労働時間管理とは?基礎や必要な措置を解説【2024年最新版】
労働安全衛生法の改正により、「企業が従業員の労働時間を客観的に把握する」ことが義務化されました。今回は現行の法律などに則り、労働時間管理を適切に進めるためのポイントをわかりやすく管理します。
労働時間管理の基礎知識から具体的な方法に至るまで、押さえておきたい要点をまとめます。ぜひ参考にしてください。
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労働時間管理とは
働き方改革関連法案のひとつである「労働安全衛生法」の改正に伴い、2019年4月1日より「企業が従業員の労働時間を客観的に把握すること」が義務化されました。この義務化により「労働時間に係る規定(労働基準法第4章)が適用される全ての事業場」は従業員の労働時間を客観的な方法で記録しなければならなくなり、そのために必要となる作業や運用はまとめて「労働時間管理」と呼ばれています。
従来から企業による労働時間の把握に関するガイドラインは設けられていましたが、前述の改正に伴い、企業は法令で定められた方法で労働時間を客観的に把握する義務を負いました。そのため、企業によっては従来実施していた労働時間把握方法・管理方法などを見直さなければならないケースもあります。
労働時間管理にあたって必要な措置
労働時間管理のためには、以下で解説する複数の措置をクリアする必要がありますので順に解説します。
勤務時間の記録・確認
労働時間管理では「企業が従業員の労働時間を客観的に把握」する必要がありますが、具体的なポイントは以下の2点です。
①始業および終業時間の確認と記録
始業および終業時間をそれぞれ記録します。単にトータルの労働時間を把握するだけでは「残業の割合」「休日出勤」などのイレギュラーな割増賃金の計算に対応できないため、労働日ごとに始業時間・就業時間をセットで記録する必要があります。
②客観的に記録されていること
労働時間管理には客観性が求められるため、原則「従業員それぞれの自己申告による労働時間の管理」は認められていません。タイムカードやPCなどのシステムと連携した上で始業・終業時刻を記録するなど、客観的な勤怠管理環境を求められます。ただし、「自己申告制が完全にNG」というわけではなく、やむを得ず自己申告制を採用するしかない場合は従業員への周知や運用方法のルール化など、特定の措置を講じることで自己申告制が認められます。
項目別・労働時間の賃金台帳への記入
労働時間管理を実施する際は、人事・労務上に欠かせないものであり、法律によって作成・管理・保存が義務付けられている法定帳簿(法定三帳簿)のひとつ「賃金台帳」の各項目に労働時間を記入しなければなりません。
【賃金台帳への主な記入項目】
・労働日数
・休日労働時間数
・時間外労働時間数
・深夜労働時間数
上記からもわかるとおり、賃金台帳には単に労働時間を記録すれば良いわけではなく、給与計算にあたって必要な事項をすべて記入する必要があります。違反した場合は罰則の対象となるため注意しましょう。
労働時間に関する書類は5年間保存
労働時間管理では、日々の労働時間の記録を一定期間保存することも義務付けられています。従来は保存期間が3年に設定されていましたが、2020年4月に施行された「労働基準法の一部改正」によって5年に延長されました。
また保存義務の対象はタイムカードなどの出勤簿だけでなく、賃金台帳や残業命令書をはじめ、労働時間関連の書類すべてです。なお、保管期間は「各書類へ最後に記載された日からカウントして5年間」であるため、期間を間違えて破棄してしまうことのないよう管理・保存のルールを整理しましょう。
適切な労働時間の管理・適正化に取り組む
労働管理では「労働時間を把握した上で賃金を支払うこと」に留まらず、適切な方法による労働時間の管理、労働時間などに関する問題点の把握および問題発生時の対策についても事業者は義務を負っています。
したがって、長時間労働の実態が明らかになった際などに、事業者は問題点を解消するため何らかの措置を講じなければなりません。このような部分までカバーするには、事前に労働時間管理に関するマニュアルやガイドラインを用意しておくことが大切です。
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より正確な労働時間管理を実現するためのポイント
適切な労働時間管理を実現するためには、従業員の協力だけでなく社内できちんと環境を整えておくことが重要です。
従業員の打刻もれが発生しにくい環境づくり
従業員の打刻もれが頻発に発生するような状況では、適切な労働時間管理は難しいでしょう。もちろん打刻もれの原因が従業員自身にあるケースも少なくありませんが、まずはすべての従業員が「出勤・退勤時間を打刻しやすい環境」を整えることを最優先に考えましょう。
自社の環境に合った勤怠管理システムやコミュニケーションツール(LINEなど)を活用した打刻システムの導入など、社内環境を整えて打刻もれの可能性を減らしましょう。
就業規則・労使協定を見直す
社内環境が大きく変わっているにもかかわらず、就業規則や労使協定は起業時に策定した状態のままなど、企業によっては実情とギャップがあるケースも珍しくありません。
これらの規則・規定と異なる業務命令は出せないため、適切な労働時間管理を実現するためには就業規則や労使協定の内容を見直す必要があるかもしれません。その他にも既存の社内ルールやマニュアルなどがある場合は、必要に応じて調整しましょう。
労働時間管理に困ったら社労士に相談するのがおすすめ
労働安全衛生法の改正に伴い、労働時間管理には以前にも増して厳格な対応を求められるようになりました。ただし、法的な要件を満たす労働時間管理を実現するには、法令に対する理解だけでなく就業規則や労使協定の見直しなど、専門的なノウハウを求められる場面も多いでしょう。
違反した場合は罰則の対象となるため、不明点や疑問点を持ったまま進めるのはリスキーです。必要に応じて、人事労務の専門家である社労士に相談しましょう。
まとめ
労働時間管理は業種・規模を問わずあらゆる企業に義務付けられていますが、適切に実現するためには現状を把握するとともに、必要に応じて社内環境の整備や各種規定の見直しなどを行わなければなりません。専門的なノウハウを求められる場面も多いため、専門家に相談するのが得策です。
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