Android・iPhoneアプリ開発の環境構築方法・違いとは?初心者向けに解説【2024年最新版】
スマートフォンアプリの開発をするとき、成功するための重要な要素に開発環境があります。
適切な環境で開発しないと、せっかく作ったアプリが作動しないという可能性もあるでしょう。
とはいえ、アプリの開発環境は、さまざまな種類があり、それぞれ異なった特徴を持っています。
そのため、どの環境で開発すればいいかわからない方も多いでしょう。
そこで、本記事ではアプリの開発環境の種類や構築方法、違いなどをお伝えします。特にはじめてアプリ開発を行う方はぜひ参考にしてください。
スマホアプリの種類について
スマートフォンアプリは、「webアプリ」と「ネイティブアプリ」の2種類に分かれます。まずは、それぞれのアプリの特徴をお伝えします。
webアプリ
webアプリは、ブラウザ上で動くアプリのことを指します。
GmailやGoogleマップ、Dropboxなどをイメージしてください。アプリにアクセスするだけで利用でき、利用にあたって別途インストールしなければならないものはありません。
また、アプリ開発のコストがネイティブアプリよりも安いという点もメリットです。端末のストレージやCPUを占有することもありません。
ただ、インターネット環境がないと利用できない点や、ネイティブアプリと比べると動作速度が遅い点はデメリットでしょう。また、利用している間は常にインターネットに接続しているため、ウイルスにさらされやすい点もデメリットとして挙げられます。
ネイティブアプリ
「スマートフォンのアプリ」と聞いたときに多くの方が思い浮かべるのが、ネイティブアプリでしょう。App storeやGoogle Play経由でユーザーがインストールするアプリは、すべてネイティブアプリです。
ネイティブアプリは端末にインストールするため、アプリによってはオフラインでも利用できます。また、プッシュ通知や位置情報機能など、スマートフォン特有の機能を搭載できるのもネイティブアプリのメリットです。
ただ、アプリを一から独自開発するとwebアプリよりコストが高くなる点はデメリットだと言えるでしょう。また、ユーザーが能動的にストア経由でインストールしなければならないため、利用を始めるにはwebアプリよりハードルが高い点も注意すべきポイントです。
Androidアプリ開発に必要なもの
Androidアプリを開発するときに、まず必要となるのがパソコンです。
OSはWindowsでもMacでも構いませんが、4GB以上の容量と2GB以上の空き容量が必要となります。あまりに画面が小さいと作業時にストレスになってしまうでしょう。そのため、画面サイズは15インチ以上を目安にすることをおすすめします。
また、開発時に必要なツールをGoogleからインストールする必要があるため、インターネット環境は必須です。
アプリ開発用のツールは、Android Studioを推奨します。Eclipseなどの開発ツールでも開発は可能ですが、Android Studioは初心者でも作りやすい設計です。サポート体制も充実しているため、初めて開発を行う方には特におすすめします。
Androidアプリ開発環境の構築の流れ
まずは、Androidアプリの開発言語であるJavaをインストールします。JavaをリリースしているOracleの公式サイトから無料でインストール可能です。
Javaをインストールしたら、開発ツールのAndroid Studioを動かすためにJAVA_HOMEを設定します。Windows10では、「システムの詳細設定」の下部にある「環境変数」から設定可能です。
次に、開発ツールであるAndroid Studioをインストールします。Android Studioの公式サイトから無料インストールが可能です。
ここまで終われば、準備は完了です。この後、実際にアプリ開発のフェーズに入ります。
Androidアプリ開発環境の構築
ここでは、Androidアプリの開発環境や開発言語、開発OSについてお伝えします。
開発環境
Androidアプリを開発するときのツールとして最も推奨するのが、Android Studioです。Androidを開発したGoogleがリリースしたツールで、GoogleもAndroidアプリの開発ツールにはAndroid Studioを推奨しています。
ただ、Androidの開発ツールはAndroid Studioだけではありません。
たとえば、ゲーム開発に特化したツールに、Unityがあります。Unityでは、 AndroidアプリやiPhoneアプリから家庭用ゲーム機まで、さまざまなプラットフォームのゲームを制作することが可能です。
ほかにも、クロスプラットフォーム開発ができるXamarin、低負荷なアプリが作れるReact Nativeなどが代表的な開発ツールとして知られています。
