メンタルヘルス不調を事前に防ぐ|意味とケアの基本を解説【2024年最新版】
メンタルヘルスとは何かを詳しく紹介すると共に、メンタルヘルスが原因となる病気の症状や対策、企業がすべきメンタルヘルス対策などを解説します。10万件以上の利用実績をもつ発注業者比較サービスアイミツのデータからご紹介。ぜひ発注先選びの参考にしてください。
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メンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、文字通り「心の健康」を意味します。世界保健機関のWHOでは、「メンタルヘルス」に対し以下のような文言を載せています。
「良好な精神的健康は、精神的および心理的な幸福に関連しています。個人および社会全体の精神的健康を改善するための WHO の活動には、精神的健康の促進、精神障害の予防、人権の保護、および精神障害に苦しむ人々のケアが含まれます。」
引用:WHO「Mental health」https://www.who.int/news-room/facts-in-pictures/detail/mental-health
このことからも「メンタルヘルス」は、世界的に重要視され「ケア」が必要とされている問題であることがわかります。心の適切なケアを怠りストレスがたまると、メンタルヘルスが悪化し、うつ病や睡眠障害などを引き起こします。仕事に関連した悩みを抱えている人も多く、メンタルヘルスは社会問題の1つになっているのです。メンタルヘルスの問題を抱えた従業員は病気になったり、早期退職になるケースもあるため、企業として適切に対応することが望まれます。
メンタルヘルス不調が引き起こす病気
メンタルヘルスの不調が引き起こす病気には、以下のようなものがあります。
・うつ病
・パニック障害
・適応障害
・睡眠障害
・依存症 など
病気のメカニズムは異なるものの、メンタルヘルスの不調が原因の病気は時間が経つにつれて悪化し、回復しにくくなる傾向にあります。企業として早期に発見・対応できる仕組み作りが必要です。それぞれの病気の症状や原因、治療方法について以下で紹介します。
うつ病
うつ病は、抑うつ状態が長く続く病気です。以下のような症状が発生します。
【うつ病の主な症状】
・生活や仕事を楽しめない
・落ち込みが激しくなる
・自分自身が価値のない人間だと感じる
・ポジティブな思考ができない
・常にネガティブなことを考えている
うつ病の原因は、仕事量の多さや価値観の違い、人間関係の悩みなど多岐にわたります。治療は休養と薬物療法、カウンセリングなどが行われます。うつ病が悪化すると社会復帰が遅くなるばかりか、自殺などにつながる恐れもあるため注意が必要です。
パニック障害
パニック障害は、不安が急に大きくなり、自分自身を抑えられなくなる病気です。以下のような症状が発生します。
【パニック障害の主な症状】
・理由もなく急に大きな不安に襲われる
・めまい、動悸、発汗、呼吸困難が起こる
・イライラ、興奮、倦怠感を感じる
・パニック障害への不安から引きこもりがちになる
脳機能異常が主な原因と考えられていますが、明確には究明されていません。治療では薬物療法や精神療法が行われます。一度治ったと思っても、半年後や1年後に再度パニック障害に襲われることもあります。パニック障害はできる限り早い段階で専門家に相談するなど、重症化する前に対応するのがおすすめです。
適応障害
適応障害は、ある特定の場面や状況において心がかき乱される病気です。例えば、ある上司と仕事をする際に情緒不安が発生するものの、その原因を取り除けば解決される場合があります。
【適応障害の主な症状】
特定の場面において
・極度の抑うつ気分や不安感を感じる
・怒りや神経過敏、めまい、発汗などが発生する
・自分を抑えられず、暴力や暴言を引き起こす
新しい環境に適応できなかったり、特定の場面もしくは人物によって大きなストレスを感じるのが原因と考えられています。治療は休養やカウンセリングなどが一般的ですが、一番の解決策は発生原因から離れることです。
睡眠障害
睡眠障害は、睡眠が関係した病気の総称です。「眠れない」だけでなく、意図せずに「眠ってしまう」のも睡眠障害に位置づけられます。
【睡眠障害の主な症状】
・夜眠れない
・食事中や会議中などに極度の睡魔に襲われる
・夜中に何度も目が覚める
・いびきにより呼吸が苦しいと感じる
・睡眠不足により健康が悪化する
極度のストレスや生活習慣、精神疾患、薬の副作用などが原因で引き起こされます。治療は専門家によって原因の究明が図られ、原因に合わせて薬物療法やカウンセリング、生活習慣の見直しなどが行われます。
依存症
依存症は、アルコールや薬物、特定の行動や食べ物などへの依存が止められなくなる病気です。以下のような症状が発生します。
【依存症の主な症状】
・アルコールやタバコ、薬などを必要以上に摂取してしまう
・依存物の助けがないと自分の気持ちをコントロールできない
・必要以上に接種しすぎることにより心身に大きな影響が生じる
依存症は、メンタルヘルスの悪化により生じる不安や職場でのストレスが原因となる場合もあります。治療には専門家のカウンセリングや入院、共同生活による依存物からの隔離などが一般的です。依存症は自制心だけの問題ではなく、メンタルヘルスが原因のれっきとした病気のため、適切な処置が必要とされます。
企業内で見受けられるメンタルヘルス不調を示す変化
メンタルヘルスが原因となる不調は、いきなりではなく徐々に悪化していくのが特徴です。そのため、企業内で従業員の行動や体調の変化をしっかりと観察し、必要に応じて適切なアプローチを行うことで、メンタルヘルスが原因となる病気を事前に防げます。企業内で見られる従業員の変化には以下のようなものがあります。
・出退勤の変化
・パフォーマンスの変化
・行動の変化
・体調の変化 など
これらの変化を早期に発見し、対策ができれば、従業員のメンタルヘルス問題を防げます。それぞれについて詳しく紹介します。
出退勤の変化
遅刻や早退が増加したり、これまでにはなかった無断欠勤が発生したりする場合には注意が必要です。メンタルヘルスの不調により、仕事へのモチベーションが保てなくなっている恐れがあります。また、不調の場合に作業効率が悪化する傾向にあり、仕事量は変わっていないにもかかわらず退勤時間が遅くなる場合もあります。出退勤の実態を客観的に把握するとともに、出退勤時の表情や行動などを注意深く観察し、従業員の変化に早めに気づくことが重要です。
パフォーマンスの変化
パフォーマンスの著しい低下もメンタルヘルス不調の兆しです。会議中の発言が極端に減少したり、依頼した仕事のスピードが低下したり、会話中に集中力が欠如したりしている場合は、メンタルヘルスの不調を抱えている場合があります。特に、これまでは会議などで積極的な発言をしていた人が発言しなくなったり、会議を頻繁に欠席したりする兆候が見られた場合には、メンタルヘルスの問題を疑うとよいでしょう。
行動の変化
メンタルヘルスの問題を抱えている場合、行動に変化が生じる場合があります。例えば、身だしなみを気にしなくなった、挨拶の表情が重い、集団で集まる機会を避けるなどの変化が生じます。怒りっぽくなったり、無気力になったりする人もいます。メンタルヘルスは行動に大きな影響を与えるため、行動の変化が原因となってメンタルヘルスの問題が明らかになることも多々あります。ただし、常日頃から接している同僚では小さな変化に気づけない場合もあるため、上司や管理職も従業員の行動変化に気を配るとよいでしょう。
体調の変化
従業員が身体の不調を訴えた場合には、同時にメンタルヘルスの問題にも気を配るとよいでしょう。メンタルヘルスが悪化した場合、背中・腰の痛みや肩こり、だるさなど、風邪に似たような症状が現れる場合があります。心身相関という言葉もあるように、心と体は密接に関連しています。身体の不調が原因でメンタルヘルスが悪化する場合もあります。従業員の身体の状態を把握するために、定期的に定期検診を企画したり、福利厚生を充実し心身ともにリフレッシュできるような職場環境を作ることが大切です。
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企業に求められるメンタルヘルスケアの対応
職場のストレスは、仕事の量や質、労働時間、責任など、従業員の努力だけでは解決できない場合が多々あります。そのため、企業が率先してメンタルヘルスケアの取り組みを行うのが重要です。従業員のメンタルヘルスが良好であれば、従業員の早期離職や休職を防ぐだけでなく、従業員のパフォーマンスアップにつながります。結果として企業により多くの恩恵をもたらしてくれます。
企業がメンタルヘルスケアを行う場合には、基本的なメンタルヘルスケアを行うのと同時に、メンタルヘルスの問題を早期に発見できる体制づくりが重要です。
基本的なメンタルヘルスケア
企業によるメンタルヘルスケアは、主に以下の項目に沿って実施する必要があります。
・セルフケア
・ラインケア
・事業所内産業保健スタッフによるケア
・事業所外の専門家や機関を活用したケア など
これまでは企業におけるメンタルヘルスケアは、セルフケアが中心でした。しかしながら昨今、メンタルヘルスの不調を抱える従業員が急増したことで、ラインケアや企業内外の専門家によるサポートが重要視されています。それぞれについて詳しく紹介します。
セルフケア
セルフケアは、一人ひとりがメンタルヘルスについての正しい知識を身につけ、自身のストレスに気づいて対処をする方法です。メンタルヘルスの状態を一番理解しているのは自身であることから、セルフケアに重点を置くことが最も重要といえます。ただし、職場のストレスは個人だけでは対処できないことも多々あります。また、真面目な人ほど、問題を自分の能力不足だと感じ、誰にも相談できずに悩んでいる場合も多々あります。企業としては、セルフケアの重要性を強調するとともに、下記で紹介する企業ができる対策に力を入れるとよいでしょう。
ラインケア
ラインケアは、企業が組織的に実施する各種ケアです。職場環境の把握や改善、労働者からの悩み相談の受付、休息しやすい労働条件、定期的な健康診断の実施などがラインケアにあたります。従業員が自分の心の状態を把握したり、困りごとを早期に相談したりできる体制・環境づくりに重点が置かれています。メンタルヘルス問題には不調の早期発見が効果的であることから、昨今では定期的なアンケート調査や面談などによって、従業員のメンタルヘルスの状況を把握する取り組みが大きな成果を発揮しています。
事業所内産業保健スタッフによるケア
産業医が中心になって行うケアの重要性も高まっています。以前は産業医には簡単には相談できない風潮がありましたが、昨今では産業医と従業員の関係性をうまく構築してメンタルヘルスの問題に対応している企業も増えています。産業医が中心となり定期的なガイダンスや情報発信を行うことで、従業員一人ひとりのセルフケアを高められます。また、困ったことがあった際にはメールやオンライン面談などで気軽に相談でき、専門性の高い対応を気軽に受けられるのも魅力。ただし、産業医に相談した内容は企業内でも共有されるため、産業医には相談したくないという従業員も多いようです。その場合には、以下で紹介する事業所外の専門家に相談できる仕組みを構築するとよいでしょう。
事業所外の専門家や機関を活用したケア
企業外の専門機関によって情報提供やアドバイス、支援などのケアを行うのも重要です。産業医に相談した場合には内容が企業に伝わります。一方で企業外の専門機関であれば情報が漏れないため、安心して相談できるというメリットがあります。メンタルヘルスに対応できる専門機関は増えてきているため、従業員の有給取得を促す、必要に応じて医療機関を受診するようにすすめるなどの対策を取ることで早期発見と対応につながります。
ストレスチェック制度など早期に気付ける仕組みの導入
メンタルヘルスは、対処や治療以上に早期発見が大切です。ただし、メンタルヘルスの不調は外部からは見えづらいため、自分の声を聴いたり、心の状態を客観的に把握したりするストレスチェックが重要。ストレスチェック制度を設け、3ヵ月に1回の頻度でストレスチェックを行ったり、数値が悪化している従業員に対して面談を設けたり、必要に応じて産業医への相談を促したりすることで、メンタルヘルス不調の早期発見が期待できます。ただし、ストレスチェックは質問項目によっては従業員のやる気をそいでしまったり、メンタルの不調を正しく反映できなかったりする場合もあります。そのため、ストレスチェック制度を設ける際には、専門家のアドバイスを受けつつ進めるとよいでしょう。
メンタルヘルス不調の社員への配慮は会社の義務です
労働安全衛生法の一部改正により、企業におけるストレスチェックや必要に応じたメンタルヘルス対策が義務づけられています。企業は適切なメンタルヘルス対策を行わない場合、国から指導が入る場合があります。
また、メンタルヘルスの問題を抱える従業員への対応はより厳しくなってきています。従業員から問題提起があったにもかかわらず職場の改善がみられない場合や、メンタルヘルスの原因が明らかに企業側にある場合には、損害賠償責任を問われる場合もあります。メンタルヘルスに関する仕組みづくりができていない場合には、早急に対策を図ることをおすすめします。
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本記事では、メンタルヘルスが原因で起こる病気の紹介と、企業ですべきメンタルヘルス対策について紹介しました。メンタルヘルスの問題を抱える従業員は多く、企業が適切な対応をしなければ休職や早期退職につながる恐れがあります。一方で、企業でどのような対策を講じればよいのかお困りの方も多いことでしょう。
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