神棚・神具を専業的に取り扱う静岡木工様。1961年の創業以来、心を込めた商品を届けることで顧客の暮らしに豊かさや安らぎを提供してきました。昔からの製法でしつらえる神具の取扱いはもちろんのこと、神棚を次の世代に伝え継ぐため、現代のインテリアに寄り添ったモダン神棚やデザイナー神棚を販売するなど、新たな取り組みにも意欲的です。
そんな静岡木工様が会社PRの一環として動画の活用に乗り出したのは2020年のこと。filments様に依頼したYouTubeコンテンツ制作によってもたらされた効果について、広報ご担当の松本様にお話を聞きました。
神棚文化を次世代につなげるべく、新しい発信方法に着手
―初めに、御社の事業内容について教えてください。
松本様:静岡県中部に本社を構え、神棚や神具を専門に販売、卸している会社です。卸先としては全国のホームセンターやライフスタイル系ショップ、そして全国の神社が中心です。ホームセンターにおいてはおよそ8割のシェア率を持っていますので、皆さんが店頭で目にしたことのある神棚はもしかしたら当社の商品かもしれません。
また、直営店「神棚の里」も静岡に2店舗、東京都内に2店舗ございます。私たちのミッションは神まつりを次の世代に伝えていくこと。現代に生きる人々の暮らしにも合う、モダンなデザイン神棚の開発、販売にも意欲的に取り組んでいます。
―filmentsへの発注の背景と、発注によって期待された効果について教えてください。
松本様:当社はかねてからInstagramやTwitter、FacebookといったSNSでの発信に力を入れてきました。しかし商品やご祈祷について深部まで伝えるには、どうしても静止画では限界があります。民間企業や行政がYouTubeを広く活用するようになった2020年当時、神職様がYouTubeチャンネルを開設する動きも多くみられました。歴史と伝統を持つ商品を扱ってはいても、発信の仕方は常に新しいものを取り入れ、あらゆる手段で伝えていきたい。言葉や写真では伝えきれない思い、情報を動画で伝えようとYouTubeチャンネルを開設することにしました。
動画コンテンツ制作の発注によって期待した最大の効果としては、「祀る」という日本特有の文化を次の世代につないでいくことです。もちろん一つの企業として利益を求めることは必要不可欠ですが、その前段階として文化を知り、興味を持ってもらえるような入り口を作りたいと考えていました。
提案内容だけでなく、担当者の人柄も正式依頼の決め手に
―御社とfilmentsとの出会いについて教えてください。
松本様:ご担当いただいたfilmentsの深瀬様とは、当社と長くお付き合いがある方からのご紹介で出会うことができました。商品、展示会のディレクションやWebサイトのデザインなどで大きく協力いただいている会社様で、感度が高い方からのご推薦だったため安心感がありました。
これまでのお取り組みだけを拝見しても素晴らしい方だと感じましたが、実際にお会いしてみるとお人柄にも惹かれるものがあり、またご提案についても納得できたため正式にご依頼することになりました。filments様も同じ静岡県内を拠点としており、深瀬様は当社代表や私と同世代です。そうした要素も決め手になったと思いますね。
―filmentsとの制作中のやりとりについてもお聞かせいただきたいです。
松本様:まずは深瀬様を中心に、ご紹介者と当社スタッフを交えてコンテンツの方向性について話し合いました。メインターゲットの設定やネタの考案を進めた後、打ち合わせをもとに台本を作成いただき、できたものから撮影に入っていきました。ニッチな内容にもかかわらず、深瀬様とは違和感なくやりとりを進められて、よく勉強してくださっていることが伝わりました。
ご依頼した20本の動画投稿の後は、撮影から編集、投稿までの制作フローを私たちだけで進めたいと思っていたため、撮影当日はいつも深瀬様の動きをじっくりと見せていただいていました。
―撮影現場では、深瀬様からどのようなことを教えていただいたのでしょうか?
松本様:動画関連のノウハウがまったくなかったもので、撮影機材の使用方法や設置位置、撮影方法に至るまで実践的に教えていただきました。20本撮影を進める中で少しずつ覚えていったようなかたちですね。深瀬様はどんな初歩的な質問にも丁寧に答えてくださいます。とくに撮影方法については大変勉強になりました。商品が魅力的に見えるコツをプロから惜しみなくレクチャーしてもらえて、感謝しています。
神棚・神具の世界の入り口に。動画で世界へと発信する日本特有の文化
―YouTubeチャンネル開設から約1年半、感じている変化があれば教えてください。
松本様:商品が爆発的に売れたといったような大きな変化ではありませんが、チャンネル開設をきっかけにお客様とお話ができたという店舗スタッフの声はよく耳に入ってきます。動画をきっかけに来店いただく、それをご縁に次回のご来店につながる、商品説明をご視聴の上で店頭にて実物をご覧いただくなど、神棚・神具に興味を持ってもらう材料として充分に機能しているのではと感じています。
また、商品の化粧箱にもYouTubeチャンネルに遷移するQRコードを添えています。お客様から「QRコードからYouTubeを観て、神具の使い方を詳しく知ることができた」という嬉しいお声をいただいたことも。私たちのミッションが一つ達成された瞬間でしたね。
また英語版の動画を公開したことで、海外の方へのアプローチも叶えられていると実感しています。開始前までにはうまくリーチできていなかった層の方々に知っていただく機会を持てたことが収穫です。
―内製化が目標とのことでしたが、filmentsからどのようなご支援を受けられましたか。
松本様:20本の動画制作終了後は私たちで動画撮影までを行い、深瀬様に編集をいただくといったフローで進めています。現在は完全には自走できていない状況ではありますが、編集方法も細かくレクチャーいただいています。実際に自分たちで映した動画をモニターに映してご助言いただきながら、アプリの使い方を覚えていきました。
YouTubeショート(YouTubeに投稿できる60秒以内の短編動画)については、私たちだけで撮影から編集までを行えるようになりました。深瀬様に何度か来社いただき、ショートならではの撮影のコツ、テロップやフォントの工夫を伝授いただきました。出来上がった動画は、深瀬様に最終チェックをいただいてからアップしています。LINEですぐにご連絡がつくので助かっています。
―最後に、filmentsに発注したご依頼内容への満足度、推奨度を教えてください。
松本様:満足度については間髪入れずに100%です。深瀬様の技術力はもちろん、そのお人柄も魅力的で信頼しています。推奨度についても100%と言いたいところですが、他の企業様でお忙しくなってしまうと困りますね…(笑)。
今は、深瀬様とともにここまで育てたチャンネルをどのように広げていくかを考えています。コラボ動画にもいっそう力を入れたいですし、お客様からいただいた質問へのアンサー動画で相互理解を深めていきたいとも思っています。引き続き、お世話になります。