VRの2画面の映像とは？VR動画の仕組みや視聴方法、注意点を解説【2024年最新版】

没入感ある体験ができるVR動画は、2つの画面に異なる動画を映し出すことで立体感を実現しています。視聴者は2つの動画を同時に見ることになりますが、実際にはどのような仕組みによって臨場感を演出しているのでしょうか。
この記事では、VR動画の2画面の仕組みや視聴方法、注意点などについて詳しく解説するとともに、おすすめのVR動画アプリを紹介していきます。

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VRはVirtual Realityの略称で、仮想世界を体験するための視覚技術です。VRに近い技術にAR（拡張現実）がありますが、VRでは仮想世界を丸ごと体験するのに対して、ARは実際の世界にバーチャルな構造物を投影する技術であるという違いがあります。
近年はVR空間の中を移動したり、ものに触れられる技術も登場しています。VR動画ではコンテンツに干渉はできませんが、臨場感ある映像体験が可能です。

VR動画では仮想世界を実際に訪れたような感覚を楽しめますが、実際は錯視的な映像表現によって立体感が実現されています。カギとなる仕組みが左右の目に異なる画面を表示する「2画面方式」です。VR動画では基本的に1つのコンテンツで左右2つの画面を表示し、それぞれ異なる動画を映し出します。微妙に異なる2つの動画を同時に再生することで、立体的に見えるというのがVR動画の最大の特徴です。VR動画は片目で視聴しても臨場感・没入感は得られず、両目で視聴してはじめて価値を体験できます。

VRによる体験効果は多岐にわたりますが、代表的なものとしては以下があげられます。
・対象のものに触ったり動かしたりできる
・映像内を移動できる
・見える範囲が切り替わる
・音の方向を感じる
いずれも2D映像では得られないものばかりですが、もっとも大きな違いは視聴者がある程度映像に干渉できる点でしょう。ここからは、VR動画体験の仕組みについて、具体的に解説します。

VRの醍醐味といっても過言ではないのが、映像内でオブジェクトに干渉できる点です。VRゲームではこの仕組みが積極的に採用されており、コントローラーを用いてものを掴むほか、アイテムを取り出して仮想空間に設置するといったことができます。ユーザーの行動によって仮想空間の様子や物語に変化が生まれることもあるので、大きな没入感を得られます。

ただ映像を眺めるのではなく、仮想世界の中を移動できるのもVRの大きな特徴です。平面での視聴が当たり前だった映像の世界をコントローラーによって自由に行き来できるため、本当にその世界に入り込んでしまったような疑似体験ができます。3Dゲームでは従来からよくある仕組みではあるものの、ユーザーが目の前でこうしたアクションができるのは大きな変化だと言えるでしょう。

VRの世界では周囲を自由に見渡し、その様子をくまなく把握することができます。平面映像ではカメラのとらえた角度からの映像しか視聴が叶いませんでしたが、VRでは360度カメラによって全方向の視野が確保されるため、VRの世界の中ではアングルの制約がありません。
「反対側の角度からはどんな景色が見えるんだろう」といった些細な興味・疑問も、VR動画ではその場で確認することができます。

VRは多彩な映像表現が注目されがちですが、よりリアルな臨場感や没入感を演出するために音の表現にもこだわりが反映されることもあります。音はその場にいるような感覚を得るのはもちろん、奥行きを感じさせるのに重要な要素です。
高品質なVR動画では「空間音声」を活用する機器を導入することで、音の方向の感知を実現しています。上下と左右、前後の音をとらえる特殊なマイクを使用するので、リアルな音を再現できます。

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VR動画は通常の動画アプリやWebブラウザでは再生できないこともあるため、VR動画アプリを使用するのがおすすめです。ここからは、VR動画を再生できる6つのアプリを紹介します。

通常の動画コンテンツと同様にVR動画を楽しめる数少ないアプリの1つがYouTubeです。YouTubeはVR動画の視聴に公式に対応しており、VRゴーグル用アプリ「YouTube VR」によってすべての動画をVRで楽しめます。もちろん2画面への切り替えも可能で、設定方法も再生画面右下のゴーグルマークをタップするだけと手軽です。通常の動画のように無料でVR動画を視聴できるので、もっとも身近かつ手軽なサービスとも言えます。

