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社会保険の加入手続き方法|社会保険の種類も併せてご紹介!【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

社会保険は法人だけでなく、たとえ規模の小さい個人事業だったとしても、従業員を雇っている場合には大きく関わってくるものです。社員の雇用や日常生活を支えることにもつながるので、きちんと対応していかなければなりません。
そこで今回は、社会保険の加入に向けた手続きについて解説。社会保険の種類をはじめ、対象となる事業形態や従業員の働き方なども、あわせてご紹介していきます。

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社会保険とは

社会保険とは、労働者の将来的なリスクや老後の暮らしなどに備えて、一定の保険料を負担することで保障していくシステムです。雇用されている労働者は、規定の条件に該当していれば、社会保険に加入することになります。社会保険が適用される法人や労働者が保険料を出し合うことで、互いに社会生活を支え合うという仕組みです。
社会保険に加入することで、例えば従業員がやむを得ない事情で働けなくなった場合などに、金銭面を支援することができます。従業員が安心して勤務しやすい環境を作るうえで、大きな役割を果たす仕組みです。

社会保険の対象者

社会保険は、たとえ代表者1名の企業であっても、全法人に加入義務があります。ちなみに法人化していない個人事業であっても、常時従業員5名以上が勤務する場合には、社会保険に加入しなければなりません。代表者・役員や正社員であれば、必ず加入対象になります。また非正規雇用者であっても、正社員の週労働時間の4分の3以上勤務する従業員なら、社会保険の対象です。
なお一定規模以上の法人になると、社会保険の対象となる従業員の幅はさらに広がります。具体的には、以下4つに当てはまる従業員なら、パートやアルバイトなどの短時間労働者でも社会保険の加入対象です。

[1]週の勤務時間が20時間以上
[2]1カ月の賃金合計8.8万円以上
[3]勤続期間の見込みが1年以上
[4]学生以外


ちなみに今までは従業員数501名以上の場合、非正規雇用も含めて適用要件を満たす全員が加入する規定でした。ただし現在は法改正が進み、2022年10月からは101名以上、2024年10月からは51名以上の企業まで拡大。加入対象者の条件も、[3]については、2カ月以上に緩和されます。

社会保険の種類

社会保険とは、社会生活の保障に関わる各保険を総称しており、実際には次のような種類に分けられます。

・医療保険
・年金保険
・介護保険
・雇用保険
・労災保険(労働者災害補償保険)


上記の5つをまとめて社会保険としているケースが多いです。場合によっては、医療保険・年金保険・介護保険の3つを指して、社会保険としているケースも。その際には、残りの雇用保険・労災保険については、労働保険と呼ばれます。
以下からは、上記5つの保険に関して、それぞれの内容や役割などを確認していきましょう。

医療保険

医療保険とは、例えば企業に雇用されている従業員の場合は、健康保険に該当するものです。そのほかにも、公務員や教職などが対象となる共済保険、船舶関連労働者向けの船員保険、自営業者や他の医療保険に加入していない社会人が入る国民健康保険といった種類があり、これらを総称して医療保険と呼びます。
医療保険は、治療関連の自己負担費用を軽減できる制度です。具体的には6歳~70歳未満の加入者なら、負担額を3割に減らすことが可能。また70歳以上や義務教育就学前の年齢の場合であれば、さらに自己負担率は下がります。なお70歳以上の高齢者では所得によって自己負担率が変動しますが、6歳~70歳未満の層では世帯などの収入額に関係なく一定の3割負担です。

年金保険

年金保険とは、65歳未満の現役労働者世代が保険料を支払うことで、高齢者層の年金給付に充当するものです。もちろん働いている時に負担した保険料に応じて、老後になったら自分自身も年金を受け取れる仕組みになっています。
なお年金保険には2つの種類があり、まずは基礎年金と呼ばれる、20歳~60歳未満の全員が入る国民年金。国民年金は原則所得に関係なく加入義務があり、働いていない学生も対象です。さらにもう1つは、会社員などの雇用者が加入できる厚生年金があり、老後には基礎年金と合わせた金額の年金給付がされます。厚生年金のほうが受給できる金額は大きくなるのが特徴です。

介護保険

介護保険とは、主に中高齢者層の介護に関わるもので、社会保険の中の医療保険に加入している満40歳~64歳の全員が入ります。基本的には、健康保険などの医療保険料に合わせて徴収されるものです。ちなみに65歳以上になると、原則は年金から天引きされます。
介護保険に加入していれば、40歳~64歳の期間で老化による疾病から要介護・要支援となった際に、介護サービス利用料を1割または2割負担に軽減。老化による疾病とは、例えばガンや関節リウマチなどが対象になっています。また65歳以上になると、特定の病気でなくても、要介護・要支援の認定を受けたら各種サービスを受けることが可能です。

雇用保険

雇用保険とは、労働者の失業中の生活や就業に向けた支援に関わるものです。なお雇用保険については医療・年金・介護の3つの社会保険とは異なり、事業所の規模に関係なく1人でも従業員がいれば、必ず加入してもらう義務があります。
雇用保険によって受けられる給付金として挙げられるのは、労働者の失業期間中に賃金の一部が支払われる基本手当のほか、就職促進給付・教育訓練給付・高齢者向けの雇用継続給付など。
このように雇用保険は、労働者の生活を最低限保障する役割を持つ保険です。例えば会社の倒産によって、従業員を解雇せざるを得なくなった時などにも役立ちます。

労災保険

労災保険(労働者災害補償保険)とは、業務に関係することから労働者がケガをしたり病気になったりした場合に、通院や治療の費用をはじめとした補償をするものです。労災保険も雇用保険と同様に、従業員を雇っているすべての事業所に加入義務があります。先ほども出てきた雇用保険と労災保険の2つは、労働保険として必ず入らなければならないと覚えておきましょう。
労災保険が適用されるケースとしては、例えば通勤中に事故に遭ったり、担当する作業によって生じる過度な有害物質から疾病を引き起こしたりした場合など。補償内容については大きく分けると、遺族給付・療養給付・休業給付・障害給付・介護給付の5種類があります。業務上の災害による損害を少しでも軽減し、各従業員周辺の生活を守るためには欠かせない保険です。

雇用保険に関する手続きを行ううえで、社会保険労務士に依頼を検討する方もいるでしょう。そのような中で、「自社にあった社労士事務所が見つからない」「社労士事務所選びに時間が割けない」とお悩みの方は、お気軽に「アイミツ」にお問い合わせください。数ある社労士事務所からあなたの要望にあった会社をピックアップして無料でご紹介いたします。

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社会保険の加入手続き

ではここからは、法人で各種社会保険の適用を受けるために、必要な手順を簡単にご紹介していきます。なお今回の記事では大まかな流れの説明なので、実際の処理に関しては、プロである社会保険労務士に相談するのがベストです。大まかな手続きの順序は、以下のとおりとなっています。

[1]社会保険適用の申請に必要な書類を作成
[2]加入申請の書類を用意(添付書類および従業員が記入する書類)
[3]所定の機関に提出
[4]保険証の受け取り
[5]社会保険料の支払い開始


なお医療保険・年金保険などの社会保険と、雇用保険・労災保険が該当する労働保険では、管轄の機関が異なるので注意が必要です。また介護保険に関しては、医療保険に付随して徴収されるので、新たに加入適用の手続きは発生しません。それでは次から、各手続きの具体的な方法を解説していきます。

加入手続きに必要な書類を準備

そもそも自社が社会保険未加入の場合には、新規適用に向けた手続きをしなければなりません。まずは各社会保険の入るために必要な書類をそろえて、所轄の機関に申請をします。届出用の書類は、次のとおりです。

[1]医療保険、年金保険
・健康保険・厚生年金保険 新規適用届
・健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書・同意書(強制適用外の場合)
・健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
・健康保険 被扶養者(異動)届
・健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書


[2]雇用保険、労災保険
・保険関係成立届
・概算保険料申告書
・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届

労働保険については、上記のほかに添付書類や従業員が記入する書類はないため、都道府県労働局をはじめとした受付窓口に提出します。書類ごとに申請できる窓口が異なるので注意しましょう。

会社が必ず用意する書類

医療保険・年金保険の加入申請の場合、企業側が添付して提出すべき書類があるので、忘れずに準備しましょう。用意しておく種類としては、以下のとおりです。

・法人(商業)登記簿謄本(個人事業なら事業主の世帯全員の住民票)、もしくは法人番号指定通知書等のコピー(事業主が国や自治体などの場合)
・賃貸借契約書のコピー ※所在地が登記との異なる場合


また従業員が60歳以上の再雇用のケースでは、退職日確認のために、就業規則や雇用契約書などの添付が求められます。

従業員が用意する書類

従業員に被保険者になってもらうには、各個人情報に関する書類も提出します。従業員に用意してもらう書類は、次のようなものです。

・基礎年金番号通知書(年金手帳)、またはマイナンバーカード
・健康保険被扶養者(異動届)


上記はあくまで原則で、例えば従業員が複数の企業に勤務しているケースでは、被保険者所属選択・二以上事業所勤務届などの書類提出が必要です。例外のパターンもあるので、従業員それぞれの状況に合わせて準備していきましょう。

必要書類を提出

社会保険の加入に必要な書類がそろったら、所定の提出先に届出をします。医療保険・年金保険に関する申請書類は、基本的には日本年金機構の管轄です。そのため会社の所在地を管轄している年金事務所や、全国にある事務センターに提出します。例えば仮従業員の住所や氏名などの個人情報が変わったり、退職して社会保険の資格が喪失したりする場合にも、医療保険・年金保険に関しては日本年金機構での手続きが必要です。
なお前述にもあるように、雇用保険に関連するものは、また医療保険・年金保険とは異なるので注意しましょう。雇用保険については、都道府県労働局・労働基準監督署・ハローワークなどが対応します。

契約に関する書類が後日送られてくる

無事に社会保険加入の申請が完了したら、健康保険証や雇用保険被保険者証などが届きます。特に医療保険関連の保険証は、もし通院や治療をする場合に必要となりますが、大体1週間~10日前後で送付されてくるのが一般的です。ただし入社シーズンなど、状況によっては時間がかかるケースもあります。
仮に従業員が保険証が届くまでに急ぎで病院に行くことが分かっている場合には、健康保険被保険者資格証明書交付申請書を提出するのも1つの方法です。保険証の代わりとして使える健康保険被保険者資格証明書を即日発行してもらえるので、個人の現状に応じて対応していきましょう。

受付完了の翌月から支払い開始

特に医療保険・年金保険の場合には、毎月20日頃に保険料納入告知書が届くので、翌月末の支払い期日までに所定の金額を納めましょう。給与からの天引き方法については、各従業員の入社時期・締め日・給与の支給日などによって異なります。きちんとタイミングを考慮した上で、どのように天引きするのか決めていきましょう。
なお保険料の支払いについては、口座振替をはじめインターネットバンキングといった電子納付も可能なので、検討してみることをおすすめします。

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ここまでに見てきたように、社会保険は従業員の待遇として非常に重要な要素です。ただ一方で、社会保険の手続きは複雑なので、なかなか手間も時間もかかってしまいます。そのため実際には、専門家である社会保険労務士に処理を依頼するのが無難です。
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