絵コンテとは｜役割や重要性を知ってチーム全体で質の高い動画作りを目指す【2024年最新版】

クライアントやキャスト、動画制作者などに思いを共有し、グループで質の高い動画制作に取り組むために必要なのが絵コンテです。本記事では、絵コンテの目的・役割や気をつけるポイント、作成方法などについて詳しく解説します。動画制作に取り組みたい方や絵コンテの作り方がわからない方は参考にしてください。

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「絵コンテ」は、動画の全体像や特定のシーン、セリフ、尺、効果音・BGMなどを関係者にわかりやすく説明するための台本です。コンテは「連続」などを意味する「Continuity」という英語からで、映画やCM撮影など、動画撮影を行う場面でよく利用されます。
いくつもの絵を用いて動画の流れを示すことで、共演者や撮影者、スタッフなどの共通認識を促し、動画撮影をスムーズに行うのに役立ちます。コンテやストーリーボードと呼ばれることもありますが、基本的には同じものを指していると考えてよいでしょう。

絵コンテがあることで、動画制作のイメージをキャストや撮影スタッフ、クライアントに共有できるため、全員が同じ理解のもとで撮影に臨めます。もし絵コンテがなければ、キャストやスタッフがそれぞれ異なる理解のもとで撮影をすることになるかもしれません。撮影スタッフが撮影の重要ポイントを理解していない場合、せっかく出演者がうまく演じたとしても、適切な動画が撮れていない可能性も。キャストやスタッフが監督の意向を理解していないことで、何度も撮影のやり直しが発生する場合もあるでしょう。

チームで行う動画制作においては、監督者の考えや思い描く完成形が関係者全員に共有されてはじめて質の高い動画になるもの。そのため、撮影に必要な情報を共有することに重きを置いて絵コンテが作られます。絵コンテの役割や目的は以下の通りです。

・動画制作チームとの意思疎通
・動画の世界観の共有
・客観的に確認するための資料

それぞれについて詳しく説明します。

絵コンテの目的の1つは、キャストや製作スタッフと認識を共有することです。動画制作監督の頭の中で完成形が描かれていたとしても、それがキャストや制作スタッフに伝わっていなければ、質の高い動画は制作できません。
しかし、絵コンテを完璧に作り上げる必要はなく、特に実写動画の場合には撮影現場の状況で変わることがあるため、ラフに描くことも多いでしょう。
一方で、アニメ動画やの場合には、絵コンテの説明がイラストの質に影響するため、全カットを細かく記すことも。制作する動画に応じて必要な情報を共有するのが絵コンテの役割です。アニメの絵コンテについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

絵コンテは、動画の世界観を共有するのにも役立ちます。テキストだけではうまく共有できないことでも、絵（イラスト）を利用すればより詳細に伝えられるもの。絵コンテで重要な場面を示せば、キャストはより具体的なイメージを持てるため、疑問に思ったことなどを企画段階で相談できます。
また、絵コンテをクライアントと共有すれば依頼側と制作側の認識のずれを早期に発見し、修正を加えることもできるでしょう。

絵コンテを制作すれば、動画の全体像を容易に把握できます。全体像がわかれば、キャストや撮影者が気になったことを事前に出し合うことで、動画全体の質を高めることが可能になるでしょう。また、全体のイメージが沸いていれば、それに合わせて細部を修正することも容易です。
よりよい動画を制作するためには、監督の意向に沿うだけではなく、客観的な視点で検討することも重要なもの。絵コンテがあれば、さまざまな視点から意見を出し合いつつ改善が図れます。

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絵コンテが必要な場合、すぐに作成に入るのではなく、しっかりと準備を行うことが大切。特に以下の3点については絵コンテの内容とも大きく関係するため、絵コンテの作成を始める前にしっかりと検討・決定しておく必要があります。

・動画の目的の明確化
・ターゲット設定
・動画の活用シーンや配信媒体を決める

それぞれについて詳しく説明します。

まずは動画を作る目的を明確化しましょう。企業が動画を作る目的は主に以下のようなものがあります。
・認知拡大を図る集客
・ブランディングを図る
・動画を活用した集客を行う

動画の目的によって制作すべき動画の内容が決まり、動画の内容は絵コンテにも大きな影響を与えます。動画の制作目的が不明確な状態で絵コンテを制作するのは、ゴールがわからずにイラストを描いているようなもの。まずは動画制作の目的をクリアにしましょう。

動画のターゲットも明確に設定しておく必要があります。例えば、大人向けの動画なのか、それとも子供向けの動画なのかによって、動画のストーリーは大きく変わってくるもの。動画の演出やセリフなどにも影響するでしょう。そのため、絵コンテを作成する前にターゲットを明確に選定しなければなりません。
ターゲットを選定する場合には、年齢や性別はもちろんのこと、職業や居住地、家族構成、興味関心、利用デバイスなど、できる限り細かく設定することで、特定の視聴者に深く刺さる動画に仕上がるでしょう。