VR SQUAREは、スポーツやアーティストのコンサートなどをVR動画として視聴できるアプリです。スマホの傾きが動画のアングルと連動しており、まるで会場にいるかのような没入感を体験できます。中には複数のカメラを切り替えられるVR動画もあるので、通常は見られない角度から楽しめるのも特徴でしょう。
また、試合のダイジェスト映像のような短編のコンテンツは無料で視聴できるので、VRを体験してみたいという場合にもぴったりです。

SKYBOX VR PLAYERは、ヘッドマウントディスプレイ（HMD）から視聴できるVR動画アプリです。ホームシアター型が採用されており、NetflixやAmazon Prime Videoなどのコンテンツを映画館のような大画面で視聴できます。
「自宅のテレビが小さい」あるいは「プロジェクター で投影するのに十分なスペースがない」といった場合に役立つでしょう。

Prime Video VRは、Amazon Prime Videoで配信されている映像作品をVR空間で視聴するためのアプリです。360度対応のコンテンツはもちろん、通常の映像コンテンツもVRゴーグルからホームシアター形式で視聴することができます。バーチャルキーボードによる検索のほか、音声での検索も可能なのでゴーグルをつけた状態でも大きなストレスを感じることなく操作が可能です。

Google Spotlight Storiesは、アーティストや技術者の手がけたVR作品を視聴できる没入型のプラットフォームです。3DCGアニメや実写SFなどさまざまな作品が用意されており、視点を360度自由に回転させながら作品を楽しめます。実際のユーザーから「完全に作品の世界に入り込めてワクワクする」「新しい映画の形だと感じた」「体験型アトラクションのよう」と高評価を得ているのも魅力でしょう。

TRIPPは、VRを用いた瞑想をサポートするマインドフルネスアプリです。現実から切り離されたサイケデリックなVR世界での瞑想を通じて、ユーザーに心の平穏や本来の集中力をもたらすことを目指しています。2022年にはアマゾンのAlexa FundやHTC、ナイアンティックなどから日本円でおよそ15億円の資金調達に成功するなど、注目度の高いサービスだと言えます。

VRを手軽に体験する方法としておすすめなのが、YouTubeの利用です。YouTubeは2D動画の視聴が中心のサービスですが、VR動画の再生にも対応しています。ここからは、YouTubeアプリでVR動画を視聴する方法を5つのステップに分けて解説します。

まずは、iPhone/iPadやAndroid端末にYouTubeのアプリをインストールしましょう。Webブラウザでは動作が重くなることもあるので、公式アプリをインストールするのがおすすめです。動画視聴前にはYouTubeアカウントにログインしておきます。

YouTube内でVR動画を検索します。検索方法は音声検索とテキスト検索があり、検索画面右上のマイクのアイコンをタップすると画面が切り替わるので検索したいワードを声に出します。テキスト検索を希望する場合は、検索画面の入力欄にキーワードを打ち込みましょう。なお、VRゴーグルを装着した状態で検索するのなら音声検索が便利です。

VR動画を視聴する場合は、検索結果から360度動画を選択します。通常の設定で視聴すると画面のドラッグやスマホを傾けることで視点が動きますが、モードを切り替えると2画面表示に切り替わりVR動画として視聴が可能です。

VRモードへ切り替える際は、画面上のゴーグルマークをタップします。するとVRの2画面表示に切り替わるので、そのまま視聴しましょう。360度動画へ戻したい場合は再度アイコンをタップすることでモードを切り替えられます。

VRモードに変更できたら、スマホをVRゴーグルにセットして動画を視聴してみましょう。VR動画の視聴には慣れが必要と言われていますが、うまく見られるようになると臨場感を得られます。

