ハラスメントとコンプライアンス違反の違い｜事例もあわせて解説【2024年最新版】

近年、よく使われるハラスメントやコンプライアンスという言葉ですが、それぞれの違いや意味が曖昧なままという方も多いでしょう。そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、ハラスメントとコンプライアンス違反の違いやそれぞれの事例をご紹介します。

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セクハラやパワハラなどの言葉が世の中で定着していますが、「ハラスメント」という言葉の定義を知らない方も多いでしょう。ハラスメントとは嫌がらせやいじめを指します。加害者側の悪意や特別な意図の有無より、被害者側が不快に思うか、恐怖や脅威を感じるかどうかが重要なポイントです。ここでは、以下の代表的なハラスメント4種類について解説します。・パワーハラスメント・セクシャルハラスメント・マタニティ／パタニティハラスメント・ジェンダーハラスメント  

パワーハラスメントとは、上司から部下に対してなど優位な立場にある者が、その立場を利用し、業務上妥当な範囲を逸脱し相手の労働環境を悪化させる行為のことです。パワーハラスメントは主に以下の6種類に分類されます。

・身体的攻撃
・精神的攻撃
・孤立化
・過大な要求
・著しく過小な要求
・プライバシーの侵害

これらの問題に起因したうつ病などの精神疾患の発症、それによる休職や退職を余儀なくされる場合や訴訟件数も多いことから、リスクマネジメントの観点からも徹底した対策が必要とされる問題です。

セクシャルハラスメントとは、性的な発言や行為により相手に不快感を与える、または労働環境を悪化させるような嫌がらせを指します。具体的には、性的な発言をしたり意図的に相手の身体に触れる、性的なコンテンツを見せたりすることで相手を不快にさせるなどです。他にも、評価や成果と引き換えに性的な目的を持って食事などに誘い、叶わなかった場合に相手の評価を不当に下げることもセクシャルハラスメントとして扱われます。男性から女性だけでなく、女性から男性、同性同士によるセクシャルハラスメントの理解も必要です。

マタニティ／パタニティハラスメントとは、妊娠や出産前後の従業員に対して、不当に評価を下げることや、法律または会社で定められた福利厚生の利用を阻害することなどです。マタニティハラスメントの代表例は、妊娠発覚後や休業前後の不当な人事異動や業務内容の変更、降給、嫌がらせなどが挙げられます。育児休業法が制定され男性の育休が推進されていることを背景に、パタニティハラスメントという問題も表面化しました。育児休業前後に評価を不当に下げられることや、正当な理由のない人事異動、過剰な残業指示の他、育児休業取得そのものの妨害なども問題になっています。

ジェンダーハラスメントとは、セクシャルハラスメントとは違い性的な嫌がらせではなく、性別に関する価値観による差別的言動や業務の強制のことです。具体例として、女性であることを理由に採用や昇格を見送ること、給仕やコピーなどを押し付けること、スカートやヒールのある靴、メイクの強制などが挙げられます。男女雇用機会均等法などを背景に女性への差別が大きく取り上げられる一方で、男性へ男らしさを強要することや、育児休業の妨害、昇格に伴う結婚の強要、さらにジェンダーマイノリティに対する不当な差別も近年大きな問題となっていることが特徴です。

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コンプライアンス（法令遵守）とは、一般的に企業などが法令や社会的なルール・モラルを守るという意味です。これらのルールには、個人情報保護などの基本的な法令はもちろん、自社で設定しているCSR（企業の社会的責任）やSDGs（持続可能な開発）を含めた社会貢献、就業規則の遵守なども含まれます。法令は法律の改定が無ければ変わりませんが、社会的なルールは国民や顧客が企業に求める社会的責任を指すことが多いため、柔軟に対応しなくてはなりません。

ハラスメントもコンプライアンスも近年注目されるようになったため、日本では比較的新しい言葉です。そして、コンプライアンス違反とハラスメントはどちらもモラルやルールに反するものとして混同されがちです。あくまでハラスメントは、相手の意に反していじめや嫌がらせをすることであり、コンプライアンス違反は法令違反や社会規範に反する行為や事例を指すため、すべてのハラスメントが直ちにコンプライアンス違反に当てはまるわけではありません。そこでここからは、具体的なハラスメントとコンプライアンス違反の事例をご紹介します。

ハラスメントに該当する事例には、以下のようなものが該当します。

・ミーティングに一人だけ呼ばない
・他の従業員の前での長時間に及ぶ執拗な叱責
・人格を否定するような暴言
・退勤時間直前に大量の仕事を一人に押し付ける
・コピーやお茶くみなどの簡単な仕事しか与えない
・仕事をさせない
・飲み会や食事への参加の強要
・殴る、叩くなどの暴行
・体調不良での休みを認めず出勤を強制
・女性だからとスカートの着用を強要
・育児休業取得申請後に合理的理由のない人事異動
・休憩時間の電話番の強制
・介護のため時短勤務中の従業員に対して家族の悪口を言う
・独身を理由に昇格させない

コンプライアンス違反に該当する事例は以下のようなものが含まれます。

・個人情報が含まれたデータを社外に持ち出す（情報漏洩）
・組織ぐるみでのハラスメントのもみ消し
・製品や会社の設備の私的利用
・サービス残業の強要（労働基準法違反）
・インターネット上の写真の無断商用使用（著作権の侵害）
・残業代目当ての自己判断の残業
・誇大広告
・長時間労働の強要による過労死
・製品テストの改ざん
・脱税

コンプライアンス違反では、従業員一人の問題であっても、それらの管理責任や対策、トラブル発覚後の適切な対応が求められます。

ハラスメントやコンプライアンス違反を防ぐためには、まず自社のリスクを隅々まで把握することからはじめましょう。そして、それぞれの対策方法を提示します。具体的には、社内規定や規則の制定、外部監査も含めた監視体制の強化、社員教育、違反ができないしくみづくりなどです。社内規定や監視体制の強化も大切ですが、従業員一人ひとりの意識も重要になるため、ルールの明確化や社内研修、社外研修などを通した知識の共有や意識改革も積極的に行いましょう。

今回は、ハラスメントとコンプライアンスそれぞれの違いとその事例についてを中心にご紹介しました。これらの問題は社会的な信用をなくしてしまう結果につながることも少なくはありません。ハラスメントもコンプライアンス違反も、その大半の原因は従業員のモラルや認識、知識不足に起因するため、社員教育やルール作りは必須です。コンプライアンスやハラスメント防止の強化を考えているけれど何から始めればいいか悩んでいる方はぜひ一度アイミツへご相談ください。

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