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法人設立に必要な費用|算出方法や安く抑える方法を解説【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

「法人設立を検討しているものの、どの程度の費用が必要なのか具体的に知らない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では法人・会社の種類を解説するとともに、種類別に法人・会社設立費用を算出する方法や設立費用の相場、種類によって設立費用が変動する理由などもまとめて紹介していきます。法人設立にともなう費用を把握しておきたいという方や、法人設立を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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法人会社の種類

「法人=会社」と認識している方も多いかもしれませんが、その2つは必ずしもイコールではありません。法人にはさまざまな種類があり、大きくは「公法人」と「私法人」に分けられます。
公法人は独立行政法人や地方公共団体といった公の法人を指すもので、私法人はさらに「営利法人」と「非営利法人」の2種類に分かれます。非営利法人は一般社団法人やNPO法人のような利益分配を目的としない法人である一方で、営利法人では経済的利益が追求されるというのがもっとも大きな違いです。
ここからは、営利法人である「株式会社」と「合同会社」について詳しく解説していきます。

株式会社

株式会社とは「株式を発行して資金を集めて事業を展開する法人」のことです。発生した利益の一部が株主に配当され、もっとも多く株を保有する「筆頭株主」が一番強い権力を持っています。株式会社は営利法人の代表格といっても過言ではなく、その他の営利法人の形態よりも社会的な信頼度が高くいい印象を抱かれやすいのが特徴です。
しかし、資金調達を重要視するあまり株主が増えすぎてしまうと、意思決定の自由度が低くなってしまうというリスクもはらんでいます。

合同会社

合同会社は2006年5月1日に施行された「新会社法」によって新たに導入された会社形態です。株式会社の設立にあたっては公証役場での定款認証が必要ですが、合同会社は定款認証が不要であることから株式会社と比較してスムーズに会社を設立できるのが特徴としてあげられます。
合同会社を設立する場合は「出資者=会社の経営者」となり、出資者が業務を執行する権限もあわせ持つ点が株式会社とは大きく異なる部分です。

株式会社と合同会社の違い

株式会社と合同会社には、利益の配当について大きな違いが見られます。株式会社における業務執行には代表取締役をはじめとする役職が設けられ、利益配分や経営方針に関する主導権を持つのは株主です。一方で合同会社は出資者が業務執行権を持つ社員であり、役職は設けられません。筆頭株主がもっとも強い力を持つというものではなく、出資比率に関係なく利益が配当されます。

法人会社の種類別に見る設立にかかる費用の算出方法

法人・会社の設立にあたっては「どの程度の費用が必要なのか気になる」という方も多いのではないでしょうか。ここからは、法人・会社の設立にかかる費用の算出方法を形態別に解説していきます。
株式会社を設立する場合の費用の算出方法は、「定款にかかる費用」と「設立登記にかかる費用」。定款作成・認証には手数料の5万円のほかに印紙代4万円、謄本代約2,000円が発生します。登記申請には登録免許税として「資本金の金額×0.7%(15万円以下は一律15万円)がかかるため、総額は24万〜25万円ほど。電子申請の場合は定款認証の印紙代が不要となるため、費用を抑えられます。
合同会社の設立費用も「定款にかかる費用」と「設立登記にかかる費用」で算出できますが、認証手数料が不要な上に登録免許税も株式会社よりも安価で、総額は10万〜11万円ほどとなります。

会社・法人設立にかかる費用を算出する方法
算出方法 内訳 総額
株式会社 定款にかかる費用+設立登記にかかる費用   【定款にかかる費用】
印紙代:4万円
(電子の場合0円)
認証手数料:5万円
定款の謄本:約2,000円

【設立登記にかかる費用】
登録免許税:資本金の金額×0.7%
※計算上15万円以下の場合は一律で15万円  
  約24万〜25万円
(電子の場合は20万〜21万円)  
合同会社 定款にかかる費用+登記にかかる費用   【定款にかかる費用】
印紙代:4万円
(電子の場合0円)
定款の謄本:約2,000円

【設立登記にかかる費用】
登録免許税:資本金の金額×0.7%
※計算上6万円以下の場合は一律で6万円  
  約10万〜11万円
(電子の場合は6万〜7万円)  

法人会社の種類別に見る費用相場

ここでは法人・会社の設立にかかる費用の相場を株式会社と合同会社を例として解説していきます。それぞれの費用相場は以下の通りです。
・株式会社を設立する場合
株式会社を設立する際には、役所へ支払いが必要な法定費用(実費)だけでも24万円以上の費用が発生します。定款の認証手数料や印紙代、謄本代、登録免許税を支払うことになりますが、電子定款による電子申請を利用すれば印紙代の削減が可能。約20万円まで費用を抑えることができます。
・合同会社を設立する場合
合同会社の設立には認証手数料が不要で、印紙代と登録免許税のみで済むこととなるため、設立費用は約11万円が相場です。電子定款を利用すれば、さらに費用を抑えられます。

株式会社・合同会社設立の費用相場
法人・会社の種類 費用相場 内訳
株式会社 約25万円〜 【法定費用】
定款の収入印紙代:4万円(電子の場合0円)
認証手数料:5万円
定款謄本代:約2,000円
登録免許税:資本金の金額×0.7%
(15万円以下の場合は一律15万円)
【その他費用】
実印作成代:5,000円〜
印鑑証明書取得代:300円/枚
登記簿謄本発行代:500円/枚
【資本金】
1円以上
合同会社 約10万円〜 【法定費用】
定款の収入印紙代:4万円
登録免許税:資本金の金額×0.7%
(6万円以下の場合は一律6万円)
【その他費用】
実印作成代:5,000円〜
印鑑証明書取得代:300円/枚
登記簿謄本発行代:500円/枚
【資本金】
1円以上

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知っておくと便利な設立後にかかる費用

ここからは、法人・会社の設立後に必要になる費用について解説していきます。設立後にかかる費用はさまざまですが、主な費用としては「社会保険料」と「税金」があげられます。いずれも会社の設立後には必ず支払いが必要な費用となるため、会社・法人設立の手続きをはじめる前に内容を把握しておくと安心です。

社会保険料

「社会保険への加入有無は会社・法人設立後に自由に選べる」と考えている方もいるかもしれません。しかし、社員が1名でも在籍していれば、すべての会社に社会保険の加入義務が生じます。当然ながら社員には代表者も含まれているため、会社が設立された時点で社会保険には加入しなければならないということです。
従業員の加入については1人ひとりの雇用形態や勤務日数・時間などによって変動しますが、加入する場合は保険料の半額を会社側が負担することになります。

税金

会社を設立すると、さまざまな税金が発生します。法人に支払いが義務づけられている税金は以下の通りです。
・法人税
法人の所得に対して課せられる国税
・法人住民税
会社・法人設立時に登記した都道府県・市町村に支払う税金
・法人事業税
事業所を置く都道府県で事業を展開することで課せられる税金
・特別法人事業税
法人事業税の納税義務がある場合に支払い義務のある、法人事業税の一部を分離した国税
・消費税および地方消費税
商品販売やサービス提供などの取引に課せられる税金

なぜ価格が違う?種類別で会社設立に価格差が出る理由

株式会社と合同会社の設立費用でもっとも大きな違いは、定款の認証手数料の有無や登録免許税の金額差です。合同会社の設立には公証役場における定款認証が不要のため手数料を抑えられるほか、登録免許税の最低金額も株式会社の半額以下の6万円から。費用を抑えて会社を設立したいのなら、合同会社が適していると言えます。
なお、株式会社・合同会社ともに資本金1円から設立が可能ですが、高額になるほど消費税などの面で不利な状況になる可能性もあるため注意が必要です。

実際に法人設立の料金表を調べてみた

ここからは、会社・法人設立を司法書士事務所へ依頼した場合の実際の料金を紹介していきます。
司法書士事務所Aでは株式会社の設立は29万6,600円、合同会社の設立は10万円で提供。司法書士への報酬や代表印などの作成も含む金額となっているため、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
司法書士事務所Bでは、株式会社は設立が約30万円、合同会社の設立は約15万円で対応しています。こちらも代表印や銀行印、各印の作成や司法書士報酬を含む金額です。
司法書士事務所Cは株式会社設立は28万1,298円、合同会社設立は11万9,400円となっていますが、印鑑作成は費用に含まれていません。印鑑カード発行手続きや印鑑証明書取得サービスなどはオプションとして用意されており、別途費用が発生するため注意が必要です。このように、それぞれの司法書士事務所によってサービス範囲が異なるため、料金を確認する際は内訳にも注目しましょう。

司法書士事務所A・B・Cの実際の料金
司法書士事務所A 株式会社:29万6,600円
合同会社:10万円  
司法書士事務所B 株式会社:30万円
合同会社:15万円  
司法書士事務所C 株式会社:28万1,298円
合同会社:11万9,400円  

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設立にかかる費用を抑えるには電子定款

電子申請によって定款を申請する場合は、4万円の印紙代が不要となります。「それなら自分で電子定款を作成・申請すればいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、電子定款の作成は簡単ではありません。
定款の作成自体が面倒な作業であるだけでなく、電子定款の作成には専用の機器やソフトを用意する必要があるため、それらをすべて購入すれば必要以上のコストが発生してしまいます。自身で作成するのではなく、司法書士などの専門家へ依頼することで、費用を抑えながら法人・会社を設立できるでしょう。
なお「それでも自分で電子定款を作成したい」という場合は、以下の流れに沿って作成してtください。

電子定款の作成方法

専用機器やソフトが揃っていれば、自身でも電子定款の作成が可能です。基本的には、以下の流れで作業を進めていきます。
①定款を作成
②作成した定款をPDFファイルに変換
③電子証明書の発行手続き
④マイナンバーカードの読み込み
⑤PDFにした定款に電子署名をつける

ここからは、各工程について詳しく解説していきます。

定款を作成

電子定款の作成にあたっては、まずは定款の原本を作成します。電子データでのみ作成すればいいというものではないので注意しましょう。
定款の内容は定められており、会社設立の目的や商号、本店住所、出資額、発起人名、住所と記載が必須の項目が複数あります。誤りがあるかどうかを確認したいという場合は、公証役場へ依頼するのがおすすめです。

PDFファイルに変換

電子定款の原本となる定款を作成したら、そのファイルをPDFへ変換します。Wordを用いて定款を作成した場合は「.doc」あるいは「.docx」という拡張子のファイルとなっているはずですが、「.pdf」の拡張子がついたファイルへする必要があります。
しかし、ただPDFへ変換すればいいというものではなく、変換時に電子署名を挿入できるソフトウェアが必要となるため注意が必要です。代表的なソフトウェアとしては、Adobe社の「Adobe Acrobat」があげられます。

電子証明書の発行手続き

電子証明書の発行にあたっては、電子証明書つきマイナンバーカードが必要となります。「マイナンバーカードを保有していない」という場合はすぐに申請し、電子証明書つきのマイナンバーカードを取得しましょう。
マイナンバーカードを取得し、電子証明書の発行手続きを行えば電子証明書が利用可能となり、PDFへ変換した定款に電子署名を挿入することができるようになります。

マイナンバーカードの読み込み

マイナンバーカードの取得・電子証明書の発行手続きが完了すると、マイナンバーカードのICチップに電子証明書のデータが保管されることとなります。電子署名の挿入には電子証明書が必要となるため、ICチップの情報を読み込まなければなりません。
ICチップの情報の読み込みにはマイナンバーカード対応の「ICカードリーダライタ」を用いますが、さまざまな製品があるため非対応の製品を誤って購入しないように注意しましょう。

PDFにした定款に電子署名をつける

電子証明書を用いてPDFファイルに電子署名を挿入する際には、「JPKI利用者ソフト(利用者クライアントソフト)」をダウンロードする必要があります。ダウンロード・インストールが完了したら、ソフトを使用してPDFファイルに電子署名を挿入しましょう。JPKI利用者ソフトはWindows版とMac版が用意されています。

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【料金シミュレーター】会社設立の相場感がわかります

「会社設立にかかる費用を具体的に知っておきたい」という方は、料金シミュレーターを活用がおすすめです。いくつかの質問に回答するだけで、会社設立の具体的な相場感を把握することができます。

まとめ

この記事では法人・会社を設立する際に必要な費用の算出方法や費用相場、コストダウン方法を中心に紹介してきました。電子定款を作成すれば定款認証にかかる印紙代(4万円)を削減できるため、会社・法人設立費用を抑えることが可能です。しかし電子定款の作成には時間と手間がかかるだけでなく、専用のソフトウェアやICカードリーダライタを用意しなければならずかえって費用が膨らんでしまうことも。
費用や手間を抑えながら法人・会社の設立を進めるには、司法書士をはじめとする専門家のサポートを利用するのがおすすめです。しかし司法書士事務所によって費用は異なるため、ある程度正確な価格を把握するには複数の事務所から見積もりを取るのが一番の近道だと言えます。
「アイミツ」ではご要望を伺った上で、条件に合う複数の司法書士事務所を無料でご紹介可能です。会社・法人設立でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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