Googleは2022年10月にiPhone/iPad向けのYouTubeアプリの仕様を変更し、VRモードへの切り替えが廃止されました。現在もiPhone/iPadから360度動画の視聴は可能ですが、2画面でのVR視聴はできなくなっているため注意が必要です。なお、Android端末からは従来と変わりなくVR動画として再生することができます。
つづいては、iPhone/iPadからVR動画を視聴する対処法を紹介していきます。

iPhoneやiPadからVR動画を視聴する場合は、YouTube以外のプラットフォームの利用が必要です。現在はYouTubeだけでなく多くのアプリからVR動画を視聴することができます。YouTubeにこだわりがなければ、ほかのアプリからの視聴を試してみるのがもっとも手軽な手段でしょう。Android端末を用意できる場合は、そちらから視聴するのも選択肢です。

「どうしてもiPhone/iPadからVR動画を見たい」という際には、360度動画モードで視聴する方法があります。2画面のVRモードでの視聴はできませんが、360度モードであれば現在も視聴が可能なため、コンテンツの内容を重視する場合はこの方法がおすすめです。ドラッグやデバイスを傾けることで動画を自由な角度から視聴できるので、視聴したいコンテンツがYouTubeにある場合は試してみてください。

スマホでVR動画を再生しても思うように動作せず、スムーズに視聴できないということも珍しくないようです。ここからは、VR視聴におけるよくあるトラブルと、その対処方法について解説します。

「スマホでVR動画を開いたものの、周囲を自由に見渡せない」というトラブルが起きることがあります。これはスマホのジャイロセンサーが故障している、もしくはアプリの設定がオフになっている可能性が考えられるので一度見直してみましょう。

VR動画の中でさまざまな視点を確認していると、本来の定位置がわからなくなってしまうことがあります。各アプリにはリセットボタンや特定の操作で初期位置に戻れる設定が用意されているので、VR動画内で迷子状態になった時に試してみましょう。

すでにVR専用のヘッドマウントディスプレイ（HMD）を所有しており、それを用いてVR動画を視聴したい場合は端末からURLを入力し、表示されるVRアイコンをタップするだけで簡単に移行できます。

VR動画は通常の動画とは仕様が大きく異なるため、従来の動画撮影・編集の技術やノウハウが適用されないこともありますが、そんなときにおすすめなのが動画制作会社への外注です。VR動画の制作を外注すると、以下のメリットが期待できます。

質の高いVR動画を制作したいなら、経験が豊富な動画制作会社に依頼するのがおすすめです。VR撮影に必要な機材を保有しているため、新たな設備投資や制作を担当する人材を採用する必要がなくなります。VRならではのアングルも熟知していると考えられるため、最小限の負担・手間でイメージどおりのVR動画を手に入れられるでしょう。

VR撮影には360度カメラが必要なため、VR動画を制作する際は新たに購入しなければなりません。また、VRの撮影や編集に対応できる人材の採用・確保だけでなく、スキルを習得させるのにも費用がかかります。定期的にVR動画を制作する計画があるのならその限りではありませんが、「1本だけVR動画を作りたい」「お試しでVR動画を活用したい」といった場合は、外注の方が費用を抑えられることもあります。

VR動画の撮影・編集を動画制作会社に依頼すると、社内のリソースを割く必要がなくなるのもメリットの1つです。動画の撮影に多くの時間と人手を要しますが、外注すれば社内のリソースをより重要な業務へ割り振れます。社内のリソースが足りておらず、新たな施策に取り組む余裕がないという場合は、VR動画制作の外部依頼を検討してみることをおすすめします。

つづいては、VR動画の制作を外注した際にかかる費用相場を費目別にご紹介します。

VR動画制作の費用相場を費目ごとにご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。

この記事では、VR動画の仕組みやVR動画の視聴方法、注意点などに関する解説とあわせて、おすすめのVR動画アプリを紹介してきました。VR動画は通常の動画とは仕様が大きく異なるため、撮影や編集にも異なる機材やノウハウが必要です。社内での制作が難しい場合は、VR動画の制作を得意とする会社への外注も視野に入れて検討するとよいでしょう。
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