動画の目的やターゲットと同じくらい準備段階で大切なのが活用シーンです。ビジネスにおいて動画は、採用活動や営業活動、業務マニュアルやマーケティングなどさまざまな場面で活用されます。さらに、マーケティングでは、CMやWeb広告、イベントや展示会での活用なども考えられるでしょう。活用シーンをしっかりと想定することで、より効率的に絵コンテ作成に入れます。
さらに、配信媒体も事前に決めておくことが重要です。最近では、YouTubやInstagramなどのSNSでの動画活用が注目されています。媒体によって特徴や規格などが異なるので、あらかじめ考えて絵コンテを作成しましょう。

絵コンテの作成準備ができたら、絵コンテ作成に入ります。ここからは基本的な絵コンテの描き方について解説していきましょう。大まかな流れは以下の通りです。

・スクリプト（ナレーション）の作成
・カット割りを決める
・スクリプトとカット割りに沿って絵を描く

まずは動画の軸となるスクリプトの作成からです。スクリプトとは台本のことで、セリフやナレーションをまとめた原稿やシナリオのことを指します。最初に絵から描き始めるとセリフやナレーションとマッチしなくなることもあるため、まずはスクリプトから手を付けるとよいでしょう。
スクリプトができたらカット割りを決めます。カット割りはコマ割りとも言われ、シーン構成や演出によって区切りを付け、撮影位置や角度などを決めていく作業です。カット割りでは、1カットで何秒使用されるかも計算して作成。カットやシーンでの使用時間を検討することも、見やすい動画を作るポイントでしょう。カット割りを作ることで、どのように撮影していくかも整理することができます。
最後に、スクリプトとカットに合わせて、シーンの絵を描いていく作業です。絵コンテは制作チームで動画の流れや撮影方法が共有できるツールのため、絵のクオリティはそれほど重要ではありません。撮影位置、表情、背景、テロップの有無などが分かれば十分で、誰が見てもわかるように作成することが重要です。
さらに詳しい絵コンテの作成準備から描き方を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

絵コンテの作成する際には、以下のポイントを意識するようにしましょう。

・配信する媒体と同じ縦横比で描く
・チームに意図が明確に伝わるように作成する
・細かく書きすぎないようにする
・客観的な視点を持って作成をする

絵コンテは、クライアントやキャスト、制作チームとイメージを共有するために非常に重要な資料です。しかしながら、そこにばかり時間をかけていても動画は完成しません。あくまでも共有が目的であることを理解したうえで、必要に応じた絵コンテを作成しましょう。

絵コンテでイラストを加える際には、実際の映像と同じ縦横比で描くのがおすすめ。例えば縦横比が16:9の動画を制作したいのであれば、イラストも16:9の縦横比で描くようにしましょう。もし縦横比がずれていた場合、各人が頭の中でサイズ変換しなければならず、それが原因でズレが生じてしまうことがあります。せっかく絵コンテを作成するのであれば、誰もがイメージしやすい、実際と同じ縦横比で絵を加えるようにしてください。

絵コンテで重視すべきは、チームに意図が伝わりやすく描くことです。正確さや具体性は大切ですが、絵のうまさは必要ありません。絵に時間をかけ過ぎ、全体の工程が滞るのは避けましょう。
第三者に情報がうまく伝わるのであれば、絵コンテは棒人間であってもOK。絵と写真を組み合わせるほか、絵で描けないところはテキストを加えても問題ないでしょう。絵コンテはあくまでも共有化に使う資料であることを再確認したうえで、伝わりやすさを重視した絵コンテを作成するようにしてください。

絵コンテはあくまでも全体イメージを説明するための材料のため、詳細に描きすぎるのは避けた方がよいでしょう。作成に時間がかかるほか、細部を細かく指定しすぎてしまっては、キャストが思ったように演じられません。重要な点は抑える必要がある一方で、それほど大切でない部分についてはある程度省いてしまっても問題ありません。ただし、短時間の動画など、1秒1秒が重要な役割を果たす場合には、できる限り詳細に描くことも重要。動画のタイプや条件に合わせて、適切な絵コンテを作成しましょう。

絵コンテを制作するうえでは、客観的な視点も重要です。動画は、作った側の満足度ではなく顧客がどのように感じたかが大切なもの。そのため、絵コンテを作成したら、この構成やストーリーで目的が達成できるかどうかをさまざまな視点から考察するのがいいでしょう。
監督は絵コンテの内容を押し付けるのではなく、あくまでも動画のたたき台として提案し、キャストや製作スタッフ、クライアントから意見をもらうのがおすすめです。絵コンテをもとに、動画制作会社に相談するのも1つの手段。専門性の高いアドバイスがもらえます。

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本記事では、絵コンテの役割や重要性、作り方、ポイントなどを幅広く説明しました。絵コンテがあることで動画の完成形をチーム全員がイメージでき、関係者が一丸となって制作に取り組めます。絵コンテのポイントは、きれいに絵を描くのではなくポイントを明確にしわかりやすく描くこと。絵コンテをうまく活用しながら、質の高い動画制作に取り組んでみてください。
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