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パワーハラスメント防止に関する義務内容と就業規則の記載例【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

中小企業でもパワハラ防止法が適用される現在、社員の意識改革や職場環境の整備に頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、パワハラ防止法と企業で取り組むべき対策について詳しく解説していきます。

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職場のパワーハラスメントとは

職場におけるパワーハラスメントは従業員のモチベーションの低下や離職の原因となります。近年、パワハラを防止するための法整備が進んでおり、企業も対策を講じることが義務化されています。以下では、更に詳しく解説していきます。

パワーハラスメントの定義

パワーハラスメントとは上司や部下など職場における優越的な関係を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた、精神的、肉体的な苦痛を与える行為です。また、職場環境を悪化させるような行為も該当します。パワハラは脅しや暴言、暴力のほか、無視や隔離など人間関係からの切り離しも含まれます。また、明らかに一人ではできない業務を押し付けるなどの過大な要求、仕事を与えないなど過少な要求、プライバシーに立ち入るなどの個の侵害も該当します。

パワハラ防止法の制定で中小企業の対策が義務化

2022年4月「パワハラ防止法」が施行され、中小企業の対策も義務化されました。既に2020年6月1日ら大企業では実施されていましたが、中小企業でもパワハラ対策を行わなければなりません。法律上、中小企業に該当するのは以下の通りです。

卸売業 : 資本金1億円以下、従業員100人以下
サービス業 : 資本金5,000万円以下、従業員100人以下
小売業 : 資本金5,000万円以下、従業員50人以下
上記以外製造業など : 資本金3億円以下、従業員300人以下

パワハラ防止法による義務の内容

パワハラ防止法で制定された企業が負うべき義務として、4つの項目が明示されています。それぞれの内容を解説します。

事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発

パワハラ対策として事業主は方針等の明確化と周知啓発が義務付けられています。具体的には経営者などトップが職場からパワーハラスメントをなくすことを明確に示すことを求めています。また、就業規則でパワハラ禁止や違反時の処分など規定を設けることが必要です。

相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

パワハラ対策として相談窓口の用意と必要な体制の整備も求められます。相談窓口を設置したら全従業員に周知し、相談を受けたら内容に応じて担当者は適切な対応をしなければなりません。相談者は昇進や給与査定に響くことを恐れて相談しないケースもあるため、秘匿性や個人情報保護の取り扱いについても周知し、相談しやすい雰囲気を醸成することが大切です。

職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応

パワハラ防止法ではパワーハラスメントが発生後の適切な対応も明記されています。パワーハラスメントの相談を受けたら事実関係を確認します。相談者と行為者の認識は大抵違っているため、事実認定前にパワハラの有無を決めつけるのは不適切です。事実関係が明らかになったら、必要に応じて懲戒、配置転換など、会社としての対応について説明をします。パワハラは受け止め方の問題もあるため、完全になくすことは難しいですが、問題が起きたら解決策だけでなく必ず再発防止策も講じましょう。

プライバシー保護と、不利益取扱いの防止

パワハラ防止法ではプライバシー保護と、不利益取扱いの防止についても対策を講じています。パワハラは職場における優越的な関係性を背景に発生するため、パワハラを告発することで逆恨みされるのでは?と恐れる人は少なくありません。パワハラを相談するにはプライバシー保護と不利益取り扱いがないことが大前提で、会社はそのための措置を講じる必要があります。また、多くのパワハラは「認識の相違」から発生するため、時代の変化に対応した組織作りが求められます。

参考:厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf

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企業にできるパワハラ防止法の対策

大企業だけでなく中小企業でも義務化されたパワハラ防止法。企業にできる具体的な取り組みとして以下の4つの対策をご紹介します。

ハラスメント対応の担当者を決める

パワハラ防止の取り組みとして、まず最初にハラスメント対応の担当者を決めましょう。担当者はハラスメントが発生した際に相談を受け適切な対応をする役割を担います。担当は会社の在籍年数が長く、会社の事業内容や人事に精通していて、かつ過去にもめ事を解決した実績のある人が適任です。パワハラも内容は多岐に渡るため男女一人ずついると相談しやすくなるでしょう。人材不足の場合は経営者本人の対処でも構いません。

就業規則を規定する

就業規則にパワハラに関する記載がない場合は、パワハラ防止に関する規定を定めましょう。記載がある場合も内容が不足している場合は服務規律や懲戒規定などを追加します。ハラスメント防止規定は量も多く、就業規則本体に追加するのも面倒な作業となるので、別規定として別途定めることをおすすめします。加筆の際は条文を枝番で追加すれば全体の条文をずらす必要もありません。

社内に周知する

パワハラ防止にはハラスメントを禁止する旨を社内に周知することも大切です。社内への周知は、口頭ではなく文書ですることがポイントです。具体的な方法としてハラスメント禁止の旨を記載した文書を社内掲示板に貼る、Webサイトへの掲載などが挙げられます。繰り返し文書を目にすることで意識を高めていくことができます。

マニュアル作成

パワハラ防止にはマニュアル作成も効果的です。マニュアルは従業員がいつでも閲覧できる箇所に設置し、だれもが確認できる状態にしましょう。マニュアルには相談窓口の設置から聴取方法、対処法、留意点について詳細を記載します。マニュアル化することでハラスメント防止を社内ルールとしていち早く定着させられるでしょう。

就業規則への記載方法・記載例

ここからは、実際に就業規則へハラスメントに関する記載をする際の記載方法や記載例をご紹介していきます。
就業規則が既にあるという場合は、加筆するか、別規定という形で追加しましょう。加筆する場合は、「服務規律」や「懲戒規定」に記載するのが一般的です。書き方としては、ハラスメントを禁止する内容を誰もが一目でわかるようにシンプルに記載するのが望ましいと言えます。またその上で、パワハラの意味や伴う責任等について記載するのも良いでしょう。

厚生労働省が公開している「就業規則作成・見直しのポイント」では、「パワハラの禁止」について以下のような記載例があります。

第18条(パワーハラスメントの禁止)
従業員は、いかなる場合でもパワーハラスメントに該当するか、該当すると疑われるような行為を行ってはならない。

出典 厚生労働省「中小企業のための就業規則講座」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/15.pdf

また、パワハラについての記載だけではなく、そのほかのハラスメントについてもまとめて記載したいという場合は、文章にもボリュームが出るため、就業規則内に別規定を置く旨を記載し、詳細は別規定に書くのベストです。
就業規則内の記載例は以下の通りです。なお、別規定の記載例や懲戒に関する記載例も厚生労働省より公開されているため、参考にするのも良いでしょう。

第□条 職場におけるハラスメントの禁止 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント、セクシュアルハラスメント及びパワーハラスメントについては、第○条(服務規律)及び第△条(懲戒)のほか、詳細は「職場におけるハラスメントの防止に関する規定」により別に定める。

出典 厚生労働省「職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です!!」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000378144.pdf

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【まとめ】社労士事務所選びで迷ったらアイミツへ

職場におけるパワーハラスメントに関する特集は以上です。パワハラ対策は全ての会社で行うことが必要で、就業規則の整備、マニュアル作成、相談窓口の設置、プライバシー保護などやるべきことは多岐に渡ります。パワハラは認識の相違が原因となることも多いため社員研修も必要です。パワハラ対策についてお困りのことがあればアイミツまでお問い合わせください。ご要望を丁寧に伺った上で、おすすめの社会保険労務士事務所を無料で複数社ご紹介させていただきます。

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