それぞれ特徴が異なりますので、ニーズに合った開発ツールを選びましょう。
開発言語
Androidアプリを開発する際に、最も一般的に使われてきた言語がJavaです。JavaはAndroidアプリに限らず、あらゆる開発現場で使用されている言語で、どのOSでも動作する汎用性の高さ、ほかの言語に比べて処理速度が速い点に強みがあります。
最近、アプリ開発で使用されることが多い言語がKotlinです。2011年に登場した新しい言語ですが、2017年にはGoogleからAndroidアプリの開発言語として公式認定されています。
Javaを改良して作られた言語で、Javaより簡潔にコードを書くことができ、Javaよりも機能が豊富です。さらに、Javaとの互換性があり、取り立ててデメリットもないことからAndroidアプリの開発言語として今後、主流になっていくのではと考えられています。
開発OS
Androidアプリは、開発するOSを選びません。WindowsでもMacでもLinuxでもアプリ開発が可能です。
Androidアプリを開発することだけに限れば、「WindowsなのかMacなのか」といったことよりも、重要なのはメモリとCPUといったハードウェアのスペックです。
推奨CPUは第5世代以降のcore i5 / i7で、最低でも4GB以上のメモリと2GB以上のHDDの空き容量が必要となります。高機能のアプリを開発するのであれば、5GBや10GBのHDD空き容量となるケースも考えられるでしょう。
スペックが低いパソコンでの開発は、作業に時間がかかりストレスがかかるだけではなく、開発時間も余計に必要になってしまいます。自分が使い慣れているOSのなかで、予算内でできるだけ高スペックなパソコンを用意しましょう。
iPhoneアプリ開発に必要なもの
どのOSでも開発できるAndroidアプリと違い、iPhoneアプリを開発する際にはMacのパソコンが必須です。iPhoneアプリは、「Xcode」という開発ツールを使って開発することが一般的とされています。XcodeはMacでのみインストールや起動が可能なため、Macの使用が必須となるのです。
デスクトップ型であれば「iMac」、ノートパソコン型であれば「Macbook」をおすすめします。ツールをインストールしなければなりませんので、インターネット環境も必須です。
開発ツールのXcodeで使用する言語は「Swift」という言語です。開発言語をマスターすると聞くと、難しく考えてしまう方が多いと思いますが、基礎的なレベルであれば1カ月ほどでマスターしてしまう人もいます。
また、開発終了後に、アプリの動作をテストするためのiPhoneも事前に用意しておくとよいでしょう。
iPhoneアプリ開発環境の構築の流れ
実際にiPhoneアプリの開発に入る前に、準備しなければならないものがあります。それは、Appleのサービスを利用するための「AppleID」とアプリの開発ツール「Xcode」、開発したアプリをリリースするために必要な「Developer ID」の3つです。
AppleIDとXcodeは無料で入手できますが、Developer IDは99ドルの年間登録料が必要になります。
また、Xcodeは、App storeからインストールできますが、11.6GBと大容量なため通信環境が良い場所でインストールしましょう。11.6GB分のパソコンの空き容量が必要な点にも注意が必要です。
なお、Developer IDを登録する際には、AppleIDのIDとパスワード、クレジットカード情報を登録する必要があります。
iPhoneアプリ開発環境の構築
次に、iPhoneアプリの開発環境、開発言語、開発OSについて詳しくお伝えします。
開発環境
iPhoneアプリの開発ツールは、Xcodeが最もスタンダードです。Xcodeには、iPhoneアプリを開発するために必要な機能が網羅されていますので、iPhoneアプリの開発ツールとしては第一選択肢になります。とはいえ、XcodeはMacでしか起動しないため、Windowsで開発できるツールを探している方もいるでしょう。WindowsでもiPhoneアプリを開発できるツールはリリースされています。
たとえば、Xamarinは、WindowsでもiPhoneアプリが作成できる開発ツールで、iPhoneアプリもAndroidアプリも開発できる点にメリットがあります。また、Unity3Dは、3Dコンテンツも作成できるゲーム開発用のツールです。
開発ツールごとに、メリット・デメリットがあります。作成したいアプリに合った開発ツールを選ぶことが重要です。
開発言語
iPhoneアプリの開発で、最も使われている言語がSwiftです。
2014年にAppleが開発した言語で、Apple製品の公式標準開発言語として指定されています。習得難易度が低く、処理速度が非常に速い点が魅力です。
Swiftが開発されるまで最もスタンダードだった言語が、Objevtive-Cです。Objevtive-Cは歴史が長いため、豊富な開発実績や応用例がある点にメリットがあります。Swiftとも互換性があるため、これからも使用される機会はなくならないでしょう。
また、iPhoneアプリの開発にJavaScriptが使用されるケースも少なくありません。Facebook社が開発したReact Nativeというアプリ開発ツールでは、JavaScriptを使用します。
開発OS
WindowsでもMacでも、開発できるAndroidアプリと違い、iPhoneアプリを開発する場合は、基本的にはMacのパソコンが必要になります。それは、開発ツールであるXcodeがMacでしか起動しないからです。
XcodeはiPhoneアプリの開発に必要なあらゆる機能が搭載されています。そのため、初心者の方は、Macのパソコン・Xcodeを使用してのアプリ開発がおすすめです。
とはいえ、MacのパソコンはWindowsと比較して高額であることが多いため、Windowsで開発したいという方もいるのではないでしょうか。
そのような方には「Xamarin」というツールがおすすめです。
以前は、WindowsではiPhoneアプリを開発できませんでしたが、XamarinがリリースされたことでWindowsでも開発可能になりました。ひとつのツールで、iPhoneアプリもAndroidアプリも開発できる点が最大のメリットです。
アプリ開発で失敗しないためのポイント
最後に、アプリ開発で失敗しないためのポイントをお伝えします。
機能を確認する
開発環境に備わっている機能を確認してから、利用する開発環境を選定しましょう。たとえば、iPhoneアプリだけを開発するのであれば、開発ツールはiPhoneアプリの開発に役立つ機能が充実しているXcodeを推奨します。しかし、iPhoneアプリとAndroidアプリを同時に開発したいとなると、Xamarinという開発ツールを使用しなければなりません。
webアプリを開発する場合、より多岐に渡る選択肢の中から最適なものを選ぶ必要があります。ツールによっては、言語の構文や関数を補助してくれる機能や、プログラムのバグや欠陥を修正するデバック機能、自動でコードを整形してくれる機能が搭載されているものも。
自分の使うツールにどのような機能が備わっているか事前に確認して、目的に合った機能を搭載しているツールを選びましょう。
アプリ化をどこまでするのかを明確にする
アプリを開発する際に、最も重要なことはアプリを開発する目的を明確にすることです。
アプリを開発する目的によっては、開発するアプリやアプリに搭載するべき機能がまったく異なることも。
たとえば、集客や認知度アップを目的としたアプリであれば、開封率の高いプッシュ通知機能は必須ですし、集客に効果の高いクーポンやポイント機能が有効です。リピート客を増やしたいのであれば、ランクアップ機能が有効でしょう。
また、既存のwebサイトを持っている場合、アプリにすることのメリットを洗い出しておく必要があります。漫然とwebサイトをアプリ化したところで、新たなメリットがなければ開発費用を無駄にしてしまう可能性もあるでしょう。メリットを洗い出したうえで、「アプリからの〇人集客する」など、具体的な数値目標を立ててから開発することが重要です。
アプリ開発の費用相場
アプリ開発を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。アプリ開発の外注も考えている場合は参考にしてください。
アプリのタイプ | 開発費用の相場 |
アプリ開発の平均費用相場 | 250万円~ |
ショッピングカート系 | 100万~300万円 |
カタログ・フリーペーパー系 | 50万~100万円 |
通話・メッセージアプリ系 | 100万~500万円 |
ツール系 | 50万~300万円 |
ゲーム系 | 300万~1,000万円 |
SNS位置情報系 | 500万~1,000万円 |
アプリ内課金/多言語/マップ対応 | 各10万~20万円 |
SNS連携/アクセス解析 | 各5万円 |
学習アプリ系 | 50万円~300万円 |
アプリ開発の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
まとめ
アプリ開発の環境作りについてお伝えしました。アプリは最適な環境下で開発することで、効率的に目的に合ったものを開発できます。
とはいえ、アプリ開発は多くの工数・知識が必要になります。「プロに任せたい」「自社にリソースが無い」という方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は開発会社に依頼することで、環境作りも含めてすべてを任せることができます。
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