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雇用保険被保険者証とは?必要な場面や他の書類との違いを解説【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

「雇用保険被保険者証」は企業・労働者双方にとって重要な書類ですが、類似した書類も多いため、概要や違いがよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、発行場所や記載内容、加入条件といった雇用保険被保険者証の概要を解説するとともに、健康保険証・離職票との違い、関連する手続きの内容などを分かりやすくまとめます。雇用保険の手続きについて詳しく知りたい方に役立つ情報もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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雇用保険被保険者証の概要

雇用保険被保険者証とは、分かりやすくいえば「雇用保険の加入者であることを証明する書類」です。健康保険の場合は一人ひとりに保険証が発行されますが、同じように雇用保険でも同じような証明書が発行されているとイメージすれば分かりやすいかもしれません。まず、雇用保険被保険者証の基礎的な概要を解説するので順にチェックしてみましょう。

発行場所

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入している従業員それぞれに1枚ずつハローワーク(公共職業安定所)より発行されます。なお、手続きは従業員を雇用している企業が行うため、企業側が所定の手続きを行った後にハローワークから雇用保険被保険者証が発行され、その後対象となる従業員に手渡しで配布されるのが一般的な流れです。

記載内容

雇用保険被保険者証は発行場所によって若干の違いはあるものの、基本的に以下の内容が記載されています。
・被保険者番号
・従業員の氏名、生年月日
・資格取得年月日
・事業所名

ちなみに被保険者番号は雇用保険加入者一人ひとりに割り振られるものですが、勤務先が変わった場合でも同一の番号が引き継がれます(退職後、7年以上にわたり雇用保険適用下に勤めていない場合は、被保険者番号が抹消される)。

保管場所

雇用保険の加入手続きが完了すると以下の3点が発行されます。
1.雇用保険被保険者証
2.用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)
3.雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)

このうち、3番目の通知書以外は従業員に交付されるものであるため、原則として本人に渡しますが、雇用保険被保険者証は退職時まで使用する機会がほとんどありません。そのため、個々の判断で紛失しないように企業側が保管するケースもあります。

加入条件

従業員が雇用保険へ加入するには、以下の条件両方を満たしている必要があります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上である
・31日以上継続した雇用が見込まれている

この条件を満たす限り正社員はもちろん、契約社員やパート、アルバイトなども分け隔てなく、雇用保険に加入できる権利を持ちます。条件を満たしているにも関わらず対象の従業員を雇用保険に加入させない場合は雇用保険に抵触することとなり、企業側に罰則が与えられる可能性があるため注意が必要です。また、派遣社員の場合は派遣元の派遣会社で雇用保険に加入する形となるほか、企業の取締役などは「雇用されている従業員ではない」という扱いとなるので、基本的には雇用保険への加入が認められません。

雇用保険被保険者証と健康保険証・離職票の違いとは?

同じ証明書であり名称が似ている保険証、また雇用保険の関係書類である離職票などは雇用保険被保険者証とどのように違うのでしょうか。これらの書類は見た目だけでなく、取得場所や役割などさまざまな違いがあるので、比較しながらそれぞれの違いを解説します。

健康保険証との違い

健康保険証(正式には「健康保険被保険者証」)とは、健康保険に加入している事実を証明する書類です。一方の雇用保険被保険者証は雇用保険に加入している事実を証明する書類ですので、両者はそもそも「加入している保険の種類」が異なります。健康保険と雇用保険、それぞれの概要を以下にまとめるので比較してみましょう。
・健康保険:業務外または通勤外の負傷、疾病、出産などにかかる費用を支援するための保険
・雇用保険:失業や自主的に行う教育訓練、雇用の継続、育児休業などを支援する保険

ご覧のとおり雇用保険はあくまで「雇用」に関わる保険制度となっており、健康や病気に関わる医療面の負担を支援する健康保険とは役割が異なります。その他「外見」「発行場所」「保管者」「用途」などの違いについても以下の比較表にまとめたので参考にしてください。

雇用保険被保険者証と健康保険証の違い
健康保険証 雇用保険被保険者離職票
外見 主にカード型で、紙やプラスチック製 横長の紙
取得場所 協会けんぽ、健康保険組合 ハローワーク
保管者 従業員 従業員(例外として企業が保管する場合も)
主な用途 ・従業員が医療機関にかかった際
・身分証明書
・入退社時
・教育訓練を受ける際

離職票との違い

まずは離職票と雇用保険被保険者証の概要をまとめますので違いを比較してみましょう。
・離職票:雇用保険に加入している従業員が離職した際に発行される書類で、ハローワークから失業手当(失業保険)の受給を受けるために必要となる
・雇用保険被保険者証:雇用保険に加入している事実を証明する書類

離職票は、雇用保険に加入している従業員が退社した後に「企業側が管轄のハローワークで手続き→ハローワークから離職票が発行→企業が送付」という流れで従業員の手元に届きます。失業手当の受給を希望する場合に離職票は必須の書類ですが、転職先や起業などがすでに決まっている場合は失業保険の受給対象ではなくなるため離職票も不要です。
つまり、離職票は必ずしも発行される書類ではなく、雇用保険に加入した全ての従業員に発行される雇用保険被保険者証とは性質が異なります。その他、「外見」「発行場所」「保管者」「用途」などの違いを以下の表にまとめたので比較してみましょう。

雇用保険被保険者証と離職票の違い
離職票 雇用保険被保険者離職票
外見 A3の2つ折り、もしくはA4の紙 横長の紙
取得場所 ハローワーク ハローワーク
保管者 従業員(企業から送付) 従業員(例外として企業が保管する場合も)
主な用途 退職後の失業保険受給手続き ・入退社時
・教育訓練を受ける際

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雇用保険被保険者証が必要なケースとは?

雇用保険被保険者証は雇用保険に加入していることを証明する書類であると述べましたが、具体的にはどのような場面で必要となるのでしょうか。主に以下2つのケースが該当するので、順に見ていきましょう。
1.新しく従業員を雇用するとき
2.従業員が退職するとき

新しく従業員を雇用するとき

このケースは、企業側にとって雇用保険被保険者証が必要となる場面を指します。前述のとおり、雇用保険は「1週間の所定労働時間が20時間以上である」「31日以上継続した雇用が見込まれている」という2つの条件を満たす場合に加入するものなので、企業は従業員を新たに雇用する場合、雇用保険加入の手続きを行う必要があります。ただし、対象の従業員が「すでに雇用保険に加入している」「初めて雇用保険に加入する」場合で手続きの内容は異なります。

・すでに雇用保険に加入している場合:以前の職場で従業員が受け取った雇用保険被保険者証を提出してもらった上で、引き継ぎを行う
・初めて雇用保険に加入する場合(新卒者など):必要書類を所轄のハローワークに提出して加入手続きを行う

従業員が退職するとき

このケースは、従業員側にとって雇用保険被保険者証が必要となる場面を指します。利用シーンは主に以下2つに分類されるので、順にチェックしてみましょう。

1.教育訓練給付の支給申請を行う場合:雇用の安定や促進を目的として労働者の主体的な能力開発、キャリア形成などの取り組みを支援する制度。厚生労働大臣指定の教育訓練を終了すると、受講費用の一部が支給される。この際、雇用保険の被保険者番号が必要となる
2.従業員が転職する場合:転職先で新たに雇用保険へ加入することとなるが、雇用主が変わっても被保険者番号は変わらないため、退職時に返却された雇用保険被保険者証を転職先へ提出する必要がある

雇用保険の手続きは社会保険労務士に依頼できる

業員の入退社時には雇用保険以外にもさまざまな手続きが必要となります。もちろん自社で全ての手続きを完結すること自体は可能であるものの、従業員との書類のやりとりや書類作成、提出など複数の工程が存在するため多くの手間や時間がかかるのも事実です。また、適切なタイミングで正しく手続きを完了させるには、ある程度の知識や経験が求められるもの。スムーズに進めるためには、労働保険・社会保険関連の専門家である社会保険労務士に依頼するのも選択肢の1つでしょう。

社会保険労務士の費用相場

社会保険労務士との契約には、大きく2つの契約方法があります。顧問契約は毎月継続して社会労務関連の仕事全般を行う契約です。労働保険・社会保険諸法令に基づいた書類の作成、ならびに提出代行を中心に、人事労務に関する相談やアドバイス、細かな指導や情報提供などをメインに行います。
一方、労務手続き+相談業務がセットになったのが、通常の顧問契約です。また社労士事務所によっては顧問契約を個別に分けているところもあります。労務手続きのみ、あるいは相談業務のみという場合には、包括的なプランと比較して30~50%ほど費用を抑えられるでしょう。

社労士は依頼内容や従業員数などによって報酬が変わるので、「依頼前に社会保険労務士の費用相場についてもっと詳しく知りたい!」という方は、以下の記事をチェックしてください。

【まとめ】社労士選びでお悩みならアイミツへ

雇用保険被保険者証は一定の条件を満たす従業員一人ひとりに発行する必要があり、入退社や教育訓練給付金の支給申請時などに手続きが必要となります。その他の社会保険関連の手続きなども含めると多くの手間がかかってしまうので、手続きに慣れていない場合は専門家である社会保険労務士に依頼することも視野に入れましょう。もしも社会保険労務士選びでお悩みの際には、アイミツにお問い合わせください。

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