかによって費用も大きく変わってきます。そこで以下からは、よくあるCAD設計の事例をピックアップし、外注費の大まかな相場をご紹介。もちろん会社ごとに料金の設定方法にも差があるため、あくまで目安として参考にしてみてください。

＜機械設計＞
・2D-CAD：2,500～3,000円前後／時間
・3D-CAD：3,500～4,000円前後／時間
・図面単位：8,000～2万円前後／枚

＜建築設計＞
・展開図、建具表、平面図など：7,000～1万2,000円前後／枚
・平面詳細図など：1万2,000～2万円前後／枚

※枚数単位の場合は、図面のサイズなどによっても異なります。

CAD設計は、IT化が進む昨今において、非常に重要な作業手段です。ただし導入するにはCADソフトをはじめ、取り扱うためのスキルや知識も必要。すぐに取り入れられるものではなく、慣れるまでにある程度の期間はかかることも想定しておきましょう。
また内製するのが難しい場合には、CAD設計の作業を外部に任せる方法もあります。「アイミツ」では、CAD設計を得意とする専門会社への外注のサポートにも対応していますので、ぜひ一度ご相談ください。

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