解雇制限とは?労災・育休などシーンごとに解説!【2024年最新版】
企業が人材を雇用する際は法令を遵守する必要があり、解雇に関するルールである「解雇制限」もその1つです。労務トラブルを避けるために「解雇制限について知りたい」という方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、解雇制限の概要やケース別の注意点、制限から除外されるケースなどについて詳しく解説していきます。
【関連ページ】
社労士への依頼にかかる費用・相場感や、あなたの目的別に社会保険労務士事務所をお探しいただけます。
社労士へ依頼する際の費用・相場
社会保険労務士事務所一覧
解雇制限とは
「解雇制限」は特定条件に当てはまる労働者の解雇を一定期間制限することで、労働基準法第19条によって適用・除外条件と期間が定められています。企業が容易に労働者を解雇できる環境は、業務上の怪我や病気によって休業する労働者、出産にともない休業する労働者に大きな損失を与える恐れがあるため、特定の条件に該当する労働者の解雇は厳しく制限されているのです。
条件 | 期間 |
業務上の怪我・病気・治療による休業 | 休業期間+再出社日から30日間 |
産前産後休業 | 産前休業6週間+産後休業8週間+その後30日間 |
解雇予告期間中に解雇制限が適用された場合も、解雇制限が優先されるため会社側は解雇することができません。
労災による解雇制限の場合
ここからは、労災(労働災害)による解雇制限の概要ならびに注意点に解説していきます。
休業中とその後30日間は解雇禁止
労災によって休業中の従業員は、休業期間とその後30日間は解雇制限の適用対象となることが労働基準法(※)によって定められています。労災には会社の過失が大きい場合と従業員の過失が大きい場合がありますが、いずれの場合も解雇制限が適用されます。なお、労災であっても休業せずに就業している従業員は適用外です。
※出典:e-GOV 法令検索 労働基準法第19条1項 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
通勤災害は適用外なので要注意
労災は通勤中の事故にも適用されますが、業務上の事故に該当しないため会社に責任はありません。したがって、通勤中の事故で怪我を負った従業員の休業は解雇制限の適用外のため注意が必要です。
通勤中の事故による怪我は、通常の怪我・病気と同様に就業規則で定められた休職期間が付与され、期間満了後も復職できない場合は従業員を解雇できます。
妊娠・育休による解雇制限の場合
つづいては、妊娠や育休(育児休暇)による解雇制限の概要と注意点について解説していきます。
労働基準法以外でも解雇が禁止されている
産休・育休による解雇は、労働基準法をはじめとするさまざまな法律によって制限されています。
労働基準法 | 産休中+産休明け30日間の解雇を禁止 |
育児・介護休業法 | 育児休業を理由とした解雇を禁止 |
男女雇用機会均等法 | 妊娠・出産を契機とした解雇を禁止 |
すべてを含めて考えると、妊娠・出産や育児休暇の終了後1年以内の解雇はこれらを契機としているとみなされ、違法となる可能性が高くなります。合理的な理由のある整理解雇などは可能なケースもあるようですが、よほどの理由がない限りは避けるのが無難でしょう。
退職勧奨も法律違反
従業員に自主的な退職を勧める「退職勧奨」が実施されるケースもありますが、出産を理由に退職を勧めるのは男女雇用機会平等で禁止されているため注意が必要です。近年は政府が女性の社会進出推進を主導していることもあり、妊娠・出産や育児を理由とした不当な扱いはマタニティハラスメントとして扱われることも。気づかったつもりでもそれがトラブルの要因になる可能性もあるので、妊娠・出産、育児はデリケートな課題として捉えなければなりません。
「自社にあった社労士が見つからない」「社会保険労務士事務所選びに時間が割けない」とお悩みの方は、お気軽に「アイミツ」にお問い合わせください。数ある社会保険労務士事務所からあなたの要望にあった会社をピックアップして無料でご紹介いたします。
解雇制限が除外となる2つのパターン
一定の条件を満たすと解雇制限が除外されます。ここからは、解雇制限が除外される2つ条件について解説します。
・打切補償
雇用者(企業)が従業員に対する休業・療養保障などの義務を放棄する代わりに「打切補償」として平均賃金の1,200日分を支払うと雇用契約の解除が可能です。業務上の怪我や病気で療養している従業員が3年経過ごも回復しないという条件も含まれます。
・天災事変等による事業の継続不可能
地震や火災などの不可抗力な要因によって事業の継続が不可能になった場合に解雇制限の除外が可能です。
なお、いずれも会社側が恣意的に解雇制限除外ができないように、所轄の労働基準監督署による認定を受ける必要があります。
解雇が禁止される条件はほかにもあるため注意しよう
解雇制限のほかにも、従業員の解雇はさまざまな法律によって禁止されています。
<差別に起因する解雇の禁止>
労働基準法などによって以下のような差別的な解雇は禁止となっています。
・国籍・信条・社会的身分を理由とする解雇
・組合員であること等を理由とする解雇
・性別を理由とする解雇
・通常の労働者と同視すべき短時間労働者の解雇
・障害者であることを理由とする不当な解雇
<会社の法令違反を通報したことによる解雇の禁止>
労働基準監督署への法違反の申告や公益通報、労働局への派遣法違反申告など、従業員が会社の法令違反を通報したことによる不当な解雇は禁止されています。
<法律上の権利行使を理由とした解雇の禁止>
育児介護休業法上の権利行使やハラスメントの相談、男女雇用機会均等法による紛争解決援助を求めることなど従業員が法律上の権利を行使を理由とした解雇は禁止されています。
労務トラブルを防止するには社労士への相談がおすすめ
労働者は労働基準法によって保護されており、解雇をはじめとする労使トラブルへの対応は困難なものです。訴訟に発展するケースも少なくないので、できるだけ労使トラブルを未然に回避することが重要といえるでしょう。
労使トラブルの防止に取り組む際には、豊富な経験や知識を持つ社労士へ相談するのがおすすめです。トラブルが起こりやすい環境やトラブル時の対処法も熟知しているので、状況に適したトラブル防止策・対処法の提案が期待できます。
【まとめ】労使トラブルに強い社労士選びに迷ったらアイミツへ
企業が労働者を雇用する際は、法令で定められたルールを遵守しなければなりません。特に労働者の生活をおびやかす解雇には厳しい制限が設けられているため、無自覚に不当な解雇におよばないためにも解雇制限について理解しておく必要があるでしょう。また、解雇をはじめとする労使トラブルの解決には法律に関する知識や経験が求められるため、自社での対応が難しい場合は専門家のサポートの活用も視野に入れることをおすすめします。
「アイミツ」ではご要望を伺った上で、条件に合う社会保険労務士事務所を無料で複数ご紹介可能です。社労士選びでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
【相談前にまずは事務所の一覧を見たいという方はこちら】
社会保険労務士事務所一覧
【費用感を知りたいという方はこちら】
社労士へ依頼する際の費用・相場
社会保険労務士事務所探しで、こんなお悩みありませんか?
-
一括見積もりサイトだと
多数の会社から電話が・・・ -
相場がわからないから
見積もりを取っても不安・・・ -
どの企業が優れているのか
判断できない・・・
PRONIアイミツなら
発注先決定まで
最短翌日
- 専門コンシェルジュが
あなたの要件をヒアリング! - 10万件の利用実績から
業界・相場情報をご提供! - あなたの要件にマッチした
優良企業のみご紹介!