兵庫県神戸市に本社を置く石光商事株式会社様は、食品やコーヒー飲料の輸出入事業を展開する専門商社です。「世界の食の幸せに貢献する」というミッションを掲げ、創業から117年にわたって国内外の食の豊かさを支えてきました。
そんな石光商事様が何よりも大切にしているのは「人財」です。コロナ禍で労働環境に変化が生じていることを受け、全社を挙げて1on1を導入することになりました。パートナーとしてノビテクを選んだ理由と、ノビテクと共に試行錯誤した日々について、ご担当の浅見様にお話を聞きました。
社員の働きがい向上を目指して、1on1導入を決定
―御社の事業について教えてください。
浅見様:弊社は主に食品やコーヒー飲料などの輸出入をしている専門商社です。事業の大きな柱として、コーヒーや紅茶の輸入・加工・販売を行うコーヒー・飲料事業、生鮮水煮野菜など農産品、エビやタコなど水産品、唐揚げやフライドチキンなど鶏肉冷凍食品、フルーツ缶詰やパスタなど加工食品の販売を行う食品事業、そして日本国内と海外子会社を拠点として、世界にお酒や味噌、醤油といった日本の食文化を伝える海外事業があります。
私は管理部門の総務人事チームに所属しており、主に採用・研修に関連する業務を担当しながら、人事制度改革やプロジェクトなどにも参加しています。
―ご依頼の経緯と、当時お持ちだった課題について教えてください。
浅見様:弊社は創業117年という歴史がありながら、時代の変化に沿って対応してきた柔軟な会社です。昨今のコロナ禍においてもリモートワークを積極的に導入し、オフィスでも席を離したり部屋を区切ったりなど対策してきました。しかしそんな中で、昨年頃から社員同士のコミュニケーションが減少していることが課題に挙がるように。会話の機会が少なく1人で悩みを抱え込んでしまう、些細な相談事を誰に話していいか分からないなどの声が、私たち総務人事チームに届くようになりました。
弊社はもともと「人財」を大切にしていることもあり、福利制度は整っている方。働きやすさについて力を尽くしてきたからこそ、今後は働きがいを向上させたいと考え、上司と部下の直接のコミュニケーションの場を設けるべく、全社を挙げて1on1の導入を進めることになりました。
―1on1を導入することでどのようなことを期待していましたか?
浅見様:1on1という形で定期的に顔を合わせる機会を作り、コミュニケーションの頻度を上げることがファーストステップ。続けることで、上司・部下双方の心理的安全性・信頼関係の構築により、相談しやすい環境を作ることが次のステップとして期待していたことです。
最終的には上司がコーチングスキルを身につけて部下の思いを的確に引き出し、内省を促すことで部下の働きがいを高めるという、1on1本来の効果を得ることを期待していました。さらに上司のスキル習得は、管理職のレベルアップにもつながると考えていました。
研修講師の伝え方とバックグラウンドに惹かれ、ノビテクと正式契約
―複数の研修会社から1社を選ぶ上で重視したことを教えてください。
浅見様:私たちが研修会社を選ぶ上で重視しているのは、一般論や単なる知識ではなく、参加者の気づきが得られる効果的な内容を実施してくれるかという点です。きちんと理解が得られるよう、内容に合わせて伝え方に工夫があるかどうか、そういった視点も大切にしています。
2点目は柔軟性です。あらかじめパッケージになっているプランを出している会社様は多いですが、弊社仕様にカスタムが効き、ある程度柔軟に対応してもらえるかどうかも大切な要素でした。
3点目は講師の方の持つバックグラウンドや伝え方です。実際にお話しした時の雰囲気はもとより、説明時にこちらの理解度に合わせて伝えてくれるかどうかは大きな判断材料になります。
―最終的にノビテクを選んだ決め手は?
浅見様:お話ししているなかで「研修を通じてどう腹落ちしてもらうか」という工夫が感じられたことがノビテク社を選ぶ決め手になりました。加えて、講師の方の伝え方とバックグラウンドにも惹かれました。私は研修会社を比較する前、1on1の基礎知識を深めるために関連本をいくつか読んでいたのですが、たまたま参考にしていたYahoo!に携わっていた方と出会うことができたんです。企業での導入や定着に苦労された経験がある方だったので、企業側の視点でお力添えいただけるのではと感じられました。
―1on1の導入から導入後のフォローアップまで、約1年間の契約で研修をご実施いただきましたね。
浅見様:はい。もともと作成していた制度案をベースに、講師の方とすり合わせしながら進めていきました。内容としては、全社を対象にした導入前の説明会、管理職向けのトレーニング研修、実施前後のアンケート、効果を高めるためのフォローアップ研修、成功事例のインタビュー記事の作成・公開などです。施策全体を講師の方にアドバイスいただき、実際に導入にあたってのトレーニング研修、導入後のフォローアップ研修の2回は講師の方に登壇いただきました。
―1on1導入を発表した当初、社員の皆さまの反応はいかがでしたか。
浅見様:ネガティブな反応が多かったように思います。「普段からコミュニケーションが取れているから」「必要性を感じられない」といった意見が耳に入りました。しかし、このようなリアクションは想定内でもありました。講師の方からは短期では効果は見えないので長期的な視点で施策を打つしかないこと、1on1を進める側である上司が変わらなければ会社全体で意義を感じることができないことを教えていただきました。
ー実際の研修はいかがでしたか。
浅見様:管理職向けのトレーニング研修では、グループワークで実際に体験してもらう時間を設けていただきました。1on1についての基礎知識の説明や事前アンケートの回答内容を吸い上げた説明から、1on1を実施する価値を実感してもらえる内容になっていたと思います。
それを受けて全社的に導入に至ったものの、社員からは「わざわざ時間を作って話す必要があるのか」「忙しいから時間が確保できない」などという意見が多く、3ヶ月経ってもあまり変化が見られませんでした。そこで、元々スキルアップを図るためのフォローアップ研修の内容を、改めて1on1を続ける意義や目的に立ち返る内容に修正してお話しいただきました。社員の様子に合わせて柔軟に対応いただき、感謝しています。
講師は企業で管理職を経験された方なので、管理職の社員に寄り添いながら実体験をそのままお話しされるところに説得力を感じました。
研修講師から学んだノウハウを生かし、今後も施策を継続
―ノビテクとともに段階的に取り組んだ1on1導入ですが、社内での変化は感じていますか。
浅見様:正直に申しますと、目に見える大きな効果は得られていないのが現状で、未だにネガティブな意見をもらうこともあります。しかし、会話の機会が持ててよかったという意見が少しずつ増えていることも事実です。まだまだコーチング、内省化といったレベルには至っていませんが、根気強く継続していくことで良い変化が見られることを期待しています。
講師の方には成功事例のインタビューと記事執筆もお任せしました。対象社員に話を聞いたところ、上司側が1on1を人材育成の手段の1つとして認識し、部下を育てるビジョンをもって取り組んでいることが分かりました。そういった意識が全社に広がり、働きがいのある会社として成長することを目標に今後も頑張っていきます。
―最後に、ノビテクに研修を依頼された満足度、推奨度を教えてください。
浅見様:どちらも100%ですね。やりとりの期間が長かった分、会社の内情や課題についても深く理解いただいた上で施策を検討してくださいました。短期間で効果が表れづらいものとはいえ、もっと弊社側が頑張れていればという申し訳なさがあります。この期間で多くのことを学べたので、これからは教えていただいたことを生かしながら継続して施策を進めていきたいと